〇築地市場廃止・解体問題(東京都)
東京都が築地市場を閉鎖し、豊洲に移転させようとしている問題です
築地市場の仲卸業者の方たちは、その多くが移転に反対の意向であると聞きますが、なぜ移転することになっているのでしょうか。
築地市場の豊洲移転に関しては、1998年12月に東京魚市場卸協同組合(略称「東卸」)の臨時総代会において「現在地(築地)再整備」が可決されたものの、
2014年11月14日の東卸総代会において当時の伊藤淳一理事長が、1998年12月の臨時総代会の決議について「私のほうから白紙の宣言をさせていただく」と宣言
し、それが拍手で承認されたことが豊洲移転の法的根拠とされています(詳しくは週刊金曜日2018年1月26日号掲載の永尾俊彦氏の論文を参照)。
週刊金曜日(2018.1.26)
白紙宣言がなぜ移転の根拠になるかわけがわかりませんが、そもそも、事業を営んでいるのは仲卸業者の方たちであるのに、なぜ東卸が移転を決められるの
でしょうか。
これは、漁業を営んでいるのは組合員であるのに漁協が埋立やダム建設に同意している問題(上関原発の事例を参照)と全く同じで、組合の決議がゴマカシに
利用されているのです。40年余り埋立と漁業権について研究してきた私には、そのゴマカシがピンとくるのです。永尾俊彦氏も、川辺川ダムや諌早湾や大入島埋立
等で私と漁民との勉強会に参加され、また拙著を読んでくださっているので、ゴマカシに気づかれ、私にコメントを求めてこられたのでした。
週刊金曜日の記事を見た共産党都議団の方たちが、私に連絡をとってこられ、2月13日に勉強会を持ちました。都議会で質問してくださることになり、その後、
質問結果の連絡が来るのを心待ちにしていましたが、なかなか来ないので連絡を取ったところ、質問前に都に説明を求めたところ「仲卸業者は借地権を持たない。
都営住宅の入居者と同じようなもの」との説明を受けたために質問をあきらめたとのことでした。
しかし、仮に仲卸業者が借地権を持たないとしても、「東卸が何らかの権利を持っていて、総代会決議で移転を決められる」はずはありません。権利を持ってい
るのは、事業を営んでいる仲卸業者に違いありません。また、東卸の総代会決議を根拠にして誤魔化しているということは、仲卸業者が何らかの権利を持っている
からに違いありません。
そのような視点から、仲卸業者の持つ権利を検討して、「営業権」という概念に行きあたりました。「営業権」とは、行政庁の許可を受けて営業していたり、長
年の営業により暖簾を得て営業していたりする事業者の持つ財産権です。築地の仲卸業者は、都知事の許可を受けていますから、それだけで「営業権」を持つこと
になります。そのうえ、「築地市場」は、いまや世界的に有名なブランド(暖簾)ですから、その点に基づいても「営業権」を持っていることになります。
とすれば、築地市場の豊洲移転は、築地市場仲卸業者の方たちの持つ「営業権」を侵害します。財産権の侵害にあたっては、その権利者からの同意を得、かつ権
利者の受ける損失を補償しなければなりません。
しかし、東京都は、仲卸業者の方たちに「営業権」や「財産権の侵害」の話を一切していません。それどころか、仲卸業者の方たちとの話合いを拒み、東卸との
交渉だけで移転を進めています。これは明らかに財産権の侵害に当たり、財産権を保障した憲法29条に違反する行為です。
5月29日に築地厚生会館で開かれた仲卸業者の方たちの勉強会でのレジュメと資料を次に掲載します。仲卸業者の方たち各自が営業権を持っていること、及び
都と東卸がそれを誤魔化して営業権を侵害してきたことが分かると思います。
5月29日勉強会レジュメ(2018.1.26)
5月29日勉強会資料
ルポライターの永尾俊彦氏が5月29日勉強会の概要を週刊金曜日(2018.6.8)に掲載してくださいました。
週刊金曜日(2018.6.8)
・築地仲卸業者の取組みについては、次のホームページを参照してください。
築地女将さん会のホームページ
・築地女将さん会のホームページお知らせ欄(6月6日)にとても光栄な勉強会の感想を掲載してくださいました。感謝の気持ちを込めつつ紹介します。
小よく大を制す、熊本一規先生
・仲卸業者の方々の取組みは迅速かつ素晴らしいです。早速、規約を作り築地市場営業権組合を結成されました。6月21日15時より都庁記者クラブで記者会見です。
・6月21日15時より都庁記者クラブで営業権組合の記者会見が開かれました。自分の権利に基づいて闘えることがわかった仲卸業者の方たちが熱心に発言されたこ
とが印象的でした。質問の数も従来の記者会見よりも2,3倍多かったとのことです。当日の配布資料(規約・公開質問状等)を次に掲げます。公開質問状は7月6日
までの回答を要求しています。
6月21日記者会見配布資料
記者会見の模様は、次のサイトで見ることができます。
YouTube:築地仲卸業者の営業権新組合発足
・6月27日、市民報道クミチャンネルに営業権のことやこれまでの私の取組みに関する動画を撮っていただきました。次のサイトに掲載されています。
YouTube:築地仲卸業者の営業権について
・営業権組合結成企画第一弾として7月7日(土)と7月10日(火)に連続学習会が企画されました。その案内チラシと会場地図を掲載します。
チラシ表
チラシ裏
会場地図
・7月21日(土)に学習会が企画されました、12:30から、場所は講堂(上記会場地図参照)です。
・7月21日学習会では、営業権の侵害に伴う補償について具体的な質問が出て、詳しい説明を行ないました。
席上、村木営業権組合共同代表から、「組合員が100名を突破した」との報告がなされました。また、営業権組合は、仲卸業者など営業権を持つ人たちを核と
するとともに、『公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱』に基づいて交渉がなされるよう求めていくことも確認されました。今後、組合員加入が加速すること
が期待されます。
当日のチラシを下に掲げます。疑問に答える形でわかりやすく、かつ法的にも正確に書かれた大変優れたチラシです(チラシ裏にご注目!)。
第3回学習会チラシ表
第3回学習会チラシ裏
・公共事業に伴う損失補償基準としては、通常「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(昭和37年閣議決定)が適用されるのですが、築地市場の豊洲移転は既に
公共用地として利用されている土地における事業のため、別の「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」(昭和42年閣議決定)のほうが適用になります。
国(国交省)は、公共事業を実施する都道府県等に対して、両要綱に基づく「基準」をそれぞれ策定するように指導しています。
ところが、前者の要綱に基づく基準は、たいていの都道府県で既に定められていますが、後者の要綱に基づく基準は、あまり定められていません。実際、埼玉県
は平成21年にようやく定めましたが、東京都は要綱制定から半世紀以上を経た今でも定めていません。
そこで、まず国交省公共用地室に「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」の解釈について、問合せをし、議論しました。その結果、豊洲移転に関する条項に
ついて私見への同意を得ることができました(8月8日)。
次いで、東京都の公共補償についての法解釈担当部局(資産運用部管理課)に問合せたところ、やはり私見に全く同意してくれました(8月10日)。ちなみに、
公共補償基準が未制定なので、公共用地における公共事業では、「公共用地の取得に伴う損失補償基準(都では「東京都の公共事業の施行に伴う損失補償基準」と
名付けています)」と「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」の二つを参考にするとのことでした。
これで、国及び都の法解釈担当者は、私見、すなわち「営業権の侵害について補償することなく豊洲移転を強行すれば憲法29条違反になること」に同意してくれた
ことになります。
豊洲移転を進めているのは、東京都中央卸売市場事業部ですが、国や都の法的見解を無視して、今後も事業を強行するのでしょうか?法治国家では許されないこと
です。
・8月18日、営業権組合の第1回臨時総会が開かれました。「公共事業の施行に伴う損失補償」に関する法解釈について、国(国交省公共用地室)も東京都(財産運用
部管理課)も私見に同意したこと、いいかえれば、築地市場の豊洲移転が、営業権を無視して違法(憲法29条違反)に進められていることを説明しました。
・8月21日、東京都中央卸売市場事業部に豊洲移転に伴う損失補償について問い合わせました。驚いたことに、豊洲移転を担当している部署でありながら、「公共事
業の施行に伴う公共補償基準要綱」のことを全く知りませんでした。東京都が同要綱に基づく基準を定めていないためでしょう。
そこで、次の①~④を教えました。
①都では「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」に基づく「東京都の事業の施行に伴う損失補償基準」は制定しているが、「公共事業の施行に伴う公共補償
基準要綱」に基づく基準は制定していないこと
②都では公共事業に伴う損失補償については財産運用部管理課が所管していること
③財産運用部では、第一に「東京都の事業の施行に伴う損失補償基準」に基づき、それで足りないところは「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」に基づい
て損失補償するとしていること
④財産運用部の法解釈は私見と全く一致していること、また国交省公共用地室も私見と一致していること
注:ただし、財産運用部管理課は、その後、何度連絡しても見解の一致した祝係長を出さなくなり、代わりに強引な福地課長を出すようになりました。
それに対し、事業部は「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」を知らなかったので、それを勉強してから回答します、ということでした。
勉強すればするほど、都資産運用部や国交省公共用地室と同様、私見と一致するはずですし、都が豊洲移転に関し、憲法29条違反を犯していることにも気づくはず
です。
・9月5日、都庁で記者会見を行ない、そこでこれまでの東京都との法律論争を報告しました。報告の際、配布したレジュメ・資料を下に紹介しますが、概要は次の
通りです。
1.営業権の侵害について
・都(中央卸売市場事業部業務課)は、まず次のように答えました。
①豊洲移転に伴う経済的損失はすべて受忍限度内である。
②受忍限度内か否かは、損失額及び事業の性質(公共事業として行なうという性質)により判断する。
ちなみに、受忍限度とは、騒音、振動、悪臭等の被害について、社会生活上、被害者が受忍(我慢)しなければならない限度という意味です。
騒音、振動、悪臭等の被害が主張された場合に、被害が生じていればすべて違法性を認めるのでなく、諸事情を考慮して、被害が社会生活上受忍すべき限度を超え
ていると評価される場合に初めて違法性を認める法理を受忍限度論と呼びます。
・これに対し、②受忍限度の判断に「事業の性質は関係ない」と反論し、国(公共用地室)の同意も得られたので、それを伝えると、
「都の関係部局が集まって決めたのだから、すべて受忍限度内だ」とのビックリするような回答が返ってきました。
加害者が一方的に受忍限度を決められるのなら、どんな加害行為も許されることになってしまいます。暴行だってセクハラだって「受忍限度内だ」と決めれば、い
くらでもできることになってしまいます。そのような、常識人なら誰もができる判断さえ都はできないのかと驚きました。これは、乱暴であるだけでなく、明らかに
憲法29条(財産権は、これを侵してはならない)に反した回答です。また、騒音等はゼロにするのが不可能ですから「受忍限度論」を適用できるとしても、憲法29
条で「財産権は、これを侵してはならない」とされている「財産権侵害」に騒音等と同じように「受忍限度論」を適用するのは、そもそも間違いだと思います
・しかし、そんな乱暴かつ違法な発言をせざるを得ないほど都が追い詰められたと見ることもできます。
2.築地移転に公共補償基準が適用されるか
・これは、補償の要否に関わる問題ではなく、補償する場合の基準の問題です。
私は、築地移転事業に公共補償基準が適用になると思いますが、都は適用にならないとしています。詳しくは、両者の見解を比較した別表をご覧下さい。
『公共用地補償基準の解説』から抜粋した引用文を読まれると私の見解が正しいことがおわかりになるはずです。
都の間違いは、公共事業を「用地取得を伴う事業」に限定していることに起因しています。公共補償基準は、公共事業を「土地収用法3条に列記されている事業」
と定義しており、土地収用法3条は、「土地を収用し、又は使用することができる事業」として35の事業を列記しています(中央卸売市場に関連する事業は28号
に含まれています)が、あくまで「土地収用等ができる事業」であって、「用地取得を伴う」ことは要件とはされていません。
・また、仮に築地移転事業に公共補償基準が適用にならないとしても、事業主体が都でないような公共事業であれば疑いの余地なく公共補償基準が適用されますが、
事業主体が国であろうと都であろうと営業権者の受ける損失には変わりないのですから、少なくとも公共補償基準を準用すべき、と主張していますが、都は「所管外
である」と言って逃げています。
3.認可と事業との関係
これは都(中央卸売市場事業部業務課)も知らなかったので教えてあげたことですが、農水省の認可がなされたとしても、それで事業を実施できることにはなりま
せん。
認可は、事業者と公との関係(公法関係)にすぎません。東京都は、事業者と公との関係において認可を得るのみならず、事業者と民との関係(私法関係)におい
て権利者の同意を得なければ事業を実施できません。
例としては、埋立の手続きが好例です。公有水面埋立法では「埋立免許を取得しても水面権者に補償しなければ着工できない」とされています。つまり、事業者と
公の関係が埋立免許を得ることでクリアできても、事業者と民との関係をクリアしなければ(権利者の同意を得なければ)事業を実施できないのです
この点を全く知らなかったことが、これまで築地事業者の営業権を都が一貫して無視してきたことの一因かもしれません。
〇農水省の法的責任と社会的責任
・農水省は、卸売市場法の認可要件を満たせば法的には認可できますが、他の法律(憲法、建築基準法等)に照らして、あるいは私法関係において明らかに違法な
事業を認可すると後で社会的責任を問われることになります。埋立の手続きで、法律上は補償の前に出されることになっている埋立免許が実際には補償後に出される
のが常であることも埋立免許を出す行政庁が免許後に責任を問われることを回避しようとするからです。
・築地移転に関して、事業者(都)が「すべて受忍限度内だから損失補償は必要ないと都が決めたんだ」との乱暴かつ憲法違反の見解に基づいて事業を進めているこ
とを農水省がどれだけ重く受け止めるか、注視していきましょう。
記者会見報告レジュメ
記者会見報告別表
・9月10日農水省が築地移転事業を認可しました。やはり、築地移転事業ほどの巨大な利権が絡んだ事業を一官庁が止めることなどできなかったようです。
しかし、「3.認可と事業との関係」に書きましたように、認可は、「事業者と公との関係」(公法関係)にすぎません。東京都は「事業者と公との関係」におい
て認可を得るのみならず、「事業者と民との関係」(私法関係)において権利者の同意を得なければ事業を実施できません。今まで20余りの公共事業を止めてきまし
たが、すべて「事業者と公との関係」でなく「事業者と民との関係」で止めてきています(拙著『漁業権とはなにか』を参照)。
代表的な例が上関原発です。上関原発で「事業者(中国電力)と公の関係」がクリアされたのは、埋立免許が出た2000年です。以後18年も経つのに、いまだに中国
電力は着工できていません。祝島漁民が漁業補償金を受け取っていないからです。中国電力は、何とかして祝島漁民に補償金を受け取らせようと躍起になっています
が、上手くいかず、そのため、着工できないでいるのです(「上関原発計画」参照)。ですから、農水省の認可が出たからといって悲観することはありません。
実際、神田市場の大田市場への移転には56年もの年月がかかったようです(「かつての市場移転」https://mir.biz/2007/04/1316-4635.htmlを参照)。
上関原発の経緯や神田市場の歴史を思えば、築地市場移転の問題は、これからが本番とも言えるくらいです。
・9月14日、朝堂院大覚総裁の所を訪ね、築地営業権問題に関し、「営業権とはなにか」及び「営業権でなぜ工事を止められるか」についての説明の動画を撮って
いただきました。総裁の正義感溢れる真っ直ぐな生き方に感銘を受けました。そんな総裁に動画を作っていただき、大変光栄に思います。
早速、動画がアップされました。次のサイトです。
築地解体を阻止するための法律を説明
・9月16日、茶屋の猿渡誠さんが「営業権に基づき築地に残りましょう」というビラを1500部も作り、築地市場の業者の皆さんに配布されています。猿渡さんは、
30年前から毎日欠かさず、水神社の掃除をしてこられました。魚の命をいただいていることに感謝の気持ちを表わすためです。そんな敬虔な猿渡さんらしい心の
こもった文書ですので、ぜひお読みください。
猿渡氏文書
・9月21日、東京都と話し合いを持ちました。
都の大谷俊也中央卸市場業務課長は、依然として前述の「豊洲移転に伴う経済的損失はすべて受忍限度内である」との乱暴な主張を繰り返しました。反論す
ると「自分は法律のことはよくわからないが、法律担当の課も含めて決めたんだから間違いはない」と言いながら、「では、法律担当の課も呼んで話し合いを
持ちましょうよ」と言うと、逃げてしまうのです(9月21日の話合いにしても直前まで法律担当課も出ると言っておきながら、当日には来ませんでした)。こ
れでは話になりません。
9月21日に、日頃は傲慢で上から目線の新宿都庁の3名の幹部役人(大谷業務課長、市沢拓也物流調整担当課長、小野崎浩誉業務課総括課長代理)が、何故
築地市場まで足を運んだか、当日は「珍しく殊勝なことをするもんだ」と思ったのですが、後からその理由に気づきました。もしも、新宿都庁で話し合いを持
っていたら、「法律担当の課も呼びなさいよ」と言われた場合に呼ばざるを得なくなるからです。どこまでも卑怯な人たちです。
9月21日の都の暴論に対する反論をまとめておきました。次のファイルを参照してください。
東京都との話合いについて
公共事業に伴い、建物を構外に建てる同種建物に移転させることを構外再築と言います。建物内に営業権がある場合、構外再築に際しては営業休止補償が必要
とされています。営業休止補償のうち、最も大きな割合を占めるのは得意先喪失補償です。構外への移転に伴ってそれまでの得意先を失うからです。築地市場の
場合、得意先喪失がいかに大きいかは業者の方々が口々に言われることですし、常識でもわかります。しかし、都は一切、営業補償を支払うことなく、豊洲移転
と築地解体を強行しようとしています。明白な憲法29条違反(財産権侵害)です。詳しくは、次のレジュメを参照してください。
築地解体と得意先喪失補償
・これまで都は「判例がある」とあたかも判例が都に有利であるかのような発言をしていました。「どの裁判所のいつの判例か?」と尋ねても「あなたに教える
必要はない」と言ってきました。これでは根拠になるはずがありません。
そこで、私のほうで判例を調べてみたところ、見つかりました。千葉市の中央卸売市場の移転に関する判例で東京高裁平成3年7月30日判決及び原判決(地裁
判決)です。移転の際に千葉市が千葉青果に出した補助金や補償金が適法かどうかを争った案件です。判決を読んでみたら、東京都に有利どころでなく、反対に
すべて私の見解に有利な判決でした。その重要部分をまとめたファイル及び判決全文を以下に掲載します。
東京高裁H3.7.30判決及び原判決の重要部分
東京高裁H3.7.30判決及び原判決全文
自分に都合の悪い判決でも、あたかも有利であるかのように宣伝する東京都、「どの判例か」と私から聞かれても「あなたには教えない」とごまかす東京都には
呆れるばかりです。
・10月10日、午後3時から開かれた都庁記者クラブでの記者会見における私の報告レジュメ及び資料(農水省pdfファイル)を掲載します。
10月10日記者会見報告レジュメ
10月10日記者会見資料
レジュメに記載している通り、10月1日に東京都に築地閉場・解体事業の法的根拠を尋ねましたが、10月9日16:20に電話連絡があり、まず①予算を付けた、を根
拠に挙げました。しかし、「予算を付けたから法的根拠がある」とはおかしな話で、「法的根拠があって初めて予算を付けられる」のです。全く本末転倒の馬鹿げた
論です(都は、一週間以上もかけて、お粗末なことにこの程度の根拠しか示し得なかったのでした)。そう反論すると、すぐに引っ込めました。このままではまずいと
思ったのか、次に17:50にまた電話をかけてきて②「条例改正が10月11日に施行される」と言ってきました。わずか1時間半ほどで急ごしらえしただけに、これも話
にならないほど馬鹿げた根拠です。条例は法令の範囲内でのみ制定できる(憲法94条)ため、「法令に違反した条例は無効」なのです。すなわち、卸売市場法第14条
は「一般消費者及び関連事業者の利益が害されるおそれがないと認めるときでなければ中央卸売市場の廃止の認可をしてはならない」と規定していますので、関連事業
者が営業を続け、一般消費者が買いに来る限り、卸売市場法第14条に反して条例で廃止すると決めても全く無効なのです。
低レベル過ぎて詳しい説明などするまでもないので、電話では「条例が無効なのは、明日の記者会見での私の報告レジュメを読めばわかる」と言って切りました。
いやしくも日本の首都なのですから、少しはまともな論を展開してほしいものです。今まで経験した都道府県の中で最低です。
しかし、都が最低なのは、批判勢力(野党、マスコミ、ひいては都民)のレベルの低さの反映でもあると思います。マスコミに取り上げられやすいせいか、デモや
集会などパフォーマンスだけの運動、仲間内で気勢をあげるだけの運動が目立ちます。相手への攻撃には全くなっていません。このような東京都での運動の質を築地
を契機として、少しでもレベルアップしたいものです。
ちなみに、記者会見でも言いましたが、神田市場の移転には56年もかかった理由は、営業を続けた業者が居たからに違いありません。つまり、「壊されなかったか
ら営業できた」わけではなく、「営業を続けた業者が居たから壊せなかった(営業権の主張はしなかったようです)」のです。もしも、営業を続けている業者が居ても
法的に壊せるものならば、移転に56年もかかるはずがありません。「56年かかった」は、そのことを意味しています。
・10月11日、都が「業者の引っ越し手伝い以外の入場を認めない」と嫌がらせをするなか、予定通り築地市場買物ツアーを実施することができました。
都の西坂部長・猪口部長は、約100名のツアーの一行に一カ所以外ずっと付きまとって「営業はできません」、「営業はしていません」を壊れたレコードのように繰
り返していましたが、気の毒にも無視されっぱなしでした。一カ所とは、すでに中に入って営業していた物販業者丸八さんの店でした。「営業はしていません」が嘘で
あることがバレるので付きまとえなかったのでしょう。どこかに隠れた理由は見え見えでした。思わず笑ってしまいました。
仲卸業者も明藤さんと山口さんが営業されて、水産物が飛ぶように売れ、完売しました。いつもより売上げが多かったに違いありません
茶屋では、皆さん、猿渡さんのとても奥の深い話に聞き入っておられました。築地市場と豊洲市場の相違点を見事に突かれているお話です。
私も、数回、法的な説明をしました。理解していただけたように感じました。
今後もツアーを続けますので、機会をみてどうぞご参加ください。
・もうおわかりでしょうが、築地問題を「築地市場移転」と捉えていては問題の本質を把握できません。本質は「豊洲市場の新設」及び「築地市場の廃止」です。
都は、従来「築地市場の業務規程変更(位置及び面積の変更)により豊洲市場になる」と説明してきましたが、「築地市場の業務規程」を変更することで「築地市場
が豊洲市場に変わる」はずはありません。「築地市場at築地」が「築地市場at豊洲」に変わるだけです。この説明は、卸売市場法第14条「廃止の認可」の必要性を誤魔
化すためのトリックなのです。
本質に気づくヒントになったのは、都の財産運用部管理課の福地課長が8月29日に「今回の事業の起業地は豊洲だけ。築地は含まれない」と言われたことです。
「築地市場の業務規程変更により豊洲に移転する事業なら変更前の築地も変更後の豊洲も起業地に含まれるではないか」と言ったのですが、ムキになって「豊洲だ
け」と断言されました。初めに「起業地はどこですか?」と尋ねた際に、一瞬怯まれたこともまたヒントになりました。
福地発言は、公共用地補償要綱が築地問題に適用されるか否かをめぐる議論のなかで言われたのですが、実は、要綱を巡る議論の狙いはここにあったのでした。極
めて貴重な発言をされた福地課長に感謝します。
・以上のようなわけで、築地問題の見出しを「築地市場移転問題」から「築地市場廃止・解体問題」に変更します。
・10月12日、第2回築地市場買物ツアーの報告です。
とうとう都は築地市場内で営業すること、及び市民が買物をするために入場することを認めざるを得なくなりました。法的には完全勝利です。
朝8時半頃正門前に着くと、西坂啓之(東京都中央卸売市場事業支援担当)部長から、「水谷さんと先生にまず話がある」と言われました。初めは、そんな個別の
話合いには応じられないと断っていたのですが、どうしても応じてくださいと請われたので、正門前に集まっていた皆さんの了承を得たうえで応じました。水谷さん
に電話したら到着が一時間ほど遅れるということで、一人で西坂部長の話を聞きました。
話の内容は、食品衛生法に基づく営業許可の話でした。一枚の資料を基に、「食品衛生法に基づく営業許可が必要である」旨の話をされ、その資料を渡されました。
「今日のこちらからの要請はこれだけです。中で買物をされる方にその旨説明をしてください」ということでした。
渡された資料を下に掲載します。
食品衛生法に基づく営業許可
西坂部長の要請を了承すると、集まっていた市民全員が入場でき、第2回買物ツアーをきわめて順調に実施できました。
ツアー中は資料を熟読する余裕がないので、帰宅後、資料に目を通しました。一読して呆れました。食品衛生法に基づく営業許可は、鮮魚以外には必要なく、鮮魚も
店舗でなく行商の場合には必要ありません。現在営業されている仲卸業者の中で鮮魚は山口タイさんだけなので、山口さんには自転車の荷台で売ってもらおうかなど
と愚考を巡らせたのですが、仙台の東北地区水産物卸組合連合会の菅原邦昭さんから「築地の仲卸業者はすでに食品衛生法の許可は受けてますよ」という貴重なご指摘
を受け、自転車も不要であることがわかりました。
不可解なのは、一体なぜ西坂部長がこんなくだらない資料を渡したかです。しかも、別れ際には「明日は正門前に集まった皆さん全員にこの説明をします」と言わ
れていました。いくら考えてもその理由がわかりません。冗談かユーモアなのでしょうか。
ともあれ、営業すること及び買物目的で入場することに法的問題点が全くないことは今日で明確になりました。
どうぞ、安心して明日以降の買物ツアーにご参加ください。明日は、8:40開始予定、営業は9:00-11:00です。
・10月13日、第3回築地市場買物ツアーの報告です。
1.今朝は西坂部長から正門前に集まった皆さんに「食品衛生法に基づく営業許可」の説明があるはずでしたが、実際には何の説明もありませんでした。おそらくこの
ホームページを覗かれて説明するのが恥ずかしくなられたのでしょう。今後は同様の愚行を重ねられないよう願いたいものです。
それにしても、なぜ「食品衛生法に基づく営業許可」を持ち出されたのか、依然として不可解です。小池知事ブレーンの小島敏郎氏(環境省OB)がツイッターで同
様のことをつぶやかれた(もちろんペンネーム)ためではないかとも言われていますが、ツイッターをやらない私には真偽のほどは分かりません。
2.今日は入場にとても苦労しました。昨日は、買物の際に「食品衛生法に基づく許可」を私が説明するとの条件だけで入場できたのに、今日は「中で営業している業
者がいない」を理由に入場を拒まれたのでした。というのは、今日は明藤さんが疲労等の理由で営業を休まれたからです。山口さんや丸八は営業されていましたが、
それを言っても全く効果はありませんでした。営業されていたのが店主ではなく、従業員だったからです。営業権は店主の持つ権利ですので、やむを得ません。
30分ほど押し問答を繰り返した挙句、せっかく正門前に集まられた皆さんをいつまでも待たせるわけにはいかないので、今日だけはやむを得ず「買物及び引越しの手
伝い」を理由に挙げて入場しました。「引越しの手伝い」を理由に挙げれば17日までは入場できることは知っていたものの、その理由だけで入場しても「営業と買物で
解体を防ぐ方針」にそぐわないので理由に挙げるのをためらっていましたが、明日以降は必ず営業権者(店主)に営業してもらうことを前提に、機転を利かせて「買物
及び引越しの手伝い」を理由にしたのでした。約束通り、店からゴミ袋を持ち帰って「引越しの手伝い」をしました。
もちろん、正直にこれを書くのも、明日以降は必ず店主に営業してもらう目処が立った(ただし、営業時間は11:00-12:30に変更)からです。営業の意思のある店
主は複数おられるものの、今日は打ち合わせ不十分で一人もおられなかったために苦労したわけで、店主の皆さんに強く要請して、明日以降、買物ツアーの開始時には
必ず一店は店主に営業していただくように打ち合わせていただいたのでした。
しかし、以上の事実は、図らずも、店主による営業が一店さえあれば買物ツアーを実施できることが明確になったことを意味していますので、かえって「怪我の功名
」になったとも言えます。
関連して、丸八では、ツアー一行が到着するまで、先回りして店を訪ねた西坂部長が「販売するな」と命令して従業員の方が困り切っておられました。そのため、私
が「販売するなというのは、営業権(財産権)の侵害であり、憲法違反である。これに対する反論がない限り、買物を実行する」と言って買物を実行しました。もちろ
ん西坂部長からは何の反論もありませんでした。
3.今までの記述から、西坂部長・猪口部長は、ずいぶんひどい人だと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。ひどいのは小池知事及び都の数人の最高
幹部であり、両部長とも上司の方針に逆らえないのです。安倍政権下で、政治家や官僚等々に蔓延してしまったありふれた現象の一例にすぎません。責任は、小池知事
及び最高幹部、さらに言えば、小池・舛添・猪瀬・石原(青島も含まれるように思います)というふうに、私利私欲に満ちた人たちを見抜けずにまんまと騙されてきた
都民にあると思います。
これまでのツアーの過程で西坂部長を罵倒する人を目にしたことがありますが、その人に「人格攻撃するのはやめなさい。欝憤晴らしをしているだけで何の意味もな
い」と言いました。攻撃の対象は都政であり、都政に従わされている役人個人ではありません。
政策・方針をめぐって激しく対立することは当然です。しかし、そのなかでもふと相手の人間性を感じることがあります。私も対決の場面以外では、挨拶や礼儀を欠
かさないように心がけています。
昨日は、築地市場を出る際などに挨拶を交わす西坂部長に人間性を感じましたが、今日は、猪口部長に人間性を感じました。というのも、入場の際に西坂部長が「記
帳しなさい」と言うのに対して、「昨日記帳なしの入場を認めたので、今日も記帳なしでいいです」と言ってくれたからです(昨日は、猪口部長から記帳を要求された
際に、私が「それは命令ですか、それともお願いですか」と問うて「お願いです」との回答を引き出していたのでした)。
実際に現場で闘った経験のある方ならお分かりになると思いますが、対決している相手に人間性を感じる瞬間は、とても嬉しいものです。今日は、猪口部長に人間性
を感じたため、「フェアーにやっていただいて有難うございます。フェアーさが大事だと思います」とか「貴方個人を責めているわけではないですよ。ひどい都政に従
わざるを得なくて貴方も大変だと思います」などの会話をすることができました。こんな会話を交わせることが、現場で闘うことの醍醐味の一つと思います。
「罪を憎んで人を憎まず」にも通じる姿勢と言えますが、この姿勢を大事にしたいものです。
・10月14日、現在の攻防戦の焦点は撤回書です。
築地市場の業者は営業権を持っていますので、都は営業権者の同意を得なければ、建物の解体はできません。営業権者が通常の営業を続けるだけで解体を止められる
のです。営業権者(財産権者)は「都が強大で自分は微々たる存在」と錯覚させられていますが、本当は「自分が強く都は弱い」のです。
ところが、この力関係は、都の書類に署名捺印することで逆転します。署名捺印は権利を放棄することを意味するからです。
築地市場の場合も、都がもろもろの書類への署名捺印を求めました。それに署名捺印しない限り、都は弱いままであり、解体事業を実施できなかったのです。
ところが、築地の運動の長い間のリーダーだった中澤誠氏が「署名捺印してもいい」と言ったために、多くの営業権者が署名捺印してしまい、力関係が逆転して
しまったのでした。ちなみに、その後中澤氏は、自らの判断の過ちを一切謝罪していません。責任感のかけらでもあれば必死で集めるはずの撤回書(後述)も一通
も集めていません。また、わざわざ茶屋の猿渡氏の所まで来て、前掲「猿渡氏文書」の中の撤回書集めに関する記述を削れと言ったそうです(その他にもいろいろ
ありますが、今は時間がもったいないので、いずれまた書くことにします)。重要な局面になると、その人間の本質・正体があぶり出されるということです。言葉で
は誤魔化せても行動が証明します。実際に営業を続け、懸命に奮闘されている方々からは、もう誰からも信用されていません。
力関係を再逆転するために取り組んだのが、撤回書です。撤回とは、新しく発生した事情に基づいて以前の意思表示を撤回することです。築地業者の場合、豊洲市場
でのカビ及び陥没の発生を知ったからという理由で「いずれ築地市場に戻る可能性を残しておきたいので私有物を残し、電気・水道も引き続き使用します」との撤回書
を作りました。私有物を残しておけば、解体工事などできません。
ちなみに、豊洲市場の構造的・機能的欠陥は、今後次々に明らかになりますから、撤回書はこれからも何度でも出せます。欠陥だらけの豊洲市場を造ってくださった
東京都には心からお礼申し上げます。
・10月15日
本日は、撤回書物語をお届けします。
1.撤回書物語1
10月2日、撤回書を88通集め、明藤さんと猿渡さんが築地市場内の都事務所に提出しました。何も注文を付けられることなく、受領スタンプを押して受領してくれま
した。
ところが、翌日、88通を明藤さんに返しに来ました。理由は「実印でないものも含まれる」、さらには「気持ちのこもっていないものも含まれる(???気持ちのこ
もった文書とやらを見せてほしいものです)」というものでした。人のいい明藤さんはそれを受け取ってしまわれました。
その後、前から実印だったものと新しく実印を押したもの、計65通を10月6日に都事務所に提出に行きました。私も同行しました。
ところが、驚いたことに受取りを拒否するのです。押し問答すること約30分以上。頑として受取を拒否します。とうとうしびれを切らして、私が「こんな子供じみた
行為をして恥ずかしくないのか。受領を拒否しても、郵送すれば済むことだから、何の意味もないんだよ。こんなくだらないことで時間を潰すのはお互いにもったいな
いじゃないか。‥‥でも、おかげで、また都を攻撃する材料が増えた。どうも有難う」と言って事務所を去りました。
いかに撤回書が重要かを示すエピソ-ドですが、都のうろたえぶりは、逆に撤回書の重要さを自ら証明しているようなもので、かえって有難いくらいです。心の中で
はともかく、何食わぬ顔をして素直に受け取ればいいものを、「受取り拒否」などするから重要性がバレてしまうのです。
ひどい対応でしたが、一つだけ救いがありました。それは、担当課ではないのに「行政に携わる者として、勉強したい」と言われて同席された方がおられたことでし
た。終了後、「勉強になりました」と言われました。役人の中にも心ある人はいるなと嬉しく思ったことでした。また、後日、その部屋にいた、ある職員の方と話す機
会がありましたが、「先日は、恥ずかしいことをしてすみませんでした。あんなことは行政としてやってはいけないと思います。でも、我々は部下の立場なので、何に
も言えないんです」と詫びてくれました。嬉しく拝聴しました。
2.撤回書物語2
65通もの撤回書が届いたことは都にとって大変な痛手です。私有財産には手を付けられず、もちろんアスベストを含む建物の解体などとうていできないからです。
慌てふためいた都は、私有物を残した業者に「築地市場閉場に伴う市場施設の造作等原状回復計画書の提出について」というタイトルの次のような文書を送り付け
てきました。
東京都の撤回書対策文書(10月10日付け)
愚か極まりない恫喝文書です。
第一に、いたるところにゴマカシと恫喝を盛り込んでいます。例を挙げればきりがないので、二つのの大きなゴマカシを挙げましょう。
冒頭に「条例第88条に基づき、使用指定又は使用許可を受けている市場施設」とありますが、条例第88条は次のように規定されています。
(市場施設の使用指定等)
第88条 市場内の用地、建物、設備その他の施設(以下「市場施設」という。)のうち、卸売業者、仲卸業者及び関連事業者が使用する市場施設の位置、面積、期間
その他の使用条件は、知事がこれを指定する。
すなわち、前掲「東京都との話合いについて」に書いているように、88条は、仲卸業者等が営業できることを前提として、その使用条件を定めているにすぎません。
つまり、施設使用については許可でなく条件指定しかなされないのです。それを「使用指定又は使用許可を受けている市場施設」というふうに、「又は」を使って市場
施設の使用に許可が必要であるかのように書くのは、ゴマカシであり、恫喝なのです。
最も大きな恫喝として、「条例違反に基づく豊洲市場での監督処分」を示唆しています。しかし、処分としては「許可の取消し」がありますが、「業者の許可の取消
し」は条例28条(仲卸業者)及び第42条(関連事業者)に規定されており、取消し理由として次の四号が挙げられていますが、本件に関するような号は全くありま
せん。
一 正当な理由がないのに第二十四条第一項の許可の通知を受けた日から一月以内に第二十六条第一項の保証金を預託しないとき。
二 正当な理由がないのに第二十四条第一項の許可の通知を受けた日から一月以内に当該仲卸しの業務を開始しないとき。
三 正当な理由がないのに引き続き一月以上その業務を休止したとき。
四 正当な理由がないのに仲卸しの業務の遂行を怠つたとき。
また、「許可の取消し」をするには、憲法31条及び行政手続法に基づき「聴聞の機会」を設け、公開で本人に弁明の機会を与えなければなりませんが、そんな機会
を設ければ、都の数々の不法行為・恫喝行為等々が公の場で明らかにされますから、設けられるはずがありません。設けてくれれば有り難いのですが、都にできるは
ずがありません。
第二に、この書面は10月10日付けで出されていますが、実際に業者の皆さんに届いたのは、12日(金)又は13日(土)です。営業権組合の共同代表村木さんに届いたの
は13日です。ところが、書類の受付日時は「10月10日(水)から14日(日)」とされています。記入事項には、造作等を撤去する場合の「造作工事契約書及び設備契
約書の写し」まで要求されており、しかも「計画書が提出されなかった場合及び提出された計画書に上記に記載の事項が網羅されていない場合には、当初の原状回復義
務の免除申請が有効なものとして取り扱います」とされています。分かり易く言えば、計画書を提出しない場合及び提出されても全ての事項にわたって記載されていな
い場合には、撤回書を無効とし、当初の「原状回復義務の免除申請」の書類を有効とするということです。
びっくりするような内容です。「撤回」という行為の法的効果を全く無視した目茶苦茶な内容です。
そのうえ、土曜日に届いた書類に記入し、「造作工事契約書及び設備契約書の写し」まで添付して翌日曜日15時までに提出しろ、というのですから、呆れ果てて絶句
するほかありません。
内容のうえでも、届け出期限のうえでも、こんな目茶苦茶な書類が通用するはずがありません。おそらく、行政の出した公式文書としては、目茶苦茶さの点で史上一
位に違いありません。「公序良俗に反する」あるいは「条理に反する」のひとことで片づけられるしろものです。
3.撤回書物語3
事実は小説よりも奇なり。撤回書に関しては、まだまだ予想をはるかに超えた面白い展開をします。
東京都の撤回書対策文書について、村木さんが「公序良俗に反する」と通告しようとして、14日(日)の9:27,9:50,14:23の計三回、連絡先として記されている「中
央卸売市場築地調整担当(跡地管理)」の電話番号03-3542-0325(直通)に電話されたそうです。
ところが、ビックリ仰天。9:27には、畠山(漢字は正確でない可能性あり)氏が出て「担当者がいない」と言ったそうです()。9:58には、誰も電話に出ず。14:23
には、9:27と同じ声の主が出て「担当者が居ない」と言ったので、氏名を聞いたところ「はたけやま」と名乗ったそうです。
14日午後3時まで(午前9時から)に書類を提出しろ、提出しないと撤回書を無効にする、と書いておきながら、また異例の日曜出勤もしておきながら、「担当者が
いない」とは、その無責任ぶりには唖然茫然です。
そして、14日15:24、猪口部長から村木さんに電話が入りました。
まず、届け出期限について抗議すると「村木さんは提出が遅れても受け付けます」と言ったそうです。これにも呆れますが、「公序良俗に反する」を言うと、「わか
って下さいよ」と延々と泣き言を言ったそうです。
いったい何をわかって欲しいというのでしょうか。これまで散々、違法行為や恫喝を重ねてきた都の行動の何をわかって欲しいというのでしょうか。
猪口部長との電話を終えた午後3時50分頃、村木さんから電話をいただきましたが、村木さんは「泣き落としが始まりました。ということは、都はもう崖っぷちまで
追い込まれたということです。ますます元気が出てきました」と大変喜んでおられました。
猪口さんも、意図されたかどうかはわかりませんが、ようやく大きな貢献をされましたね。Good job! お見事です。
村木さんは、猪口部長との電話での会話内容を15日に仲間に報告され、皆さん、大いに気勢を上げられたそうです。
さあ、いよいよ築地劇場も大団円に差し掛かりました。都の断末魔の悪あがきをタップリ味わい、楽しみましょう。
・10月16日
なんだか、ホームページではなくブログのようになってきましたが、事態が刻々動くのでやむを得ません。
1.買物ツアー第4回・第5回
買物ツアーは、15日(4回)も16日(5回)も順調に終えることができたようです。
仲卸業者は、15日は杉原さんが、16日は堀富さんが営業をされました。物販の丸八(店名なので「さん」は付けません)、茶屋の猿渡さんは、もちろん両日とも営
業されました。
実際に営業されると、とても自信がつき、元気になられます。自分の持つ権利がいかに強いか、それを行使することがいかに大事かが肌でわかるからでしょう。
私は1~3回を始めから終わりまでお世話しました(3回目は終了間際に田中さんと三角ベースを楽しみました)が、「法的には完全に論破しました。あとは、皆
さんが今まで通り営業されればいいだけです」と営業権者の方々に言って、4回目からは参加していません。ただ「都から何か言われて応答に困ったら電話を下さい」
と言ってあり、常に携帯に出られるようにしています。実際に電話があったのは、杉原さんから「西坂部長が食品衛生法の営業許可のことを言ってきた」との電話だけ
でした(西坂さんは、私が居ないので安心して言ったのでしょう。よかったですね)。「干物は営業許可は要らない、と言えばいいですよ」と教えて簡単に解決しまし
た。
5回目の堀富さんは、何の問題もなく、順調だったようです。もちろん、丸八も猿渡さんもです。
これで買物ツアーが軌道に乗ったことは間違いありません。ただ、都が18日に「閉場、電気・水の停止」と言っているので、18日を乗り越える必要はあるものの、
さして難しくはないでしょう。
ちなみに、「18日に警察が来たらどうしよう」と心配されていた方が居たようなので書いておきますと、全く心配は要りません。買物ツアーに、警察が関与する余
地は全くありません。営業権者が営業し、市民が買物しているだけなので、介入できるはずがありません。
もちろん、1回目(11日)には私服刑事が多数参加されていたようです。しかし、何もすることはないので、またお安くなっていますので買物してくれたに違いあり
ません。ご協力、有難うございました。
都は、ご苦労なことに、11日に備えて、暴力団が押し掛けることを想定した武闘訓練を行なっていたそうですから、私服刑事が来たのは当然です。しかし、すぐに、
ただの「営業と買物」であることがわかったはずです。2回目は買物客を装って一人だけ参加されていたので、記念写真を撮ってあげました(ちなみに、公務員が公
務についているときには肖像権がないそうですので、どんどん撮ってあげて、どんどん拡散して有名にしてあげましょう。できれば役職・名前付きで)。3回目はゼロ
だったと思います。
警察が取り締まるべきは、むしろ、何の法的根拠もなく違法事業・違法行為を行なっている都のはずです。買物ツアーを監視する暇があったら、都のほうを監視し、
取り締まるべきでしょう。警察は心強い私たちの味方です。警察の方々、しっかりしてくださいよ。
諌早湾では、2002年に漁民とともに埋立地に入って(私が入っても大丈夫と保証しました)埋立工事を止めていましたが、その際には、顔見知りになった刑事に
「漁民には何の法的問題もない。詳しく説明してあげるから警察で勉強会を開きなさいよ」と再三勧めていました。残念ながら勉強会は実現しませんでしたが、本人
は理解してくれていました。
2.電気・水の停止をできるはずはない
都は、18日から築地市場業者への電気・水の供給を停止すると言っています。そんな横暴なことができるのでしょうか。
電気・水の供給に関しては供給事業者に供給義務が課せられています。
これは、電気・水の供給事業が公益事業として営まれているからです。そのため、電気・水は長い間、地域独占(関東地方なら東京電力、というように各地域で一社
が供給を独占すること)で営まれてきました(水は今でも地域独占です)。地域独占企業は、地域独占を認められる代わりに、当然のことながら、供給義務を課せられ
てきました。電気も水もライフラインですから、地域独占企業に供給拒否を認めれば、人の生死に関わるからです。電力は自由化が進んできましたが、2020年発送電
分離までは、東京電力等の電力会社(従来の地域独占事業者)に最終供給義務が課せられています。
では、借地人や借家人が給電を希望しているのに、地主や大家が同意しないからといって供給を停止することはできるでしょうか。
この点について、明確に回答している厚生省水道課長通知(昭和33年9月25日)があります。同通知は、多くの設問に答える形式を採っていますが、問53の問答は
次の通りです。
第15条(給水義務)関係
問53 給水契約は需要者から申込があると拒むことはできないが、家主、地主の同意は不要なのか。例えば家賃の滞納で家屋明渡問題の起っている場合家主から反
対がある場合は正当な理由として拒み得るか。
答 給水区域内から、工事費を添えて給水工事施行の申込があつた以上、拒み得ない。水道事業者は、給水義務があるのであって、単に家主等の反対があるからとい
って拒否の理由にはならないものと解する。
電気もまた水と同じく供給義務がありますので、同じことが言えるのは明らかです。
したがって、築地市場の地主である都が拒んでも、営業権者が供給を希望すれば、電気・水の供給を止めることはできません。
ましてや、公共機関たる都が、ライフラインの供給を停止するとしたら、それこそ前代未聞の大変な違法行為になります。
3.損失補償・損害賠償請求書
営業権、撤回書につづく第三弾、「損失補償・損害賠償請求書」を放ちました。
銀座に近く便利な築地から「陸の孤島・豊洲」に移転した業者は、多くの得意先を失っています。移転に伴って業者の売上げが減少する最も大きな要因です。
本来、この経済的損失に対して事業(加害行為)を行なう前に補償が必要なこと、すなわち損失補償の必要性については、すでに述べた通りですが、要点をまとめた
ファイルを次に再掲しておきます。
築地解体と得意先喪失補償
得意先喪失補償は事業の前にだけ必要とは限りません。事業前に得意先喪失の損失補償を受けなかった人は事業後に損害賠償として得意先喪失補償を請求できます。
営業権組合では、築地で営業を続けている方からは得意先喪失の損失補償の請求書を、また移転後、豊洲でのみ営業されている方からは得意先喪失の損害賠償請求書
を集めることにしました。次に掲げます。
得意先喪失補償請求書
また、築地に置いてある私有物の中には、豊洲に移動できない物や豊洲では使えない物があります。それらに対しては、上掲の東京高裁平成3年7月30日判決で損失
補償が必要とされていますので、やはり、損失補償請求書を集めることにしました。次に掲げます。
設備・備品に関する損失補償請求書
豊洲に移転した皆さんも築地で営業されている方も売上げが減少して困窮しておられますから、多くの補償請求書が集まると思います。
今回の補償請求書集めにより、業者には次の三つのグループができると思います(二つのグループにダブって属する方もおられます)。
A.築地で営業を続けるグループ
B.豊洲に移転したが、いずれ築地に戻る可能性を確保しているグループ
C.豊洲に移転し、得意先喪失の損害賠償を請求するグループ
Cグループには、A・B以外のほとんどすべての業者が属することになると思われます。。そして、今後、CからBやAへ、BからAへと移行する方が次第に増えていく
でしょう。
豊洲市場の欠陥は次々に露呈していきますので、いずれは、豊洲がガラガラになり、築地が再建される。そうなることが目標ですし、充分実現性はあると思います。
ちなみに、豊洲に移転された方が廃業される場合には、どうなるでしょうか?
移転に起因して廃業される場合には、当然「営業廃止補償」が必要です。また、営業権は売買できますので売ることもできます。もちろん売る場合には、営業廃止補
償は受けられません。
では、築地と豊洲の両方で営業されている方は、豊洲の営業権を売って築地での営業を続けることができるでしょうか?
当然できます。豊洲の営業権は許可に基づき、築地の営業権は暖簾に基づいているからです。現に両方で営業されている方がおられることがそれを証明しています。
豊洲の欠陥が次々に明らかになっていくので、豊洲の営業権価格は今後下っていく一方でしょう。豊洲移転で経済的に困窮されている方は、できるだけ早く豊洲を売
り、築地に戻って営業されることが、経済的にはベストの方法でしょう。売るならお早めに。
他方で築地に戻ってくる業者が増えて、改築等をせざるを得なくなるでしょうから、その後、高くなった築地を売ることも可能です。
4.畏友の金言
私事にわたって恐縮ですが、私は31年間大学の教員を務めました。31年前私の就任した学部は大学のステータスを高めようとの意図で創られた新設学部で、有名教
授がキラ星のごとくおられました。しかし、残念ながら、今日まで、その学問の姿勢や生き方に尊敬の念を覚えた学者は、他大学を含め、わずか2~3名しかおられ
ません。弁護士とも100名以上知り合いましたが、信頼できる方は2名しかいません。地位や名声のある方の大部分は、お付き合いしているうちに、金や地位や名誉を
欲しがって生きていることが見えてきて、最近では「地位ある人はそんなもの」と初めから思うようになっています。他方で、無名で黙々と生きてこられた方々の中に
素晴らしい方を見出すことが少なくありません。築地でもそのような方に出会えたことが、関わるうえでの原動力になっています。
全く場違いの感のある、こんな私事を書いたのも、今日、一年前に知り合ったものの、もう数十年間お付き合いしてきたかのように、生き方に共鳴でき、尊敬できる
畏友から、昨日ホームページに書いた中澤氏についてのコメントに関するメールをいただいたからです。畏友が中澤氏をご存知だったとは知りませんでしたが、何度か
会われたり、話を聞かれたりしたことがあるとのことです。
そこには、中澤氏について、次のように書かれていました(本人のご了承を得て、主要部分を抜粋します)。
・運動の「主導権は俺にある」ことを、様々な謙遜な表現を装ったつもりながらも、恥知らずに、ぬけぬけと語る。この取り組みは、業者が主役で、最後は彼らの踏
ん張りぬきこそが死命を決する、ということには気づいていない?少なくとも「反対運動の宣伝のための反対」としか考えていない(どっかの党派集会などで見聞
した、ありきたりのカッコウ付け挨拶を自分もしているという「喜び」に溢れている姿に、心底、辟易したことを、つくづく思い出します)。
・「排他的」である。つまりは、自分の所属する党派に「俺が頑張ってる」姿を知ってもらいたいという欲望、あるいはヘツライが、セクショナル臭の元にある。
だから、リーダーは俺でなければならないと「顔に書いて」いる。⇒本人気づかず。
実に的を射ていると思います。私が漠然と感じていたことを見事に表現されています。
拙著『漁業権とはなにか』でも強調していますが、運動は、権利者たちが自らの持つ権利を自覚して、それに基づいて闘うようなスタイルでなければ勝てないと思い
ます。実際、私は、これまで主としてそのスタイルで、約20例余りの埋立・ダム・原発を止めてきました(詳しくは『漁業権とはなにか』参照)。
権利者の自覚や主体性を促すのでなく、「私が指導してあげる」としゃしゃり出てくるようなリーダーは、所詮、自分の私利私欲に根差しているとみて間違いないと
思います。彼らは、権利が侵害されようが、運動が負けようが、どうでもいいのです。彼らがリーダーシップをとったというお手柄だけが欲しいのです。ですから、権
利者が「指導者」への依存を脱し、自らの権利に基づいて闘おうとすると、自分のリーダーシップが脅かされるため、「最後のデモ」などを企画したり、勝つつもりも
勝つはずもない訴訟(ヒラメ裁判官が敗訴させてくれることは先刻承知、だから初めから「勇気ある裁判官に恵まれれば」などと敗訴時の言い訳・責任回避の逃げ口上
を言うのです。これで約50万円もの訴訟費を原告から巻き上げたのですから、ヒラメ裁判官とグルになった詐欺のようなものです)を起こしたりして運動の収束を図る
のです。このように整理すると「署名捺印してもいい」とか「撤回書集めの文章を削れ」などと言った中澤氏の行動がよくわかるでしょう。
この問題は、日本の革新運動や住民運動全般に共通の問題だと思います。要するに、運動が、当事者自身を主体とするのでなく、「指導者」の手柄争いに利用されて
いるということです。もうそろそろ、この問題に気づいて、権利者が主体となる方向に切替えていかなければ、日本の革新運動・住民運動は、いつまでも負け続けるこ
とになるでしょう。
私は、1976年以来、40年以上住民運動のサポートを続けてきましたが、最も厄介で苦労させられたのは、いつも、相手との闘いではなく、「味方」の中の「指
導者」の存在でした。どこでも「指導者」は、権利者自身が運動の主体となることを嫌がるからです。そもそも左翼でよく使われる「前衛」という言葉・意識自体
が、「指導者」の傲慢さを示していると思います。
畏友からのメールは、この「指導者」、「前衛」の問題を鋭く突いておられます。
メールをいただいて、すぐに電話しましたが、「ヒラメ」には「赤ヒラメ」も居るとの名言に感心しました。「ヒラメ裁判官」は周知の言葉ですが、いわゆる左翼の
中にも、党派の中で上を向いてばかりいる「ヒラメ」が居るという意味です。あのオウム真理教の中でも尊師等の称号をめぐって出世争いが起きていたのですから、
よくわかりますし、実例を挙げるまでもなく、どの組織にもみられることです。誰もが多かれ少なかれ持つ、この人間の卑しい側面が、支配に丸ごと利用されている
と思います。
しかし、タイトルにある「金言」とは、メールの文章でも「赤ヒラメ」でもありません。畏友は、これだけ中澤氏を酷評されながらも、「いま批判を受けることが
中澤氏の為になる。成長につながる」と言われたのでした。さすがは畏友です。とてもそこまで思いが及びませんでした。敬意を表しつつ、私も見習いたいと思いま
す。
実際、中澤氏は優秀な人です。その優秀さを「赤ヒラメ」の方向ではなく、人に貢献する方向で活かされれば、将来とてもいい仕事をされるようになると思います。
その方向でのご健闘を祈ります。
・10月18日(木)
今日、「一世一代の晴れ舞台」に立とうとは夢にも思っていませんでした。しかし、私が何歳まで生きようと、そうなるのは間違いありません。しかも、その舞台
が、築地でありながら、歌舞伎座でなくバリケード上というのが、私にふさわしくて最高でした。苦労して私の晴れ舞台を準備してくださった小池都知事始め、東京
都の皆様に心より御礼申し上げます。
以下、2018年10月18日築地劇場のシナリオの報告です。
1.第一幕
築地市場正門に高くて頑丈なバリケードが築かれ、とても入れる状況ではありませんでした。
それで、バリケードを登り、向こう側が見える所に立って、中にいる都の役人・ガードマンを見渡しながら、「入場制限の法的根拠」を問いました。
しかし、都は一切回答しませんでした。今さら「10月11日施行の改正条例」を持ち出しても、このHPでとっくに論破されているため、公衆の面前で恥をかくのが
目に見えているからでしょう。「入場できません」を、また「壊れたレコード」のように繰り返してはいましたが。
そこで、「都は先に閉場・解体事業の根拠を10月11日施行の改正条例と回答してきたが、のれんに基づく営業権は築地業者の長年の営業努力に因る権利であり、条
例の存在や改正とは何の関係もない」旨説明し、「何か反論があるか」と問いました。そして、何の反論もないので、「都には入場制限の法的根拠が全くないことを
確認した」と告げました。
2.第二幕
次に、バリケードの外の市民側(公安も多数来ているとの情報を得ていました)を振り返り、「警察・公安の人、手を挙げてください」と呼びかけました。
誰も手を挙げないので、「今日は、警察・公安は私たちの味方なんですから、安心して名乗り出てください」と言いましたが、それでも誰も名乗り出ません。
そこで、こちらから「もしも都が営業業権者の入場を妨害したら、刑法第234条、威力業務妨害罪にあたります。警察・公安の方、逮捕してください」と言いま
した。威力業務妨害罪とは、通常、警察が市民に対する脅しに使う言葉ですが、今日は、市民が警察に対してその適用を要請したわけです。おそらく、聞かれてい
た市民も都の役人も警備会社も警察・公安もビックリされたことでしょうが、その内容を知れば、決して驚くようなことではありません。
刑法第234条は、「威力を用いて人の業務を妨害した者は、懲役3年以下、又は50万円以下の罰金に処する」旨規定しています。そして、ここにいう「業務」に
は、平穏になされている限り、法律に違反した業務や無許可の業務も含まれる、とされています(例えば、次のサイトを参照)。
http://park.geocities.jp/funotch/keiho/kakuron/kojinhoueki3/35/234.html。
違法どころか、財産権である「のれんに基づく営業権」の行使を妨害すれば威力業務妨害罪にあたることは、火を見るよりも明らかです。
実は、警察はパトカー1台及び装甲車(20~30人乗り)5台が近く(朝日新聞社のそば)まで来ていたのです(11時半頃来たと目撃者の方から聞きましたし、私
自身も待機しているのを目撃しました)。しかし、攻防戦の戦場までは来れなかったのです。理由は明白。来れば、私たちから都の役人等を逮捕せよ、と迫られるか
らです。戦場には来れなかったとはいえ、あれだけのパトカー・装甲車に待機していただき、大変心強く思いました。
小池都知事が、2,3日前から、NHK等を通じてしきりに「築地市場に警察を呼ぶ」と宣伝されていましたが、本当に有難うございました。小池さん、Good job!
3.第三幕
市民から青果門が入りやすいとの情報が入ったので、青果門から入場をしました。
しかし、あり得ないことに、都の役人や警備会社(会社名を忘れたので後日、掲載します)の社員が、数十名で入場を妨害しました。日刊ゲンダイが「人間の盾を
次々に突破」と報道したようですが、言い得て妙の表現、まさにピッタリでした。あんなスリルに満ちた体験は滅多にできるものではありません。
警察なら刑法を順守するはずですが、警備会社社員は全く無知なせいでしょう、ためらいなく暴力的に妨害するのには呆れました。こんな会社は、コンプライアンス
の点から先行きが暗いに違いありません。潰れたくなければ、もっと社員教育をしっかりしなさい。社員も自ら少しは勉強しなさい。
やむを得ず、私も二回ほど力比べをすることになりました(二回目は猪口部長と)。自分でも驚いたことに、勝ちました。猪口部長は、背も高く力もありそうなの
に、古希を一年後に控えた老爺の私が勝ったのは、私は正しい行動をとっているとの信念に基づいているの対して、猪口部長たちは後ろめたさを感じながら行動して
いたからでしょう。要するに、信念に基づく気合の差です。
私は、営業権組合の勉強会で、事業を止める鍵は「事業の法的根拠をめぐる法律論と権利者が身体を張ってでも権利を行使すること」と言ってきました(これまで
20例余りの埋立等を止めてきた経験から得ている教訓です)が、築地もまさにその通りの展開となりました。
しかし、本来はシャイで温厚な、ただのメタボ爺さんの私に、こんな力比べをさせるなんて、まったく都はひどいことをするもんです。
おかげさまで、第6回買物ツアーも、「無事に」とはとても言えませんが、幾多の妨害を乗り越え、完遂することがことができました。コース最終の猿渡さんのお話
を聞く茶屋では、数々の妨害を共に乗り越えた達成感・満足感と連帯感がしみじみと漂い、皆さん幸せな表情をされていました。
今日はくたびれているので、築地劇場報告はここまでです(後に付け加えたいとは思っています)が、簡潔に追記を三点だけ。
①西坂部長が寝転がる動画を拝見。みんなして笑わせてもらいました。あなたも、なかなかの役者ですな。少しおまけ付きで、Good job!
②都に対し、営業権組合が次のような「威力業務妨害是正の勧告文」を送付しました。
威力業務妨害是正の勧告文
③ツアー終了後、忘れ物を取りに戻った方の言によれば、中では都職員が疲労困憊、いたるところでグッタリしていたとのことです。肉体的疲労だけでなく、今後、
逮捕されるかもしれないという精神的ショックからすれば無理もありません。
・10月20日(土)
更新が遅れ、すみません。
実は、肝腎な時にFTPソフトの期限が切れたのですが、わけがわからずに、修復に時間がかかったのでした。そして、悪戦苦闘しているうちに、同じくわけがわか
らないまま回復しました。一時は権力の妨害かと疑ったのですが、そうではなかったようです。権力の皆様、疑ったりして、どうもすみませんでした。
19日第7回買物ツアーも、初めはかなり苦労したのですが、市民(19日に「ヒーロー」と呼んでしまいましたが、すみません、「ヒロイン」でした。毎回参加くだ
さっている、顔馴染みの年配ご婦人Kさんです)の知恵のおかげで克服し、無事終了。またまた完売でした。市価の3割引きですので、お得ですよ。
今日は市場内営業場所の管理権限の関係で、都の妨害は一切なかった代わりに中央区の役人5名程度が無謀にも「中央区の管理区域だから営業するな」と言ってきま
したが、「法的根拠を私のホームページで勉強したうえで文書で示さない限り、認められない」と言っただけで解決、宿題を課した形になりました。大恥をかいたうえ
に全く法的根拠を失った都に続き、中央区も法的根拠を示し得ないか、仮に示したとしても恥をかくばかりか、威力業務妨害罪で逮捕されるだけです。やめておいたほ
うがいいですよ。警察への連絡は、110番がいい(他の電話番号では必ずしも駆けつけてくれない)との知恵を提供してくださった市民もおられました。有難うござい
ました。おかげさまで今まで経験のない110番通報をする機会を楽しみにしております。
20日も買物ツアーを実施します。ただし、19日ツアーの営業者及び買物客全員一致で決めましたが、20日以後の買物ツアーは13時~14時実施。集合は正門前です。
警察は残念ながら来てくれないでしょうが、都も区も110番通報が怖くて妨害などできません。万一、警察が来たら、豊洲移転にまつわる都のその他の犯罪をも教え
てあげます。おいでになるのを心待ちにしています。
そういうわけで、万一の恐れもありませんので、どうぞ、安心してお買い得の築地市場買物ツアーをお楽しみください。
・10月21日(日)
大変長らく、お待たせいたしました。10月20日に上記のように書いた後、また悪戦苦闘が続きましたが、ようやく更新可能になりました。ホッとしました。
ただ、行始めが乱れていることに気づき、縮小機能を使ったら見やすくなりましたので、同じ問題で見にくい方は参考にしてください。
20日の第8回買物ツアーについて事後報告になりましたが、場所は旧ガソリンスタンドで行ないました。やはり完売しましたが、15分ほどで売り切れてしまいまし
たので、今後、もっと品ぞろえしなければ、と思っております。
にもかかわらず、買物ツアーに来てくださる方々(中には皆勤の方も何人もいらっしゃいます)には、感謝感謝です。
午後3時からの営業権組合の反省会兼打ち合わせは、時間の9割方は笑顔と笑い声に満ちた楽しいものでした。皆さん、自信に満ちた表情です。18日という最大・最後
の山場を乗り越えたからでしょう。威力業務妨害罪という大きな武器を手にしましたので、あとは東京都と築地署を攻める一方、相手は防戦一方になります。この間の
経緯を知人の弁護士に話したところ、「東京都は、それほど持たないのでは(ギブアップ間近ではないか)」と感想を漏らしていました。
打ち合わせの結果、来週からは、買物ツアーを定例化し、「火・木・土の13:00-14:00、集合場所は築地市場正門前」で行ないます。販売場所も決めましたが、皆さ
んが驚かれると思いますので、当日のお楽しみに。
定例化するとともに、毎回、営業権者の一人(数人のローテーション)が「東京都及び築地署に対する通告(内容のうえでは警告)」をした後、販売を開始することに
しました。民衆が役所・警察に警告するのですから、痛快ですよ。
そのほか、買物客の皆さんに笑顔になっていただける新製品も用意しております。権力を恐れぬようになれば面白いアイデアも次々に浮かぶということです。
最大・最後の山場を越えて、笑顔と余裕たっぷりの買物ツアーの開始です。
どうぞ、お楽しみに。
・10月24日(水)
23日には、実にいろいろなことがありました。
すべて書き終えるにはかなり時間がかかりますので、まずは目次を紹介するとともに、各項目ごとに書き終えたら順次アップすることにします。
1.条例74条で販売妨害を図るも直ちに撃退
2.正門前での通告・販売
3.築地署へ威力業務妨害の被害届提出
4.地上権/借地権に基づく仮処分申請
1.条例74条で販売妨害を図るも直ちに撃退
午前10時半頃、築地に向かおうとしていたところ、杉原さんから電話が入り、深刻な表情で「都から、条例74条に基づき、築地での営業まかりならん」と言っ
てきたとのことでした。条例74条は「豊洲で許可を受けた仲卸業者は、豊洲市場の開設区域(築地も含まれます)内において、豊洲での許可に係る取扱品目の販
売をする場合には、知事に申請して承認を受けなければならない」旨を規定しています。
都の法的根拠としては、今までのもの(閉場・解体事業についての①予算を付けた、②改正条例の10月11日施行)よりも少しマシになっています。
しかし、条例74条を見て、5秒後に(①,②については1秒もかからないで反論が浮かびました)反論を考えつきました
反論は、「仲卸業者は複数いるから、豊洲から築地に運ぶまでの間に物々交換した」というものです。これで簡単に解決。都の役人たちが懸命に考えたであろう
主張を一蹴、簡単に撃退しました。その旨杉原さんに伝えるとともに、午後の買物ツアーの冒頭でも紹介しました(注:その後も都の役人が引き続き74条を主張して
いるとの情報が入りましたので、26日午前中に田中賢也市場長に直通電話(03-3520-8200)して話しておきました。もう二度と言わないはずです。それにしても、
杉原さんを通じて説明し、正門前で説明し、HPに記したにもかかわらず、直通電話まで全くご存知なかったとは驚きました。都の皆さんには、利権がらみの事業
で難しいとはいえ、もっと気合を入れて懸命に仕事をしてほしいと一納税者として切実に思います。汚名挽回、捲土重来、大奮起を期待しています)。
ですが、都の皆さん、都道府県の中で最低の都でも成長できるということです。この調子です。皆さんでも成長できるんです。次回は10秒を目指して、めげずに
努力しなさいよ。
2.正門前での通告・販売
21日にお知らせしたとおり、23日第9回買物ツアーは、正門前での「都・築地署への通告」から始まりました。営業権組合の村木共同代表が、椅子の上に立ち、
ハンドマイクを持って通告されました。
通告後、直ちに正門前で販売を始めました。実は、20日の打ち合わせでは「正門前で通告⇒ガソリンスタンドで販売」と決めていたのでした。その後、私が「正門
前販売」がベターと思い、村木さんに提案して、営業権者の皆さんで相談してもらって、正門前に変更したのでした。「正門前販売」がベターと思った理由は、もし
も警官が「こんなところで販売するな」と言ってきたら、捕まえて「入場して販売したいのに、都が違法に妨害しているからここで販売してるんじゃないか」、「つ
まらんこと言ってないで、都の役人を威力業務妨害罪で逮捕しろ」と要求できるからです。他の場所を探して販売できたとしても、それは守りに過ぎず、攻めるには、
ど真ん中の剛球ストレート(正攻法)がいいということです。
狙いは的中。200mくらい離れたところにパトカーが一台止まっていましたが、車が近づくどころか、刑事等が車中から出てくることも全くありませんでした。
嬉しいことに、23日から仲卸業者の吉野さんが営業に加わって下さいましたが、椅子に座っておられた吉野さんに「ほら、パトカーが止まっていても、刑事等が一切
来れないでしょ。貴方の営業権はそれほど強いということですよ」と現場解説しました。
「正門前販売」は思わぬ副次的効果をもたらしました。買物ツアーに参加してくださった市民が、売り子になってくださったり、交通整理をしてくださったりしたの
でした。大いに助かるとともに、思いがけないご協力に一同感激しました。何よりお気持ちが嬉しいです。今後とも、宜しくお願いいたします。
予告通り、私は、ねじり鉢巻きをして、新商品を販売しました。「何か?」って。それは、買物ツアーにご参加くださった方のみが知ることができる秘密です。23日
には、皆さん、新商品を見て笑顔になられ、大好評のうちに完売しました。お買いくださる方には、説明のチラシをプレゼントしています。「チラシも保存していただ
ければ一個百円が一年後には一万円以上になりますよ」との口上も述べました(ただし、売り子の口上の信頼度は「ガマの油」の口上で皆さんご存知のとおり。それを
承知のうえで買ってくださるのですから、一万円以上にならなくても責任の問いっこなしですよ)。
3.築地署へ威力業務妨害の被害届提出
1)築地署でお茶を出させる
買物ツアー終了後、村木さん、猿渡さんと三人で築地署を訪ねました。ど真ん中剛球ストレート第二球めです。
まず、受付けで担当課を聞いて、4階の課(名前は忘れました)を訪ねました。
戸塚亮平巡査長ともう一人日大体育会出身と思われる体格・態度の人(ICレコーダーを見て、「録音するな」と言ってきましたが、「法的根拠を示せ」と切り返した
ところ、どっかへ行き、約10分後に戻ってきて、何も言わず、初めの高圧的態度はどこへやら、すっかり小さくなっていました)が対応されましたが、「築地市場の件
で被害届けを出す」と言うと「担当がいますので、そちらで対応します」と言い、しばらくして「担当は外出していますので、出張先から署に戻るよう連絡しました」
と言われ、一階の部屋に案内されました。思わず、心の中で笑ってしまいました。出張先は築地市場に決まっているからです。おそらく、あのパトカーの中にいたので
しょう。
待たされること30分余り。途中、長すぎるので、飲料を買いに部屋を出たところ、戸塚氏が居たので、「被害届を出しに来た市民をこんなに待たせて、お茶も出さん
のか。こんな対応していたら、被害届を出す市民が来なくなり、そうなればあんたたちの中から失業者が出るんだぞ。お茶ぐらい出しなさいよ」と叱りました。戸塚氏
は即座に「私が出します」と言って、数分後に、本当に自分でお茶三杯を持ってきてくれました。
戸塚さん、貴方は大した方です。普通なら女性に出させるところです。それを「巡査長」という地位にありながら、ご自分で持ってきてくださったのですから、いい
人だと思いました。なんとなくユーモアも通じる方です(肌感覚でわかります)。「あなたはいい人です」と正直に褒めてあげました。「築地署に戸塚亮平あり」、皆
さん、いい意味で戸塚亮平氏の名前を拡散して有名にしてあげましょうね。
ようやく、担当の二人が部屋に入ってきました。一人は長瀬一広警部、もう一人は豊田??警部補です。私が名刺を出したのに、無礼千万、二人は名刺を寄こしませ
ん。長瀬氏は、フルネームを言った後、私が「電話番号は?」と聞いたら、直通は言わず、署の代表番号03-3543-0111だけを言いました。豊田氏には、「下の名前は
?」と聞いたら「築地署には豊田は一人です」との答え。呆れましたが、続いて「役職は?」、「警部とは警察の警に部分の部か?」などと尋ねて、質問をひととおり
終えたとき、豊田氏が名言を放ちました。一言、「厳しい取り調べでした」。吹き出し笑いしました。この名言で、豊田氏もいい人だとわかりました。
豊田さん、フルネームを教えてくれれば、あなたも戸塚亮平氏同様、いい意味で有名にしてあげますからね。次はフルネームを教えてくださいよ。
注:皆さん、奇術と同様、私の手法を決してマネしてはいけませんよ。警部が怒って、ますます居丈高になる危険大ですよ。私の命令・尋問口調にはコツがあるんで
すよ。コツを心得ないで形だけマネしたらとんでもないことになりますよ。下手すりゃ逮捕です。
「じゃ、コツを教えろ」だって?そう簡単に教えられるもんですか。70年近い人生の中で会得したものですし、各人それぞれ個性がありますから、私の会得したコ
ツを真似すりゃいいってもんではないんです。人生、苦労を重ねることが大事です。
しかし、日本の民衆力を高めるには、一つの参考にはなると思いますので、いずれ教えます。今は「〇〇で言うことです」とだけ書いておきます。いずれ〇〇を
埋めますので、知りたい方は時折HPを訪問してください。
2)被害届を提出
長瀬氏が「どういう被害ですか?」と聞いてきました。白々しいにも程がありますが、こちらは大人です。そんなことは言わず、村木さんが被害の経緯を説明し、威
力業務妨害罪にあたるから、被害届を出す旨説明されました。続いて、私が「営業権の侵害」及び「威力業務妨害」について法的説明を補足しました。
さらに、丸八の電気・ガス・電話が止められたこと、つまり、威力業務妨害がなされたこと、また、地上権者の方に、都の役人が「建物を寄付しろ」と脅したこと
等を話し、これは「恐喝にあたる」と言いました。続いて、「今も、営業権者の方々を都の役人が個別に訪ねて残置物を移動するよう脅しているが、今後、それらの
脅しの実例リストを作り、まとめて『脅迫罪』として訴える」と予告しました。
皆さんは「親告罪」という言葉をご存知でしょうか。「被害者からの告訴がなければ、検察が起訴できない罪のこと」です。威力業務妨害罪は親告罪ではないのです
が、けしからんことに、最近の警察は、親告罪扱いしているそうです。しかし、被害届を出しましたから、警察は何らかの対応をしなければなりません。
ちなみに、私の中・高時代(神戸・灘校)の、しかも軟庭部の3年後輩に、2013-2015年に警察庁長官を務めた米田壮君が居ます。米田君には私がテニスの手ほどき
をしてあげました。中高一貫なので、私が高一で主将を務めていた時、米田君がE君とともに初の中一部員として入部してきましたので懇切丁寧に教えてあげたのでし
た。もしも、築地署がこの被害届をぞんざいに扱ったら、米田君、君に連絡しますからね。よろしくね。ちなみに、君が長官就任中に友人に放った「〇〇以外は何とか
します」との名言は私の耳にもしっかり入っていますよ(皆さんがビックリ仰天される〇〇ですが、「セレブの世界はそうなんだ」とある意味感心しました)。今後の
築地署の対応次第では〇〇が埋まるかもしれませんよ。
被害届を終え、築地署を出ようとしたら、わざわざ玄関まで長瀬・豊田両氏が見送ってくださいました。私の近くにいた豊田氏に「私は対決時には戦闘モードになり
ますが、対決が終われば、本来の温和なおじさん(お爺さん)に戻るんですよ」と言いました。豊田氏は「わかっております。大学教授までやられた方ですから」と言
われました。好意で言われているので、あえて突っ込みませんでしたが、後段は間違いです。
大学教授には、派閥を作って自分たちの利益を図り、派閥に入れば人事等でサポートし、入らなければ叩くような連中、任期付き教員の身分保全など全く考えない
連中がゴロゴロいるんですよ。「赤ヒラメ」ならぬ「学ヒラメ」とでも言えるでしょうか。自分の利益しか考えぬ、口先で美辞麗句を並べる(中には、差別や格差問題
を研究テーマとしている者もいます)だけの人間性のかけらもない連中です。
3)神様と二人の霊が応援してくださっています
今は、詳しくは書けませんが、この間の築地問題への取組みの中で、神様が応援してくださっているとしか思えない現象が何回も起きています。信じられないくらい
です。猿渡さんたちも同様に感じられていて、時折、その話題になります。
これは、一つには、猿渡さんが水神社を30年間、一日も欠かさず掃除され、また「魚の生命をいただく」ことに感謝されてきた賜物と思います。猿渡さんのお話し
は、その深さに誰もが(といっても心の綺麗な人だけですが)感動するはずです。買物ツアーの目玉でしたが、今は茶屋にまで行けませんので、残念ながら、話は聞
けません(いずれ復活できると思います)。
しかし、私は、もう一つの応援者がいるように感じています。また馬鹿なことを、と言われるかもしれませんが、それは、二名の人の霊です。
実は、そのことを、「最後に付け加えておきます」と言って、長瀬・豊田両氏に話したのでした。
話は、いきなり霊のことから始めず、「築地市場は83年の歴史を持っていますが、それが開設された頃、正確にはその二年前に、築地で起きた有名な事件をご存知で
すか」との質問から切り出しました。両氏は、何のことか?とキョトンとしています。続けて「しかも、それは築地署で起きた事件ですよ。あなた方の先輩が起こした
んですよ。それくらい知っときなさい」と言いましたが、それでも両氏とも???でした。
そこで私の方から「小林多喜二が拷問で殺されたんですよ。何の罪もないのに(1933年2月20日に)逮捕され、その日のうちにこの築地署で拷問を受けて虐殺されたん
ですよ」と言いました。初めて気づいてハッとされたようでした。
続けて、「築地市場が開設された頃、小林多喜二虐殺という汚点を築地署は残したんです。その築地署が、築地市場が閉場されようとしている今、築地市場の営業権
者から被害届を出されたんです。ぜひ、築地署にとっての汚名挽回の機会として受け止めていただきたい」と言いました。長瀬氏も豊田氏も、この話を神妙に聞いてく
ださいました(実は、この点に気づかせてくださったのも、先述の、生涯を通じて「日本の世直し」を追求されてきた畏友です。さすがというほかありません)。
小林多喜二は、いうまでもなく、当時の貧困問題・格差問題を告発する数々の名作を残した作家(プロレタリア作家とも呼ばれています)です。その代表作『蟹工船
』は、新自由主義が横行し、再び格差問題が深刻になった今、若者の間でも広く読まれるようになっているそうです。
多喜二は、もちろん偉大ですが、私は多喜二の母も偉大だと思っています。多喜二の無残に腫れあがった遺体を抱きしめて、母・セキは次のように叫んだそうです。
「それ、立たねか、みんなのために、もう一度立たねか!」。この母にしてこの子あり。
私には、築地問題への取組みにおける数々の幸運な現象は、水神様に加え、多喜二とセキの霊の応援の賜物と思えてならないのです。
恥ずかしながら、私はとても涙もろいのです。映画を観てもすぐに涙が出ます。ゼミ生を連れてのタイの校外実習で山岳民族の少女の差別されてきた話を聞いたと
きに、20名あまりのゼミ生たちがケロっとしているなか、一人涙が止まらなくなり、司会不能になってゼミを中止したこともあります。
白状すると、そんな私ですので、セキの言葉を思い出す度に涙が止まらなくなります。今もまた。
恥ずかしくて治したいとも思いますが、涙もろさが、同時に戦闘モードになった時の強さの源になっているとも思いますので、このままでよいとも思っています。
今日はここまで。「4.地上権/借地権に基づく仮処分申請」は、明日にします。お休みなさい。
・10月25日(木)
今日の買物ツアー第10回は、何事もなく、また多くの市民の皆さんが売り子や交通整理を担当してくださって、大変楽しく実施できました。協力してくださった市
民の皆様に厚くお礼申し上げます。大好評の新商品(買物に来られて新商品が分かった方も広めないでください。客が笑ってくださることを楽しみにしていますので
)も、市民が売り子になって下さったおかげでしょう。開始後わずか10分程度で完売しました。
都及び警察への通告は、「自分は話が苦手だから」と断られる営業権者が多くて難儀しましたが、若手の小松さんが行なってくれました。なるべく多様なほうがい
いいのですが、「苦手」と断られる営業権者が多いので、「できるだけ多様」という方針で御容赦ください。
営業はきわめて順調だったものの、開始後20分程度で、それまでに参加してくださった市民の買物がほぼ終わり(いつも開始初めにお客が殺到するのです)、売り
手が暇になった一方で、買物後に、営業権者や私が権力をからかっている様子(末廣亭よりも笑えますよ、しかもただで)を楽しんで見物されている方が大勢おられ
たので、13:25にアナウンスし、了解を得たうえで、13:30に営業を終了しました。
そして、今日の打ち合わせで、13:00開始はそのままにするものの、今後は、14:00前でも13:20頃までに来られた買物客の買物が終われば、営業を終えることに
しました。今後は、「13:00開始~13:20までに来られたお客様の買物終了時ないし14:00」といたしますので、ご協力のほど、宜しくお願いいたします。
ところで、昨日「『4.地上権/借地権に基づく仮処分申請』は、明日にします」と書きましたが、今日はくたびれ果てたので、明日に延期させてください。以下、
くたびれ果てた理由だけ簡潔に記します(詳細は明日書きます)。
理由は、いうまでもなく、都でも警察でもありません。ごく一部の「心なき市民」、「マナーを欠いた市民」です。実は、この問題には今までもずっと苦しめられて
きたのですが、今日で受忍限度を超え、堪忍袋の緒が切れましたので、明日、書くことにしました。
ちなみに、都は、噂には聞いていましたが、仮処分命令申立書を18日付けで東京地裁に出しました。権力御用達の報道機関NHKでも報道されたそうで(私はこの間
、一切テレビを見ず、音楽だけ聴いていますので見ていません)ご心配の方も多いと思いますので記しますと、今日の打ち合わせの終了間際、16:55頃に村木さんから
都の申請書類を見せてもらいました。ですが、全くご心配には及びません。詳しくは、明日説明します。
警察のほうは、第9回には200mほど離れたところに来ていたパトカー(おそらく中には長瀬・豊田両氏が居たのでしょう)が、今日は、期待に反して、全く姿を現し
ませんでした。見つけたら、豊田さんからフルネームを教えてもらって、戸塚氏と同様、「築地署に豊田〇〇あり」と全国的有名人にしてあげようと楽しみにしていた
のに、返す返すも残念に思いました。
豊田さん、次回以降は、パトカーでも徒歩でもいいですから、ぜひいらしてくださいよ。築地市場担当ということはわかっていますので、期待を裏切って長期にわた
っていらっしゃらないと、職務怠慢で築地署に訴えますよ。
疲労(肉体的でなく精神的疲労)困憊、まるで18日の築地劇場後の都の職員のような状態ですので、今日はここまでで精一杯です。
お休みなさい。
・10月26日(金)
いろいろなリラックス法を用いて、ようやくHPの更新ができるまでに回復しました。
今日の報告予定は、次の通りです。項目を書き終えれば、順にアップします。
1.地上権/借地権に基づく仮処分申請
2.都の仮処分申立書について
3.心なき市民・マナーを欠いた市民
1. 地上権/借地権に基づく仮処分申請
営業権組合では、要約すれば次のような論理で都を攻めてきて、これまでの記述で明らかなように完勝しました(25日のツアーでは、見るからに賢明そうな市民Mさ
んが「HPを熟読しましたが、完勝ですね」と感想を言ってくださいました。また、水谷さんの信頼しておられる弁護士さんも、HPを見て「これなら訴訟でも勝てる
でしょう」と言ってくださったそうです)。
①仲卸業者等は暖簾に基づく営業権を持つ‥‥10月11日以降の買物ツアーの経緯(都は店主一人の有無で入場の可否を判断したのですから、それだけでも明らか。都
庁の皆さん、やりましたね。とぼけつつ利権から都民を守るなんざあ、なかなかできる芸当ではありません。最高のGood job!Best job!)が何より雄弁に物語っ
ています。
②築地市場の閉場・解体事業は営業権(財産権)の侵害であり、憲法違反である(疑問の余地なし)。
③都が築地市場を閉場し、また建物を解体しようとしている行為は威力業務妨害罪にあたる(業務には、平穏に営まれていさえすれば、違法な業務も含まれるので
すから、ましてや「暖簾に基づく営業」が含まれることは疑問の余地なし)。
以上の「疑問の余地なし三連発」だけでも都は崖っぷちに追い詰められているのですが、近々、「地上権/借地権に基づく仮処分申請」を行ないます。これは「剛球
ストレート」というより「大型爆弾」にあたります。おそらく「止めの一撃」になるでしょう。
内容を知れば、皆さん、確実に「東京都とはこれほどひどい違法行為をやるのか」と驚愕されることになります。都には、せめて、ヤクザや地上げ屋並みにはなって
ほしいと念じています。
手続きとしては、まずは都に内容証明を送り、その回答(どうせ今まで同様ろくな回答しかできません)を踏まえて、仮処分を申請します。
この申請は、これまでの取組みのなかで、初めて弁護士の協力を得て行ないます。先に「これまでに知り合った百人を超える弁護士の中で信頼できる人は2名」と記
しましたが、私が依頼したのは、そのうちの一人のH弁護士です。すでに地上権者のYさんとともに2回H弁護士の事務所を訪ねて打ち合わせを行ない、2回目には早
くも正式契約にまで至りました。この仮処分申請は、近々、公になりますので、その時に、より詳しく書きます。
一点だけ、Y氏から事情を聞き、本件を把握されたH弁護士の感想を記しますと、「東京都は、なぜこれほど明らかな違法行為をやったのだろうか。不可解すぎる」
というものでした。すでに度々HPに記してきた上記①~③に関する私の感想と全く同じですので、HPに先に記したその理由をH弁護士に話しておきました。
ちなみに、10月10日の記者会見でも言いましたが、Yさんからは、法的にも、またマスコミ対応も一任されており(もちろん弁護士法に抵触しないよう無償です)、
Yさんは、マスコミに登場することを好まれない(実は私もそうなので、よく理解できるんです)方なので、私もY氏のご意向を尊重して、マスコミ取材に応じる気は全
くありませんので、予めご了解ください。
2. 都の仮処分命令申立書について
東京都は、10月18日付けで東京地裁に仮処分申立を行ないました。
あまりにもお粗末で全文掲載するに忍びないので、他方で、こんなにひどい申立の代理人も有名にしてあげたいので、始めの3頁(要旨は十分わかります)を次に掲げ
ます。
東京都の仮処分命令申立書1-3頁
申立書は、内容の乏しさを誤魔化すべく、専門用語をたくさん散りばめているので、わかり難いだけです。専門家の市民だましの常套手段です。わかり易く言えば「
都の土地を違法に占有(事実上の支配)しているので明け渡せ」ということです。
「所有」と「占有」は違います。わかりやすい例を用いると、自転車を買った人は、当然、自転車を所有かつ占有していますが、盗まれれば、所有はしていますが、
占有は自転車泥棒がすることになります。本件では、都が、築地市場の敷地(都有地)を占有している仲卸業者等に土地を明け渡せ、と主張しているということです。
こういえば誰にでもわかるのに、専門家というのは本当に困った人たちです。
この申立書が如何にお粗末か、ここまでHPを熟読された方にはもう詳しい説明は不要と思いますので簡潔に言っておきます。上記①~③を読むだけでわかります。
要するに、「違法な占有」でなく、「違法な財産権侵害」及び「違法な業務妨害」なのです。「違法な占有」とは自らの違法行為を棚に上げてのヤクザまがいの難癖
にほかなりません。
ここで都及び代理人の皆さんに質問です。
①10月13日(10月11日改正条例施行後)に、都が「店主が一人でも居れば入場及び営業できること」を認めたことと、その店主が「店を違法に占有している」との主
張の矛盾の説明、これ如何に?
②10月11日以降「のれんに基づく営業」・買物ツアーを認めざるを得ず、それを遠巻きにして苦々しく見守らざるを得なかったことと「店を違法に占有している」と
の主張の間の矛盾の説明、これ如何に?
これらの質問に回答できなければ、法廷で恥をかきますから、早く取り下げたほうがいいですよ。
申立書の論旨についての反論は以上で十分。詳しく述べる必要もありませんし、第一、馬鹿馬鹿しすぎます。
ここでは、やはり都の得意技なのでしょうか、申立書に不可解な点がいくつもありますので、以下、それらについてのコメントをすることにします。⇒と書きまし
たが、あまりにも些細なことで、馬鹿馬鹿しいので、いずれ必要を感じることがあれば、その時に書くことにします。
ここまで書いて、今日もお休み時間になりました。昨日までの文章にもかなり加筆しましたので、また、いまだに疲労が残っていますので、予定していたほどには
進みませんでした。ご容赦ください。
では、27日、第11回買物ツアーでお会いしましょう。
・10月27日(土)
今日の報告予定は、次の通りです(お休み時間が来たら途中で終わります。おそらく2か3まででしょう。「心なき市民」は明日以降に)。
1. 第11回買物ツアー報告
2. 都の仮処分命令申立書について その2
3. 築地市場の神様
4.「泣き落としの競演」始まる
1. 第11買物ツアー報告
第11回買物ツアーは順調そのもの。13:00杉原さんが大きな声で通告された後、約5分後に販売開始、今日からは上田陶器さんの陶器も加わり、大盛況でした。売
り子にも交通整理係も多くの市民が志願して下さいました。ご協力いただいた市民の皆さん、買物をしてくださった市民の皆さん、有難うございました。
多くの市民の方は、営業権者をサポートする目的で参加してくださっているのですが、他方で、単なる「安い買物」目的で参加されている市民もおられるようなの
で一言だけ申しておきますと、築地市場営業権組合の取組みは、自らの営業権を守る闘いであるだけでなく、都民の生活を守る闘いでもあるんですよ。豊洲移転や卸
売市場法改悪の本質は、仲卸業者を潰すことを通じて卸売市場の持つ公共性(生産者側に立つ卸売業者と消費者側に立つ仲卸業者が「せり」を通じて競争価格を実現
する機能)を破壊し、流通大資本(大手スーパー等)が支配する物流センターに変えることにあるんですよ。これを許せば、あなたたち市民の生活も破壊されるんで
すよ。だから、買物ツアーを支えることは自らの生活を守ることにもなるんです(この点は、いずれ小看板に書いて、買物ツアーで展示したいと思っています)。
なお、今日の打ち合わせで、今後の買物ツアーの日程を次のように決めました。開始時刻は毎回13:00~です。
来週:10/30(火),11/1(木)の2回。11/3(土)は祝日なので休み。
再来週以降:原則、火・土の週2回(ただし、いずれかが祝日になる場合には、代わりに木)。
来週以降、週2回にする理由は、一つには営業権者及び協力市民の負担軽減ですが、もう一つの大きな理由は、買物ツアーの後に行なう打合わせは、実は営業権者
の勉強会をも兼ねており、これまで重ねてきた勉強会を通じて営業権者の理解度がかなり進んだからです。また、「暖簾に基づく営業権」を主張するには持続性が必
要ですが、それも週2回で十分です(週1回でもOKです)。
実は、新商品の買出しはこれまで全て私が担当。ダイソーの店に電話を入れ、在庫を確認し、予約して買いに行くのですが、自宅から遠い立川店にまでわざわざ買
いに行ったこともあるんです。ダイソーは、レジを通した後でしか新規注文できず、しかも入荷まで2週間かかるし、支店どうしの融通は全くしない(頭固すぎです
よ)ので、20個+30個、計50個注文したものの、入荷は11月5日以降になります。
幸い、来週火・木には市民Sさん・Kさんが自宅近くのダイソー店で入手したものを販売してくださることになって大助かりですが、皆さんには見えない、こんな隠れ
た苦労もあるのですよ。
週2回になれば、みーんな楽になり、販売も購入もゆとりを持って楽しめるようになると思います。
2. 都の仮処分命令申立書について その2
内容については昨日記したとおり。今日は、東京地裁の手続きのひどさについて報告します。
東京地裁からの村木さんへの10月30日午後3時半出頭命令及び関連書類が届いたのは、10月25日午後5時近くです。
出頭命令書を見るまで、村木さんが仮処分の経験から「先生も同席できる」と言われていたので安心していましたが、命令書を読むと「本人又は代理人たる弁護士」
と書いてあるではありませんか。打合わせ終了間際になってそれに気づき、あわてふためいて、H弁護士に電話しましたが「営業権組合の取組みについては何も知らな
いので引き受けられない」とつれない返事。しかし「補佐人の制度があるので、地裁に相談したら」という貴重な助言をもらいました。
翌26日(金)午前9時に地裁に電話しましたが、たらい回しされた後、ようやく担当(民事第9部)のM氏と話すことができました。M氏は「今までに例がないので
裁判官3名に相談して回答します」と言われました。それを水谷さんに知らせると「知合いの弁護士が、そんなに短期間はあり得ないので、1カ月の延期願を出すと
必ず認められる、と言われていた」とのことで、すぐに、村木さんにM氏の電話番号を知らせ、延期願を出す旨の電話をしてもらいました。
「1カ月延期されれば時間は十分」と安心していたところ、午後5時頃でしたでしょうか、村木さんから延期願いが認められなかったとの連絡が入りました。驚きま
した。「代理人たる弁護士」との契約を結ぶことは、27(土)28日(日)には不可能なので、前日の29日(月)しかなく、H弁護士が「何も知らない案件は引き受けら
れない」と言われたことを考慮すれば、契約を結べることは事実上不可能です。こんな手続きを強いるとは、あの都の目茶苦茶な撤回書対策文書(断られた猪口部長が
延々と泣き落としをした文書)と同じ悪辣文書ではないか、と憤激したのでした。ところが、今回は、訴えても判断権限を持つ裁判所自体がそんな行為をしているので
、都相手のように「泣き落とし」させることはできません。
憤激していたところに追い打ちをかけるように、ようやく17:50にM氏から電話が入り、「裁判官の判断は、口頭での申し出に応じることはできない、正式に文書で
提出するように、とのことでした」と言われました。憤激していたのですぐに戦闘モードのスイッチがオンになり、「なんと形式的なことを。呆れます。どうせ、そん
な回答が來るだろうとは予想していました。何しろ裁判官の多くはヒラメ裁判官と言われているくらいですから。延期願いの拒否と合わせて考えると、これは都とグル
になって、私に同席を認めないための措置としか考えられない。29日(月)に正式書類を出しても、前日で急だから等の理由をあげて認めないに決まっている。そんな
書類を出すつもりはない。しかし、この経緯を私のHPに書くからね」とカンカンになって言いました。M氏は、慌てたように「先生のHPは印刷して読みました。裁
判官も読みました」と正直な発言。「だったら、私が都に完勝していることはわかるはずだ」、「営業権者はもうかなり勉強して力を付けているので、私がレジュメを
作れば、それに基づいて十分に主張できる。加えて、HPのほか、HPではクリックしないと見られない文書のいくつかを参考資料として添付すれば十分だ」旨言い。
さらに「地裁とのやり取りもHPに載せますよ」と言ったところ、掲載を認めたので、電話を切りました。
ところが、この電話内容をH弁護士に伝えたところ、「それはまずい、熊本さんの経歴・業績を添えて正式文書で申し入れれば、認められない理由はない。書式は
先ほど送ったので、提出したら」と勧められました。メールを開いてみたら、書式の添付ファイルは17:09に届いていました。「なんだ、書式が届いていることが分
かっていたら、それほど怒らなくてすんだのに」と思いましたが、ともあれ、正式文書で申請して、断られれば断られたでHPで責めればよいと思い直し、29日に村
木さんから「補佐人許可申請書」を出してもらうことにしました。
「出すつもりはない」と啖呵を切っておいて提出するのは少々ばつが悪いですが、M氏はいい人そうなので、また電話でそう褒めておきましたので、OKですよね。
3名の裁判官さん、あなた方をヒラメと決めつけたわけではないですからね。あれは一般論。何しろ、最高裁が裏金をつくって、最高裁事務総局が裁判官全体を支
配している構造があるそうですね。判事補がすべて判事になれたものとして予算をもらい、実際には権力の意向に沿わない判事補を判事に昇格させないで裏金をつく
るとともに、人事・給与をつうじてヒラメ化させるという構造だそうです(瀬木比呂志氏、生田暉雄氏等の元判事の著作を参照)。誰もがわかるように、これって明
白な犯罪なんですが、権威ある最高裁様が、何を恐れてなのか要塞のような建物内でなさることなので大丈夫なんだそうです。ほんとに最高裁って偉いんですね。
しかし、もちろん、一般論に基づく断定は良くないので、お三方については実際にお目にかかるまで予断を排しておきます。
さあ、今度は東京地裁が舞台の新しい幕が開きます。きっと面白いですよ。成り行き次第で、灘校同期生の最高裁判事山崎敏充君(元最高裁事務総長)にもご登
場願うかもしれません。
また、あの全国区スターになられた西坂部長が「この書類に印を押したら、裁判を取り下げますから」との貴重な発言をされ、仮処分命令申立の軽さ、いい加減さ
がバレてしまいました(詳細は、明日報告します)ので、東京地裁の対応がますます楽しみになりました。
西坂さーん、全国区スターの次は「泣き落とし」のMVP狙いですか。野心満々ですね。応援してますよ。
皆さんも、「築地劇場東京地裁の巻」の今後の展開をどうぞお楽しみに。加えて、西坂さんのMVPにどうぞ清きご一票を!
・10月28日(日)
今日の報告予定は、昨日の残りの順番を入れ替え、新たに一つ加えて、次の通りです(3で終わりたいので、お待ちかね「心なき市民」は明日以降)。
1.「泣き落としの競演」始まる
2. 諌早湾松永氏からの情報
3. 築地市場の神様たち
1.「泣き落としの競演」始まる
昨日の打ち合わせは、「市民」の参加なく、共に山場を乗り越えて心から信頼し合える営業権者と私だけでしたので、終始笑いっぱなし(とはいえ、時折、法的問
題について私から営業権者に質問し、考えてもらったうえで回答してもらいます。大学での私のゼミと同じ手法で、楽しく笑いながら力をつけていくのです(と一応
言っておきますので、ゼミ生の諸君、恥じぬよう頑張るんだぞ)。
なかでも、杉原さんからの報告には、一同笑い転げてしまいました。私も、あの有名な動画の西坂氏のように、畳の上で仰向けになって笑い転げました。
1)杉原さんの名言 その1
都のお歴々が私有物を残したり営業を続けたりしている営業権者を個別訪問して、恫喝していることは既に書いた通りです。杉原さんのところには、本件以前から
あの西坂部長が個別訪問してきたとのことです。しかし、その態度が、最近一変。以前はふんぞり返ってたのが、最近は平身低頭、態度がガラッと変わったそうです。
印を押さないことで力関係が逆転したからですが、加えて、あの名優のことですから、いろいろな役ができるのでしょう。
直近の訪問は、都の仮処分命令申立の後のことらしいですが、西坂部長は「これに印を押していただければ、仮処分命令申立を取り下げます」と言ったそうです。
皆さん、お分かりですよね。仮処分申立は、印を押したぐらいで取下げられるほどいい加減なものなのですよ。押印してもらうためのコケ脅し程度のものですよ。
加えて、いよいよ西坂部長の「泣き落とし」が始まったということです。「撤回書対策文書」で先手を打った猪口部長にライバル意識を燃やしているのでしょうか
、はたまた、熾烈なMVP争いを繰り広げているのでしょうか。
これから展開される、お二人を始めとした(他の方も負けておられませんぞ)都の役人の「泣き落とし」の競演をタップリ楽しませていただきましょう。
西坂さん、誤解したらいけませんよ。18日の動画の20万回突破は、あなたの名演技が受けたのではないですよ。あんな見え透いた演技で公務執行妨害に引っ掛けよ
うとした大根ぶりが受けたのですよ。今のところ、猪口部長が数歩リードですから、これから芸を磨いて追いつくんですよ。
これから「泣き落としの競演」に励まれる都の皆様に、私から、芸を磨くうえでの心構えを説いた(ほんとの)名言をプレゼントします。
かの(ほんとの)名優、大河内伝次郎扮する島田虎之助が、映画「大菩薩峠」のなかで机龍之介に対して放つ次の名言です。
「剣は心なり。心正しからざれば剣又正しからず。剣を学ばんと欲する者は、まず心より学べ」
さすがは、心と剣を磨き、「幕末の三剣士」と謳われた島田虎之助の言葉です。この言葉の「剣」を「芸」や「学」等に置き換えてもそのまま当てはまる名言です。
都の皆様にも心に刻んでいただきたいと念じつつ、プレゼントします。
閑話休題。お待ちかね、西坂部長についての杉原さんの名言です。
「最近は可哀そうなんだよな」。これが一発目。大受けでした。しかし、二発目はもっと強力ですよ。
2)杉原さんの名言 その2
個別訪問は、訪問を受けた営業権者が「あること」を言うようになってから、ほとんどなくなりました。それは、「個別には応えない。まとまって、公開の場で応え
る」です。これを言うと、都の皆さん、以降、一切を断念されるようです(都民の税金で仕事されている方々がそんなに無気力でいいんでしょうかね)。
もしも、なかで勇気ある方が公開の場に来てくだされば、みんなで「おもてなし」してあげるのですが、来てくださることはないでしょう。残念です。
さて、お次は、正確には、杉原さんの名言というより杉原さんのお嬢ちゃんの名言です。
「最近、西坂さん、どうして来なくなっちゃったの?お父さんのお友達じゃなかったの?」
いやー、無邪気な言葉って強力ですね。大人はとてもかないまへんわ。
西坂さーん、杉原さんのお嬢ちゃんが寂しがってますよ。早く訪ねてあげなさいよ。
ただし、あんなに可愛いお嬢ちゃん(私も18日激戦後の茶屋で可愛く、また嬉しい挨拶を受けました)が待ち焦がれているからといって、調子に乗って、都の皆さ
んお得意の「受忍限度論」を持ち出して、〇〇〇〇行為に及んではいけませんよ。お嬢ちゃんには、ちゃんと築地署のTelを教えておきますから、また、長瀬さんも
豊田さんも暇を持て余しているはずですから、また職務怠慢で訴えられることを心配されているはずですから、携帯電話一本で飛んできてくれますよ。
2. 諌早湾松永氏からの情報
少し余裕が出てきたので、埋立・原発で共に闘った、あるいは闘っている、信頼できる知人たちに電話しました。上関原発、諌早湾等です。皆さん、たいていは築
地戦争のことを知っておられ(TVで見たという方が多い)、励ましていただいたり、身体を心配してくださったりします。有難いことです。
ただ、なかには、心配されるあまり「いい年なんだから」と励ましているのか傷つけているのか、よくわからない言葉を言ってくださる方もおられましたので、同
様の方がHPの読者の中にもおられるかもしれないと思い、ご報告しておきますと、身体はいたって元気、あの18日激戦後も、どうってことありませんでした。とは
いえ、営業権者等の権利を守ることや、今や強力な武器となったHPの更新や新商品の買出し等々で大忙しで、睡眠不足が大きな悩みです。
どうぞ、築地戦争真っただ中で闘っていることをご理解いただき、善意の「情報提供」や「お世話」は、善意であればあるほど恐ろしいものですので、ご容赦・ご
勘弁下さい。ただし、新商品をダイソーで購入・販売してくださるSさん・Kさんのようなお世話は、私が築地に取り組む時間を増やしてくださるので、とても有難
いです。私の築地への取組み時間を増やすことになるか、削ることになるかでご判断ください。
ところで、諌早湾の松永秀則さん(2007年に農水省の導流堤工事を3名の漁民で止めた際の中心メンバー、詳しくは『漁業権とはなにか』を参照)から貴重な情
報をいただきましたので、紹介しておきます。
有明海のコハダは、全国の40%のシェアーだそうですが、出荷先が築地から豊洲に変わったことに伴い、価格が600円/kg下がったそうです。
要するに、豊洲移転は、都民の生活のみならず、全国の漁民、卸業者、仲卸業者等々の生活を脅かすということです。理屈ではわかっていても、長崎県の漁民か
ら直接話を聞くと実感がわきます。
これほど民衆の生活を破壊する馬鹿な事業をなぜ強行するのか?そのわけは、他方で大儲けする人達が居るからに違いありません。要するに、豊洲移転の問題も
また「1%と99%」の問題なのです。
今日は、あと他の用件が控えているので、ここまで。「築地市場の神様たち」は今後のお楽しみに。
以下、予告編(順不同)
〇築地市場の神様たち
〇7%と1% 七人の侍
〇島田虎之助 広瀬淡窓 吉田松陰 福沢諭吉 山縣有朋
〇心なき市民・心なき権利者
・10月29日(月)
今日は、用件が溜まっているので簡潔に報告します。
1.補佐人の件
午後3時過ぎ、明日、裁判官に説明予定の村木さん・杉原さんのお二人と猿渡さんのお三方とともに、東京地裁民事第9部のM氏を訪問。補佐人許可申請書を提
出しました。しかし、予想通り、午後5時半頃、M氏から村木さんに電話が入り、裁判官の「認めない」との判断を伝えてきました。
やはり、予想通りでした。手続きの異常さ(都の撤回書対策文書とほとんど同じような無茶苦茶な日程設定)及び「延期願」の却下から判断すると、先に書いた
ように、当然そうなると思っていました。勇気ある裁判官は今や貴重種であることを再確認しただけです(H弁護士、わかったでしょう。貴方は、「認められない
理由はない」と言われましたが、権力はそんなに甘くないんですよ。)
しかし、落胆など、全くしていません。そのいくつかの理由を、以下、箇条書きにします。
①「認められない理由はない」のに認めなかったのは、私のHPを見て、私が都に完勝していることが分かり、私の同席を恐れたからと推測される
②杉原さんも村木さんも今までの打ち合わせをつうじて十分に力を付けておられるので、補佐人なしでも大丈夫
③通常あり得ない日程設定、延期願拒否、補佐人拒否の三点セットのおかげで、裁判結果の信憑性が薄らいだ
④この仮処分申請自体が、現在の築地戦争の戦況全体から見て、全く意味を持っていない
最も大きな理由は④です。都の役人がいかにお粗末か、今までの記述から十分お分かりと思いますが、大組織、縦割り行政の弊害でしょう、全く戦況全体が見え
ていないのです。戦況全体を俯瞰できている点、戦略を立てられる点では、すでに杉原さん・村木さんのほうがはるかに上です(そう遠くないうち、遅くとも11月
中には明らかになるでしょう。お楽しみに)。
もちろん、代理人となっている弁護士もわかっていません。もしもわかっていたら、こんな馬鹿馬鹿しい仮処分の代理人など、後から恥をかくだけですから、引
き受けるはずがありません。馬鹿な都に付き合わされて可哀そうですが、弁護士は、金さえもらえれば、どんな悪人でも弁護するのが仕事ですから、引き受けるの
が当然なのでしょう。でも、あなたたち、そんな守銭奴のような姿勢が、あなたたち自身の人間性を蝕んでいることに早く気づかれたほうがいいですよ。無意味な
人生を送ることになりますよ。
弁護士の皆さんにも裁判官の皆さんにも、上記の島田虎之助の名言を心に刻まれることをお勧めします。
2.山崎敏充君及び地裁判事の皆様へ
山崎君、最高裁事務総長を経て最高裁判事になられたこと、おめでとうございます。
しかし、実は、貴方の最高裁判事就任は、私にとってもおめでたかったのです。貴方が灘校時代の得意科目として文語文法をあげられていた記事を読んだことが
ありますが、おかげで私は、私の法解釈に大きな自信を持てたのです。というのも、私たちの国語の先生(『銀の匙』を用いた教授法で全国的に有名になられた「
伝説の国語教師」橋本武先生)は、文語文法の時間に生徒に一語ごとに品詞と活用形を順に答えさせ、間違うと「わかる人?」と言って挙手を求めていましたね。
一クラス56人の生徒中、たいてい挙手は2~3人でしたが、挙手率は、私100%に対し、あなたは、2位で30-40%程度だったのではないでしょうか。こんな、どうで
もいいような細かい数字をいま推測できるのも、橋本先生は、三人目が居たときには必ず三人目を指名し、貴方と私の二人だけが挙手したときには必ずあなたを指
名されていましたね。そのため、「山崎君がいなければ、もっと指名してもらえるのに」(すみません。当時、人間ができていなくて。今では少しはマシです)と
思っていましたが、残念に思うよりも指名してもらえたことのほうが多かったように記憶しているからです。
その記憶があるので、また、文語文法と法解釈に共通性が多いと思っていますので、貴方の最高裁判事就任を聞いたおかげで、私の法解釈に自信を持てたのです。
有難うございます。ちなみに、もう一つの自信源に数学もありますが、数学に関しては、必要性を感じたときに、フィールズ賞をとられた森重文氏との高校時代以
来の長い縁を記すことにします。(以上で、山崎君宛は終了)
何故、こんな、見方によってはいやらしいと思われることを書いたかというと、法曹界の方々、とりわけ明日の東京地裁民事第9部の裁判官の中に私の法解釈につ
いて「法学部も出ていないのに偉そうに」と思われる方がおられるかもしれない、と思うからです。
実際に20余りの埋立・ダム・原発事業を止めてきた実績に加え、山崎君宛の文章に記したように、高校時代に数学と文語文法だけは得意だったことが、私が自分の
法律論に自信を持っている、主たる理由です。
また、実は、実戦では「条文を知っている」ことはほとんど役に立たず、論理的思考力や道理に基づいて考える力や「一休さん」に示される頓智のほうがはるかに
役に立つのです(ですから、皆さん、大学を出ていないことや法学部を出ていないことは全く関係ないのです。大学の専門学部といっても、わずかに2年程度、うち
半分は休みですから、実質1年しかありません。自慢ではないですが、私の場合、専門の学部・大学院を通じて出席した時間は、計10時間程度。ほとんどが御用学者
の学科でしたから、内容もペラペラ、聞く価値など全くありませんでした。また、法学の授業を受けた経験はゼロ。法律の知識は、すべて現実の問題との格闘をつう
じて身につけたものです。熱意さえあれば、充分に法学部卒を凌駕できるのです)。ですから、司法試験科目の法律の条文を知っている程度の弁護士は、実戦では全
く無能で役に立たないのです(だから、運動に貢献するのでなく、運動を手柄及び「ヒラメ裁判官とグルになった金儲け」に利用しようとするのです)。
考えてみれば当たり前のことです。実際にしばしば法律論争が起きますが、法律の条文をそのまま適用するだけ(この点だけは弁護士は優秀)で解決できるような
案件は、そもそも法律論争になるはずはなく、そうじゃないからこそ生じているのですから、いかにして、法律を含め、道理(条理)や論理や頓智を駆使して誰もが
納得し得る論理を組み立てられるかの勝負になるのです。そのことは「物々交換論」により都の見解を5秒で一蹴したことだけからもお分かりいただけると思います。
注:「物々交換論」によりわずか5秒で一蹴、撃退され、都が大恥かいた歴史的公文書を次に掲げておきます。
都が大恥かいた歴史的公文書
制度や形式が整えば整うほど、中身は薄くなります。制度に身分や格差や権威付けが加わると、中身の劣化はさらに加速化します。周知のように、軍隊組織や官僚
組織が腐敗していくこと(実は学界も同じです)も、また歴史上の例を挙げれば、実戦で鍛え上げた宮本武蔵が当時の制度上の権威であった吉岡道場を破ることがで
きたのも、この点に起因していると思います。現場や実践を軽視すればするほど、形式や身分や権威を重んじれば重んじるほど、組織全体が、劣化し、堕落し、腐敗
し、腐敗した組織の中でヒラメが大量発生するのです。メンバーの大半がヒラメになるから、当然、権力欲・名誉欲の塊のような人間がトップに選ばれることになり
、そのようなトップが周りを「ゴマすりヒラメ」で固めるから、ますます腐敗が進みます。少しでも洞察力がある方は、今の日本では、官邸を始めとして、そのよう
な組織だらけになっていることを見抜いておられるはずです。
ここまで書いても、上記の話を優等生の自慢話と誤解される方がおられるかもしれませんので、付け加えておきますと、灘校時代、詰込み教育に嫌気がさして暗記
物は全く勉強しなかったため、決して優等生ではありませんでした。国語でも、文学史の時間には、文語文法の時間と全く逆に、「誰がいつ何を著したか」というク
イズのような問題に「できなかった人」で手を挙げる2~3人の中に100%近く入っていたことも付け加えておきます。
注:灘校卒業生の中には、「灘は、いわれているほど、受験教育、受験校ではなかった」などと母校を誉めている人をしばしば見かけますが、あんな言葉、信じ
ちゃいけませんよ。あれは、実は、受験校を出たという自分の負い目、コンプレックスを覆い隠すための言葉、あるいは、ただの「エエ恰好しい」の言葉です
よ。騙されちゃいけません。
そもそも、今の日本に受験教育でない学校があるはずないじゃありませんか。少数の先生が例外的に健闘されているだけで、受験教育しなきゃ父兄からの文
句が出るんですから、学校全体としては受験教育せざるを得ないんです。ひどすぎる都政の責任が都民にあるように、愚かな受験教育の責任も行きつくところ
「いい学校に進学すれば、いい会社に入れ、‥‥」などという愚かな人生観しか持たない父兄や生徒にあるんです。
しかし、灘校では、詰め教育をやっておきながら、進学状況が良いためにそれを自覚せず、「自分は教え方が上手い」と錯覚している教員が他校よりも多い
だけに、よけいに始末が悪いんです。
いま思い出しても腹が立つのは、アメーバ類等の微生物の名を属・科・目など細部に至るまで暗記させられた生物の授業。「今は分からなくても、大きく
なったら、必ず意味が解る」と言われて、まだ子供だったのでその言葉を信じて取り組もうとしたものの、早々に挫折、その後暗記科目にアレルギー症状
が出るようになりました。古希を前にした今振り返っても意味を見出せることなどあろうはずはなく、よくあれだけ無意味な教育ができたもんだと感心します。
無意味なことでも疑うことなく忠実に従う、お上(かみ)に従順な「本当の知性ゼロ」のエリートを育てるうえでは意味があるんでしょうが。
もちろん、中には、教え方も上手で人格も素晴らしい先生が例外的におられました。私の学年では、数学の宮原繁先生は素晴らしかったです。
本当のことを教えてあげましょう。灘校の進学状況がよいのは、そもそも入学時にペーパーテストの成績の良い生徒が入ってくるのと、授業に期待できない
ため、自分で勉強するようになるからなんです。
世のお母さん方、分かりましたか?。勉強する意味を考えさせることなく、子供を「いい学校」に進学させようなんて「百害あって一利なし」。愚かなこ
となんですよ。たとえ、進学できたところで、詰め込み教育を受けさせられ、社会に出ても定年まで競争を通じて優越感と劣等感のるつぼの中に入れられ、
定年後は「濡れ落ち葉」扱い、厄介者扱いされるだけの空しい人生を送ることになるんですよ。
そもそも、私は、点数や地位や職業等によって人を上に見たり下に見たりし、優越感や劣等感を感じるような世界からは、二十歳の頃からおさらばしています。
ですから、受験校故でもないと思いますが、この齢になっても、同期生の中に、人の能力の高低を学校当時の成績でいまだに判断している人が少なくないことに
呆れ果てています。学歴は高くとも、本当の知性はゼロということです。
注:ただし、皆さん、勉強しなければいいというわけではありませんよ。勉強することが自分の能力を高め得ることも事実です。要は、それを学ぶことが如何な
る意味を持つかを問いつつ、また自分の個性にも配慮しつつ、学ぶことだと思います。その姿勢さえ備われば、おのずと勉強するようになるんです。
以上、M氏から、東京地裁民事第9部の3名の裁判官が私のHPに目を通されているとお聞きしたため、記した次第です。
皆さんへ
今日は、つい真面目な話になってしまって、すみませんね。でも、たまには寄席からの脱線もご容赦ください。
30日の買物ツアー(13:00開始)でお会いしましょう。
・10月30日(火)
今も感動で胸がいっぱいになっています。話をお聞きしたときは、もう少しで涙を流してしまうほど感動し、その余韻が今も残っています。
午後4時30分頃、村木さんに電話したところ、「ちょうど東京地裁を出たところで、これから向かいます」と言われ、数分後に、杉原さんとともに日比谷公園
松本楼で待機していた猿渡さんと私に合流されました。杉原さん・村木さんの二名合同で午後3時半から40分の予定だったのが、20分も超過して終わったのでし
た。お二人のお話を伺って、数年ぶり(あるいは数十年ぶり)に心の底からの感動を覚えたのでした。
10月27日に、あまりにも誠意のない裁判官の姿勢に私がカンカンになって「営業権者はもうかなり勉強して力を付けているので、私がレジュメを作れば、それ
に基づいて十分に主張できる」旨、M氏に話したことを記しました。10月29日には、補佐人を拒まれても落胆しない理由として「②杉原さんも村木さんも今まで
の打ち合わせをつうじて十分に力を付けておられるので、補佐人なしでも大丈夫」と書きましたが、裁判官3人と「都の代理人弁護士」5人を前にしてのお二人の
大奮闘は、予想を超えて素晴らしいものでした。裁判官が名刺を出さないので、氏名・役職等の尋問(築地署での私の尋問を参考にされたそうです。特許をとる
つもりはありませんので、皆さんも今後、どうぞご活用ください)から始まり、終始、彼らを圧倒されました。村木さんの総評は、「ノックアウト寸前の判定勝
ち」とのことでした。
注:村木さん、わざと忘れ物して取りに帰ればよかったね。そうすれば、ノックアウトされて、息も絶え絶えになって横たわっている裁判官たちを見れたの
にね。18日に忘れ物を取りに帰った市民が都の役人の疲れ切って横たわる無惨な敗残兵姿を見れたように。
初めは「上から目線」で話していた裁判官が徐々に「下から目線」(おそらく村木さんから痛烈パンチを立て続けに浴びたため、虚勢がはがれて上方だけを向く
ヒラメ本来の目線に戻ったのでしょう)になり、代理人弁護士は、不勉強が暴露され、次第に、村木さんの話を一生懸命にノートするようになったそうです。呆れ
たことに、東京高裁平成3年7月30日判決すら全く知らず、村木さん持参のものをコピーさせてもらったそうです。コピーに時間がかかったため、予定時間を20分
も超えたのだそうです。溜息‥‥
こらっ! 裁判官に都の代理人弁護士。あんたたち、恥ずかしいとは思わんのか。10回近くの勉強会を重ねたとはいえ、6月22日組合結成からわずか四カ月しか経っ
ていないというのに、法律にはずぶの素人の村木さんから、プロのあんたたちがレクチャーを受け、最も重要な判例までコピーさせてもらったんだぞ。
国や都から税金で雇われてんだから、それくらい勉強しときなさいよ。教えてもらったんだから、「授業料払え」とまでは言わないけど、頭を下げてお礼や感謝の言
葉くらい言いなさいよ。築地警察署の長瀬さんと豊田さんが小林多喜二を教えてもらった御礼にされたように、玄関までお見送りくらいしなさいよ。
これほど不勉強だったんだから、「1カ月の延期願」を認めて、その間に懸命に勉強すれば大恥かかずに済んだのに、ほんまに、アホとちゃいまっか。
27日にM氏から「裁判官が私のHPに目を通した」と聞いてたけど、にもかかわらず、この体たらく。理解不足も甚だしい!とても単位あげられんぞ!‥‥‥
などと、本来はシャイで温厚なので、おっとり品よく構えていたいと念じている私を鬼のように憤激させたのでした。ほんとに悪い人たちです。
こうして、東京都、築地署に続き、東京地裁も難なく粉砕したのでした。ご両人とも「相手にとって不足大あり」で物足りなかったようですが。
続いて本編もお届けしたいところですが、すみません。今夜は、感動に浸りたいので、短縮版だけの報告にとどめます。
「築地劇場東京地裁の巻」本編では、前座を務めていただいた名優西坂さんの変身ぶりや田中賢也市場長・柏原弘幸副場長のうろたえぶり等々についての杉原名人
、村木さんの面白過ぎるコメントも盛り込みます。抱腹絶倒、間違いなし。もちろん、第12回買物ツアーの報告もいたします。
お楽しみに。
・10月31日(水)
すみません。今日は疲れました。明日の買物ツアー向けに「商品A(これまで新商品と呼んできた物を今後、こう呼びます)」を買い出しに行ったからです。
注文していたものが届いたとの連絡を受けたので、近くのダイソー店で20個、立川店(大型店)で30個、買ってきたのですが、先日行ったばかりの立川店にたどり
着けなくて、1時間以上も立川駅近くをウロウロしていました。原因は、ダイソー立川店が看板を出していないことにもあるんです。何しろ、隣のビルの車の出入りを
制御しているおじさんさえ、ダイソー店を知らなかったのですから。やっとたどり着いて、店員さんには「看板を出すように」としっかり言っておきました。
先日行ったので、今日は地図を鞄に入れずに来た、と思って記憶だけを頼りに探したのですが、帰宅してみたら、鞄に地図が入っており、二重のショック。
認知症になったのかもしれませんが、先日、医者から常用している薬の副作用として最近の学説で認知症が指摘されたと聞いて「それなら安心、元からですから」と
一蹴したばかりですので、これくらいの症状で動じる私ではありません。今日の失態も、徘徊老人として補導されなくてよかったと前向きにとらえます。
しかし、疲れたので、昨日お約束した本編は明日以降に延期させてください。
今日は、一点だけ記します。
1.地裁での報告レジュメと余裕の報告準備
昨日の、村木さん・杉原さんの地裁での大奮闘は、民衆が裁判官・弁護士をノックアウトした出来事、日本の民衆運動における画期的な出来事として将来評価される
可能性を十分持っていると思いますよ。
そんな重要文書になる可能性を持つ報告レジュメを下に掲げますので、HPの昨日・今日の記述と共に保存されれば、将来、価値が出ますよ。ただし、商品Aの売り
口上と同じく、責任の問っこなしということで。
民衆が裁判官をノックアウトした報告レジュメ
訪ねていただいたHP読者のため、以下、おまけに報告準備の秘話を記しましょう。
村木さん・杉原さんとの地裁報告の打合せは、報告前日の29日(月)午後3時に地裁に補佐人許可申請書を提出した後、お二人と猿渡さんに私の四名で松本楼で行な
いました。
ところが、皆さん、松本楼は初めて(日比谷公園も)ということで、その風格あるたたずまいに感激され、また、名物のカレーに舌鼓を打っているうちに「地裁報告
の打ち合わせ」目的で集まったことを全員すっかり忘れてしまいました。さらに、私が、つい、今後の戦略を話したもんですから、その話題で盛り上がり、皆さん、笑
顔と余裕で、「都を如何に料理するか」の話に夢中になられました。
そりゃ、当然です。皆さん、「魚料理は、お手の物」だけに、都を料理する話には夢中になってしまわれたのでした。煮て食おうか、焼いて食おうか、それとも刺身
がいいか、議論沸騰。翌日、法廷で「さばかれる」ことをすっかり忘れて、都を「さばく」方法論で盛り上がったのでした。
注:HPを更新しているうちに、最近、喜劇脚本作家としての自分の才能に目ざめ始めております。上記二行だけでも座布団十枚くらいはいただけると思います。
恥ずかしながら、当初の会合の目的の為に用意した上掲レジュメに気づいたのは、松本楼での勘定を終えて出た後でした。「あっ、うっかりしてた」と言ってお三方
に渡しましたが、それを一瞥した皆さん、「これなら十分わかってるわ。説明できるわ、資料も付いてるし」と自信満々で言われました。
なぜ、前日の秘話を紹介したか、もうおわかりでしょう。皆さん、営業権をもう十分理解されていて余裕綽綽だったし、私もそのことを十分知っていましたので何の
心配もしていなかったということをお伝えしたかったからです。30日の圧勝は、29日よりも以前にお三方と私にはすでに十分確信できていたのです。
権力が設定している「お白洲(おさばき)」の場で権力自身が「さばかれた」のは、ひょっとしたら、日本のみならず、世界でも初めてのことかもしれません。この
「魚さばきの達人」による歴史的快挙の味を30日、31日のHPを繰り返し読みながら、たっぷり堪能して下さい(いずれHP等を通じて詳しく報告しますので、それ
もお楽しみに)。
はい、今日はここまで。本編は明日以降。
明日の買物ツアーは、いつものように13:00~ですが、明日は、待ちに待った大スター(西坂さんではないですよ)のデヴューが見られます。また、デヴューを記念
して「新商品B(今日、立川ダイソーで仕入れてきました)も新発売しますので、早めに来られることをお勧めします。
今までよりもさらにさらに面白いツアーになりますよ。お楽しみに。
・11月1日(木)
ここのところ、帰宅してから「癒しの音楽」を聴く時間が長くなっています。そのため、HP更新に取り組み始める時間が次第に遅れ気味になっています。申し訳
ありません。心苦しく思っていますが、理由は何なのでしょうか?
自分の深層心理は自分でもよくわからないものですが、いま思い当たる理由は二つあります。
一つには、10月11日以来、「鬼になる」時間、より正確に言えば、「鬼にならざるを得ない」時間が多かったため、「癒しの音楽」を聴く時間を増やすことで、よ
うやく「心の平安」を保てるからと思われます。長年、権力いじめを趣味としてきたとはいえ、正直申しますと、この二十日間あまりのその密度は、従来の「趣味の
範囲」を超えていました。これまで以上に楽しかったこと、やりがいがあったことも確かですが、他方で、急に密度アップしたため、ストレスがたまってきたという
ことでしょう。
ご安心ください。決して弱音を吐いたり、今後を悲観したりしているからではありません。むしろ逆です。次の「もう一つの理由」を読まれればわかります。
もう一つの理由は、全体の戦闘状況を「魚さばきの達人」たちとともに最も把握できていると自負している私には、「都のギブアップ」が間近に迫っていることが
見えるからです。その安心感から、この二十日間あまり蓄積されてきた疲労がどっと出ているように思われます。
安心してホッとしているからこそ、今日新発売し、おかげさまで大好評のうちに完売できた「商品B」の次に私が考えているのは、勝利の瞬間に何をやって喜び
を表現しようか、ということなんです。だからこそ、観察力豊かな方はお気づきになったと思いますが、また数人の方にはこっそりお話ししましたが、今日の買物
ツアーの間に数秒間だけ出来た自由時間に、現時点の私のアイデアの予行演習を行なったのでした。喜んで下さい。予想以上に上手くいきましたよ。
それは「何か」って?ここで公表できるわけありませんよ。まだ私だけのアイデアですし、公表したら、実行時の感激が薄れるので、事前に公表はいたしません。
次回の営業権組合の打ち合わせでは、営業権者の皆さんからも案を出していただきたいと思っており、一案として私案(現時点の案になるとはかぎりません)も
提案するつもりす。
ここでほぼ断言できますが、都のギブアップの時期は、今月前半、遅くとも今月中でしょう。
明日以降、しばらく築地に行かなくても済みますので、HP更新に割ける時間も増えるでしょうから、それをじっくり読まれれば、皆さんにも確信していただける
と思います。
今日も、実に多くの出来事がありました。買物ツアーはこれまで以上に大盛況。熱気を帯びていて第二段階にレベルアップしたと感じました。ただし、予告して
いた「大スターの登場」は空振りでした。すみません。約束してあったのに。しかし、誠実な方ですから、近いうちに必ず登場されます(第12回・第13回ツアーにつ
いて詳しくは明日以降に掲載します)。
都が断末魔の悪あがきをしています。まさかとは思っていましたが、都は、やることなすこと、すべて墓穴を堀っていることにいまだに気づいていないようです。
可哀そうに。大組織ゆえに戦況全体が見えずに、〇〇な所業を重ねていることにも全く気づいていません。「〇〇ちゃいまっか」どころか、「真正の〇〇」です。
都の皆さん、まさか、都の職員全員(数万人)の墓穴を掘る気ではないでしょうね。とてもペースについていけません(悲鳴)。せめて、担当課の職員数だけにし
ぼって下さい。青山墓地や多摩霊園程度に留めて下さい。お願いだから、少しは、HPで「都の墓穴堀り」の説明をしなければならない私の身にもなって下さい。
今日はここまで。あとは癒しの音楽を聴くことにします。と書いたのですが、結局、今日も2時過ぎになってしまいました。お休みなさい。
以下、次々に増えて困っていますが、私自身が忘れないために、また、皆さんの想像力を豊かにするために記しておく「予告編」(順不同、また必ずしも今後の記
載を保証するものではありません)
〇築地市場の神様たち 神様との対話 肺がジンジン 葉っぱ遊びに目覚める そんなことしてはいけません 声に真心がこもる 鼠の行先を心配する
〇神は一念に恵み給う 神宣わく「鬼になることも必要」
〇「のれん」は、なぜ「最強の権利」なのか 「のれん」・「自由漁業」の奥深さと強さ 物々交換も同類
〇「かっぱえび煎」じゃあるまいし、いっこうにやめられない、止まらない「都の墓穴堀り」
〇修羅場でこそわかる「本物は1%未満、かつ、それで十分」 室原知幸(蜂の巣城) 山口武秀(高浜入干拓反対闘争) 七人の侍 サポートに取組む理由 宝物
〇なぜ「取材お断り」なのか なんで貴方の手柄あげに協力せんならんの 取材できても記事内容で試されるんですよ 「有名人ツアー」への協力は御免
〇島田虎之助 広瀬淡窓 「咸宜園と松下村塾は月とスッポン」 「吉田松陰・福沢諭吉・山縣有朋の大罪」ー「明治は偉大」などとんでもない
〇眼力とは何だろう 何に由来するのだろう 匂い、言葉、歌でわかる 眼力磨かなきゃいつまでも騙され続けますよ
〇心なき市民・心なき権利者・心なき法律家
◇11月2日(金)
1.買物ツアー
1)10月30日第12回
10月30日第12回買物ツアーでは、猿渡さんが通告されました。水神社の掃除を一日も欠かさず30年間も続け、神様の声を伝えてきた方なので、神の声を伝えるこ
とは大得意であるものの通告にあまり向かない方だったのですが、最近は、マイクを持っての通告等もメキメキ上達されています。素晴らしいです。
通告後、買物ツアーを始めましたが、この日は、灘校同期生の平野敏夫君が来てくれました。平野君は、亀戸ひまわり診療所を開くとともに、東京労働安全衛生セ
ンター代表理事を務め、労災・職業病問題に取り組み続けている大変頼もしい友人です。現在、築地市場のアスベスト問題をめぐって東京都と交渉を持っているそう
で、共に築地市場問題に取り組んでいることを嬉しく思いました。まだ都の説明会の段階で、その後、交渉が始まる、また、その交渉が終わらなければ、アスベスト
を含む建物の解体はできないとの貴重な情報を教えてくれました。
2)11月1日第13回第1ラウンド
11月1日の第13回買物ツアーは、村木さんが通告された後、始まりました。第12回もですが、多くの市民の方が、売り子や交通整理やパネルを持っての誘導役を
かってくださっているのですが、この日は、特にそれが目立ちました。外国人向けの英語のパネルを用意してくださった方もおられます。ご協力いただいた市民の皆
さん、有難うございます。今後とも、宜しくお願いいたします。
第13回買物ツアーは、これまで以上に大盛況。熱気を帯びていました。お客さんの数もかなり増え、売る方も忙しくて大変でした。
新商品(商品B)は、吉野さんが売ってくださいましたが、大好評(チラシに書いた「使い方」が特に好評)で、皆さん、大笑いしながら買ってくださいました。
当日分がまたたく間に完売、やむなく次回分まで補充しました。買出し人としての私としては、嬉しいような悲しいような。
商品AもBも、市民の皆さんで、ダイソー店で購入してきて、買物ツアーで販売してくださる方が名乗りをあげて下されば、大歓迎です。チラシは、こちらで用意
しますので。もちろんピンはねゼロです。宜しくお願いしまーす。
3)11月1日第13回第2ラウンド
実は、第13回には、急遽、第2ラウンドを設けたのでした。第1ラウンドに参加された地上権者Yさんが、入場して、そろそろ繁忙期になる店の準備をしたいと希望さ
れ、仲卸業者の方々も自分の店に行って、整理したり、私物を取ってきたりしたいと希望されていたので、市民有志のご協力を得て、第2ラウンドを持つことを企画した
のでした。13:40頃、私が都に電話して「地上権・営業権に基づき入場する。妨害したら威力業務妨害にあたる」と通告したうえで、14:00頃、勝鬨門から入場しようと
しました。ところが、都は、門(フェンス等)を固く閉ざし、門外からの私たちの通告を一切聞き入れませんでした。
村木さんによれば、あの西坂部長が、中でウロチョロされていたとのこと。18日には市民に少し触れただけでひっくり返ったのに、すっかり元気になられたんです
ね。快復おめでとうございます。
営業権者の方は全員が代わるがわるマイクを持って都に語りかけられました。私も一度マイクを手にとって、第一声、「こら!西坂」と言ってしまいました。すぐに
呼び捨ては失礼と気づき、「あっ、ごめん。西坂、部長」と言い直しました。
周りの方々がプッと吹き出しました。とっさの場合には地が出てしまうもんですね。面目ない。
西坂さん、あんたも塀の中で笑ったでしょう。私としたことが、うかつだったけど、この間、数多くの笑いを提供してくれたあなたへのささやかなお返しということ
にしておきましょう。
11月1日には、われわれも後に用件が控えてたから、あのくらいにしておいてあげたけど、長瀬警部から心強い電話をもらった(後掲)こともあるし、次からはとて
もあの程度ではすまんよ。一度経験したから、10-20分前に通告すればいいこともわかったし、これからは、いつ何時、急襲するかわからんよ。いつ手錠を掛けられて
もいいよう覚悟して、よーく手首を洗って待っときなさい。
その後、数人でレストランで食事していたところ、築地署の長瀬警部から村木さんの携帯に電話が入り、「被害届けの公式受理はできないけど、違法行為があった時
は、通報してくれれば、法に従って対応します」とのことでした。これで十分でしょう。長瀬さーん、そばで市民がICレコーダにしっかり録音しましたからね。約束守
ってくださいね。警部が嘘ついちゃいけませんよ。
2.築地劇場東京地裁の巻 本編
お待ちかね。築地劇場東京地裁の巻、本編を始めます。まずは、前座から。
1)前座
前座だからと言って軽く見てはいけません、そうそうたる役者が登場します。
先陣を切ったのが、かの名優西坂部長。朝8時過ぎに、豊洲市場の杉原さんの店の前を通り過ぎて行ったそうです。驚いたことに私服で。制服姿しか見たことのない
杉原さん、「どうしちゃったのか」と首をひねったそうです。それを聞いた私が「ひょっとしたら辞職するんじゃないでしょうね」と言ったところ「自分もそう思った
」とのこと。
西坂さん、せっかく全国区の名優になられたのに、引退されちゃもったいないですよ。MVP争いでも、いい位置に付けてるんだし。それとも、20万件ヒットに気を良
くして本格的に俳優に転身されるんでしょうか。それだけは止めといたほうがいいですよ。あれは大根だから受けたんで、芸が上手くなったりしたら、端役しかもらえ
なくなりますよ。
続いての登場は、田中賢也市場長。村木さんが、損失補償請求書を届けに行ったら、素早く察知して、あっという間にスーッと横をすり抜けていかれたんだとか。急
にトイレに行きたくなったんでしょうかね。本人だけは芸達者のつもりでしょうが、下手過ぎだし、迫力不足の感は否めません。今後の奮起・精進に期待します。
迫力満点は、柏原弘幸副場長。田中市場長がトイレ?へ行かれたので、やむなく、村木さんが柏原副場長に届けようとしたところ、頑として拒否されたんだそうです
。田中市場長の逃走ぶりを目の当たりにして、ここは「中央卸売市場」担当の名誉を挽回しようと張り切られたのか、はたまた「市場長はなんで嫌な役を俺に回すんだ
よ」と内心怒りに燃えておられたのか、とにかく猛烈な迫力で受領拒否されたんだそうです。
しかし、柏原さん。迫力がありゃいいってもんじゃないですよ。10月15日の撤回書の受領拒否の時に記したでしょうが。涼しい顔して受け取ればいいものを必死にな
って受領拒否するから重要書類であることがバレるって。また、簡易書留で送れば済むんだから、受領拒否は何の意味もないって。
せっかく懇切丁寧に教えてあげたのに、また同じ過ちを繰り返して。ほんとに、あんたらには、忍耐強い私もお手上げです。受忍限度を超えました。付ける薬は、も
うありません!
2)「東京地裁の巻」の配役
さて、次に「東京地裁の巻」の配役をご紹介します(名刺をよこさないもんだから、一部漢字不明)。
裁判長 小川 直人
裁判官 広瀬 たかし
裁判官 みさか あゆみ
東京都指定代理人 松下 博之
同 榎本 洋一
同 石澤 洋一
同 岡田 太一郎
同 黒田 修平(この人、裁判終了後、裁判長に駆け寄って何かひそひそ話をしてたとか。グルがバレちゃいますよ、もっと上手にやりなさいよ)
エーッ。これって、村木さんは8人もノックアウトしたっていうこと?!杉原さんは、村木さんが8人をボコボコにして片づけるのをあの涼しげな笑顔で見物してた
っていうこと?!
そんなこと、ボクシングではあり得ませんよ。同時に8人もかかって全員ノックアウトされるなんて、あの八百長プロレスでさえもあり得ません。しかも、アマ1人
でプロ8人をノックアウトしちゃったんですから。
村木さんが10月30日にされたこと、ほんとに凄いことなんですね。空前絶後・前人未踏の快挙、歴史的偉業であること、間違いなしです。
さらに驚くのは、冒頭、指定代理人が「東京都の役人5名の参加を認めてもらえませんか」と村木さん・杉原さんにお願いしたそうです。ホントに呆れ果てた連中で
す。図々しさにも程があります。裁判官も、私の補佐人申請を認めないでおいて、よくそんな発言を許したもんです。恥知らずにもほどがあります。
村木さん・杉原さんは、もちろん拒否されましたが、都の役人は、どうせ〇〇に決まってますので、参加させて計13人を一挙にさばいてもよかったかもしれません。
村木さんの「魚料理の腕」なら、鼻歌交じりでさばけたに違いありません。何しろ、対象はヒラメですから経験も豊富です。
ちなみに、「小川直人裁判官」でネット検索すると、次のように、かなり評判がよろしくありません。本来上品な私には、とても使えないような言葉が並んでいます
。
「バカ裁判官」https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/business/4361/1534043341/
「裁判官アウト」https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/4649/1534050506/l50
「鼻つまみ者」https://rosie.5ch.net/test/read.cgi/tokyo/1534042491/l50
「仮処分ミス」https://egg.5ch.net/test/read.cgi/court/1534042375/l50
せっかく猛勉強して裁判官にまでなられたのに、ネットでこれほど酷評されるとは。ご両親が知ったらさぞ嘆かれるでしょうね。貴方もずいぶん落ち込んでおられる
んでしょうね。
ネットにこれほど聞くに堪えない評価ばかり載っているのは、きっと貴方が「名さばき」をされた場合は投稿されてこなかったからに違いありません。世の中、あん
なにひどい言葉を使う「心ない人」ばかりじゃないから、そう思うほかないもんね。
よろしい。常に「弱者の味方」、「月光仮面」をもって任ずる私が、補佐人を拒まれたことも忘れてあげて、貴方の応援をかって出ましょう。
小川直人裁判長、是非、力を合わせて、本件で汚名挽回をめざしましょう!私がついてますから、きっと大丈夫ですよ。
全力挙げて応援しますよ。貴方の「名さばき」ぶりを、こと細かにネットに流して、あちこち拡散してもらって、西坂さんのように全国区スターにしてあげますよ。
3)「損失補償請求書と東京高裁判決」で勝訴は明らか
東京高裁判決は、残置物について損失補償が必要という判決(下に掲示資料①参照)。営業権者が「損失補償請求署」を出しているのだから、損失補償なしには事業
ができないことは明らか。残置物は損失補償の根拠となるものですから、都が撤去を求めることなどできるはずはありません。
4)東京都の得意技「墓穴堀」 証拠写真の巻
残置物の写真は、当然営業権者側も撮っています。ですが、受領拒否はじめ「何でもあり」の都のことですから、「写真に信憑性がない」などと無茶苦茶な主張をし
てくる可能性もあると心配していました。ところが、この訴訟で、都が残置物の写真を撮り、証拠として出してきたものだから、心配無用となりました。都自らが「残
置物の存在」の証明をしてくれたのだから、これほど有難いことはありません。仮に都が代執行により撤去しても、残置物があったことは動かぬ事実となりましたので
、損失補償の必要性、及び損失補償なしの事業強行の違法性には何ら影響ありません。「墓穴堀の名人」東京都が、また得意技を発揮してくれました。
都の皆さん、有難う。
5)裁判長が和解に言及
ノックアウトが明らかになった頃、小川裁判長が「和解」の話を切り出したそうです。その時の村木さん、「それ、来た来た」と思ったのとことです。さすがです。
この時点での「和解提案」は、裁判長が、法的には都に勝たせられないとの判断をしたということを意味するからです。
村木さんは、きっぱり「和解の条件は築地市場の存続」と言われたそうです。お見事、素晴らしいです。
◇11月5日(今日から、日付の前のマークを◇に変え、かつ左端に寄せて記すことにします。見やすいようにとの配慮からです)
11月2日に「2)『東京地裁の巻』の配役」まで書いた後、しばらくご無沙汰したのには、実は理由があったのです。都の代理人から村木さん・杉原さんに「主張書面
(平成30年11月1日)」(下掲)が届き(杉原さんから11月2日(金)15:06にFaxで送ってもらいました)、かつ地裁から11月5日(月)13:30~法廷を開くとの通知が
来たため、5日の報告文書を作成しなければならなくなったからです。
東京都「主張書面」
でも、当初は、前回のレジュメ程度(1時間もかからずに作成)でいいだろうと甘く見ていたため、執筆にとりかかったのは、3日(土)の午後2時頃でした。しかし
、今回は「主張書面」に対する反論ですから、レジュメでは済まず、反論文書及び公開質問状を作り終えたのは、午後10時頃だったでしょうか。そして、翌4日午後3時
から、村木さん、杉原さん、猿渡さんと計4名で勉強会(5日報告の打ち合わせ)を持ちました。約90分弱、大学の講義1コマの時間と同じです。お三方とも、自信満々
になられました。学生よりもはるかに優秀です。
学生よりも年齢ははるかに上(おそらく50代、60代、70代各一名)、しかも講義や試験などとはとうの昔に縁がなくなっておられるお三方が、何故それほど優秀なの
か、皆さん、おわかりでしょうか?答えは「自分の権利及びその侵害」について学ぶからです。これこそが「真の学問」、「生きた学問」なんです。単位を取りたいとか
、いい学校に入りたいというレベルの動機とは根本的に質が違うんです。自分の半生、あるいは一生がかかっているからなんです。
猿渡さんなど、しばしば寝ないで勉強した、と言われています。私が持参した高価な本を自分でも買っておられます。小学校以来、ひたすら神との対話を一途に追求
されてきたという「この上ない変人」のため、学校の成績は悪かったでしょう(当たり前です。自認もされてます)が、本質を追求する力、論理的思考力は、中身もな
いのにふんぞり返っている大学教授・弁護士などよりはるかに上です。
人の能力は無限に多様であり、能力を測る尺度も無限にあるのです。学校では、数学とか国語とかの尺度で、しかも各回の試験問題という尺度で計っているだけなん
です。そのうえ、席次や合否は、複数の科目の総合点や平均点で計りますから、ますます尺度としての意味がなくなるんです(後者については数学的に証明できるので
すが、ここでは割愛)。じゃ何故、入試などは総合点で合否を決めてるのかって?それは、尺度の問題を深く考える人があまりにも少ないため、インチキ尺度(総合点)
が正しいとの洗脳が浸透しているから、また、それ以外の尺度がベターであるとの提案が難しいからです(ただし、私の所属した大学では、私が教務部長をやらされた時
に提案した「それ以外の尺度」が、以後、定着しています。その提案時にも、狭い専門しか知らないくせに偉いと錯覚している教授たちよりも入試制度を真剣に研究して
きた職員久保倉氏の理解のほうがはるかに上で、それが制度実現の大きな力になりました。久保倉さん、有難うございました)。
ですから、自分の価値を、人と比べて優れているとか劣っているとか思うこと自体、不要だし、間違っているんです。世界にただ一つの能力・個性を持つ自分の可能性
を、自分を磨くことをつうじて開花させていきさえすればいいのです。
要するに「Number oneよりもOnly one」。この言葉は歌詞にもなったくらいですから、誰もが聞いたことあるでしょう。しかし、言葉として知っているだけでは
何の意味もないんですよ。この言葉の意味を深く理解し、自分の人生哲学に採り入れている人(前掲の灘校宮原繁先生は、私が還暦を過ぎてお会いした際、この言葉を
「好きな言葉」として挙げられました。やはり尊敬してきて間違いなかったと嬉しく思ったことでした)は、決して多くないと思われます(多ければ、もっとましな社
会になっています)。
この言葉を人生哲学に採り入れるか否かで、あなたの人生はずいぶん違ってきますよ。心を貧しくする優越感からも、心を卑しくする劣等感からも解放され、自分を
磨くことに専念できますよ。
是非、皆さんも、この言葉を受け止めて熟考するとともに、お三方のこの間の努力に注目し、「熱意次第で自分でもできるんだ」と、自信とやる気を持ってください。
(教師の悪い癖で、また説教調になってごめんなさい。元に戻ります)
地裁の結果を先に申しますと、もちろん、またまた完勝。ただ、完勝の中身が全く違います。完勝しても村木・杉原ご両名、何やら不満そうな顔で日比谷公園に現わ
れました。その理由が面白過ぎるのですが、それについては明日のお楽しみに。
今日は、とりあえず、今日の村木報告で使用した文書・公開質問状及び付属資料を下に掲げておきます。このHPを丹念に読まれてきた方は、これらの文書・資料に
目を通されるだけで、都を完膚なきまでに叩きのめしていることが、おわかりになるはずです(わからない方は、繰り返し熟読されればわかるはずです)。特に、公開
質問状は我ながら傑作だと思います(なかでも注記は4日の帰宅途中の電車内で浮かんだことですが、神の啓示としか思えないほどのgoodアイデアです)。この間の法
律論争を理解されている方は、笑い転げられること間違いありません。
都が何の反論もできなかった村木報告
笑い転げられますよ、都への公開質問状
資料①東京高裁H3.7.30判決及び原判決の重要部分
資料②農水省「中央卸売市場整備計画の変更」(重要資料)
資料③原龍之助『公物営造物法』
資料④『公共補償基準要綱の解説』
都との法律論争は、これで完勝確定。村木報告と公開質問状は、今後の「都の料理法」の宝庫です。都の役人は、この二つを読むと真っ青になるはずです。なにしろ、
都の役人が築地市場にいることにも、築地で事業をやることにも法的根拠がなく、9月10日以降の改築(バリケード構築等)もすべて違法なのですから。
これで、都の代理人弁護士も地裁裁判官も成敗。愚かにも何か言ってきたら、「フェアーでオープンな議論の場」でおもてなしすればいいだけです。都代理人が出して
きた主張文書のおかげでまとまった説明ができておおいに助かりました。
都代理人の皆様、2日にご登場願ったばかりなのに早速のGood job!大変有難うございました。あなた方も西坂部長に負けず劣らずの素質をお持ちのようで。さす
がは、あの「付ける薬のない」東京都のお眼鏡にかなっただけのことはあります(ただし、素質は十分ですが、都のGive upが間近に迫っているため、MVP争い参入
は、ちょっと無理だと思います)。心から感謝しながらも、老爺心より一言申し上げておきます。
「素質十分なのに、一瞬の活躍で終わって残念でしたね。私もあなた方を全国区スターにしてあげられなくてガッカリしてます」。
ところで、法廷後、村木さんと二人で不思議がったのですが、中澤誠氏の出頭日は11月10日(土)だそうです。なぜ5日も違うんでしょうかね?不思議すぎます。
実際、11月1日付けの主張書面を11月2日(金)着で送りつけ、11月5日(月)に出頭せよ、とは、あまりにも急ではないでしょうか。どう考えても変ですね。
ようやく帰宅後にその理由がわかったので、今晩はそれだけ書いて終わりにします。
理由に気づいて、都代理人の卑劣さに改めて猛烈に怒りがこみあげてきましたので、ここは、自慢話になるかも、などとためらっちゃおられません。
啖呵を切らせてもらいます。
こらっ!「松下、代理人」ども!グルになった「小川、裁判官」ども!、10月30日に法律アマの村木さんからボコボコにされ、惨めなノックアウトを食らったことが
よっぽど悔しかったんだね。
悔しかったんなら、ちったあ「なるほど」と思わせるところのある主張をしてプロの矜持を示せばよいのに。司法試験科目の法律条文しか入っていない「サメの脳み
そ」ならぬ「ヒラメの脳みそ」しかないあんたらには、その能力も気概もないので、卑しく、さもしい報復法を考えたってわけだ。つまりこうだ。
聞くところによると、村木さんには熊本とかいう「権力いじめ」を趣味とするトンデモ学者がついているそうだ。でも、奴は古希前の老爺、しかもメタボ気味。「2
日到着、5日出頭」という日程では、とても書面を書く体力はあるまい。書けたとしても、それを村木さんに説明して、理解してもらうことなどできっこない。シメシ
メ、この無理な日程で出頭を命じてやれ‥‥
ほーら、図星だろうが。そもそも「ヒラメ脳」による発想が、この私に読めないわけないだろ。ヒラメ脳で私に挑もうなんて、思い上がりも甚だしい。百年、いや千年
早い(正確には改悛して心を入れない限り千年経っても無理)わ!
こんなさもしい根性しかないくせして、日ごろ弁護士バッジ・裁判官バッジ付けてふんぞり返るとは、お前ら、それでも人間か!築地署の長瀬さん・豊田さんに全員
「お縄」にしてもらって、水族館まで連行して、ヒラメ水槽にぶちこんでもらうぞ。
図星にされて地団太踏んで悔しがってるだろうが、残念でした。村木さんから見事返り討ちにあい、またまた醜態を晒しました(詳細は明日)。恥の上塗り。惨めー。
わしゃ、日頃はボケーっとして認知症気味なのでわからんだろが、あれは敵を油断させるためのポーズ。戦闘モードになったら、体力も知力も数十倍になるんじゃよ。
18日の激戦で、都職員らの人間の壁に先陣切って切り込み、後に続く営業権者や市民に道を開いて「さあ、早く通りなさい」と言ったのはわしじゃ。動画見ればわか
る(恥ずかしいのでわしゃ観とらんが)。ついでに言っとくと、火事場の馬鹿力を発揮したのは二度目。川辺川ダム問題でも国交省の工事事務所で「伝説の武勇伝」を残
しとる。もちろん、今回と同じく、暴力など一切ふるっとらん。権利者の行く手に道を開いただけだ。
日頃は、学生から「優し過ぎる」,「面白い」,「可愛い」などと言われてる「わし」(ほんとですよ)じゃが、いったん戦闘モードになったら鬼になって猛威を発揮
することは、10月18日と11月5日で十分すぎるほどわかっただろ。
以後、心しておけ。
などと、憤激のあまり、日頃の品の良さをかなぐり捨て、怒髪天を衝く勢いで啖呵を切ったあとは、スッキリして、再びシャイで温和な本来の私に戻れたのでした。よか
った。
では、お休みなさい。
6日13:00からの買物ツアーでお会いしましょう。
◇11月6日(火)
1.第14回買物ツアー(通告役は村木さん)
今日、来てくださったお客様は神様に見えました。
午前中から降り続いていた雨が、開始間際から大雨になり、とても営業することは不可能に感じられるほどでした。
ごめんなさい。一時は迂闊にも、この雨じゃ営業不可能、雨天のため中止にしても、お客さんに理解してもらえるよ、などととんでもないことを言いました。
しかし、開始時刻が近づくにつれてお客さんが増えていき、行列を作って並んでくださったお客の表情を見て、即座に考えを変えました。中止したら、この雨の中、来
てくださった皆さんに申し訳ない。皆さんの買物が終わるまでは営業を続けないと罰が当たる。そう思わせるほど、皆さんの「買物ツアーを支えたい」という真剣な思い
とご好意が伝わってきたからです。神様のように見えたというのは決して大げさではありません。
後の打ち合わせでも、村木さんはじめ、営業権者の全員が、口々にそう言われていました。
心からお礼申し上げます。
2.村木さん・杉原さんからの法廷報告
大雨のため、30分遅れて午後3時半から始まった打合わせでは、村木さん・杉原さんからの2回にわたる法廷の報告が中心でした。地上権者のYさんも初めて参加されま
した。
1回目の法廷で村木さんが一方的にパンチを浴びせ、裁判官・弁護士どもをノックアウトされたことは、既に紹介した通りですので繰り返しません。
以下、2回目(11月4日)の法廷報告全体を象徴する部分を紹介します。
それは、最重要で鍵になる文書「公開質問状」に対する裁判官・弁護士の反応です。
①村木さんが報告を踏まえて公開質問状への回答を求めたところ、都代理人及び裁判官が読む時間が欲しいと休憩に入った。
②都代理人は約5分後、裁判官は約10分後に戻った。
③都代理人は、質問状の全ての項目にわたって「答えない」と言い、村木さんが「答えない理由は?」と尋ねると「理由はない」と言った。その後、ひたすら沈黙。(
村木さんによれば「黙秘権を行使した」)。
④都代理人が黙秘権を行使したため、法廷は、村木さん・杉原さんと裁判官とのやり取りだけになった(杉原さんは打ち合わせで「法廷ってそんな所なんですかね。
持ってたイメージと違うんで驚いた」と質問されたので、「法廷とは、原告と被告が議論を戦わせ、行司役の裁判官が、いずれのほうがより正しいかを判断すると
ころで、被告又は原告と裁判官が話し合ったり、議論したりするなんて、あり得ない」と説明しておきました)。
⑤都代理人の「黙秘権行使」後、裁判官は「築地市場の廃止(廃城)や閉場」に関する報告や公開質問状における質問に関し、本仮処分命令申立書のテーマは「残置物
撤去」なので、関係ない話をしないように、というのみであった。
凄いですね。このヒラメたちの惨めな状況は。言葉を失います。ヒラメがすっかり貝になってしまったんですから。
誰もが分かるように、③は、都が完璧に敗北したことを意味します。白旗挙げるにしても、「答えない」、「答えないことの理由はない」は、あまりにもお粗末。潔く
ない、恥知らずにもほどがある、往生際が悪い、人間のクズ等々の表現をもってしても言い足りないほどです。こんなにひどい対応しても、ヒラメだから安泰と思ってい
るのでしょう。それで通ってしまうかもしれないほど、この国の権力、統治機構が腐りきっているということです。
また、⑤は、裁判官は、都代理人が「黙秘権」を行使したため、話題をそらすのに必死だったことを意味しています。そもそも、「築地市場の廃止(廃場)や閉場」をテー
マに取り上げたのは、都代理人の「主張書面」であり、こちらはそれに対する反論を展開しただけ。それを言うなら、都代理人に対して言うべきは明らか。助け舟になる
どころか、自分の馬鹿さ加減及び都との癒着ぶりを露呈しただけ。ここまでお粗末な発言をするとは、さすがは、ネットで評判の裁判官小川直人氏です。
要するに、2回目の都代理人は、ボクシングに例えれば、ひたすら自陣コーナーで頭を抱えて沈み込んでいただけ。柔道に例えれば、初めの礼すらせずに、あの西坂さん
の動画のように、その場でひっくり返って大の字になっただけ。スポーツなら、開始10秒程度で「戦意ゼロ」で判定が下される内容です。
これでおわかりですね。村木さん・杉原さんが、1回目ほどスッキリしない表情で日比谷公園に現れたのは、痛烈パンチを浴びせようにも、相手の戦意喪失のために浴び
せられなかったからなのでした。面白いですね。
これで第2回法廷の様子がお分かりになったと思いますが、より生々しくお伝えするために、村木さんの報告を聞いた際のメモから主要部分を掲載しておきます。
以下、村木さんは「村」、東京都は「都」、裁判長は「裁」と略記します。
13:30開廷
村:(開廷後すぐに)今日の法廷は何時までなのか。
裁:時間は無制限。
(村木報告後、公開質問状を熟読するための休憩)
村:回答をお願いしたい。
都:回答いたしません。
村:答えられるものだけでもいい。
都:すべて答えない。
村:どういう理由か。「答えない」のは今だけなら、まだわかるが、今後もか。
都:理由はない。今後も答えない。(村木さん感想:何もしゃべらないぞという強い意思を感じた)。
(以後、都は完全に沈黙、ヒラメ貝に)
村:我々は、法に基づいて書面及び公開質問状を出している。
それに対して都は何も答えないし、答えない理由すら言わない。
明らかにわれわれが完勝しているのに、裁判長が変な決定を出すなら、末代までの恥になる。
(都、ヒラメ貝のまま)
裁:あと5分くらいでいいですか。
村:初めに「今日は無制限」と言ったではないか。
裁:次の公判があるので。
14:30頃閉廷
村木さん感想:裁判官も都代理人もバツの悪い顔してた。私と顔・目を合わせられなかった(熊本注:貝やヒラメには顔・目を合わせることは無理。大目に見て
あげましょう)
杉原名人感想:弁護士が黙秘権を使えるんでしょうかね、不思議な感じがした(熊本注:お嬢ちゃん同様、無邪気に相手の一番痛いところを直撃されてます)
まったく、都代理人も裁判官も、情けなさすぎ、不甲斐なさすぎ。小川裁判長も芝居が下手過ぎ、西坂氏の足元にも及ばん。少しは西坂氏を見習いなさい。
公判が入っていれば、最初に「無制限」とは言わんでしょう。裁判長って、法廷で嘘ついても平気なんですかね。証人が嘘ついたら「偽証罪」に問われるのに不公平
ではないでしょうか?そうか、最高裁が「裏金作り」(前掲)という違法行為をやってるから、それに比べりゃ「裁判官の嘘」くらいなんてことないわけだ。納得。
でも、こんなことで、この国、大丈夫なんでしょうかね。エッ、「もう壊れてる」って。そうだった。
しかし、皆さん、法廷内でこれほどひどい醜態を晒していても、そこは密室。ヒラメ裁判長のことですから、都側に軍配をあげる可能性は十分あります。
小川直人裁判長によるヒラメ裁断を防ぐ方法は、皆さんが、公開質問状の内容(完璧に都を論破していますし、各項目が都の急所を突いています)を理解して下さり、
それを広めてくださることです。皆さん、ご協力をよろしくお願いします。ぜひ、力を合わせて、小川直人裁判長を全国区スターにしてあげましょう。
加えて、どうも村木さん・杉原さんの余裕の表情から判断して、お二人は、何かをお持ちのように感じています。というのも、この間、お二人に限らず、営業権者の皆
さん全員、都の脅しから自衛するために、①「法的根拠を文書で示せ」という言葉、②カメラ、及び③ICレコーダーの「三種の神器」を備えておられたからです。
最近は、超小型かつ高性能のカメラやICレコーダー等が発売されてますので、わからないように画面・動画や録音をすることは、いくらでも可能ですからね。
お二人が法廷で画面・動画や録音をとられたかどうか、伺っていませんが、とられた可能性は十分あると推測しています。
いずれ、画面・動画や録音等がネットに流れることになるかもしれませんが、小川直人氏を始めとした裁判官の皆様、松下博之氏を始めとした弁護士の皆様、そうなっ
たとしても、おかげで皆様が全国区スターになれるんですから、楽しみにしといてくださいな。
皆様の全国区デビューの暁には、営業権者の皆さんと私も乾杯して祝ってあげますよ。おそらく、HP読者の皆さんもお祝いの印に拡散してくださることでしょう。
◇11月8日(水)
1.公開質問状Ver.2を送る
都庁の皆さん(かの名優西坂氏や都庁至上主義者大谷課長にも)に、次のようなメール(公開質問状Ver.2を添付)を送りました。
Date: 2018/11/8, Thu 09:33
Subject: 公開質問状Ver.2をお送りします
都庁の皆様
東京地裁11月5日に営業権組合から都代理人に公開質問状を示しましたが、「今も今後も一切答えない」、「答えない理由はない」と「黙秘権」を使われました。
そこで、改めて、改良版のVer.2を皆様にお送りします。代理人の皆さんには、送りたいもののメールアドレスを知らないものですから、転送しておいて下さい。
また、公開質問状を作るうえで、大きなヒントを下さった財産運用部管理課の福地課長にも転送願います。
回答をお待ちしています。宜しくお願いいたします。
皆さんにも、下に掲げてお届けします。
笑い転げられますよ、都への公開質問状Ver.2
追加部分は2カ所で、赤字で示してあります。5-1~5-5を追加したのと「公開質問状に回答がない場合にも、都が当方の見解に同意したものとみなす」とした点
の2か所です。5-1~5-5は、一段と面白いですよ。
これで法律面での都庁退治は一段落。あっさり成敗しました。それにしても、1回目にノックアウトされた悔しさから、触れる必要のない「築地市場の廃止(廃場)
や閉場」をテーマに主張書面を出されてきた行為は、最大最高級の「墓穴堀」でした。さすがです。
実は、公開質問状で突いた点は、あの10月18日の晴れ舞台の時点で既に気づいていたのでした。しかし、二日前に威力業務妨害罪に気づいた(いずれ書きますが、
これも神の啓示かと思われるほどの幸運に恵まれたことです)ので、そちらに切替えたのでした。その後、効果的に公表する機会を窺っていたのですが、法廷という
最高の機会を提供していただいて、とても有り難かったです。都代理人の皆様に心からお礼申し上げます。Best job!一気にMVP有力候補になられましたよ。
今後のHPでは、いまのところ、法律面では「のれんの奥深さ・強さ」(予告編参照)くらいしか予定していません。
法律面で、翌日までにHPを更新したり書面を準備したりしなければならないような日々が続きましたので大変でしたが、ホッとしました。そのせいか、昨夜は久し
ぶりにグッスリ眠れました。
付記:12時前に村木さんから連絡があり、杉原さんとともに都に「損失補償請求書」を都に提出してきた旨、聞きました。以下、その時のやりとり。
村:損失補償請求書を提出してきました。だけど、この間、役人も弁護士も裁判官も「バッカじゃなかろか」と思いました。
(大笑い)
熊:そうでしょ。だけど、それは村木さんたちが自分の権利を勉強してきたから、思えるんですよ。自分の権利を勉強して主張することがいかに大事か、とい
うことなんですよ。
村:そうですね。権利を持ちながら、主張しないのもいっぱいいたけど。
熊:そんな人たちは、権利を侵害されても仕方がないんです。もっといえば、自分で身体を張ってでも主張しないようならば、そもそも「権利」とはいえない
んです。
1回目のやり取りの主要部分は以上、その後、「誰が受け取ったんだろう」との疑問が浮かび、私から村木さんに電話。以下、2回目の電話のやり取り。
熊:誰が受け取ったの?
村:柏原副場長。
熊:エーッ。前回、あれだけ受取を拒否したのに。前回と今回の違いを追及すればよかったのに。何故、前回拒否して、今回受け取るのか、その法的根拠を明ら
かにせよ、と追及したの?
村:それはやらなかったです。今日は元気なかったですよ。ずいぶん。
熊:それはね。都がギブアップしたからですよ。地裁で代理人が1回目ノックアウト、2回目戦意喪失したもんだから、あきらめたんですよ。前回の受取り拒否
をHPでからかったこともあるかもしれないけど、メインの理由はギブアップですよ。
村:一見、真面目風だから、からかうと面白いタイプですよ。
熊:今日のところはそこまでやる必要ないけど、悔い改めないようなら、一緒にからかいに行きましょ。
さあ、柏原さん、どうしましょう。都の代理人のようになりたくなければ、早いとこ改悛したほうがいいですよ。
他の役人の皆さんも、笑って読んでる場合じゃないよ。他人事ではないんだよ。
かくして、都のギブアップが明らかになりました。強制収用もできないし(下の週刊金曜日2018.10.26の永尾俊彦氏の記事を参照)、都に残された道は、和解
をお願いしてくるのみ。
週刊金曜日2018.10.26永尾氏記事
「あの小川裁判長の下で和解するんですか?」って。そんなわけないでしょ。小川裁判長の下でやったら、私が度々鬼になるから、和解どころか修羅場と化すぞ。
和解とは、法廷で行なうとは限らず、それどころか、原則は当事者間の話合い。しかし、まずは、都がこれまでの数々の違法行為、恫喝行為の謝罪をしなければ、
話合いに入ることもできんだろうな。
◇11月9日(金)
1.チュウ太物語 その1.「チュウ太からのお願い」の巻
10日13:00~の第15回目買物ツアーは、買物ツアー開業1カ月にあたる記念のツアーになります。
皆さん、ご参加・ご協力、宜しくお願いいたします。
記念となる買物ツアーを前に、チュウ太君からの緊急のお願いが入りました。
チュウ太君は、私が築地市場を数十回訪ねるうちに唯一出会った、築地市場在住のネズミです。
都が大々的に「ネズミの駆除」をすると息巻いていますので、どうぞ仲間たちを助けてください、とのお願いです。次に紹介します。
チュウ太からのお願い
どうぞ、皆さん、買物ツアーでチュウ太君の願いをかなえてください。
ちなみに、チュウ太君の願いは、築地市場に込められた知恵や豊洲市場の問題点への洞察を含んでいると思われますので、いずれHPで「チュウ太物語」の続編とし
て論じたいと思っています。
2.のれんの強さと奥深さ
1)のれんの強さ
買物ツアーを一カ月続けてこられたのは、のれん(のれんに基づく営業権を単に「のれん」ということもあります)があるから、ということは、何度も記してきたので、
皆さん、ご承知のことと思います。
営業権には、許可に基づくものと「のれん」に基づくものがありますが、買物ツアーは「のれん」に基づいて開催しているのです。ですから、豊洲で「許可に基づく営
業」をしている業者が、同時に築地正門前の買物ツアーで「のれんに基づく営業」をすることができるのです。
実は、「のれんに基づく営業」という点が、都が買物ツアーに手も足も出ない大きな理由なのです。
「許可に基づく営業」の場合、営業場所は知事により指定され、業者はそれ以外の場所では営めません。また、条例に基づく「許可の取消し」も可能です。
しかし、「のれんに基づく営業」では、「営業場所の指定」も「権利の取消し」もできません。実際、買物ツアーは、当初の巡回コースから、駐車場→ガソリンスタ
ンド→正門前、と場所を変えてきましたが、場所如何に関わらず、実施できています。仲卸棟内の「使用指定場所」に残している残置物は、他の場所に移動されたとして
も、「のれんに基づく営業」のための私有財産であり続けます。
要するに、のれんは、お上による制限・禁止や取消しができない強力な権利なのです。
2)のれんは、なぜ強いのか
では、のれんは、なぜ強いのでしょうか。
その理由は、のれんが、築地業者の長年の営業努力によって培われてきた信用に基づく権利だからです。
権利とは、お上が与えるものとは限りません。お上から与えらえる権利は、お上がその制限・禁止や取消しを容易に行なえます。しかし、権利には、民衆が長年営々と
積み重ねてきた努力・実績に基づいて創出される権利もあり、そのような権利には、お上は、制限・禁止や取消しを行なえず、手も足も出ないのです。
漁業でも全く同じことが言えます。
漁業は、一般に免許を受ける「漁業権漁業」、許可を受ける「許可漁業」、免許も許可も不要な「自由漁業」に分類されます。漁業法を研究している人でも、たいてい
は、そのうち最も強い漁業は「漁業権漁業」だと思っています。「免許」とは「権利の設定」行為であり、したがって、免許を受ければ、漁業権という強力な権利を得る
ことになる、と思うからです。私も、志布志湾に取り組んでいた頃(1990年頃)までは、そう思っていました。
しかし、その後、石垣島白保の新空港問題、上関原発、大分県大入島の埋立、諌早湾導流堤工事等々に取り組むうちに、最も強いのは、自由漁業であることに気づきま
した(詳しくは、拙著『漁業権とは何か』を参照)。自由漁業の権利も、漁民が長年営々と積み重ねてきた努力・実績に基づいて創出される権利であり、お上が手も足でも
出ない権利だから強いのです。
また、地先海面で貝や海藻を採る漁業は共同漁業ですが、共同漁業の権利は、免許を受ける場合よりも免許を受けずに慣習(実態の積み重ね)に基づいて営むほうがお
上の干渉を排除できるため、より強力であることも分かってきました(これは漁業法をかなり勉強しないとわからないので、わからなければ読み飛ばしてください)。
これらの権利は「慣習上の権利」と呼ばれます。慣習とは「民衆の営みの積み重ね」ということです。民衆は、慣習によって権利を創出できるのです。そして、お上
は、それに対して手も足も出ないのです。
「慣習上の権利」は、民衆がお上の横暴に抗するうえで大きな力になるものであり、「世直し」をめざす人たちにとって注目すべき権利だと思います。
買物ツアーも、漁業における「自由漁業」に相当する「のれん」に基づいて行なわれているからこそ、都が制限も禁止もできないでいるのです。
3)近代を超えた「人の営み」に基づく権利
「慣習上の権利」についてお上が手も足も出ないということは、歴史を翻れば、何を意味しているのでしょうか。
私たちが生きている社会は「近代社会」と呼ばれます。「近代社会」は、産業革命による「封建制社会」の崩壊に伴って生まれたとされています。封建制社会より前に
は、「奴隷制社会」、さらには「原始共同体社会」があったと区分されています。この区分が適切か否かはともかく、人は、通常、生まれてきた時の社会に固有の制度
が普遍的なものと思い込んで、あるいは思い込まされて一生を過ごすことになります。例えば、近代社会では、「土地の売買」は当たり前のことと思われていますが、
近代社会より前の時代には存在せず、当時の人々には想像もできなかったことなのです。これは、近代社会には、近代社会固有の制度があるということを意味します。
他方、海辺に生まれた人が海で貝や海藻を採ったり、魚を捕獲するような行為は、人類の誕生以来、行なわれてきたことであり、いかなる社会、いかなる国家といえど
もそれを制限したり禁止したりすることなどできるはずがありません。人間の生活があって初めて国があるのですから、人間の生活・生存に欠かせない営みを国が規制す
ることなどできるはずがないのです。
現代日本においては官僚統制がいきわたっており、あらゆる領域で「お上による規制」が行なわれていますが、それらは近代法に基づいて行なわれます。したがって、
近代法に基づいて「お上の規制」に抵抗することは困難です。しかし、近代社会以前から、時代を超えて存在し続ける「人の営み」に関しては「お上による規制」は不可
能なのです。
こう考えれば、「のれん」や「慣習上の権利」が、お上の横暴に抵抗する有力な武器になることがわかると思います。条例74条に対して「物々交換」という人類誕生以
来の商行為で一蹴したことも、同じ脈絡でとらえられると思います。
4)神は一念に恵み給う
のれんや「慣習上の権利」について、営業権者の方々に話したところ、猿渡さんが強い反応を示されました。猿渡さんが反応されたのは、民衆が長年営々と積み重ねて
きた努力に基づいて権利になる、という点でした。買物ツアーを築地市場内の巡回コースで行なっていた頃、茶屋で行なわれていた猿渡さんのお話は大変好評でしたが、
その中で、このような趣旨の話を聞かれた方も多いと思います。
猿渡さんは、子供時代から「神との対話」を追求されてきて、とてつもない能力を持たれていますが、のれんや「慣習上の権利」の話を聞いて、「神は強い信念をもっ
て何かに取り組み続けている人には恵みを与えてくださる」という話をしてくださいました。この間のお付き合いを通じて、猿渡さんの「神との対話」能力を信じている
私には、納得がいく話でした。
一言で言えば、「神は一念に恵み給う」。
猿渡さんが、子供時代から追求されてきて、いま「神との対話」ができるようになっておられるのも、私が、40年以上追求してきて、漁業権によって埋立等を止めるこ
とができるようになったのも、そして、いま、漁業権の成果を「のれん」に適用して築地市場の解体を止められているのも、その証かもしれません。
ですから、皆さん。「のれん」によって築地市場の解体を止め、築地市場の再生を追求している私たちの取組みには、神様がついていてくださるのです。自信をもって
取り組み続けましょう。
また、皆さん自身も、何かに強い信念をもって取り組み続けられれば、きっと「神の恵み」があると思います。
以下、予告編(順不同、また必ずしも今後の記載を保証するものではありません)
〇築地市場の神様たち 肺がジンジン 葉っぱ遊びに目覚める そんなことしてはいけません 声に真心がこもる 鼠の行先を心配する
〇神宣わく「鬼になることも必要」
〇修羅場でこそわかる「本物は1%未満、かつ、それで十分」 室原知幸(蜂の巣城) 山口武秀(高浜入干拓反対闘争) 七人の侍 サポートに取組む理由 宝物
〇なぜ「取材お断り」なのか なんで貴方の手柄あげに協力せんならんの 取材できても記事内容で試されるんですよ 「有名人ツアー」への協力は御免
〇島田虎之助 広瀬淡窓 「咸宜園と松下村塾は月とスッポン」 「吉田松陰・福沢諭吉・山縣有朋の大罪」ー「明治は偉大」などとんでもない
〇眼力とは何だろう 何に由来するのだろう 匂い、言葉、歌でわかる 眼力磨かなきゃいつまでも騙され続けますよ
〇心なき市民・心なき権利者・心なき法律家
◇11月10日(土)
1.第15回買物ツアー
おかげさまで、開業1カ月記念の第15回買物ツアーも盛況、楽しく行なうことができました。
通告は小松さん。公開質問状に、都代理人が「黙秘権」を行使したことから、解体工事も改築も違法であるとの内容も盛り込まれ、これまでよりさらに意気上がる
通告となりました。今後も「都の違法性」を厳しく指摘していくといいですね。
2.アコーディオン式の門に変化
注意深い方は気づかれたと思いますが、都がギブアップしたことが門の変化に現れていました。今まで正門はバリケードが築かれていましたが、今日は、アコーディ
オンのような折り畳み開閉式のものに変わっていました。真ん中で鍵がかけられていましたが、あれでは、鍵又はチェーンを壊すだけで容易に入れます。
このような方式は、2002年に諌早湾干拓のゲートで経験済み。閉じることが違法だけれども閉じておきたい場合に使う方式です。諌早湾では、漁民が鍵を壊して中
に入ったことがありますが、警察は「不法侵入」(私が「閉じたこと自体が違法であること」を警察から呼び出しを受けた漁民に教えておきました)には問えず、「器
物破損」の700円ですみました(詳しくは、拙著『漁業権とはなにか』参照)。
今回も、営業権者が「のれん」を持っていますので、閉じること自体が違法であることは明らか。したがって、鍵を壊して入っても「不法侵入」には問えず、器物破
損で済みます。今回は鍵でなくチェーンを壊せば済みそうなので、もっと安いでしょう。
3.マスコミ取材が始まる
今日は、テレビ局、新聞社が来ていて、さらに来週、週刊朝日に買物ツアーが掲載されるそうです。一斉にマスコミ取材が始まったことは、都のギブアップがマスコ
ミにも明らかになったからだと思います。
取材は、買物ツアーに支障がない範囲で、営業権者の方たちが受ければよいでしょう。私は、「法的説明も営業権者ができます。また、私のHPで詳しく説明してい
ますので、それを読んでください。読んだうえでわからないことがあれば説明します」と対応しています。
4.埼玉県からのお客さん
今日は、浦和市に住んでいた頃、共にごみ問題に取り組んで以来、ずっとお付き合いしているグループからCさんが来てくださいました。タイやドイツでお迎えして
案内したこともあるグループで、今後、他のメンバーの方々も、Cさんから伝え聞いて訪問してくださることでしょう。
もう一人、埼玉県から度々参加されているFさんが「公開質問状を初めて読んだときはよくわからなかったですが、HPを繰り返し読んでいるうちに、わかって大笑
いしました」と言われた(そうなんです。繰り返し読めば、大笑いできるんです)ので、「どちらから?」と尋ねたところ、「新座」との答。「新座には、太田博子さ
ん(元県議なので実名にしました)主催の勉強会に何度も行きましたよ」と話したところ、太田さんのグループに属しておられるとのこと。「太田さんにお会いしたいの
で、次回はできればお誘いいただければ」と依頼したところ、快く引き受けてくださいました。太田さん、久しぶりにお目にかかれるのを楽しみにしています。
昔なじみの信頼できる知人の方々にお会いできるのも、買物ツアーの思わぬ効用です。
今日は、開業一カ月を記念して、買物ツアーを実施してきた方々とカラオケ大会を楽しみました。この間、苦労も感動も共にしてきた、心から信頼できる方々とのカラ
オケ大会は最高でした。何よりの宝物を得て、大変嬉しく、有り難く思っています。
では、明日は中国地方まで日帰り出張なので、今日は、ここまで。
お休みなさい。
◇11月12日(月)
1.米子産廃処分場問題の報告
11日に米子まで日帰りで行ってきました。
2014年にも行ったことがあるのですが、今回は、運動の最終局面になってぜひとも事業を中止させる知恵を教えてほしいとの依頼を受けて、報告をしてきました。
詳しくは、本HPの「米子産廃処分場問題」を参照していただきたいですが、報告レジュメを次に紹介します。
公共事業を止めるための運動論
レジュメをご覧いただければわかるように、営業権でも漁業権でも水利権でも事業を止める方法は、全く同じなのです。そして、水利権でたった一人の水利権者がゴ
ルフ場開発を止めた、次の判例(とても優れた判決です)に示されるように、たった一人の権利者が事業を止めることができるのです。
慣行水利権に関する長野地裁諏訪支部1981.4.28判決
要するに、権利者を主体にして運動を組み立てれば、そして、一人の権利者が頑として事業に同意しなければ、事業は実施できないのです。分かれば簡単なことなん
です。
皆さん、もうおわかりですね。築地市場では、7名もの権利者が買物ツアー等で健闘されています。私たちの勝利は確実だということです。
2.「本物は1%未満、かつ、それで十分」
1)まな板の上のヒラメ
築地市場では、上掲判決に照らしても100%勝てるうえ、すぐに思いつくだけでも、つぎのような数々の事業の違法性が明らかになっています(分からない人は復習し
なさい。特に、11月5日の村木報告及び公開質問状を熟読すること)ので、勝利の確率は、100%をはるかに超えて800%~1000%くらいなんです。
①威力業務妨害罪
②損失補償なし,営業補償(得意先喪失補償の必要性は明らか)なし=憲法29条違反
③地上権/借地権を無視
④恐喝罪(「借地権・建物を寄付しろ」との脅し、営業権者への数々の脅し)
⑤閉場・解体事業の法的根拠なし、違法
⑥改築も法的根拠なし、違法
⑦公務員の不法就労(築地市場at築地では公務ができないのに行なった。公文書偽造に類似)
⑧証拠隠滅罪(残置物を撤去した場合、威力業務妨害罪に関して「業務」の証拠隠滅)
よくここまで違法行為を重ねられたものです。ヤクザもビックリして腰を抜かすでしょう。川辺川ダム問題で、国交省のひどさを知ったヤクザが「ヤクザはここま
でひどいことはやらん」と憤激していましたが、私の実感では、川辺川ダムでの国交省のひどさの数倍、いや数十倍はあると思います。
悪業を尽くしたあげく、都の最後の砦であったはずの代理人弁護士たちが、法律アマの村木さんから1回目ノックアウトを食らい、2回目は戦意喪失して完黙し、
(にもかかわらず、あの小川裁判長のことですから、全国区スター狙いで都を勝たせるかもしれませんが、そうなったとしても、全体の戦況から見れば「屁の足し」に
もならんことくらい、もうわかったでしょう)あっけなく撃沈されたのですから、惨めったらありゃしない。全員、恥ずかしくて穴の中に入らなきゃいけないのでは。
アッ、そうか。あれほど懸命に墓穴を掘ってたのは、そのためだったのか!納得。まったく、用意だけはいいんだから。
都の皆様、大き過ぎる組織、縦割りに加え、そもそも全員〇〇過ぎて、全く戦況を読めずに墓穴を掘られてきましたが、あなたがた、既に「まな板の上のヒラメ」
(一部、ヒラメ貝)なんですよ。こちらには、築地市場で鍛え上げた「さばきの達人」がそろっていますから、「さばく」のは簡単。もういくら何でも気づいたでしょ
うが、「さばき」は、その気になれば、いつでもできるんですよ。
しかし、簡単には、さばいてあげないよ。これまでの都の悪業の数々をもっともっと公にして、轟々たる非難を浴びせさせてから、じっくりさばいてあげるよ。生よ
りも炙ったほうがおいしいからね。
こうなった以上、「お縄」(買物ツアーの「商品B」は、実は「お縄」です)を買いに來て自ら手首にかける(これがほんとの「自首」)など、少しは潔さを示されたら
如何でしょう。そのまま築地署の長瀬さん、豊田さんとこまで行って、俗にいう「自首」をしたほうがいい人も居るし。
往生際だけは、大東京都の矜持を示してほしいと願っていますよ。
2)本物は1%未満
買物ツアーを支えている業者の方々は、7名です。築地市場の業者全体のうち約1%未満に過ぎません。
たいていの方は、「たった1%未満か」と思われることでしょうが、私は、逆に「本物が7名も居るのか」と感激しているのです。というのは、私は、事業を止めた
だけでも約20例、40年以上も漁民・住民運動と関わってきているからです。
例えば、川辺川ダム・荒瀬ダムの運動では、関わった数千人、あるいは万を超える人のうち、本物は、共著『よみがえれ!清流球磨川』を書いた三室勇・木本生光・
小鶴隆一郎の三名だけです。他に市民運動などで、良心的に関わられた方が居ないわけではないですが、お三方の苦労に比べれば、比較になりません。それどころか、
運動の勝利を自分の手柄であるかのように吹聴・宣伝して「環境アドバイサー」などにおさまっているような市民も居ます。諌早の漁民運動では、三名の漁民が導流堤
工事を止めたことを何度か記しましたが、うち「本物」は、松永さんお一人です。あとの二名は、金を欲しがるようなタイプの人で先行き心配だったのですが、松永さん
一人では心細いので、誘ったのでした。案の定、二名の金を欲しがる点につけこまれて、4カ月で導流堤工事阻止を崩されてしまいました。志布志湾では、運動の初期に
は、革新団体などが「一万人集会」を何度も開いていましたが、結局、最終段階まで健闘した人は、志布志町の藤後惣兵衛さんや高山町の若松与吉さんら数人、片手で数
えられるほどです。
しょせん、「本物」は、そんなものなんです。築地で7名も「本物」がおられるのは、実はすごいことなんです。
「輪を広げよう」などといって、集会やデモばかりやっている人、「今日は、大勢集まったから成功だ」などと言っている人、ようく覚えておいてください。他人を運
動の主体として尊重するのでなく、操作や動員の対象(駒)として扱っている運動は、形だけ大きくても中身はスカスカなんですよ。何万人集めても、一人の本物に適わ
ないんですよ。「大勢集めたい」のは、運動に勝つためでなく、自分の手柄を大きく見せたいからじゃないんですか。
3)室原知幸の慧眼
本物の権利者が一人でもいれば勝てることは、上記判決にも示されているとおりです。
勝利にはつながらなかったものの、最後まで一人で公共事業と闘い、事業主体である当時の建設省も、その闘いに敬意を払った方をご存知でしょうか。
名は「室原知幸」。熊本・大分両県境に計画された松原・下筌ダムの建設に反対し、自宅を「蜂の巣城」と呼ばれた要塞にして、上から糞尿を投げるなどの奇策
を用いて徹底抗戦した方です。マスコミが奇策などを面白おかしく伝えたのですが、実は大変な「本物」です。法律を駆使されたほか、この国の公共事業の本質を
いち早く見抜いて、「公共事業は、理に叶い、法に叶い、情に叶うものでなければならない」という名言を残されています。
注目に値するのは、大変な苦労をさせられたにもかかわらず、事業主体の建設省が、後々まで室原氏に敬意を払っていることです。ネットで調べても書名は見つ
かりませんが、私は、氏の没後、建設省の官僚たちが氏を追悼するべくまとめた分厚い本を手にして感動したことがあります。
そんなものなんです。官僚たちにも、「本物」に感動する心を持っている方が居るのです。事業には都合が悪くとも、私心なく、仲間たちや社会全体のことを思
って健闘している人のことをきちんと見ていて、内心敬意を払っている人は、決して多数ではないものの、確実に居るんです(ですから、住民運動に関わりながら、
事業主体を一方的に非難・罵倒する人には違和感を覚えますし、そのような人を私はあまり信用しません)。
「本物」かどうかを判断する最大の基準は、自分の利益ばかりを考えているか否か、また、利益誘導に強いか弱いかです。私は、どこでも、それを最大の基準に
「本物」かどうかを判断しているのですが、この点に関しては、どうも権力側も同じ基準で判断しているように感じています。私が「あの人は危ないな」と感じる人
は、たいてい、権力からも狙われて、脱落していきます。
そして、私も築地で初めて明確に気づいたのですが、「本物」でない人には、むしろ早く脱落してもらったほうがいいのです。そのほうが、自分の利益しか考え
ないような意見や自分は何もしないくせに注文や批判ばかりするような意見を聞かなくてすんで、「本物」のチームワークがよくなり、結束が強まるのです。
実は、私は、村木さんが「あいつだけは許せん」とカンカンになられたのを、「私も彼には何度も切れかけたことがあるが、今は一人でも多いほうがいいと思って
我慢してきた。だからあなたも今回我慢してほしい」と言って懸命になだめたことがありますが、振り返ってみて、あれは私の間違いだったと思います。そんな人に
は早く出て行ってもらったほうが、今がそうであるように、「本物」だけの、温かな配慮に満ちた、気持ち良く楽しい運動ができるのです(もっとも村木さんと私の
会話を伝え聞いたらしく、彼はその後出てこなくなりましたが)。「本物」が一人でもいれば勝てるのですから、「本物」以外の人は要らないのです。
たいていの運動が方針に掲げている「輪を広げたほうがいい」、「人数が多いほうがいい」は間違いであり、そんな間違った方針を採っているからこそ、運動内部の
人間関係でいつも苦労させられるのだ、と思います。いっそのこと、住民運動に関わるうえでの資格・条件を憲章などで決めて、それを満たした人だけ入会を認めるよ
うにすればいいとも思いますが、これもまた心ない人に悪用されたら余計大変なことになりますから、難しく、頭の痛い問題です。
4)民衆の意識変革を重視した「山口武秀」
暗記が嫌いで、クイズ番組はたいてい零点で、認知症に自信のある私ですが、世直しに関連したことだけは、よく覚えています。
私が、室原知幸氏と並んで尊敬している人が、「山口武秀」です。武秀は、北総の農民・漁民の運動、特に高浜入干拓反対の漁民運動の指導者として有名な人です。
印象に残っているのは、高浜入干拓反対運動について著された『権力と闘う住民』という本です。
本は、いま研究室に置いてあるので正確さを欠くかもしれませんが、「運動で最も肝腎なのは、民衆の権力を恐れる意識を払拭すること」という指摘が最も印象に残
っています。そうなんです。私が、本HPにおいて、権力を散々からかっているのは、この指摘を覚えている、というより私自身に染みついて既に私自身の考えになっ
ているからなのです。
武秀は、「権力を恐れる意識を払拭した結果、逮捕された後、釈放されて帰ってきた人をみんなで英雄として褒め称えるようになった。こうなれば大丈夫だ」と記し
ています。この点に関連して、志布志湾の賢者、漁民の若松与吉さんが言われた「権力が怖いのは、権力自体が怖いのではない。権力を恐れている地元の人々から白眼
視されるのが怖いんだ」という言葉が記憶に強く残っています。「周囲の人がお上を恐れなくなれば、お上も怖くなくなる」ということで、民衆にとっての名言だと思
います。
武秀は、さらに「お上を恐れなくなった漁民たちが武装して、早朝、機動隊の詰め所を襲った。機動隊員が逃げ回った」と記しています。これには、さすがの私も腰
を抜かしました。
もちろん、細部まで武秀に同意しているわけではありません。機動隊の中には、不本意ながら民衆を抑える仕事に従事させられている人も居るはずで、一括りにす
るのも間違いですし、人の考えや意識はいくらでも変わり得るのに、肉体を傷つけてしまうことは、よくないと思います。また、私は、そもそも「指導」という言葉が
嫌いで、いつも「指導はしません。判断の主体は貴方がた自身、私は助言しかしません」というスタンスを貫いています。
こうした違いはあれ、「民衆のお上を恐れる意識を払拭することが鍵」と指摘した武秀は、やはり偉大だし、尊敬に値すると思っています。
5)新「七人の侍」にご期待を
ようやく、本項も終わりに近づきました。
なぜ、「本物」論を展開したか、お気づきでしょうか?
そうです。今、営業権や地上権で都と闘っている方々が「本物」だからなんです。だからこそ、もう結束が崩れることはないと確信しているからなんです。
実は、「本物」論よりも先に思いついたのは、「七人の侍」でした。買物ツアーの最中に、寡黙で、心温かく、しかも渋い、ある方に、「七人の侍」の宮口精二
扮する「久蔵」のイメージが、ふと重なったからです。ネット上のあるサイトで、七人の侍のうちの人気No.1が久蔵であったことも思い出しました。
ごめんなさい。白状します。その後、しばらく、買物ツアーの合間に、不遜にも「七人の侍」のそれぞれの役がどなたに適しているかを想像したのでした。
しかし、その後、それが如何に馬鹿馬鹿しいことかに気づきました。
築地市場の「七人の侍」は、黒澤明の「七人の侍」よりも、よっぽど個性的で、素晴らしい方々であることに気づいたからです。ですから、黒沢の「七人の侍」の役
に我らが誇りの七人を当てはめるのでなく、七人の個性に基づいて、新「七人の侍」を作ればよいと気づいたのです。
いま、私は、秘かに(といいながらバラしていますが)、HPで初めて気づき、更新を通じて格段にアップした(喜劇)脚本家としての才能を活かして、数年後、新「七
人の侍」の脚本を書き、映画にしようと企てています。主役七人が素晴らしいだけでなく、西坂氏、猪口氏、大谷氏、小川氏、松下氏等々、脇役陣も「左卜全」なみの
名優ぞろいですから、きっと抱腹絶倒間違いなし、黒沢をはるかに超える名作を作れると確信しています。
皆さんも、どうぞご期待ください。また、映画上映の節は、どうぞ、HP同様、よろしう、ごひいきに願います。
◇11月13日(水)
1.第16回買物ツアー
正門は、また、少し、簡素になっていました。アコーディオン扉は二重になっているのですが、内側のアコーディオンの上部が、網状に変わっていました。そのため
、ある程度、市場の内側が見えるようになりました。
閉場に法的根拠などないんだから、代理人も完黙してそれを認めたんだから、いっぺんに見えるようにすればいいのに、一体何をしたいんでしょうか。まさか、あの
、少しずつ見えるようにすることで興味をそそるという「チラリズムの美学」を実践するんじゃないでしょうね。なかなか粋なはからいではありますが、公共機関がそ
んなこと、やっていいんでしょうかね(初心な私など、書くだけでも赤面しているというのに)。心配です。
今日の通告は、猿渡さん。もうすっかりハンドマイクでの通告に馴れられ、都の違法性もしっかり指摘されました。
今日のお客は、開始時に殺到されるのではなく、行列して並ばれるとともに、開業時間中、満遍なくお出でになったと感じました。こちらも楽です。そのためもあっ
て終了時刻は、いつもより遅く、13:45頃だったでしょうか。
とても嬉しいことに、市民のYさんが営業権組合の旗を作ってきてくださいました。今日、デビューとなり、営業時に背後に掲げて営業しました。さらに、今後、若者
のバンドに参加を呼び掛けて下さるそうです。バンドのご協力を得られれば、お客さんも私たちも楽しめるので、ぜひお願いしますね。
驚いたことに、開始直前に、巡査のような方が見えました。長瀬さん、豊田さんが期待に反してお出でにならないのに、「まさか」と思いましたが、「市民から自動車
が停止しているとの通報があったので、伝えに来ました」とのことでした。とても人柄の良さそうな紳士だったので、「都の役人を逮捕しなさい」と言いそびれ、「はい
、わかりました」と即座に答えました(人柄の良い人には弱いんです)。しかし、すぐに「でも、片づけるだけでも40~50分くらいかかるんです。それはいいんでしょう」
と付け加えたところ、肯いておられました。認知症患者(私)に理解ある方でよかったです。それほどいい方なので、名前もお聞きし、商品Bの「お縄」もプレゼントし
ました。商品Bは、セットになっているチラシ(使い方を明記)に価値があるのですが、しっかり「使い方」も読んでいただき、「ご感想は?」と尋ねたところ、紳士のH
さん、困りきった表情で「感想をここで言うのは無理ですよ」と言われました。ごめんなさい、おかしくてたまりませんでした(周りからもクスクス笑いが漏れてました
)が、笑いをこらえ、「じゃあ、2,3日後に私の携帯電話に電話して、こっそり話してください。真面目な感想でなく、ジョークでお願いしますよ」と言っておきました。
Hさん、ご感想を楽しみにしていますよ。
2.打ち合わせで早速、カラオケの成果が
15:30からの打ち合わせで、12日のHPに「本物でない人には、むしろ早く脱落してもらったほうがいい」と記したことについて、まず村木さんが「全く同感」と発言
され、他の皆さんも「その通り」と全員同意されていました。嬉しく思うとともに、皆さん、私と同じように、本物でない人に苦しめられてきて、いま本物だけになった
ことを心から喜んでおられるんだな、と思いました。
そこから、さらに、議論は、今後の戦略をめぐって、想像を超えた展開をしたのでした。なぜ、こんなにいいアイデアが続くのか、と驚くほどでした。帰宅後、猿渡さ
んに電話したところ、「村木さんと、なぜあんなにすごい展開をしたんでしょうか、と話しました」と言われたので、「神のご加護があるからに決まってるじゃないです
か、そのことは何より神様と対話されているあなたがおわかりのことじゃないですか」と言って、大笑いしたことでした。
「どんな内容か?」って。ここで言えるわけないですよ。いずれ来週中までには報告できると思いますので、楽しみにしていてください。
今日の打ち合わせでは、全体をとおして、10日のカラオケ大会で親密さと信頼感を増したことを実感したことでした。それが、素晴らしい議論と戦略を生んだように感
じています。
素晴らしい仲間を得たことを心から嬉しく思います。
◇11月14日(水)
1.チュウ太物語 その2.「分別はよくない」の巻
11月9日の「チュウ太物語 その1.『チュウ太からのお願い』の巻」に含まれている問題を掘り下げて考えてみましょう。
東京都は、「築地市場にはネズミがたくさんいるので近寄らないように」とか、「ネズミを駆除します」と言っています。しかし、市場にネズミがいることが、なぜ問
題なのでしょうか?また、そもそも、市場になぜネズミが多くいるのでしょうか?
市場にネズミがいるのは、当たり前ですが、そこに餌があるからです。ネズミは餌をたべているだけ。そのどこが悪いのでしょうか。
1) 生物多様性は環境をきれいにする
皆さんは、「生物多様性」という言葉を聞いたことがあるでしょう。生態系には、多様な生物が存在していることが好ましい、という意味の言葉です。
川の生物多様性が増せば増すほど、川の水はきれいになります。なぜなら、水中の養分が植物に取り込まれ、その植物を動物が食べ、それをさらに動物が食べ、……と
いった食物連鎖によって、養分を動植物が貯め込みますから、水はそれだけきれいになるのです。ですから、最近では、河岸をコンクリートで固めるのではなく、なるべ
く自然状態に近づけて、生物が棲息できるようにする「近自然工法」が採用されるようになっています。
要するに、生物多様性は環境をきれいにするのです。
ならば、ネズミが居ることは生物多様性を豊かにしますから、いいことではないでしょうか。実際、ネズミが市場に残った餌(有機物)を食べなかったら、それらは汚水
や廃棄物となったはずです。築地市場が長年、汚染の少ない市場として存続してきたのには、ネズミが大きく貢献してくれていたのです。
2) イナゴの大発生の原因は?
生物多様性が増すのはいいけど、一種だけが大量に発生するのはイヤという方がおられるかもしれません。
しかし、自然界では一種だけが大量に発生することは、決してありません。にもかかわらず、なぜ現実には、一種だけの大発生という現象が起きるのでしょうか。
田んぼでしばしば生じる「イナゴの大発生」を例にとりましょう。田んぼでイナゴが大発生するのは、当然のことながら、人が稲ばかり作るからです。つまり、原因は
、人間が作っているのです。人間が原因を作っておきながら、その結果生じる「イナゴの大発生」に対して、「イナゴが稲に被害を与える。けしからん。殺してしまえ」
とばかりに、農薬を撒いてイナゴを殺すのは、あまりに身勝手なのではないでしょうか。ひるがえって、築地市場のネズミにも全く同じことが言えるのではないでしょう
か。
もう、わかりましたよね、皆さん。そう、ネズミは、餌があるから食べているだけ。原因である「大量の餌」を残したのは、人間なんです。豊洲移転に伴い、築地の餌
が急減したため、餌とネズミのバランスが崩れ、ネズミが餌を求めて行き場を探しているのが、今の「築地のネズミ問題」の根本原因なんです。なのに、ネズミを悪者視
し、「駆除する」とは、人間の、あまりに身勝手な行為というほかありません。
3) 害虫と益虫に二分できるのか
イナゴに示されるように、人は、よく虫を「害虫」と「益虫」に分けます。しかし、生物をそのように「善」と「悪」にきれいに区分できるのでしょうか。
イナゴが稲に付いていれば、イナゴが稲を食べますから、「害虫」に見えるのは当然です。しかし、そこにアヒルを入れたらどうなるでしょうか。イナゴはアヒルに食
べられますが、太ったアヒルを人間が食べれば、イナゴは「益虫」に変わります。つまり、虫自体に「害虫」とか「益虫」がいるのではなく、人間と虫の関係が貧しいか
、豊かかによって、「害虫」に見えたり、「益虫」に見えるだけなんです。
生きとし生けるものは、それぞれ精一杯生きているだけです。それを人間から見てプラスかマイナスかで、善と悪に二分するとは、とんでもないことです。それほど傲
慢なこと、悪いことをしているのは、それこそ「人間」だけです。
生きていないものについても同様のことが言えます。例えば、人は、水銀やカドミウムを含む廃棄物を「有害廃棄物」と呼んで危険視し、忌み嫌いますが、それでいい
のでしょうか。
それほど危険で嫌なものなら、初めから地下から掘り起こさなければいいのです。なのに、鉱物として掘り起こして、生産者がそれを材料として使用して製品をつくり
、消費者がそれを購入して消費を楽しんでおいて、廃棄物となったとたんに、それまでの恩に感謝するどころか、危険物、厄介者として指弾するのは、水銀やカドミウム
にあまりにも非礼なのではないでしょうか。
この非礼も、水銀やカドミウムと人間の関係性を工夫することで解決できるのです。たとえば、水銀を含む廃棄物から水銀を抽出して再資源化するようにすれば、厄介
者から有用物に変わるのです。害虫の場合と全く同じように、悪いのは、水銀やカドミウムではなく、それらと豊かな関係をつくれていない人間なのです。
4) 分別はよくない
皆さんは、もちろん「分別」という言葉を知ってますよね。「ふんべつ」とも「ぶんべつ」とも読みますが、どちらもいいことを意味する言葉です。
ところが、仏教では、悪い言葉として使われるのだそうです。仏教の「分別」(読みはわかりません)とは、とは、人間から見てプラスかマイナスかによって善か悪かに
区分することだそうです。3)で述べたことは、仏教の「分別」を用いれば、まさに、「分別はよくない」、「分別をしてはならない」ということを意味していることにな
ります。
お釈迦さんも、なかなかやりますね。いいこと言いますね。
ただし、私は、3)をお釈迦さんから習ったのではありません。環境問題の研究者として、また、生来の「あまのじゃく」の性分から、悪者視されているものの声に耳を
傾けていくうちに、「悪者」の嘆きが聞こえてくるようになったのでした。これも「一念に神様が恵んでくださった」のかもしれません。
今回も、一般には「悪者」視されている、築地市場のチュウ太君からのお願いを聞いて、皆さんに訴えようと思って綴った次第です。
どうぞ、皆さん、11月17日の第17回買物ツアーでは、チュウ太君の願いを受け止めていただき、商品Aをお求めくださるよう、宜しくお願いいたします。
◇11月15日(木)
1.菅原邦昭さんから贈っていただいた「卸売市場の社会的役割と使命」
10月12日に紹介しました仙台の東北地区水産物卸組合連合会の菅原邦昭さんから「都民(住民)の暮らしを支える卸売市場の社会的役割と使命とは」と題する文書を贈っ
ていただきました。卸売市場制度について大変造詣の深い方なので、買物ツアーのお客さんに勉強していただけるよう、文書寄贈をお願いしていたのでした。
すでに第15回買物ツアーから、拡大して額に入れたものをお客さんに見ていただいているのですが、額のことばかり考えていて、このHPで紹介することをすっかり忘
れていました。次に文書と額の写真を紹介します。
都民(住民)の暮らしを支える卸売市場の社会的役割と使命とは
菅原文書の額
菅原さん、HPでの紹介が遅くなってすみません。第15回以来、貴方の溢れんばかりの情熱とエネルギーが額をつうじて伝わってきて、買物ツアーを励ましてくれてい
ますよ。営業権者の方々ともども、深く感謝しております。
2.チュウ太物語 その3.「『いのちを豊かにする社会』を創れるか」の巻
1)村上真平さんの農法
いまや有機農業や自然農法を実践されている農民は数多くおられますが、私の信頼している農法実践家の一人に村上真平さんがおられます。
村上さんと初めてお会いしたのは、バングラディシュのNGOで自然農法に取り組んでおられるときで、そこでの経験をもとにまとめられた本,Lessons from
Nature(自然からの学習)は、東南アジアの五カ国余りで翻訳されたと聞きます。その後、タイでノンジョック農園という自然農法の研修センターの所長を担当され
ましたが、ノンジョック農園には、ゼミ生を連れて、7,8回訪ねました。
農法は嘘をつきません。成果が見事に、あるいは残酷に現れます。石ころだらけだったノンジョック農園の開園前の土地が年を経るごとに緑したたる農地へと変貌して
いく様を見て驚愕したものです。
村上さんの言葉で特に印象に残っているものに、「作物に虫が付いていると、虫が自分の農法の至らなさを教えてくれていると受け止めて、農法をより多様にする」と
いう言葉があります。「農薬で殺してしまう」とは全く正反対の、謙虚で、自然への深い洞察に基づく農法に感動を覚えました。
2)化学合成農薬は戦争の産物
しかし、残念ながら、虫が付いていたら「農薬で殺してしまう」が依然として農業の主流です。第二次大戦後に、化学合成農薬が広範に普及したからです。
では、なぜ、第二次大戦後に普及したのでしょうか?それは、化学合成農薬の起源が「毒ガス」にあるからです。戦争中に生れ、大きくなった毒ガス産業が、戦後に需
要を失ったため、平和時の需要として農薬に目を付けたというわけです。
皆さんは、サリン事件の時、サリン製造を疑われたオウム真理教が「サリンでなく農薬をつくっている」と言い訳したのを覚えておられると思います。両者の製造工程
はほとんど同じなので、そんな言い訳をしたのです。
3)築地と豊洲
村上さんの農法と農薬の話を聞いて、築地と豊洲の対照を連想された方も少なくないでしょう。
もちろん、村上農法にあたるのが築地です。築地ではネズミの棲息に加え、海水散布が殺菌・消毒機能を発揮しています。海水が塩分を含んでいるからです。塩は、
古くから、保存料として使用されてきましたが、それは、塩が殺菌機能を持ち、微生物の繁殖を防いでくれることに起因しています。
また、海水を散布しても、それが地下に浸透していくよう、築地市場の仲卸棟は、日本では珍しく、石畳でできています。これは、朝堂院大覚氏によれば、開場当時
の役人がイタリアの水産物市場を見学し、徹底的に研究して、築地市場の構造に活かしたからだそうです。
このように、ネズミと海水によって、築地市場は、世界でも珍しい、ハエ一匹いない市場として存続してきたのでした。
他方、豊洲市場は密閉空間ですので、ネズミは棲息できませんし、もしも見つかればすぐに駆除されます。海水散布の仕組みも全く備わっていません。そのため、市場
で必ず生じる有機物(動植物性残渣)は、腐敗して大気汚染や水質汚染をもたらします。その対策として、農薬と成分が似た化学合成薬剤が使われます。薬剤は、常温でも
容易に気化しますから、市場内で働く人たちの身体にも悪影響を及ぼすうえ、売買される魚介類等も汚染されます。
要するに、ネズミと海水のおかげで汚染のない築地市場に対し、豊洲市場は合成化学物質で人も魚も汚染される毒まみれの市場になるのです。
4)現代人のいのちを脅かすもの
第二次大戦中の毒ガスに端を発した農薬産業は、近年さらに種子までも支配しようとしています。自社の農薬を撒いても抵抗性のある種子をGM(遺伝子組み換え)によ
って開発し、農薬とセットにして売ろうというのです。GM食品を食べ続けるとガン等の病気になると言われていますが、不十分な試験しか義務づけられていません。
同じく、現代人のいのちを脅かしている原発も、第二次大戦で生れた原爆の平和時需要(平和利用)として目を付けられたものです。
戦争は、戦争中に人を殺すだけではありません。戦争で生れた産業が平和時需要を見出すことによって、平和時にもジワジワと人を殺していくのです。戦争の恐ろしさ
は、戦後の産業構造に「死の産業」が組み込まれ、肥大化していくところにもあるのです。
第二次大戦以降の世界は、農薬・GM食品と原発という第二次大戦に由来する「死の産業」がいのちを脅かしている時代であることを認識しておく必要があります。
5)「いのちを脅かす勢力」と「いのちを豊かにする勢力」の闘い
人間の生存・生活に最も必要なものは、食と水とエネルギーです。第二次大戦後、次第に肥大化してきた「死の産業」は、食と水とエネルギーに食い込み、シェアー
を拡大し、自らの支配下におさめようと企てています。食における「GM食品の増加」,「種子法の廃止」,「TPP」,「農漁業への企業進出」等、水における「水の
商品化」,「水道民営化」、エネルギーにおける「原発の維持・拡大」等は、いずれも「いのちを脅かす勢力」が推進しているもので、根は共通です。
そして、「いのちを脅かす勢力」が新たに目を付けた分野が「卸売市場」であり、「卸売市場」から消費者の立場に立つ仲卸業者を排除していって、物流センターに変
え、完全競争機能をなくして価格決定権を握ろうとしているのです。
注:「卸売市場の在り方研究会」の高木勇樹委員長(元農水省次官)は、企業に水産業への道を開く水産業改革委員会の委員長でもある。
要するに、現代は、「いのちを脅かす勢力」と「いのちを豊かにする勢力」とがせめぎ合っている時代であり、食・水・エネルギーに加えて、新たに卸売市場が戦場に
なったということです。
とすれば、築地市場の存続をめぐる闘いは、築地市場の営業権者にとってのみならず、「いのちを豊かにする勢力」にとって極めて大事な闘いということができます。
先述の「汚染のない築地市場と毒まみれの豊洲市場」という対比は、それを象徴しているのです。
この闘いで勝利すれば、「いのちを豊かにする勢力」全体の今後の闘いをおおいに勇気づけるものとなるでしょう。
勝利まであと一息。どうぞ今までにも優るご支援・ご協力をお願いいたします。
◇11月17日(土)
1.第17回買物ツアー
今回から、ツアー前に踊りを披露してくださる方が登場されました。以前からカニのぬいぐるみ(というか帽子というか)を頭にかぶって参加されていた「あすなろ」さ
んです。
数日前、電話をくださり、踊りを披露してもいいか打診され、「あそこは解放空間なので、大丈夫。こちらからお願いしたいくらいです。ただし、横断歩道があるので
、通行人の邪魔にならないように気を付けてください」と返答したのですが、今日、早速見事な踊りを披露され、買物ツアーに参加された方、大喜びで、手拍子を打った
り、映像におさめたりして楽しんでおられました。開業時の午後1時にはピッタリ終えられるなど、礼儀面でもお見事でした。あすなろさん、今後も披露してくださると
のこと、宜しくお願いしますね。皆さんも、ぜひご期待ください。
前回初登場の営業権組合の旗に加え、大漁旗も複数登場し、背景もとっても見事なものになってきました。皆さんのご好意の賜物で実に有難いことです。
私が今回初めて用意したのが「お触れ」です。都の違法行為を説明したものです。この内容は、なるべく多くの方々に知っていただきたいので、次に掲げておきます。
お触れ
ほんとは木の札に書きたかったのですが、大変なので額に入れ、菅原さんの文書の額と並べて、磁石でくっつけて展示しました。どちらも、参加者の皆さんに熱心に読
んでいただいていました。
2.都が脅し文書を撤回
東京都は、村木さん・杉原さんに「残置物を撤去しなければ、許可取り消しなどの不利益処分をする」との脅し文書を送りつけていました(あまりにもたわいないもの
なのでHPで紹介しませんでした)が、同時に送られてきた「弁明書」に二本線を引いて「警告書」に訂正したうえで「都こそ違法行為をしている」こと等を書いて送っ
たところ、柏原副場長が村木さんの所に来て、「もっともなことが書いてあったので、処分はしません」と言って帰ったそうです。
柏原さんも、ずいぶん低姿勢になられたらしいですね。でも、ご自分でもおわかりでしょうが、これくらいではとうてい償いにはなりませんよ。
3.マスコミ対応を増やす
午後3時からの打ち合わせでは、都との法律論争で完勝して時間的に余裕ができたこともあり、今後、記者会見を設定したり、マスコミ対応も今までよりも多くしたり
して、法律論争で都をKOし、戦意喪失させたことを広めていくことにしました。ご期待ください。
◇11月19日(月)
17日にマスコミ対応のことを書いたら、早速記者会見の日程が入りました。都庁記者クラブで21日(水)午後2時~です。記者クラブは、新宿の都庁の6Fにあります。
記者クラブに送った会見の趣旨や登壇者・報告者は次の通りです。
11月21日都庁記者会見趣旨等
一般市民も自由に参加できるので、関心をお持ちの方は、どうぞご参加ください。
◇11月20日(火)
1.11月20日第18回買物ツアー
・小松さんの通告で始まりました。法的問題点を随所に盛り込まれ、素晴らしい内容でした。お客さんもきちんと通告を聞き、終わると拍手してくださるのが、とても嬉
しいです。有難うございます。
・村木さんが、「東京都への感謝状」も額に入れて展示され、展示物がますますにぎやかになりました。
・Sさんが毎週火曜日に商品Aを販売してくださることになりました。大変有難うございます。助かります。
・商品Bは大学時代以来の友人H氏が担当してくれました。なかなかの売り子ぶりでしたよ。あとで電話したら、「結構面白かった」とのことでした。
・「お触れ」で都の閉場・解体事業や改築が違法であることを記していますが、この内容を欲しいと言われる方が数人おられましたので、次回には、10部ほど印刷して「
自由にお取りください」としておこうかと思います。このHPをご覧の方には不要ですが、ネットをやられない方には入手困難でしょうから。
2.都が強引に茶屋を解体
都が強引に茶屋の解体を始めました。既に耳に入っていたのですが、今日、建物の屋上から確認しました。
茶屋の解体事業は、予定では12月から。他の建物解体が順調に進まないため前倒しされたのでしょうか。猿渡さんの私物をどうしたかを含め、今後追及していきます。
◇11月21日(水)
1.都庁で記者会見
・14時から約1時間45分、都庁記者クラブで記者会見を行ないました。
・記者会見の概要(趣旨、登壇者、報告者)及び資料は次の通りです。
11月21日都庁記者会見概要
11月21日都庁記者会見資料
・猿渡さんの司会のもと、村木さんがメインの報告、私が特に公開質問状について詳しい報告をしました。築地警察をこちらの味方につけ、都職員を逮捕できるようにし
たこと、また地裁で、都の代理人5名(及びそれとグルになった裁判官3名)を1回目(10月30日)にはノックアウト、2回目(11月5日)には戦意喪失させたことを詳しく
報告できました。
・猿渡さんは、茶屋・水神社が解体されていることについて、自分の思いを語られるとともに、私物を撤去されたことについて窃盗罪で訴える所存であることを報告され
ました。杉原さんは、なぜ自分たちが都から数々の違法行為・恫喝行為を受けてきたのに、議員等が何も動かないのか、不思議だと語られました。小松さんは、デモなど
の形に現れる動きだけでなく、自分たちが権利を学んで、主張していっているような、形に現れないところでの取組みについても報道して欲しいと要望されました。
・私の方から、冒頭に、営業権組合の取組みには、日本の民衆運動にはなかった画期的な三つの特徴が含まれているとの話もしました。それは次の三つです。
①権利者が自分の権利を学習し主張することを柱にしている
従来の運動は、指導者が権利者たちを指導し、権利者は指導者にお願いしたり頼ったりするだけの運動でしかなかった。
②警察を味方につけた
従来の民衆運動は、警察を敵視し、糾弾することばかり考えていた。
③権利者が法廷で権力者をさばいた
法廷という権力が民衆をさばく場で、逆に民衆が権力をさばいた。
・営業権者の方々の訴えは、この間の営業権の学習と買物ツアー等々の実践に裏付けられているだけに、それぞれ切実で、心の琴線に触れるものでした。しかし、これば
かりは相手に人間的感性がないと届かないものですから、都の記者クラブの皆さんの心にどれだけ響いたかはわかりません。届いていてほしいと念じるばかりです。
2.当てが外れた警備相談
水谷さんから、次のようなメールが届きました。
ツイッター上の情報ですが、猪口部長等が9月26日、築地市場内部の警備に関して警視庁と相談をしていた事が警視庁宛ての開示資料で出てきました。
営業権組合員が築地市場内に残って、営業を続ける事を想定したいたかの様な内容です。
18日に西坂部長が「転び公妨」まがいのパフォーマンスをした事が動画で出回っています。
「暴行」➡「逮捕」を誘導する事も話し合われていた可能性も読み取れます。
ツイッター上に既に流れた情報なので、警備相談の内容の画像も次に掲載します。
当てが外れた9月26日警備相談
あの「泣き落としの猪口部長」、やってくれてますね。また、長瀬警部は「永瀬警部」だったようですね。取り調べ不十分ですみませんでした。
当てが外れ、今や自らが逮捕対象になってしまった東京都職員の方々、今や猪口部長はじめ、逮捕候補者全員、涙目でしょう。あなた方が行なってきた悪業の報い
です。「天網恢恢、疎にして漏らさず」とは、よく言ったものです。
これも、警察を敵と決めつけなかったからこそ得られた成果です。10月16日のHPに「警察が取り締まるべきは、むしろ、何の法的根拠もなく違法事業・違法行為
を行なっている都のはずです」と書いた後、「待てよ、きっと刑法にこれにあたる条文があるはずだ」と思い、テレビ等で聞いたことのある「威力業務妨害罪」が頭
に浮かんで、調べてみたところ、ピッタリだったのでした。これが、あのバリケード上から「威力業務妨害罪」を通告する二日前に起きた「神の啓示」としか思えない
現象なのでした。
再度、10月16日のHPの記述を次に掲載しておきます。
ちなみに、「18日に警察が来たらどうしよう」と心配されていた方が居たようなので書いておきますと、全く心配は要りません。買物ツアーに、警察が関与する余
地は全くありません。営業権者が営業し、市民が買物しているだけなので、介入できるはずがありません。[中略]
警察が取り締まるべきは、むしろ、何の法的根拠もなく違法事業・違法行為を行なっている都のはずです。買物ツアーを監視する暇があったら、都のほうを監視し、
取り締まるべきでしょう。警察は心強い私たちの味方です。警察の方々、しっかりしてくださいよ。
この秘話をここに記したのも、法律に強くなるには、条文の暗記などではなく、「待てよ、きっと刑法にこれにあたる条文があるはずだ」と思う感覚が大事だというこ
とを言いたかったからです。つまり、日常生活の中で道理に基づいて考える習慣をつけておくこと、その訓練をしておくことが大事なのです。条文を知っているだけの弁
護士が、あの山場で何の役にも立たなかったことからも、そのことは納得していただけると思います。
実は、「18日に警察が来たらどうしよう」と心配している人がいると伝えられた方は、堀富さんの奥さんです。10月16日には買物ツアーに参加しなかった(理由があ
るのですが、今は秘密です)ので、当日買物ツアーを担当された堀富さんと電話で話していて、お聞きしたのでした。
こうしてみると、如何に偶然が重なって、ギリギリのタイミングで威力業務妨害罪に気づくことになったか、驚くばかりです。なにしろ、それまで私は刑法のことなど
考えたこともなく、もちろん本も一冊も持っていなかったのですから、なぜ降ってわいたように、「威力業務妨害罪」が浮かんだか、自分でも実に不思議なのです。
私たちの取組みには「神様が味方してくださっている」と信じていることもご理解いただけると思います。
◇11月23日(金)
1.公開質問状の期限が過ぎる
東京都への公開質問状の期限は、Ver.1(地裁で11月5日に示したもの)が11月19日、Ver.2が11月22日でしたが、都からは何の回答もありませんでした。
二つの公開質問状を比較しやすいように改めて次に掲げます。
笑い転げられますよ、都への公開質問状
笑い転げられますよ、都への公開質問状Ver.2
比較するとおわかりのように、両者はほとんど同じです。違うのは、後者に赤字で示した部分だけです。
内容のうえではほぼ同じなのにVer.2をつくった最大の理由は、注記4にあります。Ver.1では「『フェアーでオープンな討論の場』に応じられない場合には、都が当
方の見解に同意したものとみなす」としており、公開質問状に一切答えないことを想定していなかったのでした。ところが、地裁で都の代理人は「一切答えない、今後も
答えない」、「答えない理由はない」との信じられないほどの情けない対応をしたので、Ver.2では注記4を「4. 本質問状に回答がない場合、及び「『フェアーでオー
プンな討論の場』に応じられない場合には、都が当方の見解に同意したものとみなす」と変えたのでした。
昨日で、Ver.1もVer.2もいずれも期限が過ぎました。都からは何の回答もありませんでした。11月5日に都の代理人5人が戦意喪失したのですから、当然の結果とも
言えます。
昨日、ルポライターの永尾俊彦氏が都の大谷俊也中央卸市場業務課長に問い合わせられたところ、初めは「Ver.2を受け取っていない」と答えたそうです。それで私に
連絡されたので、「メールで大谷課長にも送った」旨答えたところ、改めてそれを大谷課長に伝えると、ようやく受け取ったことを認めたそうです。
今後、こんな嘘をつくことを予防するため、都の役人7名宛て(名優西坂部長にも)に送ったメールをWordファイルにして、次に掲げておきます。
公開質問状Ver.2を送ったメール
大谷さん、すぐにバレる嘘をつくとは、あまりにも役人として未熟ですよ(バレない嘘ならついてもいいと申しているわけではないですが)。そんな嘘をついたら、かえ
って自分が不利になることくらい、子供でもわかってますよ。都にもいろんな方がおられますが、特にあなたは、高慢、かつ強引です。法律に強くなるには、日頃から、
道理に基づいて物事を判断するようにしておくことが大事だと申しましたが、この言葉を「都だけに通用する受忍限度論」をはじめ、数々の強引な主張を平気でされるあ
なたに特別に贈ります。都の役人こそが他の府県や国の役人よりも優秀だとの「井の中の蛙」的発想も改められたほうがいいと思います。この間の経緯でわかったように
、むしろ逆に都の役人こそ最低レベルなのですから。何事にも是々非々の態度で臨むこと、フェアーな姿勢を持つことが、法律に強くなるうえでも、真っ当な役人、いや
、それ以前に真っ当な人間になるうえでも最も大事だと思います。
ともあれ、昨日で都から一切回答がなく、都が何の反論もできなかったことが確定しました。Ver.2注記4に書いているように、「都が当方の見解に同意したものとみ
なす」とされてもやむを得ないことになりました。
2.長崎の「動物実験施設建設計画」をめぐって
長崎の広瀬洋爾氏からメールが入り、築地の取組みに激励をいただくとともに、長崎大学が進めようとしている「動物実験施設建設計画」に関して問合せを受けました
。次のようです。
地元長崎大学が狭いキャンパスの中に作ろうとしている「BSL4動物実験施設建設計画」が発表されたのが2010年のことで、以来阻止運動を続けてきたのです
が残念ながら決定的な打撃を与ええず、来月21日に工事着工を公言されています。近隣自治会の方々と、行政や議会などに(市長、議員は建設推進で動いている街で
す)我々の意思を伝えたのですが、一貫して大学側に立って計画推進の役割を変えません。
法廷闘争をということで急遽立ち上げたのですが、正当な「工事差止めの仮処分」は、経済的に難しい状況です。
何らかヒントがあればお願いします。
広瀬氏とは、2007年に諌早湾導流堤工事を止めた前後の数年間、一緒に有明海沿岸を車で這いずり回ったことがあり、以来時折連絡を取り合っています。
今回の問い合わせに関して、さっそく電話をして、いろいろ話しました。話の要点は、次の通りです。
1)裁判は避けたほうがよい
裁判は、「むつごろう裁判」(「動物の権利」に基づいて動物を原告として提訴する裁判の一つで、有明海では名物「むつごろう」を原告とした)を担当した弁護士が
「人格権」(憲法13条)に基づいて提訴することを提案しているとのことですが、①「動物の権利」裁判を担当したという点だけからも、本気で事業を止める気がないこ
とがわかる、②「人格権」で国(長崎大学)に勝てるわけはない。100%敗訴する、と話しておきました。
少し解説を加えますと、①は、動物を原告として、動物の代わりに人間が動物の訴えを法廷で述べる、という裁判ですが、長期的に「動物の権利」を主張していくこと
はいいと思いますが、裁判でやるのは、しかも勝つつもりでやるのはやめたほうがいい、というよりもハッキリやめるべきだと思います。
②は、原発事故前まで、人格権で勝訴したのは、民間の産廃処分場建設くらいで、国を相手に勝てるはずがありません。「人格権」とか「環境権」とかの、紋切り型の
主張しかしない弁護士、個別事例に即して法的根拠を掘り下げることをしない弁護士は、それだけで信用しないほうがいいと思います。
2)事業の法的根拠を問い質す
では、どういう攻め手があるかというと、築地と同様、「事業の法的根拠を問い質す」ことだと思います。というのも、広瀬氏が、バイオハザード予防市民センターの
方から聞いたらしいですが、「法律がまだない」とのことだからです。
公共機関の行なう事業には、必ず法律上の根拠が必要です。たとえば、本HPでも紹介している福島の中間貯蔵施設の場合には、「中間貯蔵・環境安全事業㈱(JESCO)
」という、国の全額出資により設立された特殊会社に関するJESCO法を改正するという、かなり変則的な手法を採ってでも、事業の法的根拠を作りました。ですから、動
物実験施設を建設する際にも、その法的根拠を作ることが必要です。それがまだないとすれば、重大な欠陥です。
築地でもそうであったように、事業の法的根拠を問い質し、掘り下げていくことこそが、住民運動の大きな力になることを、もっと住民は知り、広め、実践していく必
要があると思います。
さもなければ、「人格権」や「環境権」や「動物の権利」といった、ヒラメ裁判官とグルになった、単なるコピペで済むだけのワンパターン詐欺により、運動が止め
を刺されるばかりか、多額の金員を巻き上げられる二重の被害を受け続けることになるだけです。いくつもの運動を経験すれば、この詐欺に気づくようになるのですが
、住民運動は、次々に新しい場所で起こり、運動の担い手はいつも新人が多いですから、次々にワンパターン詐欺にひっかかってしまうのです。
オレオレ詐欺は、わかったら逮捕されるからまだ可愛いもの。この詐欺は、合法的に行なえるだけよけいに性質が悪いというほかありません。提訴の際には、「勇気
ある裁判官に恵まれたら」などと、また判決時には「不当判決」と言っておけばすむのですから、これほど気楽に行なえる詐欺は他に例を見ないでしょう。
3.長崎大学医学部は御用学者の巣窟
長崎大学に触れたついでに記しておきますと、長崎大学医学部というのは、大変なところです。
山下俊一長崎大学副学長は、福島原発事故後の「活躍」で大変有名になった人です。事故後、福島県立医大の副学長に就任(現在も非常勤の副学長)し、事故後の福
島県民の診療に最大の責任を負った人ですが、「ミスター100mSv」という称号を県民から頂戴しました。「年間100mSvを下回ったら心配ない。笑っていれば大丈夫
」と県内各所での講演で触れ回ったからです。
他方で、その2,3年前に書いた自分の論文では「年間10mSvを超えたら若者には発がんのリスクがある」と書いていたのですから、……。人間のやれる範囲を超えて
います。
その山下俊一氏の師匠が長瀧重信。長崎原爆被曝者の被害やチェルノブイリ原発事故による被害に関し、御用学者として活躍しました。そして、長瀧氏の兄貴分が福見
秀雄。長崎大学の学長を務めたこの人、なんとあの中国人に人体実験を施したことで知られる731部隊の隊員だったのです。長崎大学には福見のほか3人、計4人の731
部隊隊員が教授として就任したとされています(詳しくは、次のサイトを参照)。
御用学者をさかのぼると、すぐに731部隊に行き着く
また、水俣病発覚時に「漁民が腐った魚を食べた」ことが原因とするゴマカシ説を発表した厚生省田宮委員会の座長、田宮猛雄氏(日本医学会会長や日本医師会会長も
務めた)もまた731部隊の隊員だったのです。
こうしてみると、本来なら戦犯として裁かれるべき731部隊の隊員が戦後如何に医学界で重用されたかがわかります。また、なぜ今、福島の子供たちに多発している甲
状腺がんのことが大きな問題にならないのかもわかります。
政界でも、岸信介という東条英機に次ぐ戦犯がCIAのスパイを引き受けたことにより延命し(岸は731部隊の責任者でもあり、その資料を米国に渡したために助かった
とも言われています)、巣鴨拘置所を出て10年足らずで首相になり(詳しくは次のサイトを参照)、岸の孫の安倍晋三まで首相になる国ですから、医学界での戦犯の重用も
当たり前のことかもしれませんが、これほどの無責任体制の国は、残念ながら、歴史上にもきわめて稀ではないかと思われます。
CIAのスパイだった岸信介
日本は、残念ながら、そんな国なのです。
◇11月25日
1.11月24日第19回買物ツアー
第19回買物ツアーは、猿渡さんの通告で始まりました。都の法的問題の指摘に加え、築地のネズミの立場に立った通告が印象的でした。本HPに記したチュウ太物語
は、猿渡さんの思想(神との対話)と共通するものがあり、猿渡さんと私は互いに共鳴しながら、チュウ太の言葉を考えてきているのです。
加えて、猿渡さんにしては珍しく、都に「チュウ告する」とジョークを飛ばされて、喜んでおられました(「チュウ告」は、そもそもYさんのオリジナルのようです。
Yさんもなかなかのセンスですよ)。ジョークの面でも成長されています。
この日は、いつもの品に加え、エビもカニもあり、大盛況でした。
2.馬鹿みたいな仮処分決定、出る
24日、都が申し立てていた仮処分命令申立書に関し、仮処分決定(11月22日付け)が届きました。次のような内容です。ついでに仮処分命令申立書も掲げておきます。
東京地裁11月22日仮処分決定
東京都10月18日仮処分命令申立書
仮処分決定についての論評は、内容上の疑問が解けてからにしようかと思っていたのですが、心待ちにしている方もおられるようなので、また、疑問点は、決定自体
とは、あまり関係がないので、疑問点と論評とを記すことにします。
・疑問点
①主文があるだけで、理由が何も書かれていないが、そんな決定があり得るのか
いくら、都の代理人が1回目ノックアウトを食らい、2回目「黙秘権」を使ったからといって、理由を何も書かないような決定があり得るのでしょうか。
実態に基づけば、「理由を書かない」というより、「理由を書けない」にほかならず、いくらヒラメ裁判官でもひどすぎるのではないでしょうか。
②決定中の「債権者に債務者のため金120万円の担保を立てさせて」の意味がよくわからない
なぜ、債権者が債務者のために「担保を立てる」必要があるのか、よくわかりません。この点は、26日以降、担保に詳しい友人弁護士に尋ねてみます。
ですが、「債権者の申し立てを相当と認め、…土地・建物を仮に明け渡せ」とした決定内容に係る疑問ではないので、論評には影響ありません。
・論評
①入場を拒んでおいて撤去命令も何もないもんだ
都は、10月19日以降、築地市場への入場を一切拒んでいるが、他方で営業権者に「残置物を撤去せよ」と命令している。決定は、この矛盾について、何も触
れていない。「撤去」や「明渡し」を言うなら、何よりもまず入場拒否を解除しなさいな。
②決定は、「許可に基づく営業」についてのものであり、「のれんに基づく営業」については無効
仮処分命令申立書も仮処分決定もいずれも、「許可に基づく営業」に関し、条例88条1項の「使用指定」をした場所の土地・建物の明渡しについて論じたもの
に過ぎない。営業権者は、「許可に基づく営業」でなく、「のれんに基づく営業」を行なっているのであり、それに関しては、決定は全く無効である。
③仮に決定が有効としても、場所を変えればすむだけ
反論は②で十分であるが、仮に百歩譲って決定が有効としても、仲卸棟内の別の場所に私物を移動しさえすればよいだけのことである。
たとえば、杉原さんと村木さんは隣同士なので、私物を隣に運べばよいだけ。さらに、私物を物々交換すれば、元の位置に置いておくだけで済むことである。
・結論
判決とか決定と言うと、営業権者が恐れ入ると思ったら大間違い。あなたたちをノックアウトしたり、完黙に追い込んだりしたのだから、恐れる気など全くあり
ませんよ。東京都は、悪あがきを辞め、潔く観念しなさい。以上。
◇11月26日(月)
1.仮処分決定の疑問点、解消
H弁護士に問い合わせて、上記の疑問点がわかりました。
・疑問点
①主文があるだけで、理由が何も書かれていないが、そんな決定があり得るのか
普通はあり得ないとのことです。しかし、ノックアウトも完黙もあり得ないことですので、決定も「あり得ない決定」になるのは当然とも言えます。
これで、「あり得ない」三点セットの完成です。
②決定中の「債権者に債務者のため金120万円の担保を立てさせて」の意味がよくわからない
現状を変更することになるため、債務者から損害賠償請求されることがあるので、それに備えて債権者に担保を立てさせるのだそうです。
ということは、杉原さんが、決定に従って私物を他所に移動すれば、120万円までの損害賠償請求が可能で、支払われる可能性も高いということです。こちら
は、事業実施後の損害賠償でなく、事業実施前に必要な損失補償を請求し、東京高裁H3.7.30判決まで教えてあげたのに、「損害賠償」でお茶を濁すなど、いか
にもヒラメ裁判官らしいやり方です。まあ、一方的に都を勝たせるわけにもいかないので、ヒラメとしては「おあいこ」の決定を考えたと、好意的に理解してあ
げましょう。
というわけで、やはり、上記論評には何の係りもない、ただ裁判官のヒラメ度を示すだけの疑問点に過ぎないのでした。これにて一件落着。
しかし、それにしても、都は、撤回書60通分をどうするつもりなんでしょうか。まさか、あの手続き・内容共に「公序良俗に反する」の一言で斥けられる書面を有効
とするんじゃないでしょうね(10月15日撤回書物語3を参照)。そんなことしたら、末代までの恥になるし、懸命に泣き落としをした猪口部長が可哀想過ぎますよ。
◇11月28日
11月26日に都が村木・杉原両氏に行政処分を出していることがわかりました。次に掲げます。
処分決定通知書
都が一段と凶暴性を露わにし、裁判所と組んで弾圧にかかったといういうことです。
築地から豊洲に移転することに伴い、大部分の業者が大幅な収益減を被るのに、一切損失補償をせずに強行するなど、民間でもあり得ない暴挙です。
11月17日に村木さん・杉原さんに「残置物を撤去しなければ、許可取り消しなどの不利益処分をする」旨の脅し文書を送ってきたこと、及びそれについての弁明書に
「もっともなことが書いてあったので、処分はしません」と柏原氏が言って帰ったことを書きましたが、その柏原氏が処分通知書を持ってきたそうです。先日の発言に触
れると「そんなこと言っていない」と言ったそうです。口頭ではいくらでも嘘をつく人たちです。
不利益処分をするには、行政手続法(憲法31条を行政手続きにも反映させるべく作られた法律)で「意見陳述の機会」(聴聞又は「弁明の機会の付与」)を設けること
が義務付けられており、今回の不利益処分にその機会が設けられていないことを聞くと「今回は必要ない」と答えたそうです。
行政手続法を調べてみたら、13条2項1号に「公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき」
には意見陳述のための手続きをとらなくてもよい旨の規定があり、これを適用したためと思われますが、「仲卸業の業務の停止」がなぜ「公益上、緊急に不利益処分を
する必要があるため」の処分にあたるか、とうてい説明できません。
また、従来から指摘しているように、憲法29条や東京高裁判決を無視し、損失補償を全くしないでおいて、条例のみを根拠とした違法な処分です。
処分の違法性を指摘する文書を作りました。下に掲げます。
行政処分決定通知書について
処分の手続きも内容も強引すぎますが、こんなにひどい処分をやるのか、という民衆の怒りをかきたてることにつながるのではないか、また、つなげられるのではな
いか、と思っています。とくに、豊洲に移転して収入が激減している方たちが、「自分たちの代わりに自分たちを代表して都政と闘ってきている方が弾圧されるのを見
過ごしてはならない」との意識を持ち、都政への怒りを形にしていただければ、と念じています。
追記:しばらく出張なので、ペースダウンすると思います。予めご容赦願います。
◇12月2日(日)
出張先から11月30日深夜に帰京し、12月1日(土)の第21回買物ツアーに参加しました。
1.12月1日第21回買物ツアー
第21回買物ツアーは村木さんの通告から始まりました。営業停止処分後、初の買物ツアーで、営業権者も市民も営業停止処分のことを十分に意識した、気持ち・気合
のこもったツアーになりました。村木さんが「営業停止の村木です」と挨拶されると市民から、笑いと拍手がわき、村木さん・杉原さんを支えようとの市民の熱意がひ
しひしと伝わってきました。実際、今までにもまして、市民の方々が熱心に買物ツアーを手伝ってくださいました。有難うございました。
この日は、仙台から東北地区水産物卸組合連合会の菅原邦昭氏(ツアーで掲示している「卸売市場の社会的役割と使命」の筆者)も買物ツアーに駆けつけて下さり、
築地の営業権者の方々の取組みにに感謝されるとともに、おおいに激励してくださいました。エネルギー溢れる菅原さんの激励を受け、おかげさまで営業権者の方々も
大変元気になられました。
2.チャンネル ベリタスの記事
チャンネル ベリタス(https://www.channelveritas.org/)に貴重な情報が掲載されました。次の通りです。
〇築地市場は閉場していない
11月30日築地市場の豊洲移転について都に聞いた。
都の担当者は、最初は築地は閉場としていたが、農水省の閉場認可はあるかとの問いに、閉場ではなく、名称と位置の変更、つまり、東京卸売市場の名称変更と場所
の移転であると説明した。
したがって築地市場は閉場しているわけではないことが確認された。
次に、なぜ毎年のように市場取扱高が減少しているのに、6000億円もかけて豊洲に移転したのかと聞くと、なぞ、と話す。
また、来年1月末までに築地跡地を売却するか、貸付するかについて審議するとされているが、仮に売却ならどれくらいで売れるかと聞くと、あくまでまだ決まった
話ではないがとしたうえで、4500億円か、それより高く売れる可能性があると話す。
売却する場合、その売却金は豊洲の減価償却費縮小にあてられることになると思われるが、その場合であっても本紙調査では、毎年数十億円程度の赤字が依然として
出ることになるがどうかとの問いには、仮定の話ではあるが、毎年3%程度の市場取引高減少の場合、赤字が引き続き発生する見込みという。
次に、2017年6月20日に小池都知事が、都知事の役職(行政の長)の立場で表明した、「築地は守る、豊洲はいかす」との公約について聞いた。
仮に、築地跡地を売却するにせよ、貸付するにせよ、築地市場が守られない場合、この公約表明を聞いて、多くの豊洲移転に反対していた市場関係者が、築地市場存
続を勝取ったと錯誤し、移転費を自ら負担し、補償金等を要求しないとしたとすれば、都知事は市場関係者や税金を負担する都民にうそをついて(騙して)、豊洲移転
したことになる。
それは道義的にも、政治的にも、法的にも大きな責任が生じると質したところ、あくまで一般論の仮定の話としながらも、うそをついたことになるという点では、見
解の一致をみた。
都は、築地存続を望む業者に立ち退きの仮処分を申請し、残置物撤去等の強制執行を行っているが、都民の立場から見て、豊洲移転の経済合理性、移転最終決定の経
緯など、行政の長である都知事がうそをついて、市場関係者や都民を騙し、豊洲移転を正当化しようとしているとしか見えない。
今後、大きな責任問題(都知事及び都)にも発展しそうだ。
①築地市場が存続していること、②豊洲市場が、毎年赤字を出すことになるので、できるだけ早く豊洲を売ることが都の財政上好ましいこと、③小池知事が「ウソをつ
いた」ことにより損失補償なしの豊洲移転が強行され得たことの指摘は大変貴重で、かつ都の急所を突いています。
小池知事が知事として「築地は守る、豊洲はいかす」とのウソをついて、損失補償なしの豊洲移転を可能ならしめたことは、今後、道義的にも、政治的にも、法的にも
大きな責任を生じさせることになるでしょう。
3.異常極まりない「明け渡しの強制執行」
東京地裁からの11月22日付け仮処分通知書(土地・建物を仮に明け渡せ、という仮処分決定を通知する書面)が届いたのが11月24日(土)でした。
ところが、驚いたことに、わずかその二日後の11月26日(月)に東京地裁は、仮処分決定に基づく「仮引渡執行」を強行しました。村木・杉原両氏に「土地・建物を明
け渡せ」と命令しておきながら、両氏による自主的な明け渡しの時間をほとんど(わずかに2日足らず、しかも24日(土)に両氏に届いて、26日(月)に強制執行したのです
から「間髪を入れず」と言えます)与えないで、いきなり裁判所が強行するとは、どう考えてもおかしなことです。
「仮引渡執行」の内容を記した11月26日付け仮処分調書を次に掲載します。
仮処分調書(平成30年11月26日)
民事執行法に定められた強制執行手続の流れは次のとおりです。
1.強制執行の申立
2.執行官との打ち合わせ
3.明け渡しの催告
4.明け渡しの断行
この流れにおいて「明け渡しの催告」が鍵になりますが、それは、「引き渡し期限」とその数日前に設定される「断行日(強制執行を行う日」を公示書に記載し、物件
に貼り付ける手続きのことです(民事執行法第168条の2)。
建物明渡・強制執行の進め方(https://tateake.authense.jp/manual/manual_5.html)には、次のように説明されています。
執行官との打ち合わせで「明渡しの催告」の日が決まったら、実際に賃貸物件にいくことになります。「明渡しの催告」とは、賃貸物件に執行官、立会人(執行官
が用意してくれる場合が多いです。)、賃貸人または賃貸人の代理人、執行補助者、鍵技術者が出向き、物件の占有状況を確認した後、引き渡し期限と実際に強制執
行を行う日を公示書に記載し、物件内に貼り付ける手続のことをいいます。
引渡し期限は、明渡しの催告があった日から1カ月を経過した日と定められており(同条第2項)、実際に強制執行が行われる日(通常、実際に強制執行を行うこ
とを「断行」といい、その日のことを「断行日」といいます。)は明渡し期限の数日前に設定されるのが通常です。引き渡し期限=断行日ではありませんので注意し
てください。賃貸人にとって重要なのは断行日ですので、その日は忘れずに確認しておく必要があります。強制執行の申立てをしてから「明渡し催告」の日までは、
約2週間程度かかります。したがって、断行日までは、さらに4週間程度かかるということになります。
要するに、民事執行法に基づけば、強制執行の申し立てをしてから、断行日までに約6週間かかるところを、本件では、仮処分決定からわずか4日後(実質的には「間髪
を入れず」)に強制執行したのですから、本件手続きがいかに異常だったか、明らかです。
しかも、手続きのうえで鍵になる「明け渡しの催告」は、村木・杉原両氏に対して全く行なわれていません。両氏には全く知らされないまま強行された全くの不意打
ちだったのです。「明け渡しの催告」が物件内に貼り付ける方法を通じてなされた可能性はありますが、東京都は両氏の築地市場への入場を拒んでいたのですから、両
氏がそれを知ることなど不可能で、そんな方法で「催告」をしたなどと言えるはずがありません。仮処分調書は、これらの問題点を全く無視して、「債務者が不在のた
め引き渡すことができず」の一言で片づけています。
これほど横暴な「強制明け渡し」が法的に可能とは、とても思えません。
明日以降、本件の手続きに違法性がないかどうか、詰めてみたいと思います。
◇12月3日(月)
1.築地市場廃止事業の違法性 その1.損失補償を全く支払っていないことが問題の根源
東京都は、築地市場廃止事業に際して、さまざまな違法行為を犯しています。
いままでの復習にもなるのですが、改めて整理して、かつわかりやすく記していきたいと思います。
1)築地市場が豊洲に移転すれば収益が減る
築地市場から豊洲市場に移転した業者は、収益が激減しているようです。当日の買い物客に依存している業者は、売上げが三分の一程度に減ったようです。銀座に近
い一等地の築地から陸の孤島の豊洲に移転したのですから、当然です。豊洲移転に伴う収益減は、移転する前から十分予測されたことです。
2)収益減をもたらす公共事業には補償が必要
業者は、自ら選択して移転したわけではありません。都の企てた公共事業によって移転させられたのです。ならば、収益減をもたらす公共事業を強制したのですから、
事業主体の都が収益減に対して補償すべきは当然のことです。
その当然の補償を都が全く支払っていないことが問題の根源です。
3)補償には損失補償と損害賠償がある
補償には損失補償と損害賠償の二種類があります。
損失補償とは、公共事業に伴って収益減が確実に見込まれる場合、事業に先立って予め支払われる補償です。損害賠償とは、収益減が確実には見込まれなかったけれど
も事業を実施したら明確になった収益減に対して支払われる補償です。
損失補償は、補償を支払わずに事業を実施したら、事業自体が違法になるので、事業に先立って予め支払わなければなりません。損失補償を支払ったうえで実施される
場合には、その事業は適法になりますから、損失補償は「適法行為に伴う補償」と言えます。
それに対して、損失補償を予め支払うことなく、事業を実施して収益減がもたらされれば、その事業は違法行為になり、損害賠償が必要になりますから、損害賠償は
「違法行為に伴う補償」と言えます。
4)都は損失補償(営業補償)を全く支払っていない
公共事業に伴う損失補償に関しては、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」という要綱が1962年に閣議決定されており、事業主体は、要綱に基づいて損失補償
を支払わなければなりません。要綱は、厳密に言えば「公共用地を取得する」場合に適用されるのですが、用地取得を伴うか伴わないかに関わらず、収益減は同じように
もたらされますから、用地取得を伴わない場合にも要綱に照らして損失補償しなければなりません。
注:例えば、築地市場に国道が通る場合は「用地取得を伴う」ことになり、築地市場を廃止して豊洲に移転させる場合には「用地取得を伴わない」ことになります。
ところが、都は、要綱及びそれに基づいて策定した基準があるにもかかわらず、損失補償を全く支払っていないのです。
5)損失補償の無視は憲法29条違反
損失補償の無視は憲法29条違反になります。要綱は、憲法29条「財産権は、これを侵してはならない」に関して、「財産権の侵害」に際しての補償について定めたも
のだからです。
築地業者の持つ財産権は営業権です。営業権は、一般的な場所における営業よりも高い収益力(超過収益力)のある営業が持つ権利です。許可を得て営業していたり、
長年の営業努力によって培われた信用(のれん)を伴っていたりする場合に営業権を持つのです。築地業者の場合には、許可に基づいても「のれん」に基づいても営業権を
持っているのです。
営業権の侵害に関して、要綱は、「営業廃止の補償」、「営業休止の補償」、「営業規模縮小の補償」が必要と定めています。移転に伴う営業補償の代表的なものが「
得意先喪失補償」です。
ところが、都は、営業を廃止した業者に対して「営業廃止の補償」を支払わず、得意先を喪失した業者に「得意先喪失補償」を支払わないなど、一切の損失補償を支払
っていないのです。これは、明らかに憲法29条違反です。
6)損失補償を支払わない根拠は「受忍限度論」
都が損失補償を支払わない根拠としているのが、HPで度々触れてきた「受忍限度論」です。経済的損失があったとしても「受忍限度(我慢できる限度)」内におさまる
程度だというのです。
「受忍限度論」のおかしさについては、度々紹介してきた「加害者が加害行為の受忍限度を一方的に決められない(セクハラ行為に即して考えれば明らか)」で十分でし
ょう。
7)損害賠償の無視も憲法29条違反
憲法29条違反は、損失補償の無視だけではありません。損害賠償を無視することも憲法29条違反になります。
ですから、築地市場から豊洲市場に移転して収益が減少した業者は損害賠償を請求できます。売り上げが三分の一に減った業者が、移転を強制した都に対して損害賠償
を請求することは、常識的にも当然ですが、憲法にも、また民法(709条)にも根拠があることなのです。
収益減に陥っているのは、場外市場の業者も同様です。築地市場近くのある場外業者は、売上げが4割程度減ったそうです。場内業者の「三分の一に減少」よりもまし
とはいえ、売上げ4割減でも赤字経営に陥ることは明らかでしょう。
ちなみに、場外業者も「築地」という「のれん」に基づく営業権を持っていますから、収益減に陥っていることは、営業権が侵害されたことを意味しています。
8)都がなぜ損失補償を無視したか
都がなぜ損失補償を無視したか、もうおわかりでしょう。日本一、世界でも有数の築地市場、世界的に有名なブランド力を持つ築地市場の移転に際して、損失補償を払
ったら莫大になるからです。
損失補償を払ったら莫大になるということは、損失補償を無視されたら業者は大変な経営難に陥るということにほかなりません。都の憲法違反の行為によって業者が
赤字経営に陥り、倒産の危険に曝されることになるのです。
ましてや、築地移転に際しては、小池都知事の「築地は守る、豊洲はいかす」発言により、築地業者がだまされて損失補償なしの移転に同意したのですから、都の違法
性は明らかであり、都の責任は重大です。
9)泣き寝入りせずに損害賠償を請求しよう
豊洲に移転させられて収益減に陥っている業者が、このまま泣き寝入りすれば、都は「ほら見ろ、受忍限度内だったじゃないか」と居直ることになります。そうなるこ
とは、業者にとって好ましくないばかりか、横暴な都政を許すことになり、社会的にも好ましいものではありません。
収益が減少し、経営難に陥っているのは、いうまでもなく個々の業者の責任ではありません。明らかに収益減につながる豊洲移転を強行した都の責任です。
そのうえ、12月2日のチャンネルベリタスの記事に指摘されているように、豊洲市場を続けることは、都財政にとっても負担となり、そのツケは都民に押し付けられる
ことになるのです。
収益減に陥って困窮している場内・場外の業者が泣き寝入りせずに声をあげること。これが、築地市場問題を解決していくうえでの最大の鍵なのです。
◇12月5日(水)
1.12月4日第22回買物ツアー
第22回は新企画になりました。村木さんのアイデアで、これまで買物ツアーの初めに営業権者が行なってきた「都への通告」を市民が行なうようにしたからです。
いつも、買物ツアーを支えてくださっているKさんを皮切りに、約10名の市民の皆さんが、自分の思い・考えを都に向けて話してくださいました。それぞれの方が
築地市場問題をいかに深く考えておられるか、また、いかにいろいろな視点があるかに感銘を受けました。大成功の試みでした。ご協力、有難うございました。
2.撤回書物語3を微修正
10月15日に記した「撤回書物語3」の電話の時刻・回数、及び電話に出た方の氏名がわかりましたので、より正確にするべく、以下のように微修正します。
3.撤回書物語3
事実は小説よりも奇なり。撤回書に関しては、まだまだ予想をはるかに超えた面白い展開をします。
東京都の撤回書対策文書について、村木さんが「公序良俗に反する」と通告しようとして、14日(日)の9:27,9:50,14:23の計三回、連絡先として記されている「中
央卸売市場築地調整担当(跡地管理)」の電話番号03-3542-0325(直通)に電話されたそうです。
ところが、ビックリ仰天。9:27には、畠山(漢字は正確でない可能性あり)氏が出て「担当者がいない」と言ったそうです(氏名は三回目の電話で判明)。二回目9:58
には、誰も電話に出ず。三回目14:23には、9:27と同じ声の主が出て「担当者が居ない」と言ったので、氏名を聞いたところ「はたけやま」と名乗ったそうです。
14日午後3時まで(午前9時から)に書類を提出しろ、提出しないと撤回書を無効にする、と書いておきながら、また異例の日曜出勤もしておきながら、「担当者
がいない」とは、その無責任ぶりには唖然茫然です。
そして、14日15:24、猪口部長から村木さんに電話が入りました。
まず、届け出期限について抗議すると「村木さんは提出が遅れても受け付けます」と言ったそうです。これにも呆れますが、「公序良俗に反する」を言うと、「わ
かって下さいよ」と延々と泣き言を言ったそうです。
この機会に改めて10月15日記載の「撤回書物語1~3」を読まれると、都の横暴さ・無茶苦茶ぶりがよくわかります。とても面白いですよ。
3.営業権組合の口座開設のお知らせ
営業権組合の口座を開設しました。村木・杉原両氏への不当極まる行政処分に関し、多くの激励・支援の声が届けられたため、支援カンパの受け入れを可能にするた
めです。
口座番号は次の通りです。
中ノ郷信用組合 京橋支店(店番号017) 普通預金 口座番号2056883 築地魚市場営業権組合(ツキジウオイチバエイギョウケンクミアイ)
ちなみに、中ノ郷信用組合は、1923年関東大震災後の復興時に、協同組合運動で奮闘された賀川豊彦氏が創設された信用組合だそうです。営業権組合の口座として
大変ふさわしい金融機関だと思います。
築地市場存続・再生のため奮闘している営業権組合の取組みに賛同いただける方々のご支援を宜しくお願いいたします。
◇12月6日(木)
1.仮処分決定についての反論
東京地裁11月22日付け仮処分決定についての現時点での反論をまとめましたので、次に掲げます。同仮処分決定及び東京都10月18日付け仮処分命令申立書も掲げて
おきます。なお、近々、村木・杉原両氏への行政処分についての反論もアップする予定です。
東京地裁11月22日仮処分決定についての反論
東京地裁11月22日仮処分決定
東京都10月18日仮処分命令申立書
2.東京都11月1日付け「主張書面」を掲載
遅ればせながら、東京都11月1日付け「主張書面」を「11月5日」に掲載しました。下にも掲載します。
東京都「主張書面」
◇12月7日(金)
行政処分に「重大かつ明白な瑕疵」がある場合には無効になりますが、村木・杉原両氏への行政処分には、「重大かつ明白な瑕疵」とも言えるほどの著しい瑕疵が
あります。
ぜひ、みなさんで「重大かつ明白な瑕疵がある」と広めていただき、無効に追い込みたいと思います。仮に無効に追い込めなくても、みんなが関心を持つようになれ
ば、取消訴訟で断然有利になります。
では、その「重大かつ明白な瑕疵」は何かって?
今日、村木さんにも東京都の田中市場長にもH弁護士にも話しましたが、もう眠いので明日以降に記すことにします。明日も買物ツアー等々があるので、9日(日)
までには記すようにします。わかれば簡単なことなので、理解も広めやすいと思います。
お楽しみに。
◇12月9日(日)
1.12月8日第23回買物ツアー
12月8日第23回買物ツアーは、前回と同じくツアーの開始から終了間際まで市民からの都への通告が行なわれるなかで実施されました。最近の買物ツアーで見られ
るようになった傾向ですが、開始時に集中せずに、営業時間中に分散して来られるお客が増えました。そのほうが、待ち時間が少なくて済むためでしょう。リピーター
の方が身につけられた知恵でしょう。
また、村木さんから、市民の方も含めた忘年会を持つ予定であることが報告されました。期日は、次回の12月11日買物ツアーで発表すると報告されましたが、その後
の打ち合わせで12月22日午後2時半頃から持つことを決めました。今後の変更はおそらくないと思います。ご希望の方はどうぞご参加ください。
2.カンパ口座の会計報告について
ムラキ・杉原水産への行政処分を機に、営業権組合へのカンパを受け入れる口座を開設しましたが、それに伴い、会計報告をどのように行なうかを決める必要があり
ますので、8日の打ち合わせで次のように決めました。
収入:収入の年月日・氏名(個人情報保護のため原則としてイニシャルにします)及び金額を表の形で、時折、当HPに掲載する。
支出:①行政処分を受けたムラキ・杉原水産の営業停止中の社長・従業員の生活費+②築地市場存続・再生のための営業権組合の活動費に充てる。
以上のことをご理解の上、カンパを宜しくお願いいたします。
3.ムラキ・杉原水産への行政処分は無効である
1)行政処分の法的根拠は条例第91条
東京都が11月26日付けで交付したムラキ・杉原水産への行政処分の通知書を次に再掲します。
処分決定通知書
通知書に示されているように、行政処分の法的根拠は条例第91条と第103条第1項第5号です。しかし、条例第103条第1項第5号は「条例に違反したときは処分でき
る」旨の規定ですから、実質的な法的根拠は第91条しかありません。
2)条例第91条のポイントは「使用資格が消滅したとき」
第91条は次のような規定です。
(市場施設の返還)
第91条 使用者の死亡、解散若しくは廃業等又は業務の許可の取消しその他の理由により市場施設の使用資格が消滅したときは、相続人、清算人、代理人又は本人
は、知事の指定する期間内に自己の費用で当該施設を原状に復して返還しなければならない。ただし、知事の承認を受けた場合は、この限りでない。
この規定のポイントは、使用者に起因して「使用資格が消滅したとき」にあります。
3)本件は「使用場所が消滅した」に過ぎない
では、本件は、使用者に起因して「使用資格が消滅したとき」にあたるでしょうか。
明らかに違います。本件では、都が築地市場を豊洲に移転することを決めたために、使用者の使用場所が消滅したに過ぎません。
原因は使用者には全くなく、都にあります。そして、使用者の使用資格が消滅したわけでも全くありません。
要するに、都は「使用場所が消滅したとき」を第91条の適用要件「使用資格が消滅したとき」にすり替えて本件に第91条を適用したのです。
「使用者に起因して使用資格が消滅したとき」にあたらない本件に第91条を適用することは「重大かつ明白な瑕疵」にあたります。
したがって、本件行政処分は無効です。
皆さん、ぜひ、この「重大かつ明白な瑕疵」を広めて、都の凶暴で違法な行為を多くの人に知ってもらうようにしてください。
これを広めれば広めるほど、本件行政処分の無効あるいは取消しを勝ちることができるようになります。
皆さんのご協力を切にお願いいたします。
広めやすいよう、3.の記述をWordファイルにして脚色を加え、次に掲載しておきます。
仲卸業者への行政処分は無効である
◇12月10日(月)
1.山本太郎議員、來る
12月11日(火)の買物ツアーに山本太郎議員が来られるそうです。熱弁が聞けると思います。
ご期待ください。
◇12月11日(火)
1.田中賢也市場長が質問の伝達を約束
12月7日に村木さんとともに田中市場長と会いました。
会った理由は近いうちに報告しますが、ここでは、その際に行なった都への三つの質問事項を紹介するとともに、コメントを付しておきます。
①10月18日以降の築地での事業の法的根拠は何か
熊本コメント:10月9日に都は築地での事業の法的根拠を「改正条例の10月11日施行」と答えてきました。改正条例の内容は築地市場の「位置及び面積の変更」で
あり、改正条例に基づいて10月11日~17日に豊洲に移転したのです。
では、10月18日以降、築地市場で行なわれている事業の法的根拠はどこにあるのでしょうか?それが「位置及び面積の変更」を決めただけの改正条例にあるはずは
ありません。では、何なのでしょうか?
②のれんに基づく営業に都が関与できるのか?できるとすれば、その法的根拠は何か?
熊本コメント:築地市場正門前での買物ツアーは「のれん」に基づいて行なわれています。「のれん」に因る営業に条例は一切関与できないはずです。都が買物ツア
ーに関与できるとすれば、その法的根拠は一体何にあるのでしょうか?
③条例91条は「使用者に起因する使用資格の消滅」にのみ適用できる規定であるのに、なぜ「都の政策(移転決定)に因る使用場所の消滅」に適用したのか
熊本コメント:上掲の「仲卸業者への行政処分は無効である」文書をお読みください。ちなみに、上掲「処分決定通知書(11月26日付け)」には、「築地市場の閉場に
伴い、当該市場施設の使用指定は消滅しました。使用資格が消滅したときは、……」と、さりげなく「使用指定(場所)消滅」が「使用資格消滅」にすり替えられていま
す。
田中市場長は、以上三項目の質問に「私は回答しません」としながら、都の担当部局に伝えることを約束してくれました。
担当部局の方々、回答を楽しみにしていますよ。