第16話 むしゃぶろうで候 「おまえ、だらしねえなあ」。 「すんません」。 「どけどけ、俺がセックスっちゅもんはどんなもんか見せたるわい」。 むしゃぶろうは又しゃぶ郎をどけて、土手ちゃんのまたぐらと対峙した。 「あのな、まずな、セックスっちゅうもんにも型があるんやで。何でも構わん入れたらええちゅうもんやないんや。そこら辺は柔道や剣道と同じやな。基本の型を知らんといかんわけや。体位っちゅう奴やな」。 むしゃぶろうは講義を始めた。 「で、そん中でも女が最も感じるのは、—まあ個人差はあるけれども−、一般的にはこれや。こうやってなまず足首つかんでな、持ち上げんねん。こうやって」。 むしゃぶろうは持っていた足首を土手ちゃんの顔のほうまで持ち上げた。 「どや、恥ずかしいポーズやろ。丸見えやろ。この恥ずかしさ、辱められてるって女に思わせることで快感を倍加させるわけや。と同時に深く入れることができると言う物理的効果もある」。 「はあ、なるほど。でもなんで関西弁なんすか?」。 「それはまあ、なんちゅうか、気分やな。「やったるわい」っちゅう、勢いや。まあ、そんなことはどうでもええねん。でな、この足を今度はこの俺の、この肩の上に乗せんねん」。 いつしかむしゃぶろうと又しゃぶ郎との関係は同列の仲間と言うものではなく、親分と子分、若しくは師弟の関係になっていた。それは又しゃぶ郎のほうに早くイッってしまったと言う負い目があったからだろう。 「でな、この足をな、こうやってな担ぐようにすんねん。で、ここにやな、この穴あるやろ、これや、ビラビラの奥のこれやな。これにチンポの先っぽをあてがって、よーく狙いを定めて、勢い良く、根元まで、一気に入れんねん」。 ズボッ〜!。 「はあ〜」。 「どや、土手ちゃんギャグ言ったやろ」。 土手ちゃんは本気で感じた時喘ぎ声がギャグ、特に昭和の古いギャグになるのだ。 「ああ、なんか言いましたね」。 「なんか言うたってなんやねん。ちゃんと聞いとなあかんで、これから中で動かすからなあ」。 「はい」。 ズコ、ズコ、ズコ。 「はあ〜あ」。 「どや、言うたやろ。「はあ〜、何とか」って言うとったやろ」。 「言いましたけど.....」。 「言いましたけど何や。え、「はあ〜ポックンポックン」かなんか言うとったやろ?。なに、言うてない?。ほなら単なる喘ぎ声かい」。 「いや、喘ぎ声って言うよりあくびみたい.....」。 「アホか!。なに言うとんねん。ちゃんと聞いときや」。 むしゃぶろうは激しく腰を動かし始めた。。 「おら、おら〜、どうじゃ〜!。ピストン運動や〜!」。 ガン、ガン、ガ、 「あっ」。 「なんすか」。 「イッてもうた」。 つづく |