雪桜

その後私は、出来ればヨットを生業にしたかったものの、メシを喰っていく環境を見出せず、将棋も巌ちゃんに二枚落ちで勝つことが出来ず、プロなんてとんでもない話だと思い知らされた。そのまま高校は地元の高専に進み学生実習でお世話になった某H製作所に就職。
実習でお世話になった方々への恩返しを…と上京したが、そうは問屋が卸さなかった>_<
と言うのも、その年は92年。つまりバブルが弾けた翌年であり、そのまま働かす訳にはいかないと…。
で、どうなったか？
2年間、社内プロジェクトとして、同期(私の半導体事業部には確か109名の同期が配属されたと記憶している)の7割が他事業所で働く事に…^^;
小田原、日立、水戸、勝田、などの地方と、国分寺の中央研究所など派遣先は10箇所以上あったかと。
しかし、聞いていた環境では働けない事から、殆どの者が不満の声を上げていて、程の良いリストラだ！とか、2年でなんて戻す訳ない！とかなり混乱していた。
結局私は、勝田…今のひたちなか市にある自動車機器事業部へ…。
で…2年後、無事に東京へ戻る事に。
ちなみに、姫が生まれたのはこの期間中のこと…^^;

本来の場所に戻ったあと、羽生先生の七冠並びに市代さんの四冠制覇があり、朝の連ドラでふたりっこが放送され、将棋ブームが。
この時期、帰省した時の地元の将棋まつりに、羽生先生、勝浦先生、中座先生、中井さん、市代さん他が参加していて、当時住んでいた東村山に秋津将棋教室という、市代さんのお父さんが席主をされている教室がある事を知り、早速行ってみる事に。
席主は市代さんのお父さんであるY先生なのだが、いらっしゃらない時には、お母さんであるHさんが教室の手合いをつけていて、将棋だけでなく、将棋にまつわる話、当時の諸事情などをHさんから教えて頂く事に。
私は、その先の進路を決めかねていて、良く将棋を指しながら違う事を考えていた。Hさんに、”桜井さん、指しながら他の事考えてるんだもの…（笑）”と言われたのもこの時の事^^;
私は、この秋津将棋教室でとある決断を下す事になる…。


雪桜