097話 賠償と、今後の関係
そんなこんなで宴に突入。
各種お酒も取り揃えてあり、水割りだろがロックだろうが氷もふんだんに用意してあった為何でもござれである。
流石に日本酒は無理だったけど、そこそこ豊富に飲み物も用意出来たものである。
聖騎士達にも大好評だった。
酔った勢いで、"テンペスト武闘会"の話など消え去ってくれと願ったのだが、そう上手くはいかなかった。
その話はきっちりと進められる事になるのである。
という訳で、翌日。
今後の
実際の話、此方の被害は甚大なものになる所だったのだ。甘い対応は出来ない。
しかし、実行犯の
管理責任というものがあるので、関係無いとは言え無いだろうけどね。
今回の聖騎士達による討伐戦に対しても、それなりの賠償を要求すべきなのかも知れないけれども……領地は離れすぎているので、飛び地で貰っても仕方ないのだ。
まして、お金とかで解決出来る類の話でも無い。
ぶっちゃけ、金とかより良好な関係の方が俺的には望ましいというのが本音であった。
そういう事を考えつつ、会談が開始される。
対する聖教会側の参加者は、ヒナタと隊長格5名であった。
まずはお互いの認識の摺り合わせから行いたい。賠償だなんだはその後に決める。
という事で、会議の前にお互いの状況とそれに対する認識を箇条書きにして、会議開始時に交換してあるのだ。
それを見ながらお互いに状況の流れを確かめていく。
認識の不一致があれば、早期に修正しておいた方が良いだろうという俺の考えだ。
流れを見る。
俺達からすれば言うまでもなく、ファルムス王国の侵攻から全ては始まっている。
一貫して立場が変わる事なく、相手の出方により此方も対応を変えるという
聖教会側の流れとしては、ファルムスの要請以前に問題があるとヒナタが言い出した。
つまりは、魔物の国の存在を認める事が、聖教会の掲げる教義に反する事になる。それは信者の不信を招きかねない重要な案件であった。
それを放置すれば、信者の離反を促し、聖教会の勢力が衰える事に繋がるのだ。
だからこそ、魔物の国など滅ぼしてしまう必要があった。
その為に、大義名分と切欠が必要だったのだ……ヒナタはそう言った。
ファルムス王国が自国の利益を守り欲を出した事を利用して、
それを認めるという事は、全面的に自分達に落ち度があると宣言したようなものなのだが……
もっと誤魔化して来るかと思っていただけに、意外であった。
「ふふふ、仕方あるまい。我等は敗北したのだ。認めるべきは認めなければ、先には進めないだろう。
それに……
私は、聖教会こそが民を守れる唯一の存在だと信じていた。
教義こそが全てで、教会に帰依する者は救われるのだから、それ以外は切り捨てても良い、と。
我等の救いに限界がある以上、信じる者のみを救う事こそが正義。
そう考えていたのだ。だが……
どうやら、それは間違いだったらしい。
自らが助かるべく努力するものに手を差し伸べるだけで良かったのだな。
私が、私達が助けられるものだけを助けようというその考えは、ある意味傲慢だったのだ。
ならば、教義を信じていようが信じていなかろうが、困っている者がいれば助ければ良いのだ。
自分の目の届く範囲でそれを為す事こそが、私達に出来る事なのだろう」
吹っ切れたように爽やかに。
ヒナタはそう言って微笑んだ。
教義を信じる者しか救わない、それはヒナタにとっては逆の意味を持っていた。
教義を信じる者しか救えない、と。
皆を助けるほどの力は無い。ならば、平等に人々を助けたいと願っても、それは叶わぬ願いなのだ。
だからこそ、神の教えたる教義を信じ守る者達を優先して救う。
合理的に割り切って、冷徹に信者以外を切り捨てて。
自分は正しいのだと、自分の心を偽って今まで生きて来たのだろう。
結局の所、救える者の数が限られている以上、どこかで線引きをしなければならなかっただけの話。
皆を救う等、不可能なのだから。
ヒナタにとっての線引きが、教義を信じるか信じないかという事だったのだ。
だからこそ、信者が減り教義を信じない者が増える事をヒナタは恐れたのだ。
自分が助けられる者が減ってしまうから。
頭固すぎだろ、と突っ込まずにはいられないほど不器用な考え方である。
けどま、理解出来なくはないけどな。元の世界でもそうだったし。
唯一神を崇める者って、結構頭が固い人達が多いしね。
教義の解釈の仕方が違うだけで敵扱い。それだけで、宗教が胡散臭くなるというのに、自分達の行いを省みる事が無い。
もっと柔軟に、相手の立場と考えを理解してあげれば、かなりの争いごとが減ると思うのだけど。
まあ、それは表向きの争いの理由であって、本当は利権や利益を求めての争いだというのがバレバレだけどな。
結局の所、利益を得る一部の人を潤す為に、敬虔な信者が泣く事になるのだ。
自分が泣かない為にどうすればいいか? 結構簡単な話なんだけどね。
要は、自分で考えろって事なんだよな。
人の言いなりになるのではなく、自分の頭で考えるようにするだけで、結構救われるものなのだ。
大半の人はしたたかで、利用されるよりも利用する立場に回っていたりするものだし。
何事も盲目的に相手を信じるのは良くないというだけの話だろう。
その点、ヒナタは真面目過ぎた。
これからは、もっと気軽に生きる事をオススメしたい。
ヒナタがアッサリと自分達の非を認めたお陰で、会談はスムーズに進む。
聖騎士の隊長達にも異論は無いようだ。
ヒナタを信じているのだろう。ヒナタの発言への否定や文句は出なかった。
お互いの状況と、争いに至るまでの流れの確認も終わったし、聖教会側が非を認めている。
さてと、後は賠償をどうするか、なのだけど……
「済まない、その点について言っておく事がある」
と、ヒナタが言い出した。
話を聞くと、今回の争い事に聖教会の上部組織である神聖法皇国ルベリオスは、一切の関与が無いらしい。
上部組織というか、其の辺はややこしいのだけど……教皇というか法皇というかその国の頂点に位置する人が、聖教会でも頂点を兼任しているという話なのだ。
だが、西方聖教会の実質の
今回の暴走も、討伐戦そのものも、本国は関係していないと言う。
故に、神聖法皇国ルベリオスとしての関与は、ヒナタのみという事なのだ。
何らかの賠償問題になったとしても、ヒナタを切って話は御終いになるだけだとの事。
ヒナタの立場が、法皇の近衛騎士筆頭というものを兼任しているからややこしいのである。
ちなみに、近衛騎士と聖騎士は別組織。
法皇を守る事のみを目的として動き、法皇の傍を離れる事は無いのが"近衛騎士"なのだ。
筆頭であるヒナタのみが自由行動を許されて、大局的に法皇を守る聖騎士の育成と聖教会の発展に携わる事を許されているとの事。
その立場があるからこそ、神聖法皇国ルベリオスは無関係とは言い切れない。
言い切れないけれど、責任は全てヒナタに帰結する。
そして、念の為という事で、ヒナタは筆頭騎士辞退の申し入れを行っているとの事。
これは今回に限っての話ではなく、何時でもヒナタを切り捨てられるようにするべく彼女の師達に言われていたとの事である。
その"七曜の老師"と言われる彼女の師匠達。
胡散臭い事この上無いけど、勇者を育てた事もあるという一流の賢者達だと言う。
用意周到にヒナタを切り捨てられるようにしているとの事だったので、神聖法皇国ルベリオスへの責任追及は不可能だろう。
どのみち、西方聖教会とは分けて考えなければならない。
今回は西方聖教会に対してのみで納得するべきだ。
では、賠償をどうするのか?
先も述べた通り、金銭での解決は此方の意図する所では無い。
西方聖教会として、俺達の存在を認めた上で、敵対しないという宣言が欲しい。
そう言うとアルノーという聖騎士が、
「俺達としては問題無い。真なる邪悪な者ならば、既に俺達はこの世に居ないのだから」
と賛同を示した。
それに対し、レナードと言う聖騎士団副長は、
「しかし、問題はあります。教義をどう扱うか、それ次第では聖教会そのものが……」
と、眉間にシワを寄せて納得できないという意思を示した。
これはヒナタの悩みと質が同じ。
最悪、聖教会の解体すらも視野に入れる必要が出てくる。
大切なのは、人々を守る事。聖教会が無くなろうとも、自分は人々を守り続ける。
そう割り切ったヒナタと違い、教団の信者や今ある組織そのものへの責任も蔑ろに出来ないのもまた確か。
聖教会がなくなれば、聖騎士もまた散り散りになる可能性もあるのだ。
深刻に悩むレナードに対し、
「それなら、この国の住人が"悪しき者"では無かった! って発表しちまえばどうだ?
実際、
その上位の
要するに、亜人も教義の中で言う"悪しき者"では無かったと発表すれば?」
魔物は魔物なのだが、教義で言う"悪しき者"では無い。
亜人であると全面的に認め、ドワーフ等と同様に扱うようにすれば、一定の理解は得られるのでは無いか?
アルノーが、そういう事を言い出した。
一番妥当な落としどころであると思える。
俺達はその意見を採用する事にし、色々と細部に至るまで打ち合わせを行なった。
そうして、一応の落としどころを見出したのである。
さて、西方聖教会に俺達を認めて貰う算段がついたし、賠償の代わりとして聖騎士との交流も定期的に行う事で話はついた。
そして何よりも。
今回の賠償として、壊れた装備を一式頂いた。
代わりに、複製した代用の剣をプレゼント。性能は然程変わらないだろうけど、ヒナタに合わせて
ヒナタの折れた剣も貰えたし、精霊武装とやらも解析させて貰える手筈となっている。これぐらいお安いものだ。
しかし、聖霊武装の解析。これは大きい。
聖騎士の所持する物は劣化品の精霊武装と言う物らしいけど、それもついでに解析出来た。
俺達の属性が魔属性という闇属性の亜種である以上、そのまま使用は出来ないだろうが、改造出来ると思うしな。
国家機密クラスの兵装らしいが、解析してしまえば此方のモノ。賠償なのだし、これくらいは問題なかろう。
これで、ますます我が国の武装も洗練されたものへと変わっていく事だろう。
そうしてキッチリと落とし前を付けた後、雑談モードへとなった時、とんでもない情報を入手出来た。
というか、結構常識だったのかも知れないが、俺は初耳だったのだ。
その情報とは、聖魔大戦……或いは、天魔大戦と呼ばれる500年に一度起きるという大戦についてだった。
話の流れは俺が今後の方針を話した事が切欠だった。
そもそも、
「というかだな、天麩羅といい白米といい刺身といい……
リムル、お前が私と同郷というのは最早疑ってはいない。
ここまであからさまに元の世界の食べ物を再現してあると、驚く以前に呆れたよ。
お前の話が本当なら(本当なのだろうけど)、たった二年でここまで自分の思い通りの環境を作るとは。
実際に目にしないと、信じられるものではないぞ!」
とヒナタが言い出したのが切欠だった。
それに対して俺が、
「いや、まだまだだな。
物流は遅いし、情報伝達も話にならない。
魔法があるから、住み心地と食糧保存はそれなりだけどな。
最悪なのが、文化だ。娯楽が少なすぎる。
まあ、それは根付くまでは時間がかかるだろうが、いつかは発展させて見せるさ!
目下の目的は街道整備。これは現在進行形で安全安心な交易路を整備中だ。
続いて情報伝達。無線とかあの辺は知識が無かったから諦めた。
けどね、魔鋼の思念伝達率は凄まじいよ。これを利用する。
影移動で用いる空間に魔鋼線を通して各都市を結ぶと、大した魔力を持たなくても通話が可能になる。
どうだ、凄い便利になりそうだろ?」
と、豪語したのだ。
実際、各都市間だけでなく、村々をも結ぶネットワークの構築を計画中なのである。
ベスターの開発した遠距離通信玉なら、姿を見ながら会話可能だけど高価過ぎる。各村々まで網羅するのは現状では無理があった。
魔鋼線ならば、細く引き伸ばす加工を行えば、結構手軽に配線可能なのだ。
影移動の空間に入れる者に任せれば、障害物も無いのでそれ程手間無く設置可能なのである。
後は、受信機の開発を待つだけであった。
やはり、情報化社会に生きていた者としては、情報の伝わる速度は重視してしまうのだ。
その言葉に呆れたように、
「あのな……まあ、いいけど。
遣りすぎると、天使に攻撃を受けるぞ」
何気ない感じでヒナタが言ったのだ。
天使? 一体何の事?
俺の疑問に気付いたヒナタが、
「何だ、知らなかったのか? 500年に一度、天空門が開いて天使が攻めて来る。
基本的には人間は襲わないけれど、発展し過ぎた町は破壊されてしまうのだ。
天使が文明を嫌っているというのが、研究結果で示されているのだよ。
この攻撃から逃れているのが、唯一ドワーフ王国のみ。
あそこは、入口が二箇所に絞れる上に、山の上に竜が棲息している為に大規模攻撃は通用しない。
その為に、何とか防衛可能なのだろう。
その他の国の文明が、一定レベルで停滞しているのはそれが理由だ。
例外がイングラシア王国。
ここに評議会が設置されている理由も、ここで研究開発を行い、被害を少なくする為だ。
だからイングラシアでは、500年に一度王都が一新されているよ。
これは各国の合意の元に行われている事で、住民も理解している。
前回はやり過ぎなかったお陰か、それ程の破壊は無かったそうだけどな。
各国が支援しあい、ここで様々な研究を行う。
利便性が高く秘匿しやすいものだけを、各国の王が利用しているのだ。
民に研究結果が行き渡りすぎても、天使による攻撃を招く。
厳選し、問題ないものだけが下々に降りてくるという仕組みなんだよ。
まあ、天使の目的は魔物の排除。
だからこそ、多少の目溢しをしてもらっているというのが実情だろうけどね」
何でもなく皆知ってる事だぞ? という感じで説明してくれた。
なんだそれ? 天使? 初耳なんだけど……
「おい、知ってた?」
誰にという訳ではなく、リグルド達に聞いてみると、皆知らなかった。
天使が攻めて来るというのは知っている者もいたけど、天使と魔物の戦いという意味でしか知らなかったようだ。
500年毎に大戦があると聞いた事はあったけど、魔王同士で戦ったり、人間と戦ったりするのかと思ってた。
いや……考えてみれば、人間と戦うとかならば、休戦が続くのも可笑しな話だ。深く考えてなかったけれども、言われてみれば納得出来る。
しかし、500年に一度、天使が攻めて来るとは、ね。
人間には手出しはしないけど、文明を嫌うとかどういう事だ? 人間の発展を邪魔したい、或いは恐れている?
意味が判らない。
「で? 国々としては放置という事か? 天使を倒すという話にはならないのか?」
という問いへの答えは明白だった。
下手につついて、魔族以上の敵を作りたくは無い! という事。
確かに、魔族とかいう厄介なのに加えて、別の敵を作りたくは無いのだろう。
現状、文明の発達さえ無ければ人間への手出しは無いそうだし。しかし、どの程度で滅ぼすレベルになるのだろう?
異世界人の形跡を特に嫌っている風情であったそうだけど、火薬の類が駄目なのだろうか?
その天使とやらは、一体一体が"B+"ランク相当で、100万体程の軍勢でやって来るそうだ。
更に、隊長クラスや指揮官クラスもいて、組織だって攻めて来る。
将軍クラスも存在するようだけど、その戦闘能力は未知数なのだとか。
魔王が何体かやられるそうだし、結構強いのだろう。
聖なる属性らしく、西方聖教会としては手出し無用を説いているとの事。
手出ししなければ、無害所か魔物を倒してくれるのだから当然だろう。
もっとも、人間の味方という訳では無いと考えているようだったけど、ヒナタ達もそこまでは内情に詳しくないようだ。
何しろ、自分達で天使の実物を見た事はない訳だし、伝聞と記録からの推測だけでしか話せないのだ。
後、聖教会が魔物を敵と見做す理由の一つに、魔族の存在がある。
魔物の中で、組織だって人間と敵対する者達を魔族と呼ぶそうで、魔王の中にも人間に明確に敵対している者がいるそうだ。
クレイマンとかがその代表格。もう死んだけど。
というか、クレイマンが死んだから、現在の八星魔王で人間に明確に敵対している者は居ない。
「は? クレイマンが死んだ、だと!?」
驚くヒナタ達。
「うん、死んだよ。俺が殺したもん」
ポテトチップスのようにスライスした、芋を油で揚げて塩を塗したオヤツに手を伸ばしつつ、俺は暢気に受け答えする。
結構手軽に作れて、オヤツに最適なのだ。
そんな事より天使について話をしようぜ! と思ってヒナタ達を見ると、呆れたのか諦めたのか複雑な表情になっていた。
あんな雑魚、正直どうでもいい。と、俺は思っていたのだが……
聞けば、クレイマンは色々と暗躍しており、尻尾を掴む事も出来なかったそうだ。
だが、人間に対しては明確に敵対しており、魔王内での牽制が無ければとっくに戦争になっていたとの事。
それで思い出した。
「そうそう、クレイマンの主ってのがカザリームとか言う魔王だったらしいよ。
で、どうもユウキと繋がりがありそうだから気を付けた方がいいぞ」
まだ事情を知らない聖騎士達にも、その事を伝えておいた。
「はあ? 自由組合の総帥のか!? ヤツがカザリームの可能性があるだと?」
「だが、表立っては問い詰める事は出来ないぞ……下手すると、聖教会と自由組合の戦争になる」
「だが、カザリームが生きていて、クレイマンを操っていたのだとしたら……
魔族の元締めはカザリームと言う事だな。
総帥がそうとは言い切れなくとも、可能性が高いなら監視の必要があるな」
そんな事を言い出した。
だが、真面目な表情とは裏腹に、その手は揚げ芋に伸ばされていく。
馴染みすぎだろ、コイツら……。
ヒナタまで手を伸ばして、小さく齧っている。
ちょっと、これはどうなんだ? ここまで自由に好き放題していいものなのか? などと、ブツブツ呟いているような気がするが、俺には関係ないと思う。
「お、おう。まあ、可能性の話だし、迂闊な事はするなよ?
ぶっちゃけ、その内"異世界人"の子供達を引き取りに行く予定だし、警戒させたくないしな」
「その件については、私にも思う所がある。
此方でも調べてみるが、構わないか?」
「え? あ、ああ。慎重に頼むぞ? 自由組合は情報収集のプロだからな?」
ヒナタにも考えがあるのだろう。
何か思い当たる事もあったようだし、任せてみるのもいいかも知れない。
そう考えて、一応頷いておいた。
確実に証拠が無いのに、手出しは出来ないのだ。
この件は、ともかく情報収集に全てが掛かっているのである。
ヒナタも十分に承知しているようで、俺と目を合わせて頷きあったのだった。
という訳で、今後の西方聖教会との今後の関係として、友好的な付き合い方の打ち合わせを行い、有意義な時間を過ごせた。
思わぬ情報も仕入れる事が出来たので、此方でも調べてみた方が良いだろう。
ヒナタ達は、2〜3日この町に滞在し、帰って行った。
何時でも緊急連絡を取れるように、何名か残っている。けど、俺達の監視が目的では無いのは明白だった。
既に彼等に敵意は無く、今後は友好的に接する事が出来そうだ。
出来るならば、この関係を維持したいものである。
こうして、一連の西方聖教会との争いは、一応の終結を迎えたのだ。