呪文(学習、練習、詠唱)

spl1-340.html Last edited 2002-08-19 for NetHack 3.4.0
translated 2002-11-21 for JNetHack 1.2.0
Compiled for 3.2.2 by Kevin Hugo.
Updated for 3.4.0 by Dylan O'Donnell <psmith@spod-central.org>.
Converted to HTML by Kate Nepveu <knepveu@steelypips.org>.

目次

編集者注: 呪文の効果については呪文のスポイラの後半spl2-340.htmlにある。下の表にあるリンクをたどって、別ファイルにある呪文の効果を直接参照することもできる。

魔法書 COST WGT PROB LVL READ MRKR BONUS APPEARANCE
白紙 $0 50 18 0 0 0   真っ白な
死者の書 10000 20 0 7 0 0   パピルス
攻撃 COST WGT PROB LVL READ MRKR BONUS APPEARANCE
衝撃 100 50 35 1 2 10    
脱力 200 50 10 2 2 20    
矢 200 50 45 2 2 20 Wiz  
冷気 400 50 10 4 21 40 Val  
火の玉 400 50 20 4 12 40    
死の指 700 50 5 7 80 70    
治癒 COST WGT PROB LVL READ MRKR BONUS APPEARANCE
回復 100 50 40 1 2 10 +  
盲目を癒す 200 50 25 2 2 20 +  
病気を癒す 300 50 32 3 6 30 Hea+  
超回復 300 50 27 3 10 30 +  
軟化 300 50 15 3 2 30    
能力回復 400 50 25 4 15 40 Mon+  
予知 COST WGT PROB LVL READ MRKR BONUS APPEARANCE
怪物を探す 100 50 43 1 1 10    
灯り 100 50 45 1 1 10    
食料を探す 200 50 30 2 3 20    
千里眼 300 50 15 3 6 30 Sam  
霊感 300 50 20 3 8 30    
識別 300 50 20 3 12 30    
宝を探す 400 50 20 4 15 40 Rog  
地図 500 50 18 5 35 50 Arc  
補助 COST WGT PROB LVL READ MRKR BONUS APPEARANCE
眠り 100 50 50 1 1 10    
混乱 200 50 30 2 2 20    
牛歩 200 50 30 2 2 20    
恐怖 300 50 25 3 6 30    
魅了 300 50 20 3 6 30 Tou  
僧侶 COST WGT PROB LVL READ MRKR BONUS APPEARANCE
守り 100 50 18 1 3 10    
怪物を造る 200 50 35 2 3 20    
解呪 300 50 25 3 10 30 Pri+  
造魔 600 50 10 6 42 60    
蘇生 600 50 16 6 48 60 Kni  
脱出 COST WGT PROB LVL READ MRKR BONUS APPEARANCE
跳躍 100 50 20 1 3 10    
速攻 300 50 33 3 8 30 Bar  
透明 400 50 25 4 15 40 Ran  
浮遊 400 50 20 4 12 40    
瞬間移動 600 50 15 6 36 60    
物質 COST WGT PROB LVL READ MRKR BONUS APPEARANCE
開錠 100 50 35 1 1 10    
施錠 200 50 30 2 3 20    
穴掘り 500 50 20 5 30 50 Cav  
変化 600 50 10 6 48 60    
無力化 700 50 15 7 64 70    

魔法書は、流派、およびレベルが高くなる順にリストされている。 COSTの項はおのおのの基本の値段をあらわす。WGTの項は重さをあらわす(100zorkmidは1の重さである)

ランダムに生成されるアイテムが魔法書になる確率は、メインダンジョンでは4%、入れ物の中には12%、ローグレベルでは0%、地獄では0%である。 PROBは、各々のサブタイプの相互の確率である。魔法書は出現したとき1/34の確率で呪われており、16/17で呪われていず、1/34で祝福されている。神の機嫌がいいときに祈りを捧げると、魔法書を(可能ならまだ学んでいないもの)を獲得する可能性もある。Wizardは、神から栄冠を授かると、ふつう祝福された死の指の魔法書を賜わる。モンクの場合は祝福された能力回復の魔法書である。

呪文を唱える難度および必要なエネルギーは呪文のレベル(LVL)によって調整される。ふつうの魔法書はレベルの100倍を消費する。READの項は、ある魔法書を正しく学ぶのに必要なターン数を示す。

MRKRの項はその種類の魔法書を魔法のマーカーで書くのにどれだけのチャージが必要かを示す(マーカーで書けないものは0)。この数字は呪文レベルの10倍であることに気づくだろう。 実際に使われるチャージの数はMRKR/2からMRKR-1まででランダムに決まる。 Wizardは基本1/3の確率で未知の魔法書を書くことができるが、他の職業は基本1/15の確率しかない。この確率は、一般に幸運が高ければ最大でWizardなら98%まで、他の職業なら32%まで向上する。 マーカーで書けるのは白紙の魔法書にのみである。白紙の魔法書は、適当な魔法書を、濡らしたり、無力化したり(無力化の魔法書はのぞく)、失敗しすぎて読めなくなるまで読むことによって作ることができる。 死者の書はどうやっても白紙にすることはできない。 白紙でない魔法書に書こうとすることはできるが、そんなことをすれば賢さが酷使され、「魔法書は白紙じゃない!」と言われる。

呪文には呪文の失敗に対しボーナス(BONUS)を与えるものもある。 それぞれの職業には、唱えるのが得意な呪文がある(職業の記号で記されてある)。 加えて、プラス(+)印のついた呪文は追加ボーナスの認められた緊急呪文である。詳しくは呪文の失敗の計算のセクションを参照せよ。 このコラムにはキャラクタがどの魔法書を初期装備で持ちうるかについてのリストはないので注意のこと。

魔法書には未識別時は同じ外見(APPEARANCE)をしているタイプもある。のこりの魔法書の外見は以下の記述からランダムに決定される。

羊皮紙 子牛皮 ぼろぼろの ページの折られた まだらの
よごれた 布地の 革の 白い ピンク色の
赤い オレンジ色の 黄色い ビロードの 淡緑色の
濃緑色の 青緑色の シアン色の 淡青の 濃青の
藍色の マゼンタ色の 紫色の スミレ色の 黄褐色
ラシャ 淡茶色の 濃茶色の 灰色の くしゃくしゃの
ほこりっぽい 青銅の 銅の 銀の 金の
きらびらかな 輝く さえない色の 薄い色の 濃い色の

魔法書を読む

各魔法書は学ぶのに一定のターン数(上のREAD)を必要とする(レンズを装備していると、この数字は平均で1/3に減少する)。 魔法書が呪われていると、学ぶのに失敗し、適当なターンの間麻痺する。さらに、テレポート、モンスターを怒らせる、盲目になる、金を失う、混乱する、毒を受ける(あるいは油の塗っていない金属の小手なら腐食する)、魔法の爆発にさらされる、持ち物がランダムに呪われる、のいずれかがおきる。 その後、1/3の確率で魔法書は塵になる。 魔法書が呪われていなければ、ランダムな確率で上記と同じことがおきる。確率は知力(INT)とレベル(XL)および魔法書のレベル(LVL)による。

1 - ((INT + 4 +(XL/2) - (2 * LVL)) / 20)

(レンズを装備していれば、4つめの項は6に増える)

Wizardはこの[失敗する]確率が0でなければ警告をうけ、さらに学習を中断するかどうかの確認を求められる。祝福された魔法書ではこれらの不利な効果は決しておこらない。混乱状態のときは魔法書を学習することはできない(「この本の意味を理解できない」)。読んでいる途中に妨害された場合、同じ魔法書をふたたび読むことで学習を再開できる。

魔法書の学習に成功すると、4つの結果が生じる。その呪文をまだ習得していなければ、「<呪文>をレパートリーに加えた」(それが最初に学んだ呪文であれば「<呪文>を習得した」)、その魔法書は識別され、20000ターンの間その呪文が使えるようになり、さらにその魔法書を学習した回数が増加する。 すでに習得した呪文であれば、もしその魔法書が3回以上読まれたものであれば「この魔法書の文字は薄すぎてこれ以上読めない」魔法書は白紙になってしまう。そうでなければ、残りの呪文を使える期間が1000ターン以下であれば、「<呪文>に対する知識はさらに研ぎすまされた」ふたたび20000ターンの間その呪文が使えるようになり、賢さが鍛えられ、特定の魔法書を学習した回数が増加する。 しかし「すでに<呪文>を熟知している」であれば、とくに効果はなく、また魔法書を読んだ回数も変化しない。

魔法書を読むと、20000ターンの間、その呪文が自由に使えるようになる。この期間が終わるころに呪文を使うと、警告のメッセージをうける。

残り1001 ～ 20000ターン メッセージなし
残り101 ～ 1000ターン 「この魔法に関する知識が消えてゆく」
残り1～100ターン 「魔法を思いだそうとした」

この期間がすぎれば(呪文表のレベルのとなりにアスタリスク(*)があらわれる)、「この魔法に関する知識はよじれた」その呪文のレベルの3倍に等しいターンの間混乱する。呪文を使える期間が1000ターンに減少してから魔法書を読みなおすことで、残り期間を20000ターンに戻すことができる。

死者の書を読むと直ちに効果がある。振動する床の上に立ち、7つのロウソクをつけ火のついた祈りの燭台を持っており、4ターン以内前に解放のベルを鳴らしており、かつこれら3つのアイテムがみな呪われていなければ、モーロックの聖域への階段が開かれる。そうでなければ祈りは失敗し、なぜ間違えたかを示唆するメッセージがあらわれる。祈りをささげるとき以外では、死者の書が祝福されていれば、近くの同じ属性のアンデッドを手なづけることができ、視界内の他のアンデッドを友好的にし、遠ざけておくことができる。呪われていなければ、ランダムなメッセージの他に効果はない。呪われていれば、アンデッドが何匹か召喚され、インベントリにある死体は蘇生され、インベントリにある卵は若返る。

Spell skills

NetHack 3.3で「wizardパッチ」が統合されたため、各キャラクタは特定の呪文のグループに関連して、武器レベルと同じような仕方で個別のスキルレベルを持つようになった。武器と同じように、ひとつの呪文を継続して使うことで、その呪文の流派を鍛えることができる。魔法の流派を充分に鍛え、充分なレベルがあれば、その流派のスキルレベルを向上させる機会を得られる。これによってやがてその流派の呪文の失敗率を減少させ、呪文の効果を向上させることができるだろう。

ある呪文の流派を向上させるにはとくにふたつのことが必要となる。その流派の任意の呪文を唱えるのに成功した数、およびレベルである。入門者のレベルには合計20回の詠唱が必要である。熟練者なら80回、エキスパートなら180回である。 これらはゲーム開始からの累積である(開始したときあるスキルが入門者だったとしても、それを達成するのに必要な20回の命中が期待される)。

スキルレベルを向上させるもうひとつの基準はレベルである。レベルが上がるたび、「スキルスロット」を獲得する。スキルスロットはあるスキルを上達させると消費される。それゆえ、レベルを1から30まで上げることで最大29のスキルスロットを獲得できることになる。レベルが下がると、それに関連してスキルスロットも失なう。スキルスロットがスキルを向上させるのに使われていれば、もっとも最近に獲得したスキルを失い、さらにそのスキルレベルの残りのスキルスロットが払い戻される。 スキルを初心者から入門者、および入門者から熟練者に向上させるにはスロットを1つ消費する。熟練者からエキスパートへはスロットを2つ消費する。これらのスロットは武器スキルと共有されることに注意せよ。

ゲームを開始したとき、HealerとMonkは回復の、Priestは僧侶の、Wizardは攻撃と補助の流派に、それぞれ入門者のスキルをもっている。他の流派はすべて初心者である。スキルカテゴリーを向上できるときには、メッセージ「スキルを高める自信が湧いてきた」があらわれる。その後、#enhanceコマンドでスキルを向上させられる。別のスキルのためにスキルスロットをとっておきたいなら、スキルを上達させずにおくこともできる。スキルを上達させた後、別のスキル(おそらくは同じスキルだろうが)をさらに上達できる状態であれば、メッセージ「さらにスキルを高めることができそうな気がした!」があらわれる。また#enhanceコマンドを使えばいつでも現在のスキルレベルを調べることができる。

職業によって、到達できる呪文の流派の最大レベルは異なる。以下のとおり。

流派 Arc Bar Cav Hea Kni Mon Pri Ran Rog Sam Tou Val Wiz
攻撃 b s b - s b - - - s - b E
治癒 b - - E s E E b - - - - s
予知 E - - - - b E E s - b - E
補助 - - - - - b - - - - b - s
僧侶 - - - - s s E - - s - - s
脱出 - - - - - b - b s - s b E
物質 b - s - - b - - s - - - E

「制限」という語は、初心者のままで変わらないスキルカテゴリーをあらわす。他の初心者のスキルは#enhanceメニュー中にあり上達させることもできるが、制限カテゴリーはメニューにあらわれることもない。

呪文の失敗

いかなる呪文詠唱にも満たされねばならない準備が必要である。その呪文をすでに習得しており、かつ20000ターン以内前に(再)学習していなければならない。食料を探す呪文を唱えるのでないかぎり、最低11の栄養価(「ふらふら」寸前の「衰弱」)が必要である。 最低4の強さがなくてはならず、かつ両手を開けておかねばならず(武器も盾も装備してはいけない)、さらに荷重状態ではいけない。 最後に、呪文を唱えようとするたび、成功すれば呪文のレベルの5倍に等しい値(魔除けがあれば、この値はランダムに3倍まで上がる)、失敗すればその半分、魔力が消費される(魔力の回復する早さについてはhppw-340.htmlを見よ)。 さらに呪文の詠唱が成功したとき消費される魔力の2倍、空腹度がふえる(しかし「ふらふら」にはならない)。 Wizardは知力に応じ、この空腹になる程度は減少する(知力が15なら半分に、知力16なら4分の1になり、さらに知力が17以上ならまったくなくなる)。

呪文が失敗する要素は3つある。

呪文の成功を向上させる7つの要素がある。

呪文の失敗を計算するには、まず下に#記号で印されたペナルティの合計を求める。ペナルティの合計は増えるほど呪文詠唱には不利である。また上限は20である。

# 下表の「BASE」の値。キャラクタの職業による。
# 「緊急」呪文(上に+で記されている)であれば「EMERG」の項。
# なにか盾を装備していれば、「SHIELD」の項の量。
# 金属の鎧を装備していれば、「SUIT」の項の量。
同時にローブも装備していれば、その量の半分のみを加える(端数切り捨て)
# 金属の鎧を装備せずにローブを装備していれば、「SUIT」の項を*引く*。
# 知性の兜以外の金属の兜を装備していれば、4を加える(金属の兜は精神集中の邪魔になる)。
# 金属の小手は6を加える(呪文は手を通じてかけられる).
# 金属の靴は2を加える(あらゆる金属はある程度邪魔になる)。
# その職業の得意な呪文(表を参照)なら-4を加える。[4を引く]
職業 BASE EMERG SHIELD SUIT STAT SPECIAL SPELL
Arc 5# 0# 2# 10# 知力 地図
Bar 14# 0# 0# 8# 知力 速攻
Cav 12# 0# 1# 8# 知力 穴掘り
Hea 3# -3# 2# 10# 賢さ 病気を癒す
Kni 8# -2# 0# 9# 賢さ 蘇生
Mon 8# -2# 2# 20# 賢さ 能力回復
Pri 3# -2# 2# 10# 賢さ 解呪
Ran 9# 2# 1# 10# 知力 透明
Rog 8# 0# 1# 9# 知力 宝を探す
Sam 10# 0# 0# 8# 知力 千里眼
Tou 5# 1# 2# 10# 知力 魅了
Val 10# -2# 0# 9# 賢さ 冷気
Wiz 1# 0# 3# 10# 知力 矢

次に基本の成功率を求める。これは知力もしくは賢さ(職業による、STATを参照)の5.5倍である。この確率は以下の要素による修正をうける。

# スキルレベル(SKILL) (入門者 = 0、初心者 = 1、熟練者 = 2、エキスパート = 3)
# 呪文レベル(LVL)
# レベル(XL)

次の公式に従う。

困難さ = (LVL * 4) - (SKILL * 6) - (XL/3) - 5

もしこの答が正であれば、成功率は別の公式に従って減少する。

確率 = 基本成功率 - ((900 * 困難さ) + 2000)の平方根

正でなければ、成功率は返り値によって増加する。 絶対値に(15/LVL)をかけ(ただし上限は20)、基本成功率に加える。

この結果、成功率は0%から120%までになる。小さな盾より大きい盾を装備していれば、確率はさらに1/4に減少する(ただし、職業の得意な呪文であれば1/2になるだけである)。

最後に、成功率は次の公式を用いたペナルティの合計で調節される。

確率 = (確率 * (20-ペナルティ) / 15) - ペナルティ

結果、成功率は0%から100%までになる。

Acknowledgements

Thanks to Bruce Cox for proofreading the original version of this file.
Further corrections and clarifications provided by Jason Brown, Snibor Eoj, Monte Mitzelfelt, Petrosky, Pat Rankin, Pekka Rousu, Pekka Savola, Robert R. Schneck, Jason Short, and Sascha Wostmann.
原文は Dylan O'Donnell が NetHack 3.4 用に作成し、Kate Nepveu が html に変換したものです。全ての権利は原文の作成者が保有します。

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