ソフトバンクの和田毅投手(37)が22日、巨人の杉内俊哉ファーム投手コーチ(38)とともに熊本市内で復興野球教室に参加した。和田は今季で現役引退した同学年の元同僚に、粋なサプライズ。捕手として一時代を築いた城島健司さん(42)と、2004年に平成唯一の三冠王に輝いた松中信彦さん(44)をひそかに招き、「杉内投手」の引退式を敢行した。
「スギは引退試合をしていなかったし『最後は城島さんに受けてもらいたかった』と言ってたから。松中さんに打席に立ってもらったらいい引退式になる」。和田はダイエー時代のユニホームを用意。袖を通した杉内コーチは、ゆったりとしたフォームで城島さんのミットに投球。打席の松中さんが大きく空振りし、和田が高らかにストライクをコールした。
杉内コーチは「泣きそうになった」と感激。城島さんから「今後は第2の杉内を育ててほしい」とエールをもらうと、「城島さんのおかげでやってこられた。いろんな経験をしたので、若い選手に伝えていければ」と話した。
大成功の仕掛け人・和田は「3人の思いを背負って、しっかり投げられるように頑張りたい」。ダイエー魂を胸に刻み、復活を誓った。