東日本大震災を千葉県浦安市で経験したマンガ家、世鳥アスカさんが自身の被災体験を描いたエッセイコミックス『明日、地震がやってくる!』を強くお勧めしています。
理由は3つ。
- 特定できる個人の自宅での避難生活体験記である
- プロが描いたマンガである
- 発災直前から断水解除後までの30日間のドラマである
順番に説明します。
目次
若き女流マンガ家個人の、停電と液状化と断水の自宅生活体験記
お勧めしたい理由の一番目は、
特定できる個人の自宅での避難生活体験記である
ということです。
被災体験談の多くは避難所でのもの。次の災害で大多数が経験することになる「自宅での避難生活」は、過去の記録がほぼありません。
自宅での避難生活、いわゆる「在宅避難」の経験談を探しに探して、ようやく見つけたのが、この『明日、地震がやってくる!』でした。
また個人が特定できる体験談も多くはありません。体験者本人が発信するものは具体的であり、かつ信頼性が高い。特定できる個人の自宅での避難生活体験記は、それだけで極めて貴重で資料価値が高いのです。
プロならではの豊かな表現力。マンガで誰もわかりやすく読める
お勧めしたい理由の二番目は、
ということです。
作者の世鳥アスカさんは、プロのマンガ家です。そして『明日、地震がやってくる!』はそのプロが描いたマンガ(エッセイコミック)です。
着想、シーン組み、画力、台詞など、プロならではの表現力で描かれることで、子どもから大人まで誰にでもやさしく読める作品になっています。
切り取られてた一瞬ではなく、30日間のドラマで感情を追体験
お勧めしたい理由の三番目は、
ということです。
このマンガは、発災直前の様子から、断水解除後の後日談までの約30日間が時系列に描かれているドラマです。
体験談が、切り取られてた一瞬ではなく、起きた事実の前後も含んだ、流れとして描かれています。そして必ず世鳥さんの感情が表現されています。
一人の女性とその家族のリアルな被災体験から、その感情を追体験できるのです。このマンガがエッセイコミックであり、彼女の真骨頂がこの「エッセイコミック」というジャンルにある所以です。
作者、世鳥アスカさんのメッセージ
『明日、地震がやってくる!』を読みたくなったら
『明日、地震がやってくる!』は、現在「品切れ重版未定」という状態の本です。電子書籍にてお読み頂けます。
2019年1月には、紙の本でお読み頂けます!
「やっぱり紙のマンガ本で読みたい」という方のために、まとまった部数を買い取る条件で増刷して頂くことにしました。1月中旬には納品される予定です。今しばらくお待ちください。
『明日、地震がやってくる!』の中身
断水体験のシーン
トイレで水が出ない
仮設トイレの苦労
停電体験のシーン
キャンドルナイト!
夜のトイレの必需品
液状化のシーン
アスファルトが……
浮いてるって何!?
マンガならではのシーン
液状化のその後の現実(画力)
仮設トイレは「友達と会える場所」(着想)