朝鮮日報

「韓国製」の看板を掲げて商売する中国企業

韓国製造業への投資加速

■半導体など先端産業も 反応まちまち

 中国は半導体、ディスプレー、電気バスなど韓国の先端産業に対する投資も拡大している。中国最大の産業用ロボット企業、新松機器人自動化(SIASUN)は今年6月、シンソンE&Gから半導体・ディスプレー物流設備専門のシンソンFAの株式80%を1040億ウォンで買収した。シンソンFAは精密制御技術が必要な半導体、ディスプレーの輸送設備分野で韓国首位の企業だ。

 韓国市場を直接狙って進出してくるケースもある。中国の電気自動車メーカー、海格(HIGER)は最近、大林(テリム)コーポレーションと電気バス販売会社の設立に向けた覚書を結んだ。海格は今年7月、ソウル市が路線バス用に発注した電気バス19台のうち10台を受注した。電気自動車用バッテリー業者関係者は「海格が韓国国内に電気自動車の組立工場を設けるという話がある。国産の電気バスよりも20%程度安い価格で韓国市場を狙う格好だ」と指摘した。

 現代経済研究院のチョン・ヨンチャン上級研究員は「中国は米中貿易戦争の影響で、製造業技術を画期的に改善するという計画をうまく推進できずにいる。そのため、韓国や日本との協力に力を入れている」と分析した。中国企業による韓国製造業への投資に対する反応は複雑だ。「雇用を創出するために積極的に誘致すべきだ」という意見があると思えば、「中国のライバルメーカーを育てることになり、結局は韓国企業の負担になる」との意見もある。鄭永禄(チョン・ヨンロク)ソウル大国際大学院教授は「中国資本を活用し、韓国の産業の新規投資余力を高める戦略が必要だ」と指摘する。

 技術流出に対する懸念も大きい。2004年に中国の上海汽車が双竜自動車を買収した後、重要技術だけを吸い上げ、韓国での投資を避けたとして論議を呼んだこともある。チョン上級研究員は「投資誘致以前に先端分野では技術流出への備えが先決だ」と話した。

李性勲(イ・ソンフン)記者
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