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【芸能・社会】

「贈る言葉」に送られ…赤木春恵さん告別式 

2018年12月5日 紙面から

告別式で(左から)川崎麻世、角野卓造らの手で運び出される赤木春恵さんのひつぎ(五十嵐文人撮影)

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橋田壽賀子さんの弔辞を代読する葬儀委員長の石井ふく子さん

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 心不全のため先月29日に94歳で亡くなった女優赤木春恵さんの告別式が4日、東京都杉並区の築地本願寺和田堀廟所で営まれ、角野卓造(70)、小林綾子(46)らゆかりの芸能人ら約500人が故人との最後の別れをした。

 出棺は午後2時半すぎ。赤木さんが出演したドラマ「3年B組金八先生」の主題歌「贈る言葉」が葬送曲として流れた。「日本一!」「赤木!」。赤木さんは参列者からの掛け声と涙に送られ会場を後にした。

 式では俳優を代表して里見浩太朗(82)と大空眞弓(78)が涙ながらに弔辞を読んだ。また、葬儀委員長の演出家石井ふく子さん(92)が、TBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の脚本などを手掛けた脚本家橋田壽賀子さん(93)から託された弔辞を代読した。

 関係者によると、静岡県熱海市在住の橋田さんは元気だが、歩行に不安があることなどから参列を断念したという。かつては赤木さんも熱海に別荘を持っていたことがあり、2人の交流は50年以上にわたった。橋田さんは弔辞の中で「びっくりしました。思いっ切り泣いてしまいました」とし、「私がどれだけ赤木さんを頼りにしていたか…。私のドラマになくてはならない女優さんでした」などと名優に思いをはせた。

 生前、森光子さんらから贈られた楽屋のれんで包まれた棺(ひつぎ)には、孫からの手紙や森さんとおそろいの楽屋着、好物のせんべいなどが納められた。喪主を務めた、長女泉さん(61)の夫で赤木さんの所属事務所社長の野杁(のいり)和俊さん(69)は「色紙に書かれた赤木の言葉があります。愛ありて今日を生きる。その言葉を大切に生きていきたい」とあいさつした。

 ▽東映で後輩だった俳優里見浩太朗 「撮影所で、赤木のお母さんに『どんな役をやりたいの』『立ち回りを勉強しなさいよ』『眉の引き方、男らしくしなさいよ』と言われた。古い時代の赤木春恵さんが次々と浮かんでくる。(ドラマ)水戸黄門で赤木のお母さんをおんぶするシーンがあって。重かったですよ。でも、放送ではカットされました」

 ▽舞台「三婆」で共演した女優中村玉緒(79) 「(劇場に向かう途中に渋滞で)たぶん、地下鉄に初めて1人で乗られたと思います。お金を入れたら、その日の切符が10枚も出てきてしまったみたい。『ごめんなさーい』って言いながら、間に合いましたけどね」

 ▽ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」で共演した俳優の角野卓造 「(厳しいしゅうとめ役に)真摯(しんし)に向かい合っていた。でも『私こんなの言いたくないわ』って1年に1回か2回ありましたね。(撮影では)『さーやらなくちゃ』『みんなやりましょう』ってスタジオに入っていく。あーママがいてくれるから一家ができているのだと思いました」

 ▽ドラマ「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」で共演した女優小林綾子 「『渡る世間は鬼ばかり』では厳しいお母さんだったと思いますけど、『おしん』では本当に朗らかで温かくて、その人柄が表れていた。楽屋はいつも人であふれていた。行くとほっとするような、すてきなお母さんでした」

 ◆主な参列者 石井ふく子、里見浩太朗、中村玉緒、大空眞弓、角野卓造、川崎麻世、植草克秀、太川陽介、長山藍子、東てる美、石黒賢、藤田朋子、佐久間良子、沢田亜矢子、森田順平、小林綾子 (順不同)

 

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