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【スポーツ】

[フィギュア]紀平、意地の自己ベスト SP5位から巻き返し2位

2018年12月24日 紙面から

SP5位からフリーで完璧に近い演技を見せ2位に入った紀平梨花=東和薬品ラクタブドームで(木戸佑撮影)

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◇全日本選手権<第3日>

 ▽23日▽大阪府門真市・東和薬品ラクタブドーム▽女子フリーほか▽世界選手権(来年3月・さいたま)などの代表選考会を兼ねる

 ショートプログラム(SP)で5位と出遅れた紀平梨花(16)=関大KFSC=は大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2本とも成功させ、国際連盟非公認ながらフリーの「自己ベスト」となる155・01点。合計223・76点で逆転優勝はならなかったが、SPでのトリプルアクセル転倒を乗り越え、フリーで意地の演技を見せた。合計228・01点の坂本花織(18)=シスメックス=が初優勝を果たし、世界選手権代表に決定。伊藤みどり以来の5連覇に挑んだ宮原知子(20)=関大=は合計223・34点で3位に終わった。

 頂点まで後一歩届かなかった。それでもフリーでは大技のトリプルアクセルを2本決め、巻き返して総合2位。GPファイナル女王としての意地を見せ、「やってきたことを出したいと思っていた。自分の中でいい演技ができてすごくよかった」と満足感を口にした。

 冒頭の3回転半-3回転トーループの連続ジャンプを見事に着氷。続く3回転半も滑らかに決め、出来栄え点で2・74点を引き出した。国際スケート連盟非公認ながら今季フリーの自己ベストを更新する155・01点。SPでのトップとの8・01点差から全日本選手権史上最大の逆転劇とはならなかったが、持てる力をフリーにぶつけた。

 今年9月からはき続けたスケート靴に悩まされた。テープで靴の足首を固定しても、だんだんとテーピングが緩くなる。SP失敗の原因となった靴の柔らかさに対応するため、テープを巻き直したり、靴ひもの結ぶ固さを変えたりして試行錯誤。この日の公式練習でしっくりくる固定方法を何とか見つけ、不安をなくして演技に臨んだ。

 田村岳斗コーチは「何も言わないようにしました。いろいろ自分で考えてやった方がいいと思ったので」と本人の成長を促す狙いを明かした。全日本選手権では悩まされたとはいえ、今季の飛躍を足元から支え続けてくれた靴。演技前には「今までもありがとう。きょうもよろしくお願いします」と言ってリンクに滑りだした。

 シニアデビューの今季6戦目で初めて敗れた。それでもフリーでの自己ベストで確かな成長を見せたのも事実。「ショートが終わってからGPファイナルで1位を取れた選手ではないと思っていた。すごく不安だったけど、頑張りたいという気持ちの方が多くて、それから自信がつきました」。1つの困難を自分の足で乗り越え、GPファイナル女王がまた一回り成長した。 (谷大平)

 

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