竹本「う゛ぉ~あぁ……。妹はマンガ家デビューしたっちゅうのに(マジで) 俺は毎日毎日、ただ抜くばかり……」 絶好調で死に至る病を爆走中の竹本まさお。 竹本「終わってるよなぁ。 なんかこう、もんもんとした現状から、 ファンタステックかつ激烈かつ安易に抜け出せないものか……。 ……今日はスクールデイズの血飛沫シーンで抜ければ変われるかも。 そうだ。それで生まれ変わろう! 精液絞り出すぞぉ~」
ドアが何者かの蹴りによって吹き飛ばされた! 渡辺「う゛ぉ~あぁ!!」 竹本「わっ、渡辺さん?!」 渡辺「こんな異臭をまき散らす汚物部屋(比喩表現ではなくマジで臭い)に こもって股間と脇から臭い汁をまき散らしてるから、 そんな人生になっちょるんじゃ!! 生き方を変えろ!!」 竹本「でも僕はこんな人生しか送れないんです。 変えたい、でも変えられない!」 渡辺「生き方を変えたきゃジャンプしろや! 精神的にジャンプすんのも物理的にジャンプするのも 突き詰めて現実を見なけりゃ一緒だ、オラッ! 竹本「ひぃ~ぃ、ジャ、ジャンプ?」 渡辺「麻薬で精神をジャンプさせるように、 肉体的ドラッグでジャンプして 強引に生まれ変われや! 体をぐわんぐわんさせる素敵薬がこいつだ、オラッ!」 竹本まさおの眼前につきつけられた物体! それは! 渡辺「こいつで跳べば生まれ変わるぜ! 三代先までご機嫌だ! 俺はおまえを愛してる! だからおまえに変わって欲しいッ!」 竹本「わっ、渡辺さん! ……俺……俺、生まれ変わるよ! ゼッテー!」 渡辺の好意に胸を打たれた竹本はただ泣く事しかできなかった!
渡辺「人気のない公園じゃ。今のおまえは人様に見せるような物体じゃねぇからな まず飛ぶのはコレだ、ファック!」 渡辺が竹本の眼前に差し出した物体。 それは!? 竹本「そっそれは人気同人ゲームであるところの 『ののの通信』の『落日』じゃありませんか!」 竹本の言うとおり、それはまさに、 落日! 渡辺「そうじゃ! マズ俺達が乗り越えなきゃならん壁じゃ! おまえの人生の門出としてコイツを物理的に飛び超えろや、オラッ!」 竹本「そっ、そんな大それた事、でっ、できません!」 渡辺「うるせぇ! どうせ超えられねぇんだから、こうやって 飛び越えなきゃテメェーだけじゃなく俺達の自尊心も保たれねぇだろうが!」 渡辺「さらにおまえの好きなエロゲーを台座にしてやったぜ、がっははは!」 竹本「鬼! 人でなし!」 渡辺「蝶のように生まれ変わりたいんじゃなかったのかよ!」 竹本「……うっ、生まれ変わりたいです!」 渡辺「だったら飛べや!」
ぶるり、と竹本は大きく震えてから、 何かを振り切った笑顔を渡辺に向けた。 竹本「わっ、渡辺さん。俺、跳んで蝶になるよ。 妹の顔を正面から見ることができる人間になるよ!」 切実な声であった。
竹本「きょえぇぇえぇっ!」
竹本「落日を飛び越えて!」
竹本「手に入れるんだぁー!」
渡辺「こっ、こいつ本当に超えおった!! 落日を物理的に超えおった!」 両手を広げ、誇らしげすぎる笑顔をまき散らす竹本。 竹本「やっ、やったぁ! 渡辺さん、俺、落日を超えたよ!
渡辺「アホぬかせ、たわけが!」 渡辺「人生はそんなに甘かねぇ!」 竹本「渡辺さん? その顔は……渡辺さんですか?」 渡辺「デストローイ! こいつはデストロイガンダムの装甲をも切り裂くというフリーダム花火! 戦火を潜り抜けずに人間、変われっかよ!」 竹本「ひっ、火を潜らすつもりですか!」 一見、非情な渡辺の行動。 しかし、それは竹本を乗り越えさせたいがゆえの愛の鞭なのだ! 渡辺「それをしなきゃ変われねぇし、ネズミ講で地元の友人を たぶらかす度胸もつかねぇっぺよ!」 竹本「うっうっ……」 渡辺「レッツ ファッキン ファイャー!!」 あまりの火力に竹本の顔面が引きつる。 竹本「うっ うげぇ! にっ、人間は火を恐れる動物です」 渡辺「アホか! テンション上げて行けば克服できるっぺよ! 最初に火を手にした人間も相当にテンションが上がっていたに 違いねぇ! おまえもそれをやれ!」 渡辺「火を超えて生まれ変われ、竹本まさお!」 竹本の目の色が変わった。 肉食獣のそれであった! 猛然と走り出す! 竹本「うっ、うおお! 生まれ変わりてぇ!」 ジャンプ一閃! 竹本「キャ、キャオラッ!」 竹本「こっ超えた! やったよ渡辺さん!」
竹本「あっ」 渡辺「あっ!」 竹本の着地点に、偶然置いてあったゲームのパッケージ。 渡辺「そっ、それは我々の偉大な前作『フユガミ』っっ」 渡辺「ンッ……ノォオオォー! フッ……ユガミィィィイ!」 頑張って血反吐吐きながら(本当)シナリオを書いた割には 渡辺「いっそ俺が生まれ変われらせたらぁ! おまえを涅槃に送ることでだ!」
竹本のいろいろな波動が押し込められた跳躍板を 清めるために、浄化能力を持つという 美青年絵師の元に渡辺はかけつけた! 都庁の公園に住んでいるという美青年は渡辺の申し出を 快く受けてくれた。 素晴らしい手際によって浄化されていく跳躍板。
といって、史上最悪のネタバレを仕込んでしまった! 渡辺「やったぁ! これで竹本君の怨念が消えたよぉ。 そうだ、この跳躍台をコミケで配布することによって、 少しでもみんなの役にたとう」 絵師は深く頷いて、 絵師「それはとでもいい考えですね。グスコーブドリもそう言うに違い有りません」 と優しく送り出してくれました。 石原慎太郎も都庁の窓から泣きべそかいてこの光景を見ていました。
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