朝鮮日報

文大統領の経由地、なぜ優先順位が低いチェコに決まったのか

韓国大統領府、元儀典担当者を急きょ派遣

 韓国外交部(省に相当)は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が20カ国・地域(G20)首脳会議出席する際の経由地として米ロサンゼルスに立ち寄る話がなくなった後、代替候補地としてチェコのほかにスペイン・オランダなどを挙げていたことが12日、分かった。チェコの優先順位は低かったというが、韓国大統領府は最終的にチェコに決めた。誰がなぜチェコに決めたのかは詳しくは分かっていない。このため、チェコ訪問の理由をめぐり、さまざまな見方や疑問が取りざたされている。韓国大統領府は当初、チェコで計画されている原子力発電所について「受注を取るため」と原発セールスを理由に挙げた。ところが、後に「給油のため経由した」などと説明が揺らいでいる。

 韓国大統領府関係者は「チェコを絶対に訪問しなければならない理由があるのかと聞かれれば、そうだとは言えないが、十分に選択肢になり得た。スペインなどは中国の習近平国家主席の訪問が予定されており除外した」と説明した。別の消息筋は「韓国大統領府が大統領訪問先を決定する時は合理的な検討と議論を経る」と言った。

 経由地決定が遅れたため、チェコにある韓国大使館は通常よりもはるかに短い期間で文大統領訪問の準備をしなければならなかった。外交部北米局長や大統領府外交秘書官を務めた文勝鉉(ムン・スンヒョン)駐チェコ大使は、儀典課長もしていた時期があるため、大統領行事の経験が豊富だ。しかし当時、同公館内ナンバー2に当たる人物に帰国人事が発令されており、儀典課長出身の別の幹部が臨時で現地に派遣された。政府消息筋は「準備時間も人材もすべて不足していた」と語った。

 これまでの大統領たちは南米に行く際、ほとんどが米西部を経由していた。朴槿恵(パク・クネ)大統領=当時=が2015年に中南米4カ国を歴訪する際の経由地は、行きはロサンゼルス、帰りは独フランクフルトだった。李明博(イ・ミョンバク)大統領=同=は08年、米ワシントンでG20首脳会議に出席した後、ブラジル・ペルーを訪問し、帰国の途にロサンゼルスで韓国人・韓国系現地在住者と懇談会をした。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領=同=は04年、南米を往復する際、ロサンゼルスやハワイを経由地に選んでいる。

ユン・ヒョンジュン記者
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