トップ > 中日スポーツ > 競馬・ボート・競輪 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【競馬・ボート・競輪】

[競馬]中山大障害 バロンJ、GI初制覇 オジュウ“主戦”石神が決めた

2018年12月23日 紙面から

大竹柵障害を飛越するニホンピロバロン(右)、左手前はアップトゥデイト=中山競馬場で

写真

 第141回中山大障害(J・GI)は22日、中山10Rで行われ、石神深一騎手(36)=美浦・フリー=の騎乗したニホンピロバロン(牡8歳、栗東・田所)が最終障害で先頭に立ち、タイセイドリームの追い上げを鼻差しのいでJ・GI初制覇。石神騎手はオジュウチョウサンとのコンビで直近のJ・GIを5連勝しており、この競走でJ・GI6連勝となった。1番人気のアップトゥデイトは最終障害で落馬、競走を中止した。

 腐らずまじめに黙々と。オジュウチョウサンの平地再転向以降も、石神は嫌な顔ひとつせずに同馬の調教に乗り続けていた。競馬の神様は見ていたに違いない。半年ぶりのぶっつけで坂下からいっぱいになるニホンピロバロンが、辛くもしのいだ着差は鼻差。「よくしのいでくれた。馬に感謝です」。石神は、自分のことは脇に置いて、まず馬をたたえた。

 春の中山グランドジャンプを勝った直後は当然、暮れの大一番もオジュウチョウサンで臨むものと思っていた。同馬の平地挑戦が表明されたのが夏前。障害騎手にとっては年末の目標が宙に浮くことを意味した。

 田所師から声がかかったのは10月ごろ。石神の父・富士雄元騎手が兄弟弟子だった縁もあり、同師が「まだ大障害の鞍はあいてるか」と電話をかけたという。

 美浦では毎日のようにオジュウに乗り、合間を縫って栗東へ足を伸ばすこと3度。「乗りに行ったからこそ、結果が出せたんだと思います」。努力は報われる。異なる馬にまたがってのJ・GI6連勝で、体現してみせた。

 さあ、石神は先に勝った。今度はオジュウの番だ。「僕はこれで今年の競馬は終わり。運をもう使う必要もない。今度は僕がオジュウを応援してあげたい」。最良の相棒にとっても、石神の挙げたこのタイトルがきっと勢いになる。 (若原隆宏)

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ