スズキ・スイフト ハイブリッドSL(FF/5AT)
大きな拍手を送りたい! 2017.07.28 試乗記 スポーティーな走りが身上の「スズキ・スイフト」に、待望のフルハイブリッド車が登場。スズキ独自のハイブリッド機構の出来栄えは? 好評価だったドライバビリティーに影響は? 7000文字(!)もの字数を費やし、その仕上がりを徹底的に検証する。結論、いいクルマでした
スイフトの“フル”ハイブリッド、ヨカッタかそうでなかったかでいうと、まあヨカッタ。フルハイブリッドのスイフトがあったら買いたい。そう考えていた人たちに向かっては、「でしたら、どうぞ」といいたい。申し上げたい。出ました。
シングルクラッチAMT(Automated Manual Transmissionの頭文字:通称ガチャコン)の数少ない難点のひとつである変速時の駆動トルク切れ(torque-interruption gap:「失速感」とかいわれる現象)を、電気モーター駆動でカバーして解決してしまったのがスズキのフルハイブリッドのパワートレインの勝因である。で、ハイブリッドなのに運転しやすい。キカイの都合につきあわされるのをガマンする必要がない。3ペダルのマニュアル変速のクルマみたいに、気持ちよく運転できる2ペダル車。スイフト用ということで今回、変速に要する時間をさらにツメてあるという。パドルシフターを使った場合はさらにさらにツメ。スズキにとってスイフトは、いわゆるドライビングプレジャーを味わってもらいたいココロが作り手的にグッと強い商品であるところが他のスズキ車と違う。日本市場におけるスズキのプライドの見せどころというのもあって、「スイフトだから……」でやれること、使えるもの、というのがある。たぶん。どうも。
スイフトの特徴というか特長のひとつとして、エンジンのレスポンスがよい。専門的には「過渡応答特性がいい」とか「過渡がある」とかいうのだけど、要は扱いやすい。こっち=運転手のいうことをよくきいてくれる感じがある、と書くと、もうちょっと具体的にイメージがしやすいかもしれない。ごくフツーに運転していてもなんとなく楽しげな気持ちになるとしたら(なると思います)、その要因のひとつがこれ。「エンジンは馬力の額面じゃない。トルクだ」とかはよくいわれることだけれど、現行型のK12Cエンジン(1.2リッター直4自然吸気ガソリン)の車両適合=チューニングを担当した技術者はこういった。「モリさん。エンジンはね、過渡がすべてですよ」。
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