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 島本町の山田紘平町長(34)は5日、多数の待機児童が見込まれるとして「保育緊急事態宣言」を出した。宅地開発が続く一方で保育所の整備が追いつかず、現状のままだと数年後に300人前後の待機児童が出ると予測している。

 

 現在町内の保育所・小規模保育事業所は公立2カ所、民間4カ所で定員は計644人。町は臨時的に今年度の定員を100人増やしたが、今年3月末の時点で81人の待機児童が出た。

 

 町内では大型マンションの新築ラッシュが続き、今年度中に800戸近くに入居が予定されている。さらにJR島本駅近くでも大規模な宅地開発が計画されており、未就学児の激増が見込まれている。

 

 町は、保育所の利用希望者が来年度900人を超え、2024年度に1千人を突破すると推計。現状の定員644人を維持すれば「300人近い待機児童が出るおそれがある」(町子育て支援課)。しかも、町立第四保育所は未耐震。このため町は、小規模保育所や民間保育所の誘致を進め、21年度内に最大1020人の受け入れを可能とする計画を立てた。

 

 6歳の子どもを育児中の山田町長は朝日新聞の取材に、「対応が追いついていないことを深くおわびしたい」と述べ、町内への移住希望者には「充実した保育サービスを提供したいが、現状を理解したうえで転入してきてほしい」と話している。