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【芸能・社会】

河村花「5年後はハリウッド」 「ニセコイ」で映画初出演の17歳

2018年12月22日 紙面から

紅葉をバックに笑顔を見せる河村花=東京都千代田区で(いずれも北田美和子撮影)

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 21日に公開スタートした「ニセコイ」(河合勇人監督)に、宮本るり役で映画初出演したのが河村花(17)。小学校6年間、毎回「学級委員」に立候補してすべて落選した女子高生が、ついに見つけた「私の場所」とは…。「5年後はハリウッド女優」と自信たっぷりに夢を語る、河村に聞いた。 (中林康彦)

 思わず聞き返してしまった。河村の話が信じられなかった。

 「小学1年から6年まで6年間、学級委員に立候補して全部落ちました。前後期の2回ずつ計12回、一度もなれなかったんですよ」

 記者の小学生の頃なんぞは立候補すること自体が恥ずかしく、推薦されたり教師に促されて渋々…というものだった。時代か。「みんな目立とうって、競い合いなんですよ」と笑われた。それにしても幼なじみも多い小学生にとって、毎回立候補、毎回落選は「変わった子」どころではない。「前の日からスピーチも考えてました。『私が学級委員になったら、みんなが明るく過ごせるクラスにします』って。私は真剣だったんですけど、みんなには『どうせまた笑いを取りにきた』って思われてた」

     ◇

 愛知県日進市に生まれた。愛・地球博も開かれた広大な森林に近く自然豊かな名古屋のベッドタウン。父と母が出会ったのが花屋だったから名前は「花」。祝福されて生まれ、愛されて育った。それは特技の多さでも分かる。しかし、「ピアノは学級委員の子がやっていたから、同じ教室に通わせてって。書道もそう。あの子が人気あるのはピアノや書道のおかげだって思っちゃった」。なるほど本気だ。でも今なら分かる。たまたま競うものに学級委員があっただけで「負けず嫌いだったんですね」。

 小学1年から始め、今も続けているものがある。地元の合唱団だ。「2年に1度ミュージカルの発表会をやってて、それを見て『これだ』って。歌うことが好きで始めましたが、ここで演技の面白さに目覚めました。褒められ、初めて『私』というものを認められた」

 習い事に夢中でテレビを見る暇もなく、芸能人に関心はなかった。中学生になって母親の雑誌のグラビアで見た小松菜奈に目が吸い寄せられた。「この人、なんてキラキラしてるんだろうって。すぐに調べて、私もこういう風にキラキラしてみたいと思った」。やりたいと思ったら、気持ちを止められない。黙って小松の所属事務所のオーディションを受けると、あっさり合格。「実は自信満々でした」。学級委員選挙もミュージカルも、この準備だったことに気付いていた。

 幼稚園の初恋も、相手は「変わった子だった」という。「幼稚園児なのに自分を持っているような。その後も好きになる子は、孤高の人っていうか、知的で、俺はみんなと違うっていうムードの人。友達にはおかしいって言われるし、なんでだろうと思ってた」。映画初出演の「ニセコイ」で理由が分かった。「スタッフもキャストも、私の気になる人ばかり。芸能人って同じ人間とは思えなかったんですけど、会ってみたら普通の人よりも人間味がある。私の求めていた場所はここだったって思いました」

 いつでも「おはよう」とあいさつするなど業界の習慣も慣れた。目立とう精神で「映り込み」に挑戦。夢の世界の楽しみ方ばかりか、映画の作り方も知った。「ラスト近くで主演の2人がアドリブ演技を始めて私が驚くシーンがあるんですが、会心の演技ができたと思ったのにカットされていたんです。監督も初めて笑ってくれたのに。自分で反省して、いっぱい出られるように頑張ろうって思いました」。女優人生は始まったばかり。何しろ彼女は6年間12回も学級委員に落選したのだから。

 5年後はどうしているかと聞くと即答した。

 「ハリウッドで映画に出てます。いま外国人の先生について、英語の勉強もしているんですよ」

<河村花(かわむら・はな)> 2001(平成13)年10月28日生まれ、愛知県日進市出身。身長165センチ。愛知県内の高校に在学中、2年生。TOKAIの企業広告や名古屋鉄道のCMなどに出演。趣味は茶道、絵本集め、吉本新喜劇鑑賞。特技はピアノ、書道六段、剣道二段、新体操、水泳。血液型はB。

インタビューに答える河村花

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