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2018-12-12

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「おじょうさん、ぼくにおとうさんをください」
 でお馴染みの、彼女の両親に会うの儀式。
 テレビドラマなんかで表現されているのは、
 けっこう昔ながらの演出が多いような気がします。
 一般的に、「父親は娘を嫁がせることに反対する」
 という図式は、大げさに描かれすぎてるとも思います。
 ま、ぼく自身がそういう場面に遭遇したときに、
 とてもうれしいと感じていた父親なので、
 それはそれで一般的でないのかもしれませんが、
 「彼氏」が緊張しているくらいには、
 「父親」のほうも落ち着かない気持ちでいるはずです。

 昨日、ぼくの座っていた給食のテーブルに、
 近々「両親に挨拶の場面」に向かう青年がおりまして。
 周囲の社内小姑たちが、肉やさい炒めなど食べながら、
 あれこれとご指導ご鞭撻をいたしているのでありました。
 ご当人の彼は、とてもいいやつだし、
 仕事に取り組む姿勢だってとても真摯だし、
 「お義父さん」に怒鳴られるような人じゃないのですが、
 それでも、初めてのことだし、堅くなっているわけです。
 お姉さま方のアドバイスも、親切だし思いやりもあるし、
 なるほどなぁと思うことも多かったのですが、
 ちょっと横でみそ汁などすすっているぼくは、
 なんといっても「お義父さん役」の経験者であります。
 おせっかいかもしれませんが、そんなに怖くないのだと、
 ぜひ伝えておきたいと思いました。

 <必要以上に、気の利く奴だとか思われようとしない。
 ちょっとぼんくらで、もの足りないくらいでかまわない。
 どういう話が気に入られるかとか考えても、無駄である。
 「すばらしい男だから、認めざるを得ない」なんて、
 戦士の試験じゃあるまいし、あるわけがない。
 会社でどれだけのお手柄をあげたかなどということは、
 ただの小うるさい自慢話である、
 もし訊かれたら、最低限のことを控えめに言いなさい。
 生まれ故郷の景色だの、名産のおいしさなんかを、
 ぽつんぽつんと語るくらいのほうが、よっぽどいい。>
 …安心して身の丈の彼でいけば十分合格だよ、と。

 だって、当の娘さんはすでにオッケーしてるのですから。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
長い付き合いになるのだから、プレゼン映えは意味ないよ。


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