【大相撲】横綱暴力なら「引退勧告以上」 協会が処分基準決定2018年12月20日 紙面から
元幕内貴ノ岩の暴力問題があった日本相撲協会は19日、東京・両国国技館で理事会を開き、力士の暴力に関する処分基準を定めた。横綱には「引退勧告以上の厳しい懲戒処分」とし、関取は「出場停止1場所が一応の基準」、幕下以下は「出場停止のほか、けん責、または懲戒に至らない注意処分」となった。元貴ノ岩は引退しているため処分はないが、数場所の出場停止という意見が出された。 暴力との決別を宣言している相撲協会が、さらに厳しく暴力と向き合う姿勢を打ち出した。 元貴ノ岩の暴力問題に発し、この理事会で「力士の暴力に対する処分基準」を作成した。番付によって基準は異なるが鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は「横綱は最高位。手本にならなくてはいけない。社会的責任も大きい」とし、横綱に対しては「引退勧告以上の厳しい懲戒処分」に決まった。 関取には「出場停止1場所が一応の基準」となった。付け人に暴力を振るった元幕内貴ノ岩に対しては、すでに引退しているので処分対象ではないが、基準より重い処分が出されていたとみられる。 鏡山部長は「前回のいろいろなことがあった当事者でありますから、出場停止でも厳しく、場所数が加算されるのではないかという話が出た」と説明した。 暴力を自ら申告した場合は情状酌量し、懲戒処分を軽減、または免除されることもあるが、稽古中や稽古以外での事案についても明確化し、青沼隆之前名古屋高検検事長を委員長とするコンプライアンス委員会を立ち上げ、手厚い体勢で暴力排除に臨む。 八角理事長(元横綱北勝海)も「今後どう生かしていくか私たちが課せられた課題」と真摯(しんし)に受け止める。 (岸本隆)
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