【芸能・社会】さっしー、HKT卒業発表 「何年も前から決めていた」2018年12月16日 紙面から
アイドルグループ「HKT48」の指原莉乃(26)が15日、東京都文京区の東京ドームシティホールで開かれたコンサートで、HKTとAKBグループからの卒業を発表した。来年4月28日に横浜スタジアム(横浜市)で卒業コンサートを行い、卒業後の5月28日に本拠地・福岡のマリンメッセ福岡で「指原莉乃11年ありがとう!大感謝祭」と題したイベントを開催する。涙ながらにファンへの報告を終えると「平成のギリギリまでアイドルとして頑張りたい」と宣言した。 アンコールで2曲を歌い終えた後だった。「ここで私から報告があります。私、指原莉乃はHKT48を卒業します」と指原が声を震わせた。まだライブの興奮冷めやらない客席がざわつく。ステージに集結したHKTのメンバーもぼうぜんとし、視線を泳がせていた。 「急になってしまって申し訳ないんですけど、何年も前から決めていて、すでに卒業コンサートの日程も一部のスタッフさんと話して、ここで言います」。その詳細が本人の口から伝えられると「ウソだろ?」「撤回しろ!」などとファンから悲鳴や怒号が上がった。 「さっしー」の愛称で親しまれる指原は、07年にAKB48の第5期研究生オーディションに合格。13年に「AKB48選抜総選挙」で初の1位を獲得し、15年から昨年にかけて史上初の3連覇を成し遂げた。HKTの看板を背負いながら、AKB48グループの“顔”にもなり、今やバラエティー番組に引っ張りだこの存在だ。 「このコンサート(開催を)をスタッフから知らされた時に、『今日言いたい』って思いました。私の最後のわがままだと思って許してください。でもすごく考えて、いっぱい考えて出した結果なので、私の背中を押していただけるとうれしいです。本当にHKTが大好きなので、次のHKTが見てみたいなと思います」と涙をぬぐいながら呼び掛けると、温かい拍手も上がった。 「こんなんで泣いていたらダメだよ。頑張ろう!!」と後輩たちを鼓舞する指原だったが、次の曲が始まっても大半が泣いてしばらく歌えない状態に。泣き崩れそうな宮脇咲良(20)を指原は抱きしめた。 卒業を決意した理由について指原は明かさなかったが、総合プロデューサーの秋元康さん(60)は「指原はここ数年、ずっと悩んでいました。自分はいつ卒業すればいいのだろう? 自分の未来が不安というより、後進に道を譲るタイミングを迷っていたのです」と代弁した。 この日は、日韓合同アイドルグループ「IZ*ONE」(アイズワン)に参加するHKTの後輩、宮脇と矢吹奈子(17)がライブに出演していたことから、秋元さんは「今日、宮脇咲良と矢吹奈子を送り出すに当たって、このピンチこそが、そのタイミングではないか? と決断したようです」とコメントした。
◆まゆゆが、ゆきりんが、激励指原の卒業発表を受け、総選挙でも1位争いを繰り広げた元ライバルの渡辺麻友(24)=17年卒業=は所属事務所を通じて「さっしー、卒業おめでとうございます! 長い間本当にお疲れさまでした。型にはまらないアイドル像を確立し、堂々と歩んできたさっしーの活躍は日本のアイドル史に大きく刻まれる事でしょう。同じグループ出身として、とても誇らしいです」と敬意を表した。“古参”の柏木由紀(27)はツイッターで「ああ…貴重なオバサン仲間が……おつかれさまでした!」とつづった。 ◆「恋チュン」でラスト紅白AKB48として出場が決まっている「第69回NHK紅白歌合戦」は、姉妹グループを含む選抜メンバーが歌唱メンバーに選ばれる見込みで、指原もその一員となる。関係者によると、指原が同グループの表題曲で初センターを務めた「恋するフォーチュンクッキー」が歌唱曲に選ばれ、アイドルとしてのラスト紅白に挑む指原の花道を飾る演出になるという。 <指原莉乃(さしはら・りの)> 1992(平成4)年11月21日生まれ、大分県出身。07年にオーディションに合格し、研究生としてメンバー入り。08年に8月に正規メンバーとしてAKB48チームBに加入。11年3月に4人組派生ユニット「Not yet」としてもデビュー。12年5月にはシングル「それでも好きだよ」でソロデビュー。12年7月にHKT48に移籍。昨年9月、自身がプロデュースするアイドルグループ「=LOVE」がメジャーデビューを果たした。
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