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【競馬・ボート・競輪】

[競馬]有馬記念 ブラストワンピース、平成最後のグランプリV

2018年12月24日 紙面から

有馬記念を制しガッツポーズするブラストワンピースの池添(左)。右は手を差し伸べるレイデオロのルメール=中山で(平野皓士朗撮影)

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 「第63回有馬記念」(GI・23日・中山・芝2500メートル)は、中団につけた単勝3番人気のブラストワンピースが、直線外から力強く伸びて抜け出し、レイデオロの追い上げを首差振り切って、GI初勝利を大一番で飾った。下半期のGI戦線は3歳馬が活躍。世代のレベルの高さが有馬記念でも証明された。池添謙一騎手(39)は同レース2013年以来の勝利で4勝目。同時に秋華賞から始まった外国人騎手のJRA・GI勝利を10週連続で止めた。大竹正博調教師(48)は2009年の厩舎開業以来、JRA・GI初勝利となった。

 強気のロングスパートの先に、夢に見た栄光のゴールがあった。暮れのグランプリは3歳馬ブラストワンピースが制した。古馬最強馬レイデオロの追い上げを首差しのぎ切り、堂々たるレースぶりで悲願のGI初制覇を成し遂げた。

 外国人ジョッキー旋風が吹き荒れた下半期のGI。秋華賞から朝日杯FSまで、実に10週連続でタイトルを奪われた。その流れを止めた池添は、1着を確信すると左手を大きく掲げて喜びを爆発させた。

 「ずっとこの馬に乗り続けてきて、ダービーと菊花賞では結果を出せなかった。それでもGIを取れると言い続けてきたから、本当にうれしい」と歓喜の表情を浮かべた。

 自ら引き当てた4枠8番から、道中は6番手でじっくりと脚をためた。勝負は4角手前。末脚を信じて一気に猛スパート。「前がしぶとい馬。後ろにレイデオロがいるのも分かっていたけど、このタイミングしかない」。渾身(こんしん)の右ステッキ。それに相棒も応えてくれた。直前まで降った雨で湿った馬場を力強く伸びると、逃げ粘るキセキをとらえ、さらに外から迫る1番人気馬の強襲も封じ込めた。

 池添はこれで有馬記念4勝目。武豊など歴代の名手を抜いて、単独トップに立った。「ドリームジャーニーやオルフェーヴル、そしてブラストワンピース…。名馬に乗せてもらっていたから。本当に感謝してます」。勝負強い“グランプリ男”は、歴代のパートナーに感謝の思いを伝えた。

 “俺のGI初勝利は、おまえのような気がする”。昨夏、大竹師から言われた言葉。「僕も“そんな気がします”と返したのを覚えています。ずっと乗せ続けてくれた大竹先生にプレゼントができて良かった」と笑顔で話した。

 デビューから全戦で手綱を取ってきた相棒は、平成最後のグランプリホースとなった。「まだまだ強くなっていく馬。来年は古馬のチャンピオンになれると思います」と自信をみなぎらせる。同じ勝負服の最強牝馬アーモンドアイにも負けてはいられない。新世代の王者が新しい時代を築いていく。 (中山競馬取材班)

 

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