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ワカサギ狙う鳥、ドローンで撃退実験 諏訪湖

 冬場に諏訪湖に飛来してワカサギを狙う渡り鳥カワアイサを、小型無人機ドローンを飛ばして追い払う実証実験が十四日、同湖で行われた。ドローンで魚食性の鳥を撃退する実験は八月に続いて二度目。主催した県諏訪地域振興局は、ドローンは追い払いに効果があるとし、諏訪湖漁協と協議しながら食害軽減対策として導入できる方策を検討していく考えを示した。

 漁協によると、諏訪湖には今冬、十一月二十日ごろからカワアイサが飛来し、周辺の河川を含め千羽前後に増えた。カワアイサによる食害は深刻化しているが、今のところ組合員が当番で舟を出して追い払いをするしかワカサギを守る手だてがないのが現状だ。

 国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所の坪井潤一さんから、ドローンによる鳥類の追い払い方法とその事例を聞いた後、実際に湖上に出てカワアイサの追い払いを実施。ドローン二機を飛ばし、湖面にいる群に近づいて追い掛けたり、搭載したスピーカーから猛きん類の鳴き声を出して脅かしたりした。

 引き続き、非公開で関係者と意見交換会を開いた。終了後、県諏訪地域振興局農政課の飯森恵美子課長は「ドローンを活用することには賛成いただいた」と説明。会議では、ドローンの操縦者を養成する必要があるとの指摘や、漁協による舟での追い払いと組み合わせた活用が望ましいとの意見が出たという。

 県はドローンの導入に前向きな姿勢だが、漁協の武居薫組合長は取材に「まだまだ技術的な課題はある」と話した。

 (中沢稔之)

 

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