---------------------------

----M----070-----------------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----P-u-k-u--------------
-----------------------------------

---------------------------------------------------------------


℡（増岡）東京財務局です。立花社長が脱税で有罪判決を受けましたね。その脱税分に追

徴課税させて頂きます。
（福子）追徴課税？
℡課税額は　１０万円です。
（真一）１０万円！？（鈴）どういうこと　福子！
えっ…。
♪「丸まってる背中に　もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル　もししたら」
♪「付き合うあたしすごい？」
♪「とぼけてる眉毛に　もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き　もらい笑い　もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ　どんと来い！」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ　あなたとトゥラッタッタ♪」
（東）追徴課税…。
やっと７万円を払ったばっかりやのに今度は１０万円って。
どういうことよ。むちゃくちゃや。
罰金が７万で税金が１０万ということでしょう。
℡そんなお金　もう作れません。どうしたらいいんですか　東先生。
分かりました。また　こちらから連絡しますからそれまでお待ち下さい。
東京に行きます　私。東京！？
何言うてるの帰ってきたばかりやない。
そやけど　萬平さんに知らせないと。
ここは　東先生に任せよう。福ちゃんは無理するな。
そうよ。　大事な体なんやから。
（泣き声）
福子…。
（萬平）僕は納得できません！
できるわけないでしょう！
僕もです。これは　どう考えても不当な課税だ。
支払う必要ありません。えっ？
でも　何もせずにいたら明日には通知が来て１０日後には差し押さえに来るでしょう。
ひょっとしたら　泉大津の会社も工場も差し押さえられてしまうかもしれません。
差し押さえ！？
立花さん　僕に考えがあります。
でも…。
でも何ですか。
立花さんが同意してくれなければどうにもできない。
同意しますよ。どうすればいいんです　東先生。
たちばな栄養食品を　解散するんです。
ダネイホンの商標と製造方法をどこかに売って　会社を畳むんですよ。
会社がなくなってしまえば財務局は　どうすることもできない。
つらい決断だということは分かっています。
でも　ダネイホンという立派な商品は残りますし立花さんには相当の額の現金が入る。
そのお金でまた新しいことを始めれば…。
簡単に言わないで下さい。
簡単に言うな！
会社がなくなるなんて社員たちは　どうなるっていうんですか。
僕も協力して再就職先は探します。
先生は　しょせんひと事だと思ってるんでしょ。
思ってません！
僕には　妹が一人います。
僕が戦争から帰ってきた時妹は死にかけていました。
栄養失調です。
腹には子どももいるのにもう駄目だと…。
妹を助けてくれたのはダネイホンです。
あなたがあれを作ってくれなければ僕の妹も　姪っ子もこの世にはいなかった。
僕は　あなたに感謝しています。
福子さんから　会社を…　立花さんを助けてほしいと依頼を受けた時僕は　何をおいても引き

受けようと思いました。
だから　僕だって悔しいです！
悔しくて　どうにかなりそうだ。
東先生…。
でも　僕は弁護士です。
立花さんたちにとっての最善の策を考えなければなりません。
向こうは　たちばな栄養食品販売に差し押さえるものがないことは分かってるはずです。
このままでいたら　泉大津の会社もダネイホンという立派な商品もこの世からなくなってしま

うかもしれないんです。
お願いします　立花さん。
どうか　僕を信じて下さい。
この方法しかないんです。
これが　最善の策だと　僕は思います。
♪～
分かりました。
あなたを信じます。
信じます。
（剛田）立花君　ボ～ッとしてるとどやされるぞ。
大丈夫。　会社がなくなったってなんとかなるさ。
どうして知ってるんですか。
何が。
今　会社がなくなるって。知らないよ。
いや　そういうふうに言ったじゃないですか　剛田さん。
あ…　俺は　人相見だからさ。
にんそうみ？
占い師さ。　手相も見るが　顔見ればねそいつの運命が大抵分かるんだよ。
ええっ。あんたはね　最初に会った時からこいつは悪いことできるやつじゃないってことは分

かってたよ。
で　今日ね　大事なものをああ　手放すことになるんだなって。
すごい。
（笑い声）
教えて下さい。僕は　これから　どうなりますか。
ここから出られるよ。真面目に刑期をつとめれば。
（笑い声）
４年も待ってられませんよ。あんたは　大器晩成型なんだよ。
晩年に成功するんだよ。晩年って…。
今　起こってることは全てその時のための糧になるんだよ。
だからさ　悲観的になんな。じゃあ　今は駄目ってことですか。
だから　悲観的になるなって今　言ったばっかでしょう。
剛田さんは…。あ？
何の罪で服役されてるんですか。
俺か。　クソッ…俺は弟子にやられた。
弟子？占いの弟子だよ。
そいつに　金　持ち逃げされてさ食うに困って進駐軍の倉庫に空き巣に入ったらとっ捕まっち

まった。
まさか　こんなことになるとはな。
まさかって。
ハハハ…　自分のことは占えないんだよ。悲しいよなあ。
チキショー。　チキショー！
（岡）会社が危ないんでしょう。そういう時は真っ先に人件費が削られるんやないんですか。（

真一）落ち着け。
（峰岸）落ち着いてなんかいられませんよ。（森本）わしらも不安なんですよ。
（赤津）せやけど　こんなこと奥様や大奥様には聞かれへんしなあ。
（小松原）どないなるんですか。
解散？
東京財務局に対抗する手段はそれしかありません。
ここは　私たちの家でもあるんです。
私たちは　ここから出ていかないといけないんですか。
そういうことになります。
℡福子さん…。萬平さんは　納得したんですか。
はい。　僕を信じて下さると。
分かりました。
そしたら　私も　東先生を信じます。
萬平さんと私は　一心同体ですから。
ありがとうございます。
で　どうしたらいいんでしょう。
立花さんは　ダネイホンの商標と製造方法の譲渡先は大阪の会社がいいと希望されていま

す。
僕も　明日　東京をたってそちらに向かいますからできれば　それまでに　譲渡先の候補と

なる会社を考えておいて下さい。
分かりました。
そしたら　大阪に着く時間が決まったらお知らせ下さい。
℡はい。　失礼します。
失礼します。
（多江）先生。
こんなに　つらい仕事は初めてです。
でも　立花さんたちを助けるための最善の策なんでしょう。
はい。
初めて　ここに来た時のこと思い出すなあ。
海だ～！
萬平さん！（神部）冷たいな　まだ。
うわ！　ハハハハ！（神部）あっ！
あの時は　まだ源ちゃんも産まれてなくてお金も会社も　何にもなくて…。
そやけど　うれしかった。
今から何が始まるんやろうってワクワクしてた。
♪～
もう　あのころには戻れない。
戻れない。
せやけど…　せやけど大丈夫　源ちゃん。
絶対…　絶対　なんとかなるから。
萬平さんの夢がかなってきましたね。
世の中の役に立つ仕事がしたいっていう夢が。
僕の夢じゃない。
えっ？
僕と福子の夢だ。
絶対…。
（泣き声）
（泣き声）