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【スポーツ】

[卓球]張本、初の決勝 やっとたどり着いた

2018年12月16日 紙面から

男子シングルスで決勝進出を決め、雄たけびを上げる張本智和=仁川で(共同)

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◇グランドファイナル

 【仁川共同】卓球のワールドツアー上位選手で争うグランドファイナル第3日は15日、当地で行われ、シングルスの男子準決勝で張本智和(15)=エリートアカデミー=がウーゴ・カルデラノ(ブラジル)を4-0で退け、初の決勝進出を決めた。水谷隼(29)=木下グループ=は準々決勝で梁靖崑(中国)に4-2で勝ったが、準決勝で林高遠(中国)に0-4で敗れ、決勝での日本人対決は実現しなかった。女子の石川佳純(25)=全農=は準々決勝で何卓佳(中国)に3-4で敗れた。

 初の決勝進出をいとも簡単に決めた。男子シングルスの張本が、国際卓球連盟の年間表彰でともに最優秀選手にノミネートされていたホープ対決を、わずか35分程度の短時間で制した。強豪が居並ぶグランドファイナルの頂点にあと1勝とし「やっとここまで来られた」と充実感に浸った。

 荒々しさの影にもろさがひそんでいたこれまでとは違う。3月のカタール・オープンで、攻め急いで0-4で敗れた反省も生かした。「焦っても仕方ない。1球でも多くつなぎ、ミスを待った」と対応し、甘い返球を多彩な技術で的確に仕留めていく。第3ゲームは「『ゾーン』に入っていた。何がきてもこう返そうというイメージができていた」と明かすほど、感覚も研ぎ澄まされていた。

 周囲からは大躍進の1年に映るが、6月の荻村杯ジャパン・オープン以降は優勝から遠ざかり、主将を務めて必勝を期した10月のユース五輪も苦杯をなめた。「たくさん悔しい思いをしてきた」と、大の負けず嫌いにとって、半年前の栄光は既に遠い過去の話だ。

 冷静さが光るプレーとは対照的に、大舞台でこそ燃える気性は一層熱を帯びている。「この1年の全てをぶつけたい」と優勝へ照準を定めた。 (共同)

◆最終セット粘るも 佳純、無念の敗退

 勝利をほぼ手中に収めていた石川はいら立ちを隠せなかった。女子シングルス準々決勝、劣勢を挽回して迎えた最終ゲームだった。8-4とリードしたところから、展開が急転した。連続失点で逆転されて勝利を逃し「勝っていたのに…」と、ぼうぜんとした表情で言った。

 相手の使用ラバーが特殊のため球の変化が読みにくく、11月のオーストリア・オープンでは0-4で敗れていた。今回は対策十分で臨み、序盤に劣勢となっても「挽回できる」と冷静だった。徐々にペースをつかみ、形勢は完全に石川に傾いていたが、最後に落とし穴が待っていた。「焦りが出てしまった」とうつむいた。今回も中国選手の壁に阻まれたが、今年は安定した成績で世界ランキングでは日本人トップを守った。打倒中国へ「惜しいところまではきている」と手応えもある。年内に残るTリーグも出場予定で、まだまだ自身を鍛え抜く。 (共同)

 

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