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2018年1月26日
お金が増える選択肢(4)~夫婦の趣味、共通vsバラバラ 編~

《夫婦の趣味》共通vsバラバラ、お金が貯まるのはどっち!?

自分のお給料を自由に使える独身時代。趣味にかけるお金も、好きなだけ注ぎ込むことができました。でも、結婚して家族ができると、趣味にかけるお金も“家計”として管理されるようになります。そんな時、夫婦の趣味は共通orバラバラで、どちらの方がお金を貯めやすくなるのでしょうか。まずはアンケートを見てみましょう。

●なぜ、そう思いますか?

《趣味が共通》
・バラバラだとそれぞれにお金がかかるけれど、一緒だと共用にできるものもあるので。
・共通だと一緒に行動することも多いのでどれだけ使ったか把握できるけれど、バラバラだとどれくらい使ったかわからないから。
・バラバラだと相互理解ができずに節約ができない。一緒だと費用削減も工夫できそう。
《趣味がバラバラ》
・一緒だと共感しあって、思った以上に出費がかさんでしまいそう。
・同じ趣味だと、ストップをかける人がいないため、際限なく使ってしまう可能性があるので。
・趣味がバラバラだと、お互いに節度を持って予算管理をしそうだから。

この結果を専門家はどのように考えるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢先生に聞いてみました。

専門家はこう考える!夫婦の趣味と予算管理

「結論からすると、共通の趣味の方がお金は貯まりやすいですね」

どのような理由で、“趣味共通夫婦”が予算のスリム化を実現しやすいのでしょうか?
「まず、1つのアイテムを一緒に使うことで出費が減らせます。ほかには、お互いに詳しいため、どこにしっかり使ってどこを絞るかを話し合いながらメリハリをつけられます。でも、趣味が全く違うと、相手から『これはどうしても必要なんだよ』と力説されると『そういうものなのかな』と受け止めてしまい、うまく絞れない可能性もありますね。逆に、全く理解できないから『そんなのいらないでしょ』と押さえつけることもできますが、相手からしてみたらストレスですよね」
相手の趣味にかけるお金を削減するあまり、夫婦関係自体がギクシャクしてしまったら非常に残念です。
でも、世の中の夫婦は、そんなに“共通の趣味”を持っているものなのでしょうか?

「趣味の場が出会いとなって、結婚に至った」なんてケースは、実は少数派のようです。とはいえ、趣味がバラバラでも、それぞれ理解しあって予算に折り合いをつけている夫婦は67%もいることがわかりました。それでは、貯めやすさという部分ではどのように考えているのでしょうか。

お金の貯めやすさと趣味は関係ない!それがリアルな夫婦の本音

●なぜ、そう思いますか?

《趣味が共通》
■貯めやすい
・趣味で費やす金額を一緒に設定できるので、貯金もコツコツ貯められる。
・ものづくりが趣味。道具や材料を一緒に使えるため、出費を極力抑えられる。
■貯めにくい
・2人とも好きなことなので、際限なく使ってしまうため。
《専門家のアドバイス》
「好きなように使うといくらでも使えてしまうので、“上限を決める”ことが大切です。手取り収入の5~8%が目安です。子供がいる場合は、5%に近い方がいいでしょうね」
《趣味がバラバラ》
■貯めやすい
・パートナーを説得しないと高額出費ができない。
■貯めにくい
・それぞれ別々にお金を使ってしまう上、お互いに管理しにくい。
・相手の趣味に使う金額が妥当なものなのかわからず、節約しにくい。
《専門家のアドバイス》
「高額な出費に関しては趣味予算を貯めておいて、そこから使うルールをベースにするといいですよ。趣味のグッズをリセールできるなど、趣味で収入がある場合は、差し引いた金額と合算して新規購入に充てることもできますね」

もっとオトクに!趣味と家計の上手なやりくり術

夫婦の趣味が一緒でもバラバラでも、お互いの好きなことを尊重しながら、家計を管理していけるといいですよね。というわけで、まずは予算の引き締めに役立つ方法を風呂内先生に聞いてみました。

趣味予算を上手に管理するコツ

《(1)手取り収入の5~8%を目安に予算を決める》
楽しみながら予算をやりくりする方法を実践してみましょう。
●共通の趣味の場合
・一緒に予算表を作成して、購入プランを立てる。
・安く入手する方法やオトクな制度などの情報を一緒に集めて共有する。
●バラバラの場合
・カメラやブランド品のように一気に数十万円以上の出費があるような趣味の場合は、お互いに予算獲得のプレゼン大会をして、金額を設定するのがオススメ。
(例)
釣りと料理が趣味の夫「このプロ向け包丁セットは10万円以上するんだけど、この包丁を買わせてくれたら、毎週日曜はおいしい刺身ディナーを僕が担当します!」
妻「週3回の夕食を担当してくれるなら、検討の余地ありね」
夫「むむ、せめて毎週の土日で……!」
妻「よし!それで決定!」
《(2)趣味を活用しているかチェックする》
フィットネスジムの会員になったけど通っていない、趣味のグッズを買ったけど使っていないなど、「お金を注ぎ込んだのに活用していないもの」がないか確認しましょう。
●こんな方法で引き締め&現金化を狙いましょう
・習い事などは通っていないなら解約を検討する。
・使っていない趣味グッズはフリマアプリやリセールショップの活用を。
《(3)年間でいくら使ったのかを集計する》
趣味にかける予算を決められない場合は、年間で使った金額を計算してみるのがオススメ。ギョッとするほど多い場合は、対処法を見つけられる可能性があります。
●風呂内先生のアドバイス
「予算に関しては、合算や分割した額を確認してみるといいですよ。引き締めたいときは合算、大きな金額のものを現実的にするには分割するのが基本です」
(例)
・1つ1つのアイテムは安いのでちょこちょこ使っているけれど、どれくらい使っているかよくわかっていない→合算して使った金額を明確にする
・車や海外旅行のように高い金額のものを購入したい→月額に分割して、何年貯めれば実現できるのかを算出する

工夫次第!もっとオトクに趣味を楽しむ方法

ちょっとした工夫で、趣味をもっとオトクに楽しめる可能性もあります。最後は、楽しみながらオトクになる実例をご紹介します。

《公的な助成や仕組みを使う》
●ガーデニングが趣味→屋上や壁面の緑化に対する助成制度を使える可能性があります。市区町村の担当窓口で確認してみましょう。
●美術鑑賞や博物館巡りが趣味→例えば、東京なら都民の日に、博物館や美術館に無料で入館できます。自治体ごとに「〇〇の日は〇〇が無料」などを行なっているので調べる価値ありです。また、観劇チケットなどを割引価格で販売している自治体もあるようです。
●ヨガやフラワーアレンジメントのお稽古に通いたい→市民センターなど公的機関で実施しているものは割安です。
●旅行が趣味→国や地方自治体が運営している宿泊施設や、会社の福利厚生を利用すると、宿泊施設や遊園地などを通常より安く利用できます。
《株の優待を狙う》
●趣味グッズを割引価格で買える
・イオングループ(8267)の株を購入すると、買い物時に株主優待カードを提示すれば、半期100万円までのお買い上げ額に対し、3~7%がキャッシュバックに!(※保有株数によって割引率が異なります)
詳しくはこちら詳しくはこちら

・三越伊勢丹ホールディングス(3099)の優待では、利用限度額の範囲で、買い物が10%オフに。さらに、施設・ショップ・提携ホテル等の優待や、買い物による駐車時間無料1時間サービス等があります。(※利用限度額は、保有株数によって異なります)
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・高島屋(8233)の優待では、買い物が10%オフ、有料文化催に3名迄無料入場可になります。
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・ビックカメラ(3048)の優待では、大手家電量販店の「ビックカメラ」や「ソフマップ」等での支払いに使えるお買物優待券(1枚1,000円)がもらえます。(※保有株数および保有期間によって枚数が異なります)
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●バッグや衣料品などは、株主優待セールが開催されるブランドも!
・三陽商会(8011)の株を100株以上保有すると、株主優待セールの入場券がもらえます。
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●アニメキャラグッズなどのレア商品がゲットできる!
・東映アニメーション(4816)の株主優待プレゼントでは、株主優待オリジナルアニメキャラのQUOカードがもらえるなどレアグッズをゲットできます。(※保有株数によってQUOカードの金額が異なります)
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株主優待は、ファンなら垂涎のグッズや趣味用品をオトクに入手できるチャンスが隠れていることもあります。また、飲食産業は特に優待が多いジャンルなので、グルメが趣味ならきっと楽しめるはずです。

《趣味と実益を兼ねる》
●手作りが趣味→バザーやフリマアプリで販売できます。
●イラストや写真が趣味→クラウドサービスで作品を販売し、副収入につながる可能性も。
●趣味を極めてスクール講師になるなど、立派な収入になる夢もあります。
●株の売買など、趣味自体が収入になるものもあります。趣味として楽しめる範囲の金額を投資することで、長く続けることができます。

毎日の暮らしを彩り豊かにしてくれる趣味。どうせなら、節約して趣味を味気なくするのではなく、オトクに楽しめる方法や、ちょっとした収入に繋げられる方法を見つけられると、より深く追求していけそうですね。趣味がバラバラの夫婦でも、そのうち「趣味をオトクにする趣味」という共通の趣味ができるかもしれません。

<専門家プロフィール>
風呂内亜矢(ふろうち・あや)先生
ファイナンシャルプランナー。自宅マンションの衝動買いを機にお金について学びはじめる。現在は、テレビや雑誌など各媒体で「お金に関する情報」を精力的に発信している。

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