『毎日新聞』丹野恒一デスクのコラム「あなたはどっち? 同性婚 日本でも注目」 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]
12月14日(月)
さすがは、長年、「性的少数者」問題を取材し続けてきた丹野恒一記者、じゃなかったデスク。
「同性婚・違憲論」にも言及していてバランスがとれた、わかりやすい良い記事。
にわか勉強の記者がアライ(LGBT支援者)気分で書きとばす、現実軽視の浮薄な記事とは大違いだ。
丹野さんの肩書が「東京地方部デスク」になっている。
宇都宮支局のデスクに飛ばされ、もとい栄転したと思ったら、東京に戻ってきたのだろうか?
それなら何よりだ。
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あなたはどっち? 同性婚 日本でも注目
合法化には憲法の壁。不利益解消する条例制定した自治体も
異性ではなく、自分と同じ性の人を愛する同性愛者や、心と体の性が異なる人たちは「性的少数者」と言われ、それぞれの英語の頭文字から「LGBT」という言葉も使われます。今も根強い偏見があり、差別を恐れて周囲にオープンにすることができない人も少なくありません。そうした中、勇気を持って積極的に声を上げる当事者が少しずつ増え、同性同士の結婚「同性婚」に理解を示す人も多くなってきました。
毎日新聞が3月に実施した世論調査では、同性婚に賛成する人は44%で、反対の39%を上回りました。女性や若い人たちに賛成の割合が高い傾向がありました。
海外では同性婚を法律で認める国が相次いでいます。2001年のオランダを皮切りに、ベルギー、スペイン、ノルウェーなど欧州諸国のほか、南アフリカやアルゼンチンなど欧州以外の国にも広がりました。その一方、中東やアフリカには同性愛自体を重罪とする国もあります。
日本には同性婚を直接禁じる法律はありませんが、憲法24条が「婚姻は両性の合意のみに基づく」と定めているので、「同性婚=違法」の根拠になると考えられています。合法化を望む人たちにとって高いハードルですが、東京都渋谷区は今年、同性カップルに「結婚に相当する関係」(パートナーシップ)を認める条例を制定し、11月から証明書の交付を始めました。条例ではありませんが、同じような制度を世田谷区もスタートさせました。
同性カップルは賃貸住宅への入居を拒否されたりパートナーが重病になっても医師から病状を教えてもらえなかったりします。自治体が「結婚に相当する関係」と認めることで不利益が解消され、やがては同性婚が合法になることを多くの同性カップルが期待しています。
◆賛成
豊かな社会は多様性尊重
豊かな社会は多様性を尊重すると言われます。同性婚に賛成する人は、結婚の権利はみんな平等にあると考えます。「同性婚=違法」の根拠にされる憲法24条も、結婚に親の同意が欠かせなかった昔の家制度に縛られず、本人たちの意思を尊重する意味合いで制定されたと主張します。憲法が施行された1947年には同性婚は想定されていなかったというわけです。同性カップルが他人の精子や卵の提供を受けて子どもを持つことについては「愛情があれば男女の親と変わらない」と言います。
◆反対
家族のあり方伝統重視
反対する人たちは「結婚とは男女がするもので、子どもには父と母が必要」という伝統的な家族観を重視する傾向があります。「結婚とは子どもを育てるための枠組みである」と考える人もいて、自然に子どもが生まれることのない同性婚は結婚とは認められないというわけです。同性愛自体は認めることができても、身近な人が同性愛者だった場合は拒絶感を覚えるという人もいます。同性愛者が子どもを持つことについても「偏見が残っている以上、子どもがかわいそうだ」と主張します。【東京地方部デスク・丹野恒一】
『毎日新聞』2015年12月14日
http://mainichi.jp/articles/20151214/org/00m/100/018000c
さすがは、長年、「性的少数者」問題を取材し続けてきた丹野恒一記者、じゃなかったデスク。
「同性婚・違憲論」にも言及していてバランスがとれた、わかりやすい良い記事。
にわか勉強の記者がアライ(LGBT支援者)気分で書きとばす、現実軽視の浮薄な記事とは大違いだ。
丹野さんの肩書が「東京地方部デスク」になっている。
宇都宮支局のデスクに飛ばされ、もとい栄転したと思ったら、東京に戻ってきたのだろうか?
それなら何よりだ。
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あなたはどっち? 同性婚 日本でも注目
合法化には憲法の壁。不利益解消する条例制定した自治体も
異性ではなく、自分と同じ性の人を愛する同性愛者や、心と体の性が異なる人たちは「性的少数者」と言われ、それぞれの英語の頭文字から「LGBT」という言葉も使われます。今も根強い偏見があり、差別を恐れて周囲にオープンにすることができない人も少なくありません。そうした中、勇気を持って積極的に声を上げる当事者が少しずつ増え、同性同士の結婚「同性婚」に理解を示す人も多くなってきました。
毎日新聞が3月に実施した世論調査では、同性婚に賛成する人は44%で、反対の39%を上回りました。女性や若い人たちに賛成の割合が高い傾向がありました。
海外では同性婚を法律で認める国が相次いでいます。2001年のオランダを皮切りに、ベルギー、スペイン、ノルウェーなど欧州諸国のほか、南アフリカやアルゼンチンなど欧州以外の国にも広がりました。その一方、中東やアフリカには同性愛自体を重罪とする国もあります。
日本には同性婚を直接禁じる法律はありませんが、憲法24条が「婚姻は両性の合意のみに基づく」と定めているので、「同性婚=違法」の根拠になると考えられています。合法化を望む人たちにとって高いハードルですが、東京都渋谷区は今年、同性カップルに「結婚に相当する関係」(パートナーシップ)を認める条例を制定し、11月から証明書の交付を始めました。条例ではありませんが、同じような制度を世田谷区もスタートさせました。
同性カップルは賃貸住宅への入居を拒否されたりパートナーが重病になっても医師から病状を教えてもらえなかったりします。自治体が「結婚に相当する関係」と認めることで不利益が解消され、やがては同性婚が合法になることを多くの同性カップルが期待しています。
◆賛成
豊かな社会は多様性尊重
豊かな社会は多様性を尊重すると言われます。同性婚に賛成する人は、結婚の権利はみんな平等にあると考えます。「同性婚=違法」の根拠にされる憲法24条も、結婚に親の同意が欠かせなかった昔の家制度に縛られず、本人たちの意思を尊重する意味合いで制定されたと主張します。憲法が施行された1947年には同性婚は想定されていなかったというわけです。同性カップルが他人の精子や卵の提供を受けて子どもを持つことについては「愛情があれば男女の親と変わらない」と言います。
◆反対
家族のあり方伝統重視
反対する人たちは「結婚とは男女がするもので、子どもには父と母が必要」という伝統的な家族観を重視する傾向があります。「結婚とは子どもを育てるための枠組みである」と考える人もいて、自然に子どもが生まれることのない同性婚は結婚とは認められないというわけです。同性愛自体は認めることができても、身近な人が同性愛者だった場合は拒絶感を覚えるという人もいます。同性愛者が子どもを持つことについても「偏見が残っている以上、子どもがかわいそうだ」と主張します。【東京地方部デスク・丹野恒一】
『毎日新聞』2015年12月14日
http://mainichi.jp/articles/20151214/org/00m/100/018000c
2015-12-14 18:05 nice!(0) コメント(4) トラックバック(0)
丹野氏ね〜
以前、相方が氏の取材を受けまして、その後記事を読んで、滅多な事で泣かない相方が泣いた事があって以来、あの人の取材は、一切お断りにしました。^^
確かに、よく勉強されていて、最近の理解者面した記者連中とは違いますが、所詮は当事者にあらず
by ルクス (2015-12-16 03:51)
ルクスさん、いらっしゃいま~せ。
記者と当事者の間に、ときどき行き違いがあるのは承知しています。
でも「所詮は当事者にあらず」と言ってしまっては、当事者である記者しか記事を書けなくなってしまいます。
ベストの記事が望めなくても、よりベターな記事を書いてくれれば、それで良し、と私は思いますし、取材される際には、そうなるよう努めてきたつもりです。
by 三橋順子 (2015-12-17 16:52)
日本では既に平安時代に空海が同性愛を「高尚な趣味」などと言っているんですよね。当時、僧の女犯は罪でした。
主に欧米の一神教社会と異なり、日本の歴史において同性愛自体が迫害の対象になったことがどのくらいあるだろう。戦国時代には「武士のたしなみ」ですらあった。でも、性的関係をもって、家督の相続に絡めることは考えられもしなかった。「婚姻」の概念は時代や文化圏により変遷するが、変わらず繋がれる線もある。日本の歴史と日本人の気質を踏まえた発言をして欲しいものだと彼らに対しては思います。
血の継続って、大切な価値観だと思いますが。極論はプトレマイオス朝のきょうだい婚ですが、天皇家にしろ、ハプスブルク家にしろ、血の継続に価値観を置く発想は世界中に見られます。
ジジババが、たとえ嫁が気に入らなくとも婿がろくでなしでも、孫ひ孫に財産や家系の歴史を伝えようと思うのは「血がつながっているから」。自分が受け継いだ肉体の性質や限界や業までを彼らの中に見るからであって、だから養子に迎えるのもまずは遺伝的に近いきょうだいの子供、続いて親族の子供、続いて家業などを継いでくれる成人、あるいは家庭文化を継いでくれる血のつながらない子供。
……股間のつながりによる成人の相続権は相手によってはあってもよいと思いますが、法のバックアップによる常態化には私は不信感しか湧かないんですが、どうなんですかね。
法制化はそれにかかわるすべての人間に影響を及ぼします。同性婚が制定されたら「代襲相続」という日本史上初のウルトラCで家系ロンダリングのデフォルト設定が施行されます。同性愛者の幸せを考えることと、他者を巻き込むことのバランスはシビアに切り分けるべきだと思うのですが、同性婚推進者の意見って、問題解決のためには用をなさないものが圧倒的に多い。「結婚」になにか憧れを持っているらしく、「結婚はいいことだ」に始まり、「同性婚」を終着駅に設定し、「同性婚を認めないやつは時代遅れだ。悪い奴だ。敵だ」的な決めつけで切り分け前進。そういや渋谷のパートナーシップ条例も、婚姻制度における「離婚」に該当する仕組みがなかったなぁ。法の専門家が集まってるはずだけど、まともに考えてるのか、大いに疑問だなぁ。いいのかなぁ。トラブルが起きてから慌てるのかなぁ。いつものように(怒)。
判を押したように白人キリスト教徒追従で、国際化云々を謳いながらイスラム教徒や他教徒が絡む「婚姻制度」の視点は完全無視(上記記事は取り上げていますね)も不安です。いま、うっかり国際結婚してしまった日本人女性の被害にはものすごいものがありますが、それはガン無視で匍匐前進。同性婚が現実化したら今以上に被害の可能性が広がりますが……「異性間でもあるんだから」で終わり……いえ、それではまずいから何とかしようと我々は戦う立場にいるのですが、同性婚推進者様に置かれましては何とかしようという発想自体がないようで……。
欧米が同性婚を認めたから日本も認めなきゃいけないのでしょうか。欧米が難民を受け入れたら日本も受け入れなきゃいけないんでしょうか。いま難民による集団レイプをはじめ欧米諸国民が受けた被害が白日の下にさらされはじめましたが、同性婚推進者様たちは、欧米諸国において同性婚の法制化による害が明らかになったらどう責任を取るつもりなのか。考えるつもりすら、ないんじゃないかという不信感を今日に至るまで私は持つようになりました。無責任さにはつき合えない。
パートナーに対する配慮は分かりますし必要ですが、縦糸の寸断を図る横糸の主張はいただけない。
また、「同性婚ーー私たち弁護士夫夫です」(南和行)にあった一節「私が目をつむって鼻をつまんで、無理に女性と性行為をして子供を作ることで、誰が幸せになるのでしょうか?」を目にしてからは同性婚など認めたら女性は「子を産む機械」の位置に落とされかねないぞという危機感を持つに至りました。
同性婚について賛成の立場から入り「反対」になった女性の私には、発想に拒絶感が湧きました。彼らの言い分を理解しようとお金と時間と労力を割いて読んだ本でこんな文章に出会うのはかなりショッキングでした。当てつけの意もあるのでしょうが、それを読者や講義対象者に向けるのは完全なお門違いでしょう。悪意に近い被害者意識と気持ち悪さが伝わってきました。「僕は女性に性的な感情が湧かないのです」じゃダメなんでしょうか。
★こちらの不見識により傷つける発言などありましたら申し訳なく思います。私は日本社会や人類社会にとって何がベターかという視点から見るものであり、事実関係その他、内容に納得するものがあればいつでも意見を変える姿勢でおります。
by アンデルセン (2016-01-24 17:11)
勉強させていただきました。
渋谷区のパートナーシップ解消は「証書の返還」なんですね。
ただし、私が目にした限り(区が行うパートナーシップ証明)に、解消についての項目はありません。
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/jorei/jorei/pdf/danjo_tayosei.pdf
by アンデルセン (2016-01-24 18:02)