ブラック・バッジ物語の新しい章が幕を開ける

ロールス・ロイスの新しい顧客による圧倒的な需要を満たすために作られたドーン ブラック・バッジは、夜の空気を取り入れ、最も豪華で、社会的で、官能的な空間として際立っています。このオープン・トップ・ラグジュアリーの極めて魅惑的で妥協を排した表現が、一連のブラック・バッジ・エンジニアリングとデザインの処理を通じて新しい、より暗い、官能的な次元を与えてくれます。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでのドーン ブラック・バッジは、深く、濃く、翳りのある黒で表現されています。ペイントとラッカーで念入りに仕上げられた複数のレイヤーは、単色塗装のために築き上げられてきた手作業による塗装と研磨プロセスを、これまで以上に徹底的に適用しています。その結果、ドーンの纏う官能的な線を描く衣装は、最も深く、最も暗く、そして最も強烈な黒で飾られています。夜の音に耳を澄ますために「サイレント・バレー」で開くルーフはブラックのキャンバス仕様のみが用意され、さらにリヤ・デッキはブラック・レザーで仕上げられています。

ブラック・バッジを作る際、ロールス・ロイス・ビスポークのデザイナー達は、このクルマが発散する、ブランドの真の分身としての価値を創出することに努めました。そしてドーンは、ついにこの価値を手にしたのです。

スピリット・オブ・エクスタシー、このブランドの歴史を通じて様々なフォルムを纏うマスコットは、ハイグロス・ブラック・クロームに衣装を変えて誘惑します。このクルマの暗く美しい変身は、フロント・グリル・サラウンド、トランクリッド・フィニッシャー、エキゾースト・パイプおよびエア・インテークのフィニッシャーにもおよび、いずれも専用クローム・サーフェス仕上げとなっています。その効果はより大胆に、より自信に満ちた能力を発揮し、真の変貌を遂げています。最後の仕上げとして、ロールス・ロイスの「ダブル・アール」のバッジも配色を反転させてあり、ここでもこのブランドの真の分身であることを感じることができます。

この大胆でエッジの効いたデザイン様式は、ルーフを開けてナイト・エレメントを探索する顧客のために絶妙に配置されたインテリアへと美しく広がっています。
サー・ヘンリー・ロイスの創業理念である「存在しないものをデザインする」を想起させる事実として、ブランドのデザイン部門とエンジニアリング部門のコラボレーションによる新たな高級素材の開発があります。ロールス・ロイスの航空機事業から受け継いだ知見、そしてステルス航空機の先進的な製造技術を反映させた結果、美しく革新的で、まったく新しい自動車用表面処理技術が生まれました。

その構造は、ロールス・ロイスの隅々まで行き届いた細心の注意を示すあらゆる特徴を持っています。直径0.014 mmという極細の航空機用アルミニウム糸を互いに織り込み、カーボン・ファイバーに接着します。その後、表面は6回のラッカー塗装で仕上げられ、その後72時間かけて硬化させ、ロールス・ロイスの特徴でもある手作業により研磨され、鏡面仕上げが施されます。その結果は見事に現代的な仕上がりとなり、より暗く、より危険な香りのする美しさを求める現代のパトロンたちに相応しいものとなっています。

この絶妙に表現されたノワール、「黒い色」は、考えられるすべての詳細を伝えています。例えば、高度に技術的な表面仕上げ方法であり、革新的な製造技術である物理蒸着（PVD）製法は、変色や汚れが付かないようインテリアとつながる通気孔を完全に塞いでから行われます。

ブランドのビスポークの理念を反映して、ドーン ブラック・バッジも新しいインテリア・パレットの分離方法に関するホスト役を果たしています。最高レベルの上質なブラック・レザーは、マンダリン・ハイライトで大胆に強調され、暗闇に没する前の夕焼けを彷彿とさせるオレンジ・ハイライトのストリップが、キャビン内の腰の高さを囲んでいます。

最後の仕上げとして、ロールス・ロイスの偉大な先駆者でパトロンの一人でもあったサー・マルコム・キャンベルに敬意を表して、リヤ・インテリア・スペースを締めくくります。彼の有名な「インフィニティ（∞）」のロゴはインテリアのリヤ・ウォーターフォールに美しく刺繍され、ブラック・バッジの威厳を必要とする落ち着かない精神に取りつかれた男にも絶妙な安堵感をもたらします。