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【千葉】

銚子市「対策講じなければ財政再生団体に転落」 緊急対策 25日に市民説明会

 銚子市が「何の対策も講じなければ2022年度に財政再生団体に転落する」との見通しを示し、難局を乗り越えるための緊急財政対策をとりまとめた。市民の暮らしに影響することから、市は25日午後6時半から、保健福祉センターすこやかなまなびの城で、対策についての市民説明会を開く。(小沢伸介)

 対策は、青少年文化会館や地区コミュニティセンターといった公共施設の休止▽市立病院運営経費の圧縮▽夜間小児急病診療所の休止▽ごみ収集の委託料削減▽市単独の障害者への医療費給付の休止▽道路占用料とごみ袋料金の値上げ▽職員給与の見直し-など七十項目。来年度から五年間で四十四億四千九百万円の効果を見込んでいる。

 開会中の市議会一般質問では大部分の議員がこの問題を取り上げた。「なぜ急にこうなったのか」「市民が市の将来に不安を抱いている」などと詳細な説明を求めたほか、「社会福祉関連の休止は再考を」との要望や、「危機意識が甘かった。議員報酬も視野に入れるべきだ」と反省する声も上がった。

 越川信一市長は「弱い立場の方々に痛みを負わせる内容が含まれ断腸の思いだが、まず財政の立て直しが必要」「市民の安全、子育て支援、教育の充実に関する事業は見直しを最小限に抑える」と理解を求める一方、「もっと早く着手するべきだったが、決断できなかった」とも語った。

 市によると、今回の事態の直接の引き金は、普通交付税や臨時財政対策債、市税収入、地方消費税交付金が予想以上に落ち込む見通しとなったこと。本年度は六億三千万円の収支不足となるが、貯金に相当する財政調整基金では補えない。さらに来年度以降は七億~八億円の単年度赤字が蓄積すると推計している。

 昨年二月に策定した第七次行財政改革大綱は、二〇二一年度までの五カ年の実質収支をゼロにする計画だったが、早くも頓挫した。ふるさと納税の寄付額の目標未達、事業仕分けで「不要・凍結」とされた事業の一部継続、公共施設の統廃合の遅れなど、進行管理の甘さが露呈した。

 自治体の財政破たんを意味する財政再生団体になると、国の管理下に置かれ、市民サービスの大幅な見直しを迫られる。

 

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