セ・リーグの新人王に輝いたDeNAの東克樹投手(23)が5日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、270%増の年俸5550万円でサインした。試合中のベンチで頬張る姿がすっかり代名詞(?!)となったバナナに囲まれ、「バナナ17万本ぐらい上げてもらいました」とおどけた。
最後までクライマックスシリーズ(CS)進出を争った巨人に6戦5勝した。両リーグの新人で唯一の2ケタ勝利となる11勝はリーグ4位タイ、防御率2・45は同2位、155奪三振は同3位。「予想以上の結果が残った。シーズンを通して投げられたのは自分でも驚き」と喜んだ。
一番印象に残っているのは勝てなかった9月28日の巨人戦。「順位の懸かった試合で菅野さんと投げられた。投げていて楽しかったし、日本球界のエースのすごさを感じられた」。左右の違いこそあれ、目指す頂の高さを肌で感じた。
来季、一番欲しいタイトルは「最高勝率」だ。今季の勝率6割8分8厘は1位タイだったが、13勝以上という規定を満たせなかった。「勝ちが多くて負けが少ない」、チームを勝たせられる投手を目指す。
そのためにも「開幕投手を狙っていきたい。チームの勢いを決める1戦目。自分が務める気持ちでキャンプからアピールしていきたい」と意気込む。オフは母校の愛工大名電高で鍛え直し、2年目のジンクスもはじき飛ばす。 (小林孝一郎)