こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
連載「むかしはよかったね?」が掲載されている新潮45最新号が発売中です。
今回は「ありのままの敬老の日」。老人だから一律に敬えという儒教原理主義がはびこる日本の状況にはうんざりです。老人は善人というイメージに甘えて悪いことをする老人が増えてるような気がします。
いい老人はほめるけど、悪い老人は叱らなきゃいけません。歳をとればなんでも許されるってもんじゃないでしょう。
むかしは、まあまあ、年寄りは先が短いんだからガマンしてあげなさいよ、なんて取りなしが通用しましたけど、いまは年寄りがなかなか死にませんからね。マナーの悪い年寄りにはきちんと注意して行動をあらためさせないと、社会に老害を垂れ流し続けることになります。
そうやって年寄りを批判すると「いまの社会を作った老人を悪くいうな!」と儒教原理主義者がねじ込んできます。そうですか。では、いまの朝日新聞を作った老人も悪くいってはいけませんね。30年以上前に誤報を書いた記者はもう老人でしょうから、批判してはいけないことになっちゃいますね。
私も今回の朝日の誤報問題への対応には釈然としませんし、ちょっとからかってネタにもしています。でも私は朝日だけでなく、過去の著作で読売も新潮も文春も、みんなネタにしました。私は現在、新聞・雑誌をまったく購読してませんし――あ、テレビ番組の情報誌だけ買ってるか。とにかく、特定のマスコミだけを叩くこともしないし、味方することもありません。
それにしても、読売も産経も新潮も文春も、過去にやらかした誤報を掘り起こせば、枚挙にいとまがないくらいありますよ。自分のことを棚に上げて、よくそこまで手放しで他人を叩けるもんだなあ。自分に跳ね返ってくることはまったく考えないんですね。
今後、朝日以外のマスコミ各社が誤報をやらかしたときに、いったいどんなすさまじい謝罪を見せてくれるのか、いまから楽しみにしています。
[ 2014/09/18 21:47 ]
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