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【格闘技】

野球から転向、20歳の湊 狙い澄ました右で逆転新人王

2018年12月24日 紙面から

3回、荒川竜平(左)からダウンを奪う湊義生=後楽園ホールで(七森祐也撮影)

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◇全日本新人王決定戦

 ボクシングの第65回全日本新人王決定戦が23日、東京・後楽園ホールで行われ、全12階級の新人王が決まった。フライ級では湊義生(20)=JM加古川=が東日本技能賞の荒川竜平(29)=中野サイトウ=に3回1分44秒TKOで勝ち技能賞も獲得した。初回にダウンを奪われながら3回に2度ダウンを奪う逆転勝ちで、通算成績は8勝(3KO)1敗となった。スーパーライト級では遠藤健太(34)=帝拳=が2回40秒TKO勝ちし、敢闘賞に選ばれた。

 狙い澄ました、湊の右ストレートが顔面をとらえた。まともに浴びた荒川は、コーナーまで吹き飛ばされ尻もちをつくようにダウンした。かろうじて再開に応じたが、ダメージは明らかで、すぐに湊が猛ラッシュで2度目のダウン。レフェリーはノーカウントで試合を止めた。初回、右カウンターで膝をつく最悪の立ち上がりだった20歳は、あざやかな逆転勝ち。「初回にダウンして少し焦りも生まれたが、逆にふっきれた。ダメージもなかったし、練習通りボディーストレートで下に意識を引きつけてから上を狙いました」

 岡山・倉敷高を2年で中退するまで野球部。ショートと投手を務め、遠投100メートルを誇った右のパワーが勝負の決め手だった。ボクシング転向は、父が辰吉丈一郎さんのファンだった影響もあって、今も辰吉に憧れる。「カリスマ性があって、負けた試合でもかっこいい」

 一方で、自らの歩む道はしっかり決めている。「日本ユース王者の松岡選手に挑戦したい。強い選手とやりたいので。新人王を取らなきゃ大きなことは言えないと思って今までジムの会長にも黙っていたんですけど」。ガソリンスタンドで働く湊は、1つ1つタイトルを獲得し辰吉のような世界王者を目指す。 (藤本敏和)

 

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