ニキビができるのは顔だけではありません。いつの間にか背中にぷくっとできていたり、髪の毛を洗うときに触れて痛かったりした経験はありませんか?体も当然すべて皮膚なので、顔にできるのと同じメカニズムでニキビができますが、こうした体ニキビの原因は実はシャンプーにあるのかもしれないのです。
今回は、シャンプーがニキビの原因となりうる理由と予防法についてご紹介します。
1. シャンプーがニキビの原因になる理由
シャンプーがニキビの原因になると言われる理由は、シャンプーに含まれる成分にあります。洗髪後の爽快感をうたうシャンプーには、刺激の強い成分が使われることも少なくありません。また、香料にも、ニキビや吹き出物などの原因になることがあると言われています。
1-1. シャンプーに含まれる、ニキビに繋がる成分
ニキビの原因は、毛穴につまった皮脂が出られなくなり、¥炎症を起こすことです。ニキビは脂性肌の人だけでなく、乾燥肌の人にもできることがあります。肌は乾燥するとうるおいを取り戻そうと皮脂を過剰に分泌し、それが毛穴につまってニキビとなる場合があるのです。
肌の乾燥を招きやすいのが、市販のシャンプーの多くに含まれている石油系の界面活性剤です。ラウレス硫酸やラウリル硫酸と呼ばれる石油系界面活性剤は、洗浄力が高いため皮脂を洗い流しすぎてしまい、乾燥によるニキビを引き起こしやすいと言われています。
ラウロイル、ココイルなどのアミノ酸系界面活性剤は、一般的に石油系界面活性剤に比べると刺激が弱く、肌にやさしいと言われています。しかし、洗浄力が弱いので、しっかり洗わないと汚れや皮脂が残ってしまい、毛穴につまってニキビの原因となる場合があります。
また、シャンプーだけでなくリンスやコンディショナーにも多く含まれている成分に、シリコンがあります。ジメチコン、シクロメチコン、シロキサンなどがシリコン系成分になります。シリコンには強いコーティング作用があるため、しっかりと洗い流さないと肌に残り、毛穴を防いでニキビを作ってしまうことがあるので、注意が必要です。
1-2. 洗い残しにご注意
シャンプーがきちんと洗い流されず、頭皮や体に残ると、ニキビの原因となります。石油系の界面活性剤が含まれたシャンプーが顔や背中に残っていると、汚れを含んだ泡が毛穴につまったり、頭皮と同様に乾燥して皮脂の過剰分泌に繋がったりしてしまいます。
特に洗い残りやすいのは、髪の生え際や首筋、背中からお尻にかけてのラインです。
シャンプーは、泡が目に見えなくなっても、まだ頭皮や髪の毛に残っていることが多いと言われています。シャンプーが原因となるニキビを作らないためには、念入りにシャンプーをすすぎ、身体に残らないようにすることが大切です。
2. ニキビになりにくいシャンプーの選び方
シャンプーが原因のニキビを作らないためには、刺激が弱いシャンプーを使用するのがおすすめです。一般的な日常生活の中で髪につく程度の汚れは、お湯で流すだけで大半が落ちるとも言われていますので、洗浄力の強いシャンプーを使わなくても、充分きれいにすることはできるのです。
2-1.アミノ酸系
アミノ酸系シャンプーとは、アミノ酸を含む界面活性剤を使用したシャンプーのことです。
髪や頭皮は、アミノ酸が組み合わさったタンパク質でできています。そのためアミノ酸系のシャンプーは髪や頭皮への刺激が少なめであると言われ、敏感肌用やベビー用として販売されているものも多くあります。
適度な洗浄力で皮脂を落とし過ぎないだけでなく、保湿効果も期待できるとされているので、肌の乾燥からニキビに繋がるのを防ぐことができます。
ただ、洗浄力が強くないため、整髪料などをたくさん付けているなどのときは、使用するシャンプーの量を増やしたり二度洗いしたりして、洗髪もすすぎも入念に行うようにしましょう。
2-2.ノンシリコン
髪をコーティングする作用で外的刺激から守り、つやのある美しい髪にしてくれるシリコンは、長い間欠かせない成分として、シャンプーやトリートメントに使われてきました。
シリコン自体が特に有害というわけではないので、きちんと洗い流せていれば問題ありませんが、シリコンは付着性が高く、蓄積する性質を持っています。頭皮や肌に蓄積すると、やはり毛穴をふさいでしまい、ニキビの原因になってしまいます。
最近は、市販のシャンプーにもノンシリコンのものが増えてきて、手軽に購入することができるようになっています。すすぎに自信のない方や、頭皮や体のニキビに長い間悩まされている方などは、シャンプーをノンシリコンに変えることで、改善することがあるかもしれません。一度試してみてください。
3. シャンプー選び以外でできる対策
シャンプーを低刺激なものに変える以外にも、頭皮や背中のニキビ予防のためにできることがあります。シャンプーの選び方を考えるのと同時に、使い方についても見直して、シャンプーによるニキビを防ぎましょう。
3-1. 洗う順番に注意する
前述したように、シャンプーがニキビの原因となる大きな理由は、洗い残しです。そのため、洗う順番を工夫するだけで、強い界面活性剤や汚れが、身体に付着したままになるのを防ぐことができます。
まず髪を洗い、その後で体を洗えば、もしシャンプーをすすいだときに体に残っていたとしても、きれいに洗い流すことができます。さらにその後湯船に浸かり、出るときに再度シャワーで体を流せば、シャンプーが体に残ることはほぼないでしょう。
背中ニキビに悩まされているけれど入浴時にこの順番で洗えていなかった方は、今日から順番を変えてみることをおすすめします。
3-2.洗い残しに注意する
洗う順番に気を付けるだけでなく、シャンプーのすすぎを入念に行うこともニキビ予防には大切です。
洗髪をするとき、シャンプーを泡立てて洗うことを重要視している方は多いと思いますが、実は、最も大事なのはすすぎなのです。一般的に、シャンプー後のすすぎ洗いの理想時間は3~5分と言われています。パッと見て泡が見えなくなっていれば大丈夫というわけではないのです。少なくとも、洗うときよりも長い時間をかけて、しっかりとすすぐことが必要になります。
頭皮にシャンプーを残さないよう、指の腹を使って優しく丁寧に、頭全体をまんべんなくマッサージするように手を動かすのが、正しいすすぎのやり方です。
シャンプーの洗い残しはニキビだけでなく、かゆみや湿疹など、他の頭皮トラブルにも繋がります。時間をかけて丁寧にすすぎ、汚れもシャンプーも確実に洗い流すようにしましょう。
3-3. シャンプーを使わないようにする
生活の中で自然とついた汚れや余分な皮脂は、本来はぬるま湯で洗い流すだけで落とせると言われています。そのため、強い刺激や洗い残しが気になるのであれば、シャンプーを使うのをやめることも、ひとつの選択です。その場合も、指で頭皮をもむようにして、丁寧に頭皮についた汚れを落とすように心がけましょう。
お湯だけで洗うことに抵抗がある方は、市販のシャンプーではなく、石鹸のみで洗うのも良いでしょう。整髪料を使ったり、土埃を浴びるなど普段の生活以上に汚れたりしたときでも、石鹸がシャンプーの役割を充分果たしてくれるので、洗浄力の強いシャンプーは必要ありません。
まとめ
シャンプー選びは、ニキビだけでなく頭皮や体全体の肌にも影響します。顔に使うスキンケア化粧品と同じように、成分を確認して選ぶようにしましょう。