【スポーツ】[レスリング]男子FS86キロ級は高谷が“8連覇”2018年12月22日 紙面から
◇全日本選手権<第2日>レスリングの全日本選手権第2日は21日、東京・駒沢体育館で男女19階級があった。男子フリースタイル86キロ級ではリオデジャネイロ五輪74キロ級代表で、今大会で階級を上げた高谷惣亮(29)=ALSOK=が優勝。74、79キロ級を含めて男子フリーでは最多タイの8連覇を達成し、東京五輪メダル獲りへ手応えをつかんだ。女子62キロ級は世界選手権銀の川井友香子(21)=至学館大=が制した。 ◆79キロからわずか2カ月で体を改造「タックル王子」の異名をとる高谷が新階級でも強さを証明した。決勝では86キロ級の世界選手権代表・白井勝太(日大大学院)を一方的に攻め立てた。最大の難敵に十八番のタックルを決めてリードを奪うと、3分足らずでフォール勝ち。「いい試合ができた。自分らしく思い切りやった」 準決勝では2017年世界選手権代表の松坂誠応(日体大)に2-1で競り勝った。この階級で世界経験のある2人を連破しての文句なしの戴冠だ。試合後は大会の名物となったウイニングダンスで、人気ドラマ「今日から俺は」のポーズを披露して喜びに浸った。 中量級では長くエースとして君臨してきた。14年世界選手権では銀メダルも獲得したが、ロンドン五輪では初戦敗退、リオデジャネイロ五輪では準々決勝で敗れた。178センチの長身で減量苦もあった。階級を上げての東京五輪挑戦が悲願のメダルへの切り札だ。 10月に79キロ級で世界選手権に出場した後、急ピッチで五輪階級の86キロ級に合わせた体へと改造。拓大の先輩にあたるロンドン五輪金の米満達弘コーチのアドバイスに従い、体幹トレーニングを増やした。「体がずっしりした。力とスピードでねじ伏せた」とバランスの取れた体に仕上げた。 11月には新妻と結婚式を挙げた。「86キロ級の海外勢は身長が高いから、タックルに入りやすいはず。東京五輪に向けてもっと進化していきたい」。心機一転、3度目の五輪へと突き進む。 (木村尚公)
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