今夏、写真甲子園に初出場
「島の写真部」快進撃 今治北高大三島分校、全国大会で次々と入賞
2018年12月19日(水)(愛媛新聞)
今夏、北海道で開かれた写真甲子園に初出場した今治北高校大三島分校(今治市大三島町宮浦)写真部の活躍が続いている。今秋以降、複数の全国コンテストで部員が優秀な成績を収めており、個々のレベルの高さが評価されている。
総合人材情報サービス「アイデム」が開いたコンテスト「はたらくすがた」高校生部門で、菅開智さん(16)=1年=の「地域のために」がグランプリを受賞。7月の西日本豪雨で被害を受けた大三島の河川でごみを取り除く作業員をとらえ「危険を顧みない姿に尊敬の念を抱き、撮影させてもらった」と振り返る。
菅さんは「JAMCA PRIZE」(全国自動車大学校・整備専門学校協会主催)の学生部門でも「車の相棒」で最高賞を獲得。金子空之新さん(16)=1年=の「青春の影」は審査員奨励賞を受賞した。バスケットボールの合間に休憩する友人と、自然光でできた影の対比が印象的で「偶然だったが、かっこいいなと思ってシャッターを切った」と金子さん。大林桃乃さん(18)=3年=が小学生の妹と愛犬を撮った「愛しの家族」、三川真央さん(15)=1年=の「集中」も入選した。
三川さんが、農作業で稲わらを持つ男性をモデルにした「怪鳥」は「日韓中高校生フォトコンテスト」(高校文化連盟全国写真専門部主催)で優秀賞。「たまたま逆光になったのが良かった。個人での大きな賞は初めて」と笑顔をみせる。壬生直希さん(18)=3年=が、兄弟のほほえましい笑顔を撮影した「お兄ちゃん待ってよぉ」も入選を果たした。
県高校総合文化祭で校長協会賞になった村上和凪さん(17)=2年=の「希望」は細部までこだわった作品。同校近くの海辺の夕日と生徒、ボートなどを効果的に写し、趣深いものとなっている。
部員に共通するのが「人」をテーマにした作品の多さ。大三島を中心とした住民の姿、一瞬を愛情込めて切り取っている。「それぞれの技術、感性が互いに刺激になっている」と部長を務める村上さん。切磋琢磨(せっさたくま)しながら、ファインダー越しに古里を見つめる日々が続く。