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マガン飛び立ちに感激 加賀・片野鴨池

(上)一斉に飛び立つマガンの群れ(下)双眼鏡をのぞきながら、マガンが飛び立つのを待つ人たち=いずれも加賀市の市鴨池観察館で

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早朝観察催し 越冬渡り鳥 続々飛来

 加賀市片野町の片野鴨池に冬の渡り鳥が続々と飛来し、絶好のバードウオッチングシーズンを迎えている。二十三日には市鴨池観察館が特別に早朝から開館し、数百羽のマガンの群れが一斉に飛び立つ瞬間に親子連れや愛鳥家らが目を凝らした。(小室亜希子)

 午前六時半。夜明け前の観察館に約二十人が集まった。暗闇の中、桜井佳明レンジャー(31)の説明でマガンについて学びながら、飛び立つ瞬間を待つ。

 国天然記念物に指定されたマガンはロシアなど北極圏に近い場所で繁殖し、冬になると南下し越冬する。片野鴨池は西日本最大級の越冬地とされ、二十一日には七百羽が確認された。

 真っ暗だった鴨池が次第に明るくなり、たくさんの鳥が羽を休めている。午前七時二十分、突然「キャン、キャン」という鳴き声が激しさを増し、助走で羽が水面をたたく音が「ドワーッ」と響く。黒っぽい集団がまとまって上空を旋回し、遠くに消えた。

 早朝に飛び立ったマガンは十五~二十キロ離れた福井県坂井市周辺の田んぼで餌を食べ、日没後に鴨池に戻る。日中の鴨池で群れを見られることは少ない。前日から訪れた富山市の大学生笹本亨太さん(22)は「このサイズの鳥が一斉に飛び立つ瞬間を見られる場所はあまりない。それも暖かい屋内で」と満足げ。

 コハクチョウやヒシクイ、トモエガモなども多数飛来し、二月までにピークを迎える。桜井さんは「今日見た景色を他の人に自慢してください」と語りかけた。午前六時半の早朝開館は二十四日と来年一月五、六日にも実施される。

 

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