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「アイデア絞ったのに」「困っている」

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 北アルプスを抱く長野県小谷(おたり)村も「アウトドアの村」として、人気ブランドのモンベル(大阪)やコールマン(東京)の返礼品が人気を集めていたが年内での取りやめを決めた。昨年度は村の歳入の三分の一にあたる約二十四億円の寄付がありそのうち九割がアウトドア用品だった。村の担当者は「コメ、肉、カニが返礼品の『三種の神器』と言われるが、小谷は谷形の地形で耕作面積が少なく冬は積雪が二メートルを超え牛や豚を育てることも困難。アイデアを絞って用意したのに」と話す。

 壱番屋(愛知県一宮市)が全国展開するカレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」の一号店がある愛知県清須市は、同社のレトルトカレーセットが地場産ではないと指摘された。「ココイチ創業の地」として食通に知られ、レトルトカレーセットも寄付額の七割を占める人気商品だったが、栃木県の工場で製造されていた。年内で取りやめるという。担当者は「他にめぼしい地場産がなく困っている。新たな返礼品を発掘したいが、地場産に弱い自治体もある」と訴える。

 ふるさと納税に詳しい保田隆明・神戸大大学院准教授は「明らかに度を越して暴走した一部の自治体のあおりで、ルール化は仕方ない面もある。地場産がなければ生み出すしかない。地元居酒屋の唐揚げなど、普通のものを特産品にした地域もある。他にも体験型の返礼品で勝負するなど工夫が必要」と話している。

 

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