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【政治】

辺野古土砂 きょう投入 玉城知事・菅氏会談決裂

米軍普天間飛行場の移設先として、埋め立て用の土砂が投入される沖縄県名護市辺野古の沿岸部=13日午後(ドローンから)

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 沖縄県の米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設を巡り、菅義偉(すがよしひで)官房長官は十三日、玉城(たまき)デニー県知事と官邸で会談し、予定通り十四日に建設予定海域に土砂投入を始める方針を伝えた。玉城氏は工事の中止を重ねて求めたが、菅氏は「計画通り行う」と応じなかった。政府と沖縄県の対立が一段と激化するのは確実。埋め立てが進めば原状回復は困難になるため、新基地問題は重大な局面を迎える。

 玉城氏によると、菅氏は「沖縄県の置かれている立場は十分理解しているつもりだが、工事は引き続き進める」と明言。玉城氏は「非常に残念だ。強硬な姿勢に県民が大きな憤りの声を上げるだろう」と政府の対応を厳しく批判した。

 菅氏との会談に先立ち、玉城氏は防衛省で岩屋毅防衛相とも会談。玉城氏は、県の埋め立て承認撤回の効力を停止した石井啓一国土交通相の判断を「違法」と指摘し、土砂投入を始めないよう求めた。岩屋氏は「気象状況などにもよるが、予定通り開始したい」と強調した。

 県が埋め立て承認撤回の効力停止を不服として審査を申し立てた総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」は、十四日に初会合を開く。来年二月二十八日までに結論を出す。県は二月二十四日、新基地の賛否を問う県民投票の実施を予定している。

 政府の計画では、土砂を投入するのは、辺野古沿岸部の埋め立て予定海域南側の護岸で囲まれた約六・三ヘクタールの区域。当初の計画では、土砂は沖縄本島北部の本部(もとぶ)港(本部町)から搬出することになっていたが、岸壁の使用許可権限を持つ同町が、台風被害を理由に使用を認めない方針だったため、名護市安和(あわ)の民間会社の桟橋を使って土砂を船で搬出した。 (中根政人)

 

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