熱い男に変貌を遂げつつある宇野がもがいている。いわく「安心できるジャンプが跳べず、自分の自信の喪失につながった」。SPの結果は首位のチェンとわずか1・32差。だが、「本当に試合に久々に行きたくないと思ったほど」と言う中での2位発進となった。
朝の公式練習での曲かけで得意の4回転トーループで転倒。前日に続く転倒に不安が増大した。さらに直前の6分間練習でも嫌なイメージを払拭(ふっしょく)できなかった。そして冒頭の4回転フリップは着氷が乱れる失敗ジャンプ。その後、立て直して2つのジャンプを成功させたのは、せめてもの意地だった。
「とても良くなかったSPだった。僕も驚くほどで、過去にないほど調子が悪かったので自分でもすごく驚いているんですけど、明確な理由とかは分からない」
ただ、諦めるのはまだ早い。4年連続出場のGPファイナルは、0・50点差で優勝を逃した昨年の借りを返す絶好の機会。「充実した練習をしてきた自分に失礼のない演技をしないといけないし、フリーは頑張るしかない」。今季は責任感も口にする20歳が巻き返しを誓った。