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(萬平)塩作りをやめてダネイホンの製造販売に専念する。
社名も たちばな塩業からたちばな栄養食品に変更する。
福ちゃんと萬平さんたちの再スタートです。
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
(神部)この鉄板に海水を流すのは重労働やったなあ。
(岡)真夏はほんま死ぬかと思うたわ。
(堺)こんなこと やってられへんって何べん思たか。
(倉永)ほんでも塩作りをやめるとなったら何や寂しいのう。これからは みんなダネイホンを

作るっちゅうことか。
(森本)みんなでできるとは思えんな。
どういうこっちゃ。
こんなに人数はいらんて半分ぐらいクビになるかもしれんぞ。
えっ!(神部)社長がそんなことするわけないやろ。
そういうことも ありえるって言うとるだけじゃ。
社長は優しい人やぞ。社長の頭の中には新しい会社の姿が ちゃんと見えてんねや。
(世良)立花君には見えてない。
見えてないって…。(福子)どういうことですか 世良さん。
(世良)ダネイホンを全国に売り出そういうんはええ。そのためには 世良勝夫が必要やと僕

を呼んだんは大正解や。
(鈴)何が見えてないの。
客です。 全国の誰に売るつもりや。
(真一)そら 今まで大阪の病院に卸してたんやから。
全国の病院に。(世良)それが あかんのや。
これからは 一般人にも売っていくんや。一般人。
日本中の老若男女にダネイホンを知ってもらういうこっちゃ。
そやけど 前にダネイホン作った時…。
大阪で試食販売しました。
不評だったんやろ 一般人には。だから 病院に卸したんです。
そんなもん 味を改良して おいしいダネイホンにしたらええやないか。
おいしいダネイホンって。栄養失調の人間は病院だけにおるわけやないど。
家で寝込んでるもん町なかで動けんようになってるもんそこここに ぎょうさんおるんやで。確

かに。
そうね。
おいしいダネイホン…。
う~ん せやけど…。
(堀)ああっ!
(赤津)腕が!(長久保)つりそうや!
(小松原)そのうち慣れますよ。うるさい。
やめや。
ダネイホンの中身が 変わるかもしれん。(一同)ええっ!
ようできた。 すごいね 源ちゃん。
最初に作ったダネイホンは今より もっと まずかったんだよな。
スモモで甘みを加えてなんとか食べられる味にしたんだ。
それを 更に おいしくする…。
もっと何か加えるんですか。ああ?
今は 牛骨からタンパク質 ビタミンA ビタミンD。
スモモと菜種油からは ビタミンE。
ワカメからは ビタミンK。
ミネラルは 塩。お砂糖を加えるとか。
砂糖は高い。 原価が上がれば商品の値段が高くなる。
そしたら みんな買いませんよね。
ああっ もう どうしたらいいんだ!
ダネイホンの味を変えるなんて私は反対。
そやけど 一般の人に買うてもらうにはそうしないとって。
世良さんが言うことはねえ。
大体 あの人は昔から うさんくさいやない。
萬平さんは信頼してます。
萬平さんは世間知らずのとこがあるから。
私の旦那様をそんなふうに言わんといて下さい。
私は あなたと源ちゃんのことを心配してるの。
欲かいて 失敗したら どうするんよ。
(ため息)
今日のお出汁は どうしようかしら。
かつお節か 煮干しか そうか…。
あっ!あっ あっ あっ あっ あっ あっ あっ。
萬平さん! 昆布! 昆布!
ああ? 昆布?昆布には どういう栄養があるんですか。
昆布 昆布… ああ あった あった あった。
ビタミンA ビタミンEビタミンK タンパク質。
やっぱり みんな入ってる!
そしたらワカメを昆布に替えましょう。
替えたらダネイホンは おいしくなるのか。
そやかて昆布は 出汁に使われてるんですよ。
料理をおいしくするのが昆布です。
福子。はい。
どうして僕は 今まで こんな簡単なことに気が付かなかったんだ。
昆布です。これでダネイホンを?
作ってみよう。
そして その週末 いつものようにタカちゃんがお手伝いにやって来ました。
タカちゃん。(タカ)神部さん。
今日は 新しいダネイホンの試食会やで。えっ。
荷物 持つわ。ありがとう。
行こ。
(堀)もう おいどんの入る余地は なかね。
見込みなしやな。
(増田)完全に僕たちは切り捨てられました。
全員 手元に渡ったか。(一同)はい。
それでは 新しくなったダネイホンの試食会を行う。
自信の程は どうなんや 立花君。
そりゃあ うまく出来たと思ってますけど。(神部)絶対うまいですよ。
でも みんなの意見は果たして どうか。
まずければ まずいとはっきり言いますからね 私は。
お母さん。いいんだ 福子。
全員とまではいかなくてもここにいる8割ぐらいがおいしいと言ってくれなきゃ商品にはならな

い。そのとおり。
よし。 さあ 食べてみてくれ。
はい。頂きます。頂きます。
んっ! うん! おいしくなった!
ですやろ。どうかしら。
僕の口には合いません。
えっ!私は おいしいと思います。
う~ん。
よし 多数決をとろう。
新しくなったダネイホンがおいしくなったと思う者。
はい。
前のよりは ええかも。
昆布の出汁が利いて うまいです。わしは 気に入りました。
まあ 合格点や。
手を挙げなかったのは野村 堺 倉永か。
(野村)わいは 正直言うて…。
前のんが好きです。
倉永は。
僕は 違いが よう分かりません。
何で分からんのや。(峰岸)全然ちゃうやないか。
まあ 世の中の人間全員に気に入られる商品は ないやろう。
ここまで支持されたら十分や。はい。
これが気に入らんいうもんは切り捨ててよし。
(野村)切り捨ててよし!?僕ら 切り捨てられたんですか!?
そんな殺生な!かわいそうに。
切り捨てられる気持ちは よう分かる。ほんまや。
そしたら このダネイホンを日本中に売っていこう。
(佐久間)日本中?ほんまに売れるんですか。
売れるんですかやのうて 売るんや。
そのためにはまずは東京進出やで 立花君。
東京進出?東京?
こうなったら 日本の中心に販売と宣伝のための子会社を作るんや。
子会社か… そら そうやな。
どうして世良さんがそんなこと決めるんですか。
東京に出ていくなんてやめてちょうだい。
また お母さん。何でですか。
東京には 人情がないって聞いてます。冷たい人ばっかりやって。
(野村)わいも聞いたことある。冷たいって どういうこと。
妊婦さんが 道で急に産気づいてうずくまったのに誰も助けてくれなかったって。
ええっ。(赤津)ほんまですか!?
(大和田)それは人情がないどころやない。鬼の集まりや。
そんなん誰が見たんよ。
聞いた話やって言うてるでしょ。
東京は駄目。 だから あなたは大阪で赤ちゃんを産みなさい。
はい?2人目を 早くつくるの。
はっ えっ…。
今 そんなこと どうでもいいでしょ!
何の話や。
どうするんですか 萬平さん。
東京に会社を作る。
お義母さんはああいうふうに言ってるけれど僕は 世良さんの言うとおりだと思う。
確かに あの人は うさんくさくて調子に乗るところがあるかもしれないけど僕は どうしても

嫌いになれないんだよなあ。
世良さんが 僕のことを認めてくれてることは本心だと思うし僕らの とばっちりを受けて進駐

軍に逮捕された時も僕を恨んだりはしなかった。
まあ 「どないしてくれんねん」くらいのことは言ってたけどな。
萬平さんは 一度 信用した人はとことん信じる人ですもんね。
でも 東京に行くと決めたのは僕だ。
もし失敗しても それは僕の責任だ。
お母さんは 私が説得します。
お前は 不安じゃないのか。
不安になるわけないでしょ。
むしろ ワクワクしてます。
ありがとう 福子。
♪~
でも 福ちゃんが鈴さんを説得する必要は ありませんでした。
(咲)いい絵やわ。
(咲)きれいに描いてもろてよかったわね お母さん。
咲。
忠彦さんが 描いてくれたのよ。
知ってます。 観音様でしょ。
そう 観音様の私。
そしたら もっと おおらかでいないとね。
え…。ダネイホンを日本中に売るのは賛成で東京に出るのは反対って それは変よ。
咲…。
よし。
(鈴)いいわよ。ん?
東京に会社を作っても構いません。
えっ。
そやかて 私は 観音様やもの。
何で急に。
おはようございます お義母さん。おはようございます 萬平さん。
お義母さん。萬平さん。
やっぱり 僕の口から言うよ。
お義母さん 僕は決めました。私は決めました。
たちばな栄養食品は 東京に進出します。
いざ 出陣!えっ?
絶対に勝ちなさい。 あなたは武士の娘の娘の婿なんですから。
はあ…。お母さんいうたら もう!
萬平さんも そんな顔せんといて。ハハハハハ!
よろしいんですか?うん。
ハハハハハハ 福子。
ハハハハハハ よかった。そうですか。 ハハハハハ。


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