2018年12月09日 07:00 - 07:30

ボクらの時代

画像だけでダイジェスト

林真理子×古市憲寿×中瀬ゆかり 『ボクらの時代』は、毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくトーク番組です。ゲストたちの普段の顔が垣間見られるような、気負わないトークのみでの番組構成となっています。   作家・林真理子…1982年にコピーライターから作家へ転身して以来、数々の話題作を世に送り出し続けており、最近では「西郷どん!」が大河ドラマとなりました。 社会学者・古市憲寿…現代を生きる若者の代弁者として、テレビのコメンテーターなどで活躍。その歯に衣着せぬ発言は、たびたび世間をにぎわすことも。   編集者・中瀬ゆかり…新潮社・出版部部長という役職にありながら、政治問題から中年の性の問題まで、ざっくばらんに語るスタンスが人気を集めています。 それぞれに時代の空気を敏感に感じ取る職業の3人。普段から親交のあるこのメンバーからどのような話が飛び出すか、ご期待ください。 古市憲寿 林真理子 中瀬ゆかり 【プロデューサー】  塩田千尋   松本彩夏(イースト・エンタテインメント)   【演出】  高野裕樹(イースト・エンタテインメント)   【制作】  フジテレビ情報制作センター 古市憲寿 / 林真理子 / 中瀬ゆかり

[今日の『ボクらの時代』はプライベートでも仲がいいという仕事も性別も異なる 3人]
古市中瀬さん 横から撮られて大丈夫だったの?
中瀬大丈夫じゃない。 ハハハ!うるせえわ お前。
どうして 男性の古市君がいいポジションなの?
ここが一番 おいしいポジション。そうなんだ。
横から見えないじゃん。そっか。 横から見られたくない。
そう。もともと この3人って意外とプライベートでも会う3人っていうか。
結構 ご飯 食べたり。
去年は 年末におすし食べに行きましたね。
はい。 おばさんたち3人が割って 払いました。
若者に払わせちゃいけないって。古市は ママ活体質なんです。
ママ活じゃないよ。
私たちもいいようにされてますからね。
この前も 林さんからグループLINEでね「私とママ活しない?」って言われて。
ボクらの時代
冗談だよ。林さんから呼び掛けてる。
「昨日 フグ食べた」って言ったら「僕も フグ食べたい」って。
「おごってあげるよ フグぐらい」って言って「ママ活かよ」ってふざけて言ったんです。
ハハハハ…。
僕 言われて気付いたのは無意識に ママ活してるなって。
ママ活 パパ活をしてますよね。
独特のテクニックだよね。魔性の男なんだよ。
ムカつくんだけど ムカつきながら笑っちゃってるって感じでこれは なかなか できないよね。できないですよね。
人を いらつかせる天才なんだけど。
そんな いらつかせてるのかな?でも イラッとするんだけど決して不愉快なだけじゃないんですよね。
カチンとくるんだけど笑っちゃうみたいな。
そこが あなたがこれだけ燃え続けてもさ燃えかすにならないところじゃないの?
デヴィ夫人とは和解したんですか?
和解はね たぶんしたんじゃないですか?
「デヴィ夫人が怒ってる」とか言ってたから「大丈夫 デブ夫人がついてるから」って 慰めたんですけどね。
ボクらの時代
[日本を代表して活躍を続ける女性作家]
[最近では 新聞連載で話題となった小説…]
[その濃密な性描写が大人の小説として注目を集めています]
バカでも政治語っていいと思いますよ。
[その歯に衣着せぬ発言はたびたび 世間をにぎわすことも]
[11月には一つの時代の終わりに生きること 死ぬことの意味を問い直した 初めての小説『平成くん、さようなら』を発表し話題となっています]
ボクらの時代
女性が集まったら全部 こうなるとは思ってないんですけど。私も女子大出身なんで。
[古市さんと同じくテレビやラジオのコメンテーターとして活躍しているのが…]
[新潮社の出版部 部長という役職にありながら政治問題から中年の性の問題までざっくばらんに語るスタンスが人気を集めています]
[それぞれに 時代の空気を敏感に感じ取る職業の3人]
[どんなお話が飛び出すんでしょうか]
でも 林さんは ホントに恋愛小説も今度 『愉楽にて』も出ましたけど。
あそこでも いきなり冒頭からかなりエロチックですごい性愛のシーンが出てきますよね。
でも 林さん「私 やり方 忘れたわ」とか言ってましたよね。
セックスのシーンとかは妄想とかも多いんですか?
まあ 妄想とか。妄想… ハハハハ。
あんた ホント失礼だよね。
いやいや実体験か分かんないけど…。
ボクらの時代
いやいやいや この間柴門ふみさんと話してたら彼女も漫画で 『恋する母たち』ってすごい漫画 描いてるんだけどプロは 自分の妄想を ちゃんと商品化できるってことをこの間 2人で話したの。
どうでした?この間 初めて 小説…。
あなたの『平成くん、さようなら』もいきなり 大胆なセックスシーンから入る感じ…。そうです。
古市君こそ嫌いだって言うじゃんね。
ていうか経験がない疑惑もある。
古市君ってキスは 唾液が混じるからすっごい気持ち悪いって言う人だし。
そうなんですよ。 キスあんま好きじゃないんですよ。
だって 唾液の交換って汚いじゃないですか。
ハハハハハ…。
でも 体のこっち側はまだいいとしても唇の向こう側とか。「唇の向こう側」って…。
『さよならの向こう側』みたいな…。口の中が嫌なんだよね。
口の中とか いろんな そのくぼみの向こう側はちょっと 抵抗が…。
ハハハハ!そうか くぼみの向こう…。
それは すごく面白い考え方かもしれないね。
ボクらの時代
林さん すぐ読んでいただいたんです。
本を出して 送ってからすぐに読んでくれて。
一応 私も直木賞の選考員なんでどっちにくるか分からない…。
いずれ 上がってきたときのことも考えて。
最後は ここの結論を書きたいっていうのがすごく見えるっていうのは言いましたね。
やっぱり たくらみって作家は すごく分かるんですよ。
小説のたくらみって。ここに持ってきたいがためにここを ちょっと書き急いだねっていうことは 彼に…。
たくらみね。林さんは 全体のプロットも考えてから書くんですか?そうでもないですよ。
書き始めてから どんどん変わっていくこともあるし。
キャラクターは どうやって思い浮かぶんですか?
周りの人 見てたり 私の分身もあるかもしれないですね。
それと あと 願望もね。すごい色っぽい魔性の女っていうのは一度 やってみたい。
林さん自身が? 魔性の女を?
『愉楽にて』に 超デブのブスの元出版社の人が出てくるけどまさか 私じゃないですよね?
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あのとき 中瀬ゆかりさんが「美女が どんどん出てきていろんな恋模様が あるんだけどそろそろ 私のような…出しましょうよ」って言ったんですよ。
そういうことをするとおなかの周りの肉がぷるぷる震える 揺れる…。そう。 見られたのかと思った。
やっぱり 肉って震えるの?やかましいわ お前。
後で 挟むぞ。
♪~
本の売り上げって どうですか?全然 出なかったころと今 レギュラー出てるころと変わったの?
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全然 変わんないんですよ。そもそも そんな売れてないんで。
わざとやってる? ああいう炎上。全然 わざとじゃないです。
炎上しても1円も もうからないんで。
炎上ビジネスとか言われてるけどビジネスに なってないってこと?
ブログとか やってないし。炎上しても もうかるわけじゃない。
別に 意識的に言ってやろうと思うことなくて逆に 嘘つきたくないから思ったこと言ってるとたまに 誰かが怒るっていう。ああ~。
でも 林さんも 日常的に炎上してましたよね?
本当!?知らない…。
今 ショック受けてるじゃないですか。
いやいや… ネットではいつも見ますよ 林さんの。
何の炎上?最近は スマホを使ってると頭が悪くなるとか記憶力が悪くなるとかインタビュー答えてて それを見てみんなが怒ってましたけど。
林中瀬本当?怒ってるっていうか「そんなことはない」みたいな感じで。
本当?ショック受けられて…。
いやいやいや…。何で そういうこと言うの?
見てないから分かんないの。
見てないと 何も起こってないのと一緒ですからね。
そういうの見ててもしょうがないし世の中で発言してたら何か言われるのしょうがないよ。
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でも 真理子さん どんどん権力者側になってくっていう意識あるんですか?それは 全然ないです。
いろんな審査員とか やったり…。それは あるね。
審査員ってどんな気分なんですか?
蹴落としてやろう新人をつぶそうと思って…。
どんな雰囲気なんですか?私 作家って偉いと思うんだけど一生懸命 審査して自分のライバル選び出すってすごいと思うよ。
それで 自分の知り合いだからってことも 全然ないし。
かえって 知り合いだと厳しくなるし。
ホントに 驚かせてくれる才能あったらもろ手を挙げて素晴らしいって言えるよね。
私たち 作家である前に本 好きな人間だから素晴らしい作品に あったときいい作品 読ませてもらってうれしいっていうその気持ちの方が強いと思います。それは 皆 変わらないんですね。
幾つになっても。幾つになっても変わらない。
でも 林さん心が折れる日とか ないんですか?
心が折れる日?はい。
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折れる日はね そうだな夫に ぎゃんぎゃん言われて…。
そこなんだ。書いたこととかじゃなくて夫婦仲で 心が折れるんですね。心が折れる。
自分の仕事で 心が折れることあんまりない…。
ありますよ。今回 いけたなって思ったのに売れなかったり酷評されたときは。
やっぱりそれに まだ 心は動くんですね。
でも このごろ 全体的に本が売れなくなってるので私の本だけが 売れてないわけじゃないって思うと心が楽になる。
周りも みんな同じようになってるから。
確かに 弱ってる人 見ると 僕も心が落ち着くっていうのがあって。
最低やな ホンマに。
自分よりも弱ってる人 見てニヤニヤしてると元気になってくる。腹立つわ ホントに。
私もパーティーに出たら『週刊新潮』に その日グラビアに出たばっかりの政治家の方と一緒で「一緒に撮りましょうよほら 話題の人と」って言ったらすごく嫌な顔… 苦笑いかな。
2人とも ある意味大いなる鈍感力というか心が強いというか。でも 確かに例えば 私なんか 3年前に旦那が死んだじゃないですか。
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でも そういう どん底の渦中ってホント 人がかわいそうとか思って取り巻いてる感じで空洞化するっていうか。 周辺が。だから 渦中のときってみんな どう声掛けたらいいかって取り巻いてる感じになるからふって 笑いながらでも入ってきてくれるのがありがたいっていうのは気持ちの上では 分かりますね。
鈍感力 そうかも。僕の小説を読んでくれた友達がすごい自己愛の強い人だってことがあらためて分かったって言ってくれて。
裏を返せば 鈍感力っていうか。
他人が どう思うかに無関心で自己愛が すごい強いから別に あんまり 心が折れない。
自分のこと 大好きなの?そう。
顔とかも?顔っていうか 自分が生み出したものは 全部 好き。自分自身っていうよりも自分が生み出した文章とかそういうものは 全部 好きだから。
そこで 批判とかされても何とも思わないっていうか。
ここ直したいってとこは ないの?でも 顔とかは整形とかしてもいいなって思うけど。
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しても いいんかい。どこ直したいの?
全体的。 でも 整形って難しいらしくて。
整形する人って もともとカッコ良くないと無理らしくて。
パーツの形は いじれるけど位置は ずらせないから。
だから 位置がちゃんとしてないと整形って無理らしくてだから どうしても面白い顔の人はカッコ良くは できないって。
そんな… 悲報じゃないですか。
でも 中瀬さんは 痩せたら美人になるっていう都市伝説が。
でも いいんです。最近 ブスであることをそんなに自虐とも思わないしブスでいいじゃんって思い始めて。
顔立ちって もう 整形でもそうやって限界があるように顔立ちは 変えられないけど顔つきって変えられるじゃないですか。
だから 私 顔つきで勝負していこうと思って。
よく笑うとか人を楽しい感じにするとかは努力で できるじゃないですか。
そのために 太ってるってこと?やかましいわ!
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ゆるキャラじゃねえわ。ゆるキャラみたいに。
でも ネットの人って必ず 最後に 「ブスのくせに」とか。
何かさ 三浦 瑠麗さんにこの間 お目に掛かったらあの方 「ブスのくせに」とか「結婚もしてないくせに」とか「二流の大学 出てるくせに」とか「子供もいないくせに」ってだいたいさ あの人全部クリアしてるからすごいですよね。逆に 全部クリアしてるのに何のために活動してるんですかね?
全部クリアしてたらもう活動しなくていいってこと?
全部クリアした上で さらに何を目指してるんだろうね。
さらに 高みに。
でも あんぐらい奇麗になると「お奇麗ですね」って言ったときに「ありがとうございます」っていう感じなんですよね。
「いやいや そんな 私なんて!」とか言ってるのは美人にはなれないっていうか。ホントの美人っていうのはお礼を言うってことが分かりましたね。
そうなんだ。「ありがとうございます」
「いつも」みたいな。「また言われて やだ」とか。
私たちって すぐ小芝居しちゃうじゃないですか。
そうそう。小芝居。
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林さん 作家になってなかったら何やってたと思います?
普通のおばさん。普通のおばさんって? 主婦?
でも 何か商売やったかもしれないですね。
働くの嫌いじゃないし体 動かすのも嫌いじゃない。
ホント すごい働いてますよね。すごく働いてる。
やっぱり 書き続けるってことがすごいんじゃないですか?
小説家として作品を ずっと書き続けられて早いってことは一番すごいなって思いますけど。
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トライアンドエラー繰り返せるっていうか。
村上 春樹先生が 本の中で「小説家にとって一番 大切な才能は 書き始めたら書き終える才能だ」っておっしゃってたけどホントに そうだと思うんですね。
私たち 一千枚近いものを最後までゴール しなきゃいけないわけで。
それはね やっぱり ちょっと異様な根気力かもしれないですね。
古市さんは 何で社会学者になったんですか?
僕 ホント 成り行きでまあ 大学卒業してそのころ 友達と会社を…小さな ベンチャーやってて。
それだけでもよかったんですけどだったら大学院も行こうかなと思って。
時間に融通が利くんで。で 大学院も行き始めてそれで 修士論文が本になってって形で。
修士論文が本になるってすごいじゃん。
流れですね。 特に こうなろうと思ったわけではなくて。
ホント気付いてみたらっていう感じで。
だから テレビ出たいとか本出したいとか思ってたわけでもないんですけど気付いたら こうなってるっていう。
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例えば どっかの会社に勤めようとか公務員になろうとかそういう発想は なかったの?
それは もう 全然なくて。
『とくダネ!』のいいのはバイトのシフトみたいに「この日から この日海外行くんで」とかって自由にシフト組めるんですよね。バイトのシフト…。
だから 続けられるっていうか。
中瀬さん テレビ 大変だよね。これだけ人気者になると。
いえいえ 全然 全然。でも ぱっと映ったときにだらんとかしてたり…。
『とくダネ!』とかでふっと意識がなくなるときが。
寝落ちっていうか。あれが怖いですね。 生放送の怖さ。
でも 『とくダネ!』でつまんないことしか言わないんで。
うるさいわ ホント!うるさいわ いいんだよ。
わりと お行儀いいかもしれない。
それじゃないんだよなみたいなことしか言わないから。
お前にコメント指導されたくないわ。
LINEで 送ってくれよ。それ 棒読みするから。
でも 一回 それこそ真理子さん 中瀬さんとご飯食べてた日の次の日が『とくダネ!』でほぼ寝ないで行ったって。そうですね。
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偉いよね。やっぱ 私 小説が好きなんでこの仕事は 楽しいんですよ。めちゃくちゃ。
つらいこととかもあるんですけど基本 ここの仕事って好きじゃないとできないな。
本が好きで 人が好きじゃないとできないなっていう。
そりゃそうだよね。編集者になりたいんですけど何が必要ですかって言われると本が好きで 人が好きだったら後は 何とかなるんじゃないって。
その作家が 好きじゃなかったらどうするの?
担当した作家がですか?うん。
人も好きじゃないし作品も好きじゃなかったらそれは お互い不幸ですから別に 100%誰とでも相性が合う人なんて絶対いないじゃないですか。
だけど 3割バッターでも困るわけですよね。
10人のうち 3人しか合わないっていう人だと。
編集者はアジャストしていくから7~8人とは合うっていうぐらいの打率は欲しいんですけれども。
それでも 2~3人とは合わないっていうの出てきたらそこは 私なんか今 管理職の仕事だと担当者と作家の相性を見極めてお見合いおばさんじゃないけどこの組み合わせいいんじゃないっていうのを入れていくのも仕事なんで。
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作家って ものすごく嫉妬深いじゃないですか。
例えば 私の嫌いなAさんと中瀬さん すごい仲良くっていつも一緒にキャッキャ いったりしてると例えば Bさんが あんまりいい顔しないなっていうときどうするの?その問題って 長く 結構な課題で。
恋人と一緒で 恋人の前で他の女性がすてきだとか言わないのがマナーだしあなたしか見えてないというかあなたが好きだっていうことを伝えるのが恋人だと思うんですよ。そこをね「あの人も すてきですよね」みたいなことを言ったら誰だって 気持ちがよくないのでその作家と対峙しているときはその作家のことしか考えないっていう。
それは 基本かなと思いますけど。
でも さっきの嫉妬の気持ちって誰でもあってね。
例えばある才能が出てきたときにこんな すごい小説書いたんだとか 嫉妬したりとかこんな才能あるんだって嫉妬したりどの業界でもあると思うんだけど例えば 古市君なんかも今 若手社会学者としてちやほやされてるけどあなたも 33だっけ?そう。
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例えば 落合君みたいな人が出てきて若く ちやほやされてるあの感じとか見て「チッ 何だよ あいつ」とか思わないんですか?
恩を売っときたいなって思う。(笑い声)
よくしといて。 親切にしといて。そう。 何か しかもちょっとでも… ホントに何か いいことはできなくても情報は入ってくるから彼が決まってる いいポジションを自分が やってあげたみたいな感じで恩を売るとか色々 やり方あんじゃん。お前 何ちゅう…。
やり方があるじゃん。昔話のクソジジイみたいな発想。
そういう発想はなかなかできませんわよね。
全て ほら メリットとコスパで動いてるから。
基本 省エネで 最短距離で動きたいなって思ってて。
だから 子供のころから頑張るってことが嫌で。
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頑張ってる時点で それは頑張らずにできてる人には負けてるわけじゃないですか。それを努力とも思わずにばっと できた人がいるわけでこっちが それを頑張ってやってんだったらそれで もうハンディがあるわけでだったら頑張らずにできることをしようと思って。
だから基本的に 努力とか 一切しないように生きてます 今でも。
そんなことはないと思う。 だってああいう小説 書き上げたり論文書き上げるって 努力で。
私も『野心のすすめ』に書いたけど 今の世の中って努力した人を あざ笑うようなとこあるじゃないですか。
完全に 努力してると思うよ。
でも 努力って あんま自分だと思わないっていうか。
好きなことなんで好きなこと 努力ってあんまり思わないじゃないですか。
まったく 野心がないわけでもないと思うけどあんまり すごい頑張ったって感じでもないんですよね。
でも その好きなこともやがて 編集者 来て締めきりっつって 何日までに80枚 120枚とかって言ってきて書けないときの つらさがあるとこれを乗り越える自分を奮い立たせることをしなきゃいけないってことが分かってくるんじゃないですかね。
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急に おばさんっぽい…。
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でも 林さんは 今の時代もう一回 中学生とか高校生ぐらいからやれるっていったら…。
嫌ですね。それは なぜですか?
ホントにね 私なんて結構 いじめっ子だったり…。
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いじめられっ子だった…。だいぶ違う。
いじめられっ子なんだけど変に自意識過剰でますます嫌われるタイプでしかも 目立ちたがり屋っていう最悪のパターンなんですよ。今 こういう私がSNSの中にいたらどうなるか分かんないしホントに 「お前なんか死ね」とか言われて 傷ついたと思うし今の子って もっと繊細で対処のしかた 分かんなくて無防備だしすごく かわいそうだと思う。いつも危険な崖っぷちにいるような気がする今の子供たちって。
すごく気を使ってますもんね全てのことにね。
逆に 賢い子はだから すごい配慮しちゃうから。
あれ つらくないのかなと思う。配慮しすぎてて。
ホントだよね。もっと子供のとき 無邪気に友達と付き合えばいいのにね。
まず 仲間外れになるの嫌だし浮くのも嫌だしそのことばっかり考えてるよね。
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林さんみたいに枠から はみ出るみたいな人は生まれにくいのかもね。小説家とかでも。
やっぱり 林さんほど面白い破天荒な小説家とかって最近 あんまいないんじゃないですか?
私 自分では すごく つまんない常識人だと思うよ。
いやいや ホントに。
まあ でも 性的には常識人ですよね。
うるさい。相手がいないだけだ それは。
若い作家 みんな地味だったり…。若い作家 地味だよね。
私より ずっと売れてるのにだいたい エッセー 読むと「吉祥寺の居酒屋で飲んだ」とか「パスタゆでて 食べてその後 散歩した」とかそんなエッセーばっかり。(笑い声)
そんな つまんない日常。そんな つまんないエッセーあります?
ある ある ある。渡辺 淳一先生がね亡くなる前に 激怒してらしたけど若い作家のエッセー読んでたら「僕の楽しみは娘と風呂に入ることだ」って。
「作家たるものが こんなこと文章にするってどういうことか」って。そんな 当たり前のことをね。
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だから 「情けない」と。
枯れない林さんは…私 林さんと10歳違いですけど。
林さんが 10歳違ってくれたことがすごく幸せで。
10年後も こんなに楽しく楽しい生活ができてキラキラできることが可能なんだって思うとこの10年差っていうのがホントに ありがたい。
まあ いいこと言うじゃないですか。まあ 編集者なんで思ってもないことを。違う違う ホントにそうだから!
私も 寂聴先生… 大丈夫よね?この放送あるときまでまだ お元気だと思いますけど。やめてくださいよ。
寂聴先生に お目に掛かるとまだ 30年いけるって思うじゃない?
だから そういう人がいるってすごく大切なことですね。
ちょっと前に 先輩にすてきな人がいるっていうことが希望の星になりますよね。今 同世代にいる以上に前を ちゃんと歩いてくれていて。
それが 95歳とか 96歳…。すてきだね。 奇麗でね。
それが老けておばちゃんになってさ「悪いけど 中瀬さんお昼 ごちそうしてくれない?持ち合わせないのよ オホホ…」って言われたら 嫌でしょ?
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「オホホ」って 何ですか?
いや 「ゴホン ゴホン」ってせきをしたの。
じゃあ 今が一番 楽しい?私 楽しいですよ。
私も 今 すっごい楽しい。
じゃあ 別に 若いころが良かったとか思わずに今の方が楽しい?今の方が。 若いころってもっと愚かだったしもっと人に迷惑かけてたしそういう反省の上で成立してるから。
今が楽しいって思えてる自分が気持ちが健全に働いてるなって感じがするんだよね。
だいたい 人って過去がよかったって向かいだすと今の状態 よくないっていうふうに思った方がいい。
いいこと言いますね。
それが 自分の精神状態をはかる物差しみたいなとこあるんですよね。
古市君は 今 楽しい? 毎日。
まあ 別に楽しいんじゃないですか。
それこそ 自分で 全部仕事も決めてるし会って嫌な人もそんな いないし。
自分で決められるってすごい 幸せですよね。
自己決定って幸せと関係してるなって思って。
ボクらの時代
収入とかもあるんだろうけどそうじゃなくて自分で ちゃんと決められてるってことがすっごい 幸せに影響してるなっていう。
あと 嫌いな人は ちゃんと嫌いって言えるとか。
嫌いな人いるの?
別に… デヴィ夫人ぐらいかな。
いやいや また…。 第2幕。
ようやく ちょっと…。別に嫌いじゃないけど。
今度 また 誕生日パーティーやるんで ぜひ 来てください。
全然 家に呼んでくれないもんね。ホントよ。 怖いよね。
ぜひ…。少女 飼ってたりしそう。
[それでは今日も 素晴らしい一日を]
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