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2年ぶり捕獲成功 きょうから気多大社「鵜様道中」

海岸で放たれるウ=2016年12月16日、石川県羽咋市一ノ宮町で(松村真一郎撮影)

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神事主役 関係者ひと安心

 石川県羽咋市の気多大社でウミウの飛び方から来年の吉凶を占う「鵜(う)祭り」(国指定重要無形民俗文化財)で、「鵜様」と呼ばれ主役となるウが十一日、同県七尾市鵜浦町で捕獲された。昨年を含め、二〇一二年以降で三回捕獲できず、神事を執り行えない年もあったため、関係者は胸をなで下ろした。

 ウは、同町の小西家が代々秘伝の技で捕まえており、寛之さん(56)と長男達矢さん(31)が八日から同町の鵜捕崖(うとりがけ)で捕獲作業にあたった。当初は一羽も姿を見せなかったが、十一日午前におはらいを受けると、五、六羽が現れたという。寛之さんは体長五〇センチほどのウを捕まえ、「このチャンスは二度と来ないという思いだった」と振り返った。

捕獲したウミウが入った籠=11日、石川県七尾市鵜浦町で(中川紘希撮影)

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 ウが崖にいないことが増え、一二年には約八十年ぶりに捕獲できなかった。一四、一七年も捕まらず、地元町会は今年十月に崖の補修をして作業を支援していた。寛之さんは「今年は何が何でもという思いがあった。ほっとしている」と話した。

 十六日未明にある祭りに向けて、十二日からの三日間は「鵜様道中」として、「鵜捕部(うとりべ)」と呼ばれる地元住民が、籠に入れたウを気多大社まで運ぶ。鵜捕部の横川良栄さん(69)は「心配があったがひと安心。しっかりと大社まで運びたい」と意気込みを語った。松尾孝夫宮司は「地元の人が捕りたいという思いが神様に伝わったのではないか。感謝している」と話した。 (中川紘希)

 

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