----M----056-----------------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----P-u-k-u--------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------
(萬平)えっ…。
福子! ダネイホンを瓶詰めして出荷してくれ。
(福子)萬平さん!あと塩も! 塩も専売局に!
分かったな 福子! 塩もだ!
萬平さん!福子!
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「頑固で面倒で 腹も立つけど」
♪「あなたの情熱は」
♪「あたしの誇りで自慢で覚悟なの」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
萬平さんたちが連行された夜克子姉ちゃんと忠彦さんが駆けつけてきました。
(克子)そもそも何で倉庫に手榴弾があったの。
(鈴)私に聞かれたって知りません。ここは もともと陸軍の施設やったの。
(忠彦)それやったら武器があっても おかしない。
そしたら何で大騒ぎするんですか。
進駐軍は 今 日本に残っている武器や弾薬を徹底的に回収してるんや。
ましてや徒党を組んで反乱を企てていると疑われたとなったら…。
そんなことあるわけないやない!そうです。去年の5月にマッカーサー暗殺未遂事件があったやろ。メーデーに紛れて マッカーサーに手榴弾を投げようとした男が捕まったっていう。ありました。 そやけど…。
あれ以来 捜査と取り調べを相当厳しくしてるんや 進駐軍は。
もし もし疑いを晴らせなかったらどうなるんですか。
軍事裁判にかけられて最悪の場合…。
やめて!源をお父さんのいない子にするつもり?
お母さん!そやかて そういうことでしょ!
ごめんね 福ちゃん。 そんなひどいことにはならへんよ 絶対に。
そやけど真一さんもお気の毒です。
せっかくうちの会社に来てくれたのに。
そうよ。 咲に申し訳ないわ。
考えましょう。僕たちに 今 何ができるんか。
せやかて 弁護士は見つからないんでしょ。うん。
警察に訴えたかてどうせ駄目やろうし。
そしたら 私らにできること何もないやない。
萬平さんはダネイホンを瓶詰めしてほしいって。
(克子)えっ?お塩も専売局に納品してくれって。
そんなことやってる場合やないでしょう。
せやけど 全員が連行されたんです。
勾留が長引けばこの会社は潰れてしまう。
私かて みんなを助けたい。
今は 萬平さんの言いつけどおりにするしか…。
うん 会社を守ることしかできへんわ。
その夜 萬平さんは 進駐軍の執ような取り調べを受けていました。
(ビンガム)あそこが日本陸軍の倉庫だったことを知っていたのか。
はい。
でも だから手榴弾があるとは知りませんでしたよ。
どうやってあの倉庫を手に入れたのか。
どうやって…。
それは…友人に紹介された不動産屋で。
友人とは 誰だ。
(世良)実は ある場所に軍の倉庫が残っててな。
倉庫ですか。僕の知り合いの不動産屋が誰かに貸したいと言うてんねや。
あ… それは言えません。
なぜだ。
その人は関係ないからですよ。
君が本当のことを言わなければ周りの人間が みんな不幸になるんだぞ。
♪~
(真一)萬平君の取り調べはまだ続いてるのかな。
(神部)そうでしょうね。
(高木)あの… ごめんな みんな。俺らのせいで こんな目に遭わせて。
(森本)何じゃ 反省しとるんか。(佐久間)開き直ってたくせに。
(高木)何で あんなことしたのか自分でも分からんのや。
(堺)鬱憤が たまってたんですよ 僕ら。
(野村)仕事の忙しさにうんざりしてたんや。
(森本)ああ 社長のせいじゃ。
急にダネイホンみたいなもん作り始めてわしら 塩作りだけでも忙しいのに菜種油とってこいだのワカメとってこいだの。
(長久保)社長のわがままに振り回されたんが これなんや。
(神部)それは違うやろ。(真一)神部君。
忙しいから手榴弾投げて魚とりましたいうんは言い訳やぞ!
そうや。
(大和田)わしは森本に賛成や。これは 社長のせいや。
(真一)やめよう みんな。(小松原)僕ら 社長に助けてもろたんでしょ。
(峰岸)たちばな塩業に雇うてもらえんかったら今頃 愚連隊に入っとったぞ。人がええのう お前ら!
(神部)何やと。(岡)わしら軍事裁判にかけられて死刑になるかもしれへんのやぞ。(堀)えっ。
(真一)みんなの不安をあおるようなこと言うな。
(赤津)怖いこと言わんといてくれ。(倉永)せやけど進駐軍に刃向かったいわれてるんですよ 僕ら。
(神部)死刑なんか あるわけないやろ。(岡)わしらは もう終わりじゃ。
(神部)ええ加減なこと言うな!(森本)お前がお気楽すぎるんじゃ。
(小松原)やめましょうよ!
(タナカ)おとなしゅう寝とけ。
おい。 チャーリーいうたな お前。
どっから どう見ても日本人やんけ。
(タナカ)俺は日系2世。 アメリカの軍人や。
(森本)ほいじゃあおやじや おふくろも大阪の人なんか。
俺らと おんなじや。
おんなじ日本人を牢屋に閉じ込めて心が痛まんのか。
どうなんじゃ!
(増田)何て言うたんですか あいつ。
俺は 日本は嫌いやって。
金髪の白人に生まれたかったって言うた。
お前 何で分かったんや。
一応 大阪帝大出てんねやぞ 俺は。
英語は しゃべられへんけどあれぐらいは聞き取れる。
白人に生まれたかったって…。
(堀)どういうことですか。
何や悔しそうな顔してたな。
申し訳ありません。 ダネイホンの瓶詰め作業が間に合わなくて…。
はい 出来次第すぐにお届けします。
本当に申し訳ありません。
℡これが終わったら おっぱいにしようね。
はい たちばな塩業でございます。℡専売局の波多野です。
ああ 波多野さん。 申し訳ありません。あの 納品が遅れてしまっておりまして。
(波多野)いつ納めて頂けるんですか。期日どおり塩が入らないと困るんですよ。
ああ… 明日中には なんとかはい お納めできると思います。
よいしょ。
忠彦さん疲れたでしょうずっと一人でやってて。
私かて疲れたわ。これを 毎日やらないといけないの。
せやかて ダネイホンは作らないといかんねんから。
萬平君たちが帰ってくるまで会社を守るんです。
いつよ。 いつ帰ってくるのよ。
もう 子どもみたいなこと言わんといて。武士の娘でしょ。
・(車のエンジン音)
車?帰ってきた!
萬平さん。
(平塚)毎報新聞の者です。たちばな塩業の方ですね。
はい。(平塚)こちらの社長と社員が進駐軍に連行されたっていうのはほんまですか。
爆弾を準備して進駐軍に反乱しようとしてたんですか。
違います!それは うそです!
(曽根)近所の人が爆発音を聞いたそうですが。
戦闘訓練してたんですか。あほなこと言わんといて。
うちは普通の会社です!ええ加減な記事 書かんといて下さい!
(メイ)お前は矢島証券にいたのか。
なぜ たちばな塩業に?
前の会社では毎日 金のことばかり考えて仕事をしていました。
それが嫌になったんです。
妻を亡くして人生観が変わった。
戦争で あなたたちと戦い負けたことも。
でも 一番大きな理由はあの夫婦の力になりたかったからです。
夫婦?
社長の萬平君と福ちゃんですよ。
福ちゃんは僕の死んだ妻の妹なんです。
萬平君は損得を考えずに 世の中の役に立つ仕事をしようとしてます。
それを 福ちゃんがしっかり支えているんです。
ヘイ。 ヘイ。
あの会社で お前は何をしていた。
クーデターの金を集めていたのか!
違いますよ!
君が本当のことを言わなければ周りの人間が みんな不幸になるんだぞ。
君に あの倉庫を斡旋したのは誰だ。
言えません!
その人だって そこに手榴弾があるとは知らなかったはずです。
では こっちで調べよう。
えっ…。我々が その気になればすぐに分かる。
えっ!
逮捕て…。
(三田村)反乱を主導…?
℡
はい。℡(世良)この記事は一体どういうことや!
世良さん… 真っ赤なうそです。
萬平さんが反乱なんて考えるわけないやないですか。
ほな 進駐軍が立花君を悪者やと決めつけてんのか。
せやったら 弁護士つけろ。断固として戦うんや。
℡誰も引き受けてくれないんです。
どの弁護士さんも相手が進駐軍では勝ち目がないって…。
何や それは! どっかに肝っ玉の据わった弁護士 おらんのかいな!
カツオ・セラ。
マンペイ・タチバナに倉庫を教えたのはお前だな。
はあ?
何や 何や いきなり!おかしいやろ!
福ちゃん 助けて! 僕は関係ない!
世良さん?℡(世良)助けてくれ 福ちゃん!
世良さん!