アイリスフィール・フォン・アインツベルン

登録日:2011/01/15(土) 21:15:52
更新日:2018/11/18 Sun 23:19:00
所要時間:約 15 分で読めます




Fate/Zero』のメインヒロイン?
声・大原さやか


身長:158cm
体重:52kg
誕生日:2/1
サイズ:B85 / W56 / H84


衛宮切嗣の妻であり、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの母。
愛称はアイリ。漢字(日本語)表記だと愛理。
人間ではなく、アインツベルンによって錬成されたホムンクルス。
第四次聖杯戦争においては夫・切嗣の戦略に従い、セイバーの表向きのマスターとして戦場に立つ。


母としての慈愛と、貴人としての気品、子供のような純真さを合わせ持った女性。
普段は穏和で朗らかな貴婦人だが、眦を決し居丈高に振る舞えば女帝さながらの貫禄を発揮する。

切嗣から教わった車の運転が大のお気に入りで、冬木市でも移動手段としてメルセデス・ベンツェ300SLクーペを持ち込んで乗り回していた。
腕前のほどは、助手席のセイバーが強ばった苦笑いで「達者な、運転……ですね……」と評する程度。

夫・切嗣とは対照的にセイバーとの関係は非常に良好で、召喚後の短い期間で互いに深い信頼で結ばれた。
セイバーからはサーヴァントとしての契約とは別の、騎士としての忠節を誓われている。
また彼女自身も、あらゆる意味で相容れない切嗣とセイバーの「緩衝材」となるよう努めて振る舞っていた。
お転婆な姫君に振り回される生真面目な騎士……そんな二人の姿は、ときに「主君と従者」というより「姉妹」のようでさえあった。

一方で、古くから切嗣の傍らに侍ってきた久宇舞弥に対しては、その氷のような無表情さと感情を見せない人柄にきっと冷徹な人なのだろうという印象を持ち、
苦手意識を持っていた。
だが、言峰綺礼がやって来ていると言ったとき、彼女が感情を見せ、それを目にしたことで舞弥への印象が変わり共闘。
「切嗣を守る」という共通の目的を通じ、友情めいた信頼関係を築くようになる。


アインツベルン謹製のホムンクルスだけあって魔術回路は非常に優秀で、純粋な魔術師としての位階は夫より数段高位。
戦闘用の魔術こそ持たないものの、アインツベルンの誇る錬金の秘奥、「貴金属の形質操作」と「疑似生命の創出」に関しては他の追随を許さない。

作中では、自らの礼装である「銀の針金」に魔力を通すことで即製の使い魔を作成し、
獣と針金、双方の特性によって言峰綺礼を(一時的にだが)拘束することに成功した。
また、錬成した体組織を移植することで重症を負った久宇舞弥を治療した。

万一の保険として切嗣の指示で体内に全て遠き理想郷が埋め込まれているため、セイバーが近くにいる限りどんな負傷も回復できる。

より高度な、聖杯戦争に特化したホムンクルス(つまりイリヤ)の母体として設計されたプロトタイプであると同時に、
前回(第三次)の聖杯戦争が「小聖杯の破損」という痛恨事によって勝者すら定まらず終結したことを受けて製作された「器の守り手」であり、
その胎内に小聖杯を収納している。
故に戦いが進み、敗れた英霊の魂が入る毎に人間としての機能は失われ、最期には自らの肉体を無機物に還元することで聖杯を完成させるという運命を背負っている。
尚、自我を保っていられるのはサーヴァント3体分の魂までで、それ以上取り込むとアイリスフィールとして命を落とすようになっている。


切嗣と出会った当時は感情は希薄であり、切嗣自身も冷たい態度だったが彼と月日を過ごす毎に愛し合うようになっていった。

自らの「道具」としての生に人としての彩りを与えてくれた切嗣を深く愛しているが、同時に自身と同じ定めを負うであろう娘の行く末を深く案じている。
アインツベルンのホムンクルスとしての呪われた運命を自身で終わらせ、イリヤを救済すること。それが彼女の「母」としての願い。

切嗣に対して「理想の共有者」という姿勢を見せているが、それは自分の犠牲が彼の負担となることを避けるため。
本人が言うには、切嗣の変えようとしている世界を分かっていない、切嗣の理想がどういうものかきちんと理解できていないらしい。
だが冬の城から出たことのない彼女に世界を真に理解しろという方が酷だろう。アイリが実際に目にし、経験した世界など、冬木での数日だけである。
切嗣の理想に関しては、彼本人すら明確なビジョンが無く聖杯頼りであったし。



戦いが進む中、「予定通り」壊れていくアイリは、後の衛宮邸となる屋敷の蔵に魔方陣を敷き、そこを最期の地と定め、
切嗣との最後の邂逅にあたって『全て遠き理想郷』を夫の手に託した。

……ちなみに最早満足に身体を動かす事も出来なくなった自身の代わりにセイバーに陣を敷かせたのも、彼女である。
後にこの場所へセイバーが召喚される事を思うと、胸に来るものがある。
最終局面において、言峰の策略によって誘拐された彼女は、衛宮切嗣という男に関する短いが深刻な問答の末に殺害され、その生涯を終えた。

彼女の死後、切嗣は聖杯の内側で彼女の人格の殻を被った聖杯の意思と出逢い、
問答の末に聖杯を拒絶しイリヤを殺害した切嗣に憎しみを爆発させ、彼に凄まじい憎悪と呪いの言葉を浴びせかけ消滅した。

「――呪ってやる――」

このアイリもイリヤも本物ではない。
だが、娘を殺された悲しみや憎しみは本物のアイリも間違いなく懐くだろうと切嗣は考察している。



元々原作「Fate/stay night」時点では、イリヤが初の器物でない聖杯であり、第四次はアイリはイリヤと共にアインツベルンの城に居た。
金ピカも「今回の聖杯は変わり種」とイリヤに対して言及している。

アハト翁は「戦いの余波で聖杯が壊れないこと」を最優先していたので、
「サーヴァント5体が倒れ、後は自身と敵のサーヴァント2体だけとなり戦いの規模が小さくなるまでは自立して稼働出来る」だけのスペックが必須だった。
ぶっちゃけアイリは致命的なスペック不足。

これは、「切嗣とセイバーは会話も必要最低限で、終始険悪なまま。戦いの時だけは連携して敵を狩った」という原作時点での設定が小説にする上で描写が困難で、
物語における潤滑・緩衝剤が欲しいと作者が判断し、アイリ登場を優先させたことに起因している。
原作との差異の一つとして争点になるが、要はこの『Fate/zero』という作品を好むか否かに集約するので、各々で判断するのが無難だろう。
その差異に関しては、zero1巻発表後の「Fate/hollow ataraxia」内で、
イリヤが「あれは勘違いだった(第三者視点の解説文なので勘違いの余地は無いのだが)」と何とも苦しい釈明をしている。



【その他登場作品】

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

Fate本編とは平行世界の彼女。
イリヤの母であり、士郎の義母。セラリズの言う「奥様」。
こちらの世界では聖杯戦争自体が中断されているため、夫ともども存命中。しかし夫婦揃って「仕事」で海外にいるため基本的に家にはいない。
実際は夫婦そろって中断された聖杯戦争の後始末をしているらしい。

Zeroでのキャラからある程度予測できたが、出る度にシリアスな空気を完全破壊するエアブレイカーママ。
登場時にお高い車に乗ってくるのがお約束だが、「Zero」でセイバーが表情を引き攣らせた運転の荒さはこちらでも同様らしく、一回事故って壊している。
ツヴァイ2巻の裏表紙によると美遊からは、「あの破天荒さは演技の匂いがする」「底が読めない」ことから少し怖がられているらしい。

魔術師としてはかなりの実力者らしく、転身しているイリヤや英霊化しているクロを針金の拳の一撃でKOした。
……子供の躾にそんなもの使っていいのだろうか。

初登場は無印の12話。出て早々に娘と共に入浴シーンな辺り、ひろやまひろしの本気が伺える。

2wei!では自身の素性に悩むイリヤに、その正体についてを(読者にも)解説してくれた。風呂場で。バスタオル姿で


アニメ3期のアニオリ回では聖堂教会に属すると思われる華憐先生に対して、露骨に威圧する素振りを見せており、
そういった魔術系の組織に睨まれていると推察できる部分がある。



『おしえて!アイリママ』のコーナー!
子供たちからの質問に何でも気分次第で答えるわよー

ちなみに、実の娘であるイリヤに比べると、義理の息子の士郎の扱いはやや悪い。

①アイリ
-神の壁-
②キリツグ
-父の壁-
③イリヤ
-お嬢様の壁-
④リズ・セラ
-メイドの壁-
⑤シロウ


クロ「何気にお兄ちゃんの扱い酷くない?」
士郎「もう慣れたよ……」


-兄の壁-
⑥クロ

士郎「兄の壁ってずいぶん低いところにあるんだなぁ…」


Fate/tiger colosseum UPPER


参戦キャラの一人。やはりFate本編とは平行世界の彼女だが、カレイドステッキの力によって時空を越えて呼び寄せられた。
存命した理由はセイバーが四次の序盤で敗退したかららしく、実家には勘当されたとか。セイバー…
この世界線だと普通に家事オンチな奥様やっている様子。


腐女子化し、切嗣と言峰の関係をそっち方面だと勘違いしている(もっとも、一緒にシャワー云々…とキリツグの誤解を招く言い方が原因なのだが)。

本編や「Zero」では会えなかったが、関係上義理の息子となる士郎とも初邂逅。
当初は養子として引き取られた等の事情もわからなかったことから微妙な距離感だったが、モテモテ(に見える)な士郎のはっきりしない態度に怒り、
「切嗣の息子なら私の息子も同然!」と宣言して教育的指導(バトル)を行った。
(これもどこぞの医者もどき意味はあっているが、どこか誤解を招きかねない言い方が原因)
これによって距離が縮まったのか、EDで切嗣、アイリ、イリヤ、士郎の親子4人で団欒の時間を過ごしている。

また、衛宮士郎、アーチャーアンリマユ戦では、彼らの事を兄弟と称している。
まぁ、同一人物だし間違ってはいないが…。

そして、殻をかぶった間柄か三男とはなかなか仲がいい。
一方アーチャーは、次男に彼女は誰かと聞き、「切嗣の奥さん」だと知った時には動揺を隠せなかった。

ちなみに切嗣との夜の営みはなかなか激しいらしい。
キャスターとの会話にて本人が告白。比喩的表現で。あの桜が驚愕する程の内容らしい。

特典のドラマCDで腐女子(貴腐人?)となっていた。言峰との絡みを妄想しており、「そっかぁ、切嗣は受けか~」とのこと。




Fate/Grand order




私は聖杯より出ずる者。聖杯の端末が如き者。仮初めのかたち。仮初めのサーヴァント。

名は、アイリスフィールと呼んでね

Fate/Zero』とのコラボイベント、『Fate/Accel Zero Order』の配布サーヴァントとしてまさかの登場。

◆基本データ
クラス:キャスター
真名:アイリスフィール[天の衣]
出典:-
地域:-
身長:158cm
体重:52kg
性別:女性
属性:混沌・善
好きなもの:あの娘あの人
嫌いなもの:激辛党八極拳神父
CV:大原さやか


◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
E E C A+ B B


◆スキル

  • クラス別スキル
道具作成:A
陣地作成:B

  • 固有スキル
女神の神核:C
完成した女神であることを示すスキル。
精神と肉体の絶対性を維持する効果を有する。精神系の干渉をほとんど緩和し、肉体の成長もなく、どれだけカロリーを摂取しても体型が変化しない。
神性スキルを含む複合スキルでもある。
彼女は正式な神霊から派生した分霊でないため、ランクはC止まりとなる。

献身の覚悟:A
自己犠牲さえ厭わない、愛する者への想い。
防御・回復系の魔術やスキルやアイテムの使用効果に対してプラス補正がかかる。

自然の嬰児:A
たとえ天然自然の生物ではなく、人の手によって造り出された命であろうとも、時に世界は多くの祝福を与え得る。

魔術医療:A
サーヴァントとしてのアイリスフィールは、高度な治療の魔術を行使する。

宝具
『白き聖杯よ、謳え(ソング・オブ・グレイル)』
ランク:B 種別:魔術宝具 レンジ:0~50 最大補足:20人

白き聖杯よ!謳え!

ソング・オブ・グレイル。
愛と母性が聖杯と結び付き、真摯にして清らかなる祈りを一時的に叶える。
願望器としての機能ではなく、あくまで、彼女の存在が昇華された宝具。
自陣を回復し、バットステータスを全解除する。持続ダメージの類も解除される。
霊核の欠片でも残っていれば戦闘不能状態となったサーヴァントの復活も可能であるが、この効果は『FateGO』では使用されない。

ゲーム的には自分を含む味方サーヴァントのHPを回復し、ガッツ状態を付与する。


◆キャラクター概要
『Fate/Accel Zero Order』で登場した、並行世界のアイリ。
このイベントでは切嗣と結婚しておらず、セイバーの正式なマスターとして第四次聖杯戦争に参戦したアイリも登場したが、
実は配布されたアイリはイベントのアイリとは別人で、大聖杯の意思がアイリの形を借りて具現化したもの。
そのため、『Accel Zero Order』と本来の『Zero』の二つの記憶を有している。

当人が言う通り「仮初めのサーヴァント」であり、聖杯の力を有し、聖杯の意思も持つ例外中の例外的存在。
「聖杯の端末」としての意識と様々な世界の「アイリスフィール・フォン・アインツベルン」としての意識を持つ。
「聖杯の端末」として「資格なき者は触れてはいけない」「あなたに私(=聖杯)が使いこなせるか」等のセリフを言うが、
「アイリスフィール」として、「あの人」や「あの子」への愛情を示すセリフも言うこともある。
エミヤ(アサシン)がいると、まるで恋する乙女のように気にする素振りを見せるが、「何かよくないものに捕まってる」とも言う。
すいません、捕まえているの並行世界の貴女なんですがそれは…

マスターに対しては「聖杯の担い手」「世界を救う者」として期待をかけているようで、
絆度を深めると「あなたのことも大切よ」と母性に満ちたような声で親愛の情を表現してくれる。
どうか、世界を守ってね。あの人が愛した、あの子の生きるべき、この世界を

性能は、
自身に無敵効果とNP獲得量増加効果を与える「自然の嬰児」、
自身の与回復力を上げる「献身の覚悟」
味方単体のHPを回復する「魔術医療」
と、見事に回復に特化したスキル構成を持つ、メディア(リリィ)と似たタイプのキャスター。
HPは平均的だが、「女神の神核」で神格特攻効果が効いてしまう点は注意。

ちなみに並行世界の旦那ことエミヤ(アサシン)との相性自体は悪くない(クラス的にも)が、
スキルを活かすなら妻を盾にして攻撃準備を整える外道夫という構図になってしまう。
アイリは無敵状態になれるのでダメージそのものはないが、それにしたって…ねぇ。

なお、配布サーヴァントなので絵柄は2種類のみ。
最終再臨するとドスケベ礼装並のえっちぃ感じの絵柄になる。信じられるか? この人(一部並行世界で)人妻なんだぜ…?


なお、前述した通り『Fate/Accel Zero Order』のアイリとは別人なのだが、元々のアイリはカルデアに迎え入れられた描写があるにも関わらず、何故か以後のイベントに全く登場していない*1
メタ的な考察としては、単純に両方出すとややこしくなるのでサーヴァント側に実質統合されたものと思われるが、(2018年の再開催に至るまで)具体的な作中解説が一切されていないため
元々のアイリはどこ行ったの?」と困惑するマスターもしばしば。

ちなみに、イベントのメインストーリーをクリアすると、「火」「水」「風」「土」のアイリシリーズを倒せというミッションが追加。
ぶっちゃけ展開はギャグであり、某タマモナインの如くアレなアイリばかりなのだが、
なんとこのアイリシリーズ、ボイスや宝具が本体と違うものになっている。力の入れどころ間違ってないか運営…いいぞもっとやれ。

アイリシリーズのキャラクターと宝具は以下のとおり。


ぶっちゃけ元のアイリに近いのは「風」のアイリくらいだが、大原氏の演技力でアイリっぽさ自体は全て感じられる演技になっている。
え、なに? 宝具がどう考えても別のサーヴァントのパクリ? 細けぇことは…あれ、なんか青い炎が(ry



追記・修正お願いします。

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