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とある日曜の朝に…

…とある日曜の朝にその事件は起きた。

その日のシフトはAさんと私、もうひとりが誰だったか…。
S木、H川、大学の主将さんのいずれかの3人だったように思う。
少なくとも連盟正職員の3人じゃなかったのは確か。

カウンター内側から見て、入り口側でレジと受付をAさん、私が真ん中で手合いを、右の誰かが日曜トーナメントと電話担当を。
その日もズラッとお客様が並んでいて、朝から戦場の予感だった。
2,3人の受付が終わって、さあ!という所で異変が起きた事に気がついた。
”ねえ!ねえ?どうしたの?この人動かないんだけど…”と、いつも騒がしい小学生に言われて気がついた。
そう。彼は…Aさんは発作が起きて動かなくなってしまったのだ。
直ぐに窒息と転倒転落のリスクがない事と、発作の継続時間を知る為に時間の確認をしてから、”うん。ありがとう。大丈夫だからこのままにしといてね”と教えてくれた子供に礼を言ってから、さあ、どうしたものかとσ(^_^;)
仕方なく、レジを塞ぐように座っている彼をそのままに、手合いとトーナメントの人付けを右隣の方にお願いし(思い出してきた…H川君だったような?…確かS木さんとM上さんがその日の遅番だったような…。)、私がレジと受付をすることに…。
つまり、一人で患者さんの観察をしながらレジと受付をし、隙を見て手合いのついたカードの呼び出しも…。
結局、彼の意識が戻るまで3,4分かかった。何より迷ったのは彼を病院に連れて行くかどうか…^^;10分過ぎても戻る気配がなければ救急車だ>_<幸いその必要もなく、病院に行かなくても大丈夫とAさん。

その後、平静に戻った彼と手合いをつけながら話をした。
ちゃんと薬も飲んだし、最近は発作も起きてなくて調子良かったのに…と落ち込んでいた。確かにこの症状では一般社会で就職するのは難しいだろう…。だが、悪いのは病気であって彼が悪いわけじゃない。
そして、その時になってやっと気がついた。採用面接の時に面接官の職員が、私が医療系学校に通っている事に興味を示していた理由が。信頼してくれた事は嬉しいが、当時の私は学生だ。いくら何でも他人の身に責任を持つ事はできない。いくらAさんの病状が致命的な発作を起こすものでないと知っていても、例えば僅か0.1%以下でも死に至る、もしくは受傷する可能性があることが解っているのだから、それを押し付けられては甚だ迷惑であるし、無責任にも程がある。いや、悪質でさえある。ではその面接官だった職員は誰か?…。その人物こそが、私が手合い係を辞めた最大の理由なのだが…それが誰かはいつか後ほど…。

雪桜
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