■FTA・信頼性など韓国のメリット活用
中国企業が韓国を生産基地とするのは、韓国が米国、欧州、中国と結んだ自由貿易協定(FTA)を活用し、関税など貿易障壁を避け、韓国に対する諸外国の信頼を積極的に利用する狙いがある。
全羅南道光陽の城隍一般産業団地にある粉ミルクメーカーHAMは6日、光陽湾圏経済自由区域内の土地約8万平方メートルを確保するための入札に参加する。同社は中国企業の伊品乳業が全額出資で設立した。2016年に光陽に年2000トン規模の粉ミルク工場を建設した。原材料は欧州やオーストラリアから輸入し、製品は中国、ロシアに輸出している。韓国製なので信頼できると評判になり、売れ行きは好調だ。このため、1500万ドルを追加投資し、年産2万~3万トンの工場を建てることにした。同社関係者は「韓国は欧州とFTAを結んでおり、原料を中国よりも安価で輸入できる」と述べた。
海外市場で「韓国製」をアピールするために投資するケースもある。中国の製薬会社、長竜薬業は韓国企業と合弁で固体状の口腔洗浄剤工場を忠清南道に建設することを決めた。同社を誘致した天安市の関係者は「東南アジアなどに輸出し、韓国製という点をマーケティングに積極的に活用する意向と聞いている」と説明した。