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『グローバリズムのトリニティ①』三橋貴明 AJER2018.12.4
https://youtu.be/gbihwGhHhbo

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三橋TV第26回【人災を招く小泉政権の罪】

https://youtu.be/mywF4A62xl4


 フランスの反・グローバリズムのデモは、現在も続いています

 12月8日には4回目となる大規模デモが行われ、パリのシャンゼリゼ通りではデモ隊が投石。警官隊が催涙弾や放水で対抗するなど、騒然となりました。


装甲車、バリケード…フランスで4回目の大規模抗議デモ 700人以上を拘束
https://mainichi.jp/articles/20181208/k00/00m/030/142000c
 フランスで8日、燃料税の引き上げ方針をきっかけとした政府に対する4回目となる大規模な抗議デモがパリなどであった。普段なら多くの観光客であふれるパリの街も、装甲車が配備されるなど張り詰めた空気に包まれた。
 パリのシャンゼリゼ通りにはデモのシンボルである「黄色いベスト」を着た参加者ら約1500人が集結。一部が投石し、治安部隊が催涙弾や放水で応戦するなど騒然となった。ルーブル美術館前では、警察官らがデモに向かう若者らを呼び止め、危険物を所持していないか手荷物を厳しく検査。催涙ガス用のマスクを所持していた若者が拘束されていた。仏内務省によると、警察当局は暴力・破壊行為を準備した疑いで仏全土で700人以上を拘束した。 (後略)』


 フランス内務省によると、警察当局は暴力や破壊活動行為準備の疑いで、全土で700名以上を拘束したとのことです。


 デモ参加者は、マクロン政権に対し、燃料税引き上げ凍結のみならず、「高所得者層への富裕税再導入」や「最低賃金引上げ」なども要求しています。マクロン政権のグローバリズムのトリニティに対する国民の不満が爆発したことが分かります。


 ちなみに、「高所得者層への減税」は緊縮財政ではない、と思われたかも知れませんが、「グローバリズムのトリニティ」は富裕層、グローバル企業を富ませる目的で行われます。

 というわけで、富裕層や大企業に対しては「減税」という形で恩恵をもたらすのです。


  


 日本にしても、消費税でこれだけ一般国民に負担を強いておきながら、法人税が下げられていっています。これは、反・緊縮財政ではなく「規制緩和」に該当するのです。


 つまりは、「徴税という規制を緩和する」のでございます。


「富裕層に減税すれば、国内の消費が増え、国民経済が成長する」
「法人税を引き下げれば、国内の投資が増え、国民経済が成長する」


 という、いわゆるトリクルダウン理論に基づいているのです。富裕層や企業に対する「税金」という規制を緩和すれば、消費や投資が増え、経済は成長する。


 という「神話」なのですが、トリクルダウンなどまるで起きないことはご承知の通り。そもそも、トリクルダウンを栗にする人も、こんなバカげた理論は信じていません。


 単に、「自分たちの懐を豊かにするために、税金という規制を緩和しろ」と主張しても通らないため、富裕層減税や法人税減税を正当化するために考え出されたレトリックに過ぎません。


 本気で消費を増やしたいならば、富裕層ではなく低所得層を中間層に引き上げた方が、はるかに効果があります。消費性向(所得から消費に回る割合)が高いのは、富裕層ではなく低所得層なので、当然です。


 さらに、企業の投資を増やすことを望むなら、法人税は減税よりむしろ増税するべきです。何しろ、法人税は「利益を残すこと」に対する罰金なのです。


 利益への罰金が増えれば、企業は罰金逃れのために設備投資や人件費、交際費などを増やそうとします。消費や投資が増えれば、デフレ脱却です。


 デフレから脱却してしまうと、財政は改善。国民の懐も豊かになるため、グローバリズムのトリニティは説得力を失います。



 水道民営化、移民受入、社会保障の締め付け、種子法廃止、カジノ解禁など、「規制緩和」や「自由貿易」の裏側には、必ず「緊縮財政」が潜んでいます。

「水道管が老朽化したならば、政府が財政で交換すればいい」

     「緊縮財政だから無理。水道は民営化


「移民受入ではなく、政府が生産性向上のために支出、投資を拡大すればいい」

    「緊縮財政だから無理。人手不足は移民で解消

「医療費や医薬品が高くなったならば、国民皆保険の適用範囲を広げれればいい」       

    「そんなことをしたら財政が破綻する! 高額医療費、高額医薬品は保険適用外。心配なら(アメリカの)民間医療保険に入ればいい」


「国民の生命の源であるタネを守るために、政府がおカネを使うのは当然だ」
    「緊縮財政だから無理。種子法廃止でタネの価格を吊り上げ、民間のタネ会社のビジネスを拡大しよう


「デフレで民間が投資をしないならば、政府が公共投資を増やせばいい」
    「緊縮財政だから無理。民間投資を増やすために、カジノを解禁しよう

 と、全ての理由の大本には「緊縮」があるのです。そして、緊縮の裏には「財政破綻」という、存在しない問題が根を張っています。


 逆に言えば、グローバリズムのトリニティを推進するには、政府は緊縮でなければならず、そのためにはデフレで財政悪化を続けることが最も合理的なのでございます。


 安倍政権が、マクロン政権を上回るほどの露骨なグローバル化を進めています。我が国においても、反・グローバリズムを結集しなければならない時代が訪れたようです。


「反グローバリズムの結集が必要だ」に、賛同頂ける方は、↓このリンクをクリックを!

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  • ”反・グローバリズムの結集を(前編)”

     フランスでは燃料税増税に反対する国民が大規模なデモを行って新自由主義者であるマクロン大統領を糾弾しているようです。 新自由主義者であるマクロン大統領がやろうとしていることというのは、実は、同じく新自由主義者であるわが日本国の総理大臣である安倍晋三さんがやってきたこと、やろうとしていることとほぼ同じことであることを、評論家の三橋貴明さんが簡潔に説明しておられます。 労働法を改悪して労働者の非正規雇用化を促進したり、あるいは、労働者の保護規定を緩和したり、外国人労働者を実習生の名目で大量に入国させて、しかし、労働基準法の適用から外す、なんてことは、要するに雇用主である企業やその所有者である資本家に多大な利益をもたらすために行われたわけですね。 大量の外国人労働者を入国させて、低賃金労働をさせるいっぽうで、国保や健保への安易な加入を許し、失業した外国人労働者に生活保護の受給を認めれば、他方で緊縮財政政策によって社会保障費を削減している以上、国民皆保険制度は早晩、崩壊せざるをえなくなるでしょうし、生活保護制度も財政的に維持できなくなるでしょう。それを日本の製薬会社や保険会社は、利益獲得のチャンスとみなすでしょうし、日本だけでなく外資が黙って見ているわけもないでしょう。日本国民の命と健康が企業や資本家の利益のために差し出されたわけですね。  農地法を改悪して企業に農業への参入を許すとか、漁業権を企業にも開放する、あるいは、水道事業を民営化して企業の参入を許す、とかいうのは、国民の生存にとって不可欠な食料や水を企業や富裕層の金儲けのタネにしていいということですから、いずれ遠からず食料や水を買うことができなくなって、犯罪に走ったり、餓死する人が続出することは必至と見ていいでしょう。 かつてフランス人は、食料の価格が高騰して、パンが買えなくなった人たちが蜂起してブルボン王朝はすっ飛んでしまいました。フランス人には、国民の必要や要望に無関心な統治者なら、蜂起してすっ飛ばしてしまうようなガッツがあったし、今もあるだろうと思います。 昔の日本人だって、江戸時代の頃から主食である米が高騰して買えなくなれば、各地で民が蜂起して米屋や両替商なんかを襲撃しましたし、そうなれば、為政者も力づくで押さえつけるばかりでなく、民の不平や不満を解消しようと努力したわけです。 統治階級に属する者の中からさえ、大阪町奉行所の与力であった大塩平八郎は困窮する民を救おうともしない幕府に武装蜂起して抗議しましたから、日本人もまんざら捨てたものではないと思います。 しかるに、現代の日本人は、昔の日本人に比べて、まことにおとなしいもんですな。水や食料が買えなくなる、ということすら想像しようともせず、国民の生存を守るという使命を放棄した政府を大多数の国民は糾弾しようともしないんですからね。そんな人間の集団が果たして、持続可能なのか?はなはだ心もとないと言わざるを得ないでしょう。 水道民営化に失敗して、再び公営化に戻す例は少なくないそうです。しかし、安倍政権のもとで加盟し、発効を待つばかりのTPPにはラチェット条項というのが埋め込まれていて、ひとたび企業に有利な規制の緩和をしたら、もう元には戻せないことになっていて、TPP発効後は、いくら民間企業が水道事業で失敗しても、もはや公営化に戻すことができません。 現代日本における稀代の論客であられる中野剛志さんは、京都大学で行われた「グローバル資本主義を超えて」と題するシンポジウムの冒頭、「没落について」と題して、「日本の没落は、もはや何をどうしようが止めることはできない」と述べて、一切の気休めや楽観論を厳しく拒んでおられます。ネットでも配信されているのでぜひ視聴されることをお勧めします。 安倍政権がこれまでやってきたことを一枚の紙にならべて書いてそれを眺めたら、中野剛志さんがなぜ、一切の気休めや楽観論を厳しく拒んで日本の没落は必至だと述べたのか、その理由が理解できると思います。 中野さんは、滅びへと定められた道をなぜ人は引き返すことができないのか?というと、失敗を認めてやり直すには、莫大なコストを支払わなくてはならず、そのコストがあまりにも莫大であるがゆえに、滅びるとわかっていても引き返すことが困難だからだ、と語っておられます。 ただし、人間のやることに絶対はありません。棚ぼたのような奇跡的な幸運は期待するべきではないと思いますが、中野さんの洞察を言い換えれば、いかに莫大なコストであろうと、それを支払う覚悟さえあれば滅びるとわかっている道から引き返すことはかならずしも不可能ではない、ということになるだろうと思います。 もっともそれには、小賢しい損得勘定を超越して、なんとしてでも没落は回避する、という断固たる決意と高貴な蛮勇とを必要とするだろうとは思いますが。それが現代日本人にできるのか?ということが問われているんだろうと思います。

    ソウルメイト

    2018-12-08 23:23:48

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