「初球から甘い球をとらえられた。気持ち良かったです」。今でも鮮明に覚えている。5月9日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で放ったプロ1号。その瞬間をとらえた写真パネルにサインを入れると、清宮はニッコリ笑った。
会場にはエンゼルス・・大谷や中日・松坂、岩瀬、さらに100回大会の甲子園を彩った大阪桐蔭・根尾ら写真が並ぶ。一通り見学した清宮は「今年あった数多くの名場面の中に入れていただいて光栄です。記憶に残る場面ばかり。来年はもっと多く入れれば」と抱負を語った。
名場面の積み重ねが歴史となり、後世に語り継がれる。来季は5月から新元号になる歴史的なシーズンを迎える。5月1日は西武戦。当然清宮には新時代を切り開くアーチに期待がかかる。「タイミングが良ければですね。例えば1番打者が打ったらダメなんで。タイミングが合えばです」。これまでリトル世界一に輝いたり、高校通算歴代最多の111本を記録したりするなど記憶にも記録にも残るアーチを残していた。持っている男だからこそ新元号1号への夢は膨らむばかりだ。
来季からチームメートになる金足農・吉田の甲子園での投球シーンの写真にもくぎ付けになった。これからたくさんの重圧と戦うことになる後輩へ清宮らしいメッセージを送った。「自分らしくやってくれれば良いと思う。周りのことが気になると思うけど、自分らしくやってくれれば」。ぶれずに歩んだ先に新たな時代が待っている。 (土屋善文)