FF8の真実

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FF8に関して巷でよく耳にするのは、

  • とにかくドローに時間が掛かる。ドローがゲームをつまらなくしている。
  • 召喚魔法が強すぎて通常攻撃や攻撃魔法を使う意義が薄い。
  • 同一の魔法は100個しか持てないので勿体なくて魔法が使えない。
  • 敵を倒してもお金が貰えない。給料制はFF8から敵と戦う意義を奪っている。
  • こちらのレベルに合わせて敵が成長するシステムのせいで安心して敵を倒せない。

といった意見だ。だが、それらは誤解に過ぎない。このページでは、FF8の本当の姿をざっと紹介してみよう。

モンスターからお金が貰えない訳とは?

FF8では、モンスターを倒してもお金は貰えない。だが、その点を指して、FF8は前作に比べてゲーム性が退化していると結論付けてしまうのは気が早い。
 
実は、FF8は戦闘終了後に手に入るアイテムの仕様が微妙に変わっている。

  • 入手率が高い。なんと平均50%以上の確率でアイテムを入手できる。
  • 量も多い。高レベルの魔物の中には、同時に6個も8個もアイテムを落とす奴がいる。

しかも、魔物が落とすアイテムの半数以上が、魔法の材料となるアイテムだ。例えば、

魚のヒレウォータ20個の材料。 
ボムの右腕ファイガ20個の材料。 
風車トルネド20個の材料。 

そのうえ、FF8はジャンクション制を採用しているため、魔法の入手がそのまま能力値の上昇に繋がる。

従来魔物を倒す→お金を入手→店で武具を買う→装備してパワーアップ
FF8魔物を倒す→アイテムを入手→魔法に精製→ジャンクションしてパワーアップ

細部こそ違うものの、大まかな構造はFF8にもしっかり継承されているのだ。
 
ただし、ジャンクション制は、装備の単純な代替ではない。

  • 誰でも装着できる。詳細はレベルの項で説明するが、FF8は控えのキャラを利用することも重要なので、『控えのキャラの装備を用意していなくて困った』という状況が発生してしまう装備制はちょっとマズイ。
  • HPや運など、装備では対応しにくい要素も大幅に強化できる。どんなに攻撃力や防御力が高くてもHPが低いとつらい。レベルに関係なくHPを増やせるからこそ、FF8はどんどん先に進むことができる。

そして最も大きな違いは、

  • お金を溜めて武具を買う従来のシステムなら、最も効率よくギルを稼げるモンスターを見つけて、繰り返し倒すのがベストだった。
  • FF8の場合は同じ種類のモンスターを過剰に狩っても意味がない。『アルケオダイノスから恐竜の骨を集めたら、次はケダチクから蜘蛛の糸を集めて、その次は…』という風に色々な敵と戦ったほうが得をする。

つまり、

従来最も効率よく稼げる魔物を見つけて倒しまくろう。
FF8色々な魔物から色々なアイテムを集めよう。

なぜショップの種類が少ないのか

FF8には、たった5種類のショップしか存在しない。

  • 普通のショップ。世界各地にあり品揃えは共通。
  • ティンバーのペットショップ。G.F.関係のアイテムが揃っている。
  • エスタの特別なショップ、ペットショップ、本屋。ゲーム終盤なので品揃えがすごい。

だが、店の種類が少ないという事実は必ずしもFF8の欠点とはならない。何故なら、

従来質より量で勝負。個々の店に深みはないが数は多い。
FF8量より質で勝負。店の種類を厳選する代わりに個々の店を濃密にした。

FF8の店のどの辺が濃密なのか具体的に説明してみよう。
 
各地の都市にある普通のショップで購入できるアイテムは15種類だ。

ポーション(100)ハイポーション(500) フェニックスの尾(500) 
毒消し(100)目薬(100) 金の針(100) 
山彦草(100)聖水(100) 万能薬(1000) 
テント(1000)燃料(3000) 通常弾(20) 
散弾(40)Gポーション(200) Gリターナー(500) 

この15種類のアイテム、試しに精製してみよう。するとなんと…。

 費用 材料 解説 
速射弾 20 通常弾 炎魔法精製
(Disc1)  
火炎弾10発 3000 燃料 
ケアルガ10個 1000 テント 生命魔法精製
(Disc1)  
ゾンビー2個 100 聖水 
バイオ 100 毒消し ST魔法精製
(Disc1)  
ブライン2個 100 目薬 
ブレイク3個 100 金の針 
サイレス2個 100 山彦草 
メガポーション 4000 テント×4 回復薬精製
(Disc2)  
エスナ5個 1000 万能薬 サポート魔法精製
(Disc2)  
ポーション改 300 ポーション×3 薬レベルアップ
(Disc3)  
ハイポーション改 1500 ハイポーション×3 
エクスポーション 4500 ハイポーション改×3 
万能薬改 10000 万能薬×10 
メガフェニックス 25000 フェニックスの尾×50 
フェニックスの羽 75000 メガフェニックス×3 
エリクサー 100000 万能薬改×10 
ラストエリクサー 1000000 エリクサー×10 
エリクサー 80000 メガポーション×20 禁断薬精製
(Disc3)  
ラストエリクサー 800000 エリクサー×10 
医術の心得 800000 エリクサー×10 G.F.能力薬精製
(Disc3)  
フェニックスの魂 1500000 フェニックスの羽×20 

精製アビリティの取得に沿ってバリエーションが増えていく点に注目してほしい。実はFF8のショップは、精製という新システムを通して、ゲーム序盤から終盤まで漏れなく役立つのだ。ゲーム中盤以降のショップは精製のための材料購入のために存在していると解釈してしまっても構わない。FF8は表面的にはギルの使い道が殆どないゲームに見えるが、実際は歴代FFシリーズの中で最もギルの使い甲斐のある作品の1つなのである。
 
しかも、FF8は魔法ジャンクション制を採用しているため、能力値の強化や魔法の補充すらショップで出来てしまう。前述の表から抜粋すると、

 100個 能力値 解説 
ケアルガ 10000 HP+2200 回復魔法としても有能。ケアルガ1回あたり100ギルは撃安。 
バイオ 10000 ちから+24 ファイア(+10)やファイラ(+15)よりも強い。 
ブレイク 3400 魔力+34 なんとファイガ以上の上昇量。 
ブライン 5000 命中+30 しかもピンチ度を上げるのに重宝する。 
ゾンビー 5000  ゾンビー→レイズのコンボで強敵アルケオダイノスも楽勝。 
サイレス 5000  こちらもピンチ度を上げるのに重宝。 
エスナ 20000  万能薬と同等以上の効果がなんと1回200ギル。 

要するに、

従来店で武具を買う→武具を装備する→キャラクター強化
FF8店でアイテムを買う→魔法に精製してジャンクション→キャラクター強化

実は『お金を溜めてキャラクターを強化する』という枠組み自体はFF8にも用意されていたのだ。しかも、魔法ジャンクションという形で一元化されているため、従来のFFでは難しかった「ギルを支払って最大HPを強化」すら出来る。
 
これだけでも十分にFF8製作スタッフがどれだけ気合を入れてショップを作っているか分かると思うが、さらにもう一押し。

  • ここの解説で出した例はあくまで5種類あるショップのうちの1つに過ぎない。
  • 他のショップではもっとスゴイ精製が待っている(本屋は除く)。

詳細は『システム俯瞰』の『雑学』のコーナーを参照のこと。
 

※燃料から火炎弾に精製する情報はオメガさんに頂きました。ありがとうございます。
※腰痛ウェンディゴさんから『ゲームを進めるにつれて得られるアイテムが増えていく』ということが分かるように表現を工夫してみてはどうかアドバイスを頂きました。ありがとうございます。

魔法のストック

1人のキャラクターは同一の魔法を100個しか持てない。魔法の所持数がそのままジャンクション性能に直結するので、FF8は魔法を乱用できないゲームのように思えてしまう。だが、その悩みも精製が解決してしまう。

  1. 確かに魔法は100個しか持てない。
  2. だが材料アイテムは魔法とは別に100個ずつ持てる。
  3. 魔法の予備は材料の状態でストックしておけばいい。

例えば、

ケアルガテント100個でケアルガ1000個分のストックができる。お店で好きなだけ購入できるので実質的には使い放題。 
グラビデ鉄球100個でグラビデ1500個分のストックができる。足りなくなりそうならティンバー周辺で補充するといいだろう。 
ヘイストダッシューズ100個で2000個分のストックができる。実際はダッシューズが10個(ヘイスト200個)もあれば実戦で困ることはないだろう。 

もちろん、中には精製でも作りにくいレアな魔法も存在する。だが、レア魔法には意外な救済策があり、

ダブルやトリプルG.F.ケルベロスで代用できる。 
ペインG.F.グラシャラボラスや特殊技の臭い息や溶解液で代用できる。 
メテオやアルテマリノアのヴァリーなら消費なしで攻撃魔法が使える。 
オーラやアレイズ一見するとレア魔法だが実は意外な手段で簡単に入手できる。 

ドローと精製

FF8には魔法入手の手段が2つある。

ドロー魔物やドローポイントから魔法を吸いとる。
精製アイテムから別のアイテムや魔法を作り出す。

システムに慣れないうちは、全てのG.F.が初期取得しているドローに目がいってしまうだろうが、

  • モンスターから手に入れたアイテムの精製
  • お店で買ったアイテムの精製
  • 材料の状態でストックしておき必要なときに精製するテクニック

今までに紹介してきたテクニックが全て精製絡みである点からも分かるように、本当に刺激的で面白いのは精製のほうだ。
 
でも、これだけ精製を持ち上げてしまうと、今度は逆に『そんなに精製が便利ならドローは必要ないの?』と思ってしまう人がいるかもしれない。だが、

  1. 序盤のボスの殆どからはケアルをドローできる。つまり、あらかじめケアルをたくさん溜めておく必要がない。
  2. 警備員やグラッドはドロースリプルで眠る。ウルフラマイターにはドローグラビデが効果的。
  3. クアールは即死魔法を連発する強敵だがレイズをドローできるので慌てる必要はない。

要するに、ドローは魔法の現地調達の手段として有益なのだ。

ドロー戦闘中に魔法を補充できるのが利点。魔法を大量に集めるには向いていない。大量に用意する必要はないけど幾つか魔法が欲しいときなどに威力を発揮する。
精製あらかじめ材料を用意しなければいけないものの、魔法を一気に作り出せる。ジャンクション目的で魔法を大量に揃えたいときに効果的。

ドローに頼るだけでは効率悪いし、精製に頼るだけでも効率悪い。ドローと精製の双方をうまく利用するのが一番だ。ぜひ、ドローと精製を適材適所で用いてスマートに魔法を集めていく楽しさを堪能してみてほしい。
 

補足よく耳にする「ドローがたるい」という感想は、精製で集めるべき魔法をドローで強引に集めてしまうことが原因なのである。

FF8の『エンカウントなし』の意義

FF4~10の通常戦闘は障害としての機能を果たしていない。というのも、

FF5、FF9、FF10『とんずら』で逃げられる 
FF4、FF6、FF7『テレポ』で逃げられる 

簡単に戦闘を回避する手段が用意されているからだ。例えば、FF4のフェイズは強敵だが、テレポで逃げてしまえば、なんの驚異にもならない。
 
SFC以降のFFシリーズの通常戦闘がキャラクター育成と戦闘好きな人間のための任意要素に過ぎないことを踏まえれば、FF8の『エンカウントなし』が序盤で手に入るというアイディアはPSの特性を活かした実に見事なものだと言えるだろう。

  • PSはハードの特性上、データの読み込みに時間が掛かる。
  • 『とんずら』だとエンカウントしてからコマンド入力が始まるまでの待ち時間が勿体ない。
  • 『エンカウントなし』なら戦闘開始時の読み込みもないのでストレスが溜まらない。

しかも、FF8の通常戦闘の意義は、主にアイテムの入手にある。APや経験値のような蓄積型の要素なら別の地域に住んでいる別のモンスターで代用することもできるが、アイテムの場合はそうもいかない。

  • 新しい地域を訪れたら『エンカウントなし』を外して出現するモンスターをチェック。
  • めぼしいモンスターがいなければ『エンカウントなし』を付けて快適に前進
  • 新出モンスターやアイテムが魅力的なモンスターがいたら納得いくまで狩る

この過程が実に楽しい。

給料制の真実

給料制はゲームを淡白にしてしまっていると思われがちだが、そんなことはない。

  • FF8ではモンスターを倒してもギルが貰えない。
  • その代わりFF8ではモンスターを倒すと高い確率でアイテムが手に入る。

つまり、モンスターからギルをもらってアイテムを買うのではなく、モンスターから直接アイテムを頂くのがFF8流というわけだ。
 
ちなみに、

  • モンスターをたくさん倒せばSeeDランクが上昇して間接的にギルが増える。
  • モンスターが落とした戦利品を売却すればギルを稼げる。

戦闘とギルの関係が完全に断たれたわけではない。

カードの秘密

FF8の一部のボスモンスターは必ずカードを落とす。でも、せっかくカードを貰ってもカードゲームを遊ばないプレイヤーには意味がないと思ってしまいがちだ。
だが実はG.F.ケツァクウァトルが覚える『カード変化』というアビリティと精製を組み合わせることで、

ディアボロスのカードブラックホールを経由してグラビデ3000個分の材料になる。 
セクレトのカード恐竜の骨を経由してクエイク2000個分の材料になる。 
ミノタウロスのカードアダマンタインに変化可能。体力+80%。最強武器の材料。 

カードゲームに興味のないプレイヤーにとっても、カードはパーティー強化の手段として有益なのだ。

召喚魔法の演出時間が長い理由

くどくど説明するよりも、下記の表を見たほうが早いだろう。

召喚魔法強くて手軽。でも演出に時間が掛かる。 
特殊技強くて早い。でもHPを低く抑えておかないと出せない。 

要するに、

  • 戦闘が得意なプレイヤーは特殊技を中心に攻めることで一気に敵を倒せる。
  • 戦闘が苦手なプレイヤーも召喚魔法を中心に攻めることで時間は掛かるが敵を倒せる。

FF8は、プレイヤーの腕前がバトルのテンポの良さに直結するわけだ。
 

補足実は召喚魔法には演出時間の長さを活かした利用法がある。それは『召喚魔法の演出中にスロットの結果を粘る』という使いかただ。特にG.F.エデンなら1分以上スロットに注力できる。演出時間の長いコマンドがまったく無くなってしまうと、それはそれで困るわけだ。

プレイスタイルによって召喚魔法が強く見える理由

これも分かり易いよう表にしてみた。

物理系の攻撃ちから(能力値)に依存。
魔法系の攻撃魔力(能力値)に依存。
召喚魔法例外的にG.F.のレベルに依存。能力値には依存しない。

FF8の能力値は魔法やアビリティの組み合わせによって大きく変わるので、

  • 召喚魔法は魔法やアビリティの組み合わせが中途半端でもそこそこ強い。
  • 他の攻撃手段は魔法やアビリティの組み合わせによって、強くも弱くもなる。

魔法集めに受動的だったり、アビリティの組み合わせが目茶苦茶だったりすると、特殊技や通常攻撃は弱いままになってしまうわけだ。
 
ちから上昇の詳細については↓参照のこと。

通常攻撃のコツ

FF8の通常攻撃に関する評価はプレイヤーごとに真っ二つに分かれる。

  • いわく、FF8の通常攻撃は弱すぎる。レベル100でもダメージが500に達しない
  • いわく、FF8の通常攻撃は反則なぐらい強い。レベル10でも5000ダメージを超える

これはどちらかが嘘をついているという訳ではない。どちらも正しい。というのも、

  1. FF8ではレベルが上がっても物理ダメージは大して上がらない。
  2. FF8で物理ダメージを増やす主な方法は、強い魔法と強いアビリティをジャンクションすること。
  3. 『強い魔法』というのはファイガやブリザガのことではない。もっと上位の魔法が必要。
  4. アビリティによるダメージの上昇量は想像以上に高い。軽視するのは勿体ない。

からだ。
このうち3番と4番に関しては補足が必要だろう。

Name 力 位置付け 
ファイア等 +10 下の下 
ファイラ等 +20 下の中 
ファイガ等 +30 下の上 
クエイク +40 中の下 
フレア +56 中の中 
メテオ +75 上の中 
アルテマ +100 上の上 

FF8のファイガは下位クラスの魔法に過ぎない。強敵を打ち破る攻撃力を手に入れるには、もっと上位の魔法が必要だ。
 
また、アビリティに関してだが、FF8のダメージ計算式には累乗が組み込まれている。だから『ちから』が20%上昇したからといって物理ダメージが20%しか上がらない訳ではない。下表はおよその目安だが、

ちから+20%実ダメージが約1.4倍になる 
ちから+40%実ダメージが約1.8倍になる 
ちから+60%実ダメージが約2.4倍になる 

実はFF8の『ちから+60%』は、FF5の『両手持ち』をも上回る強力なアビリティなのだ。更に、上記のアビリティは重複装着可能なので、ちから20~60%までを全て装着すると物凄いことに…。

レベル連動制の謎

FF8は、レベルに関して不思議なシステムを採用している。

  • バトル参加キャラの平均レベルに応じてモンスターのレベルも決まる。
  • レベルの高いモンスターからは、より強力な魔法やアイテムを入手できる

レベルを上げると敵が強くなる。かといってレベルを上げないと、魔物から入手できる魔法やアイテムが貧弱なままだ。
 
一見すると二律背反に感じるこの状況。だが実は、とても単純な方法でジレンマを解決できてしまう。その方法とは、仲間を2つのチームに分けることだ。

収集チーム普段はこちらでゲームを進める。経験値は積極的に稼いでよい。レベルが高いので強力な魔法やアイテムを入手できる。ちなみに、スコールは主人公なので両方のチームに参加。
決戦チーム収集チームでは歯が立たない強敵に挑むときのみ戦闘に参加。普段は戦闘に参加しないのでレベルも殆ど上がっていないはず。バトル参加キャラの平均レベルが下がるので、敵も弱くなる。

もし仮にスコールのレベルが50でも、仲間2人のレベルが10なら、平均レベルは23になる。実は、控えの仲間の存在がレベル連動制を使いこなすための鍵だったのだ。
 

補足FF8の『低レベルでもボス戦で活躍できてしまう』状況そのものに違和感を感じる人もいるかもしれない。だが実は、レベル制の否定自体がエンディングの伏線になっている。もしもエンディングを見ても何の伏線だったのか分からなかった人はエンディング考察ページを読んでほしい

レベルを上げる利点

レベルが上がると強化されるモンスターのデータは能力値や行動だけではない。入手できる魔法やアイテムも強化される。例えば、

 レベル ドローできる魔法 戦利品 ぶんどる 
ボム 1~19 ファイア 魔石のかけら
ボムのかけら  
ボムのかけら 
20~29 ファイア
ファイラ  
魔石のかけら ボムのかけら 
30~100 ファイア
ファイラ
ファイガ
メルトン  
ボムのかけら ボムのかけら
ボムの魂  

アルティミシア城の通常モンスターのレベルはランダムなので、最終的にはレベルが低いままでも強力な魔法をドローできるようになるが、そこに至るまでは低レベルのままだと少し寂しい。
レベルが低いうちの入手物の貧弱さはカードゲームやG.F.トンベリで補うこともできるが、どちらも1周目では難しい。初プレイ時はそこそこのレベルがあったほうが簡単にゲームが進む可能性もある

レベルを上げる利点その2

レベルを上げる利点の1つは、スコールのレベルまでしか受けられないSeeD昇進試験を通して、システムがより理解できる+収入が増えるということだ。例えば、

  • 1人のキャラクターでは全ての魔法は持てない(=魔法を手当たり次第に集めても後で捨てる羽目になりがち)。
  • 戦闘中にターゲット選択ウィンドウを出すのはL1ボタン。
  • ピンチになるほど特殊技が強くなる(=特殊技にも強いときと弱いときがある)。

こういった有効性の高い知識が、SeeD昇進試験を通して身につく。その意味で、やはり、初プレイ時はそこそこのレベルがあったほうがゲームがスムーズに進む可能性もある。攻略本とか攻略サイトに頼りながら遊ぶと必要ないが。

レベルの更なる役割

FF8はレベル連動制という奇妙なシステムを採用している。このシステムの意義を理解するには、幾つかの材料が必要だろう。

  • ボス戦闘では経験値は貰えない。
  • 通常戦闘は『エンカウントなし』や逃亡で簡単に回避できる。
  • FF8はドローや精製など、敵を倒さなくてもキャラクターを成長させる手段が揃っている。

つまり、

レベルが高い必ずしも戦う必要がない通常モンスターを自ら積極的に倒しまくった人。
レベルが低い必要ない戦闘はできるだけ避けて来た人。

だから次のようにも理解できる。

高レベルコースバトルマニア向け 敵を積極的に倒すレベルが上がる更なる強敵と戦える
低レベルコース戦闘に興味のない人向け戦闘しないレベルが上がらない敵は弱いまま

FF8の経験値稼ぎはモンスターを鍛える行為だと考えても分かり易いかもしれない。無論、それもFF8が持つレベルの意義の1つに過ぎないが。

チュートリアルの使いかた

さんざん使いにくいと言われるチュートリアル。だが実は、

  • 簡単に言えばチュートリアルの使いかたは辞書や辞典と同じ。
  • 辞書や辞典を先頭から末尾まで順を追って読む奴はいない。
  • チュートリアルも先頭から末尾まで順を追って読むのは面倒なだけ。
  • 調べものがあるときに関連のありそうな項目に当りをつけて引けばよい。

例えば、

  • SeeD試験で分からない問題にぶつかったら、関連のありそうな項目をチュートリアルで調べてみる。
  • 効果の分からないアビリティを見つけたらチュートリアルで効果を調べてみる。

SeeD試験はそういうチュートリアルの読みかたを前提に問題作成されているのだろうね。

暗黒や特殊技が弱すぎる?

暗黒コマンドも特殊技も、基本的に通常攻撃のダメージが基準になる。

暗黒通常攻撃の3倍の威力。 
特殊技連続剣の1発ごとの威力は通常攻撃の1.1倍。 

つまり、通常攻撃の威力を強化すれば暗黒や特殊技の威力も強化されるわけだ。

ボス敵よりHPの高い雑魚敵が多数いるのはゲームバランスの破綻?

例えば、

エルヴィオレ(ボス)HP3400未満 
アルケオダイノス(雑魚)HP10000以上 

これだけ見るとFF8はバランスが破綻しているように見える。
だが、

エルヴィオレ(ボス)当然のことながらデスもブレイクも効かない。 
アルケオダイノス(雑魚)デスもブレイクも有効。抵抗率も低い。 

どんなにHPが高くても雑魚はしょせん雑魚だ。耐性の面ではボスには負ける。単純にHPだけを見てバランス云々を語ることは出来ないのだ。

1周目からカードゲームに勤しんだほうがいい?

カードゲームをやり込むとストーリーが間延びして意味不明になり易い。個人的には、カードゲームは2周目以降のお楽しみに取っておくといいと思う。

ポケットステーションは必須?

さぁ? とりあえず俺はポケットステーションを持っていない(後に借りた)ので、FF8を楽しむのにポケットステーションの有無は関係ないとだけ言っておきます。全アイテムやGFを入手したいのなら話は別だろうけどね。

FF8は恋愛ドラマ?

ちょっと違う。恋愛ドラマならスコールとリノアの微妙な心の駆け引きがもっと緻密に描かれていたはずだ。FF8のテーマは『愛』だが、これは『愛するものを護る戦い』という形でバトルやミッションに結びついているのだ。
リノアを守るために魔女アルティミシアの打倒を目指すスコール、エルオーネを救うためにエスタに乗り込んだラグナ、占領された故郷バラムを開放するのに必死だったゼル、トラビアガーデンを守ろうとミサイル基地に向かったセルフィ。
FF8のテーマ『愛』はスコールとリノアの関係だけを指す言葉ではない。家族愛や郷里愛など、様々な形の愛情が劇中で描かれている。もし再びFF8を遊ぶ機会があったら、そういう部分にも注目してみよう。

FF8の育成システムの根本とは?

従来のRPGでは、圧倒的な戦力を確保するには膨大な労力が必要だった。だが、FF8は違う。
 
例えば、ちからを最大の255にするには、

  • ちから+60%
  • ちから+40%
  • ちから+20%
  • 魔法アルテマ

この4つの魔法やアビリティを集めるだけで良い。
 
また、HPを9999にするには、

  • HP+80%
  • HP+40%
  • 魔法アレイズ

この3つの魔法やアビリティを集めるだけで良い。
 
つまり、

  • FF8のキャラクター強化システムは複雑でややこしく見える。
  • でも、その本質は意外なほどシンプル。
  • なんでもいいから魔法やアビリティを集めた奴が強い

 
さらに、能力値に関するアビリティは、

ちから+60%ハイパーリストを使えばAPを溜めなくても修得できる。 
ちから+40%パワーリストを使えばAPを溜めなくても修得できる。 
ちから+20%ちからだすき使えばAPを溜めなくても修得できる。 
HP+80%ガイアの指輪を使えばAPを溜めなくても修得できる。 
HP+40%巨人の指輪を使えばAPを溜めなくても修得できる。 

その殆どがアイテムで代用できてしまう。
 
実は、

従来戦闘を繰り返してレベルを上げる戦闘ゲーム。アイテム収集も重要だけど補助的なもの。
FF8魔法やアイテムを集める収集ゲーム。AP稼ぎも重要だけど補助的なもの。

ゲームの方向性がまったく違うのだ。
 

補足FF8の戦闘は、魔法やアイテムを集めるための手段に過ぎない。逆に言えば、魔法やアイテムを集められるなら、戦闘にこだわる必要すらない。戦いたいプレイヤーは戦闘で集め、ミニゲームが好きなプレイヤーはカードゲームで集める。そういう柔軟性もFF8の魅力の1つだ。
もちろん、APが存在するから、任意戦闘を完全に省くのは難しいけどね。

全ての道は収集に通ず

FF8のシステムはただ奇抜なだけのシステムじゃない。明確なデザインコンセプトがある。キーワードは収集だ。

武器の改造制材料を集めれば武器を改造できる。 
魔法の個数制効率よい収集方法を見つければ山ほど魔法が使える。 
カードカードの収集もまたキャラクターの強化に結びつく。 
アビリティG.F.やアイテムを手に入れることが修得の第一歩。 
特殊技セルフィ以外はアイテム収集が特殊技パワーアップの第一歩。 
ジャンクション制収集』と『成長』を結び付けたFF8で最も大事なシステム。 

魔法や弾丸が個数制で思うように使えないからこそ、効率的な収集方法を見つけたときの喜びが格別。例えば、

  1. 徹甲弾はとても便利だけど、非売品なので乱用できないな…。
  2. どうにか徹甲弾を大量に入手する方法がないか探してみよう。
  3. 見つけた! トンベリが徹甲弾の材料となる包丁を持っていた。
  4. これでもう徹甲弾なんて節約する必要がない。探した甲斐があった!

FF8は『不足→探す→補充』の流れが楽しいゲームなのだ。

従来的な発想エリクサーは貴重だだから節約しよう
FF8的な発想たくさん入手する方法を探してみよう

従来のFFが限られた資源でいかに難関を突破するかという戦術型ゲームだとすれば、FF8はどれだけ圧倒的な戦力を確保できるかに主眼が置かれた戦略型ゲームだと言えよう。

FF8の設計思想

最近のFFでは、キャラ育成はバトルが苦手なプレイヤーのための救済要素になっている。意識的に経験値稼ぎを行わなくても、エンカウントした敵を倒していくだけでゲームクリアに必要なレベルに達するからだ。また、どんなにキャラ育成しても勝ちにくいモンスターは存在しない。たとえ隠しボスでも育成をしっかり行えば勝てるようになっている。
この最近のFFのゲーム構造は下記のようにまとめることができるだろう。

  • 上手い人なら経験値稼ぎをろくに行わなくてもクリアできる(手早くクリアできる)
  • 下手な人でも経験値稼ぎをしっかり行うことでクリアできる(クリアに時間が掛かる)

下手なプレイヤーではクリアできないというのは困る。プレイヤーの腕前の差をゲームクリアに至るまでの時間に反映させることで最低限のゲーム性を維持しようとしているのだ。
 
プレイヤーの腕前の差をゲームクリアに至るまでの時間に反映させるという発想はFF8にも当然存在する。ただし、それは経験値稼ぎではない。

  • 特殊技を利用するには魔法オーラを使うかHPを下げねばならない。オーラはG.F.トンベリがいないと集めにくいし、HPを下げて戦えば戦闘不能に陥る可能性も上がる。特殊技を中心とした戦いかたを難しいと感じるプレイヤーには召喚魔法という救済要素がある。ただし召喚魔法は演出に時間が掛かる。
  • FF8で他のRPGの経験値稼ぎに相当するものはドローによる魔法の収集だ。たとえ精製が使いこなせなくても、ボス戦で魔法を延々とドローし続ければ、それなりの戦力は確保できる。ただしドローでジャンクション用の魔法を集めるのは時間が掛かる。

もしも、召喚魔法の演出時間が大幅に短縮され、ドローで一度に30個も50個も魔法が手に入ってしまうのであれば、特殊技も精製も価値が半減してしまうだろう。召喚魔法とドローはFF8のゲーム構造上、絶対に便利なものになってはいけないのである。

結局、従来のFFとFF8のどちらが優れているの?

ここまでの文章を読んで『結局、従来のFFとFF8のどちらが優れているの?』という疑問を抱く人もいるかもしれない。だが、その疑問はナンセンスだ。方向性が違う以上、好みを語ることはできても、優劣を付けることはできない。従来のFFには従来のFFの面白さがあるし、FF8にはFF8の面白さがある。


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