【スポーツ】[フィギュア]紀平、トリプルA失敗 SP5位発進もフリーで逆転Vだ!2018年12月22日 紙面から
◇全日本選手権<第1日>▽21日▽大阪府門真市・東和薬品ラクタブドーム▽女子ショートプログラム(SP)ほか▽世界選手権(来年3月・さいたま)などの代表選考会を兼ねる 今月上旬のグランプリ(GP)ファイナルで日本勢として2005年の浅田真央以来となる初出場優勝を遂げた紀平梨花(16)=関大KFSC=は冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒し、68・75点で5位と出遅れた。5連覇が懸かる宮原知子(20)=関大=がほぼミスなしの演技を披露し、76・76点で首位。昨年2位の坂本花織(18)=シスメックス=が75・65点で2位、三原舞依(19)=同=は72・88点で3位につけた。 世界最高得点保持者がまさかの5位発進だ。GPファイナル女王として臨んだ紀平は、伝家の宝刀のトリプルアクセルで転倒するなどして68・75点。今月上旬のGPファイナルでマークしたルール改正後のSP歴代最高となる82・51点に遠く及ばない結果に「準備からダメだった。不安が残る状態で試合に臨んでしまった」と悔やんだ。 懸念材料だったスケート靴がやはり鬼門だった。今年9月から再び使い始めていた靴は激動の今季を戦う中で疲弊。テープで巻いて履き心地を調整していたが、6分間練習で柔らかく感じてテープを巻き直した右足が演技直前に硬く感じた。「なんでこんなに硬くし過ぎたんだろう」と演技に集中できなかった。 冒頭のトリプルアクセルで体を氷に打ちつけるほど大きく転倒。続くフリップ-トーループの連続3回転ジャンプは2本目のトーループが2回転にとどまった。最後の3回転ルッツはきれいに決めるも、得点源の技術点が伸びなかった。 SPでまさかの大きな出遅れも、フリーでの巻き返しに光明はある。GPシリーズのデビュー戦となった11月のNHK杯でもSPは5位。フリーで150点超えの得点をたたき出し、首位との6点以上の差を逆転した。今回はトップとの差はさらに大きい8・01点だが、2本組み込むトリプルアクセルを成功させればNHK杯の再現も見えてくる。 「原因は分かっている。しっかり靴と自分のメンタルを調整して、いつも通りリラックスしてフリーに臨みたい」。05年の浅田真央ですら成しえなかったシニア転向シーズンでのGPファイナル、全日本選手権の2冠を大逆転で狙う。 (谷大平)
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