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【一般スポーツ】

世界の頂点へ薬師寺保栄を追う ボクシング期待の19歳・森武蔵

2018年12月7日 紙面から

初のチャンピオンベルトを手にガッツポーズの森武蔵(右)と薬師寺保栄会長=名古屋市中区の薬師寺ジムで(志村拓撮影)

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 2019年は世界に照準!ボクシングの昨年のスーパーフェザー級全日本新人王・森武蔵(19)=薬師寺=が、11月25日に愛知県刈谷市で行われたWBOアジアパシフィック(AP)フェザー級タイトルマッチで、王者リチャード・プミクピック(28)=フィリピン=に5回負傷判定(2-1)勝ち。史上最年少で同級王座を奪取した。人生初のチャンピオンベルト獲得により、世界ランキング入りも確定的。前王者との再戦をKO勝ちして「海外でもチャンスがあれば」と世界タイトルへ臨戦態勢に入る。

 リングに上がったのは18歳363日。森が左ボディー一閃(いっせん)で、WBOアジアパシフィック・フェザー級王座を同級史上最年少でもぎ取った。自ら一足早く19歳を祝う快勝だった。

 様子見を終えた3回、自慢の左をたたき込み、王者プミクピックをもん絶させた。流れをグッと引き寄せたが5回、王者が額から激しく流血して負傷判定に持ち込まれる予想外の結末。2-1での白星に「(判定と)分かってたら、最初から倒しにいったのに」と不完全燃焼だったが最後は、人生初のチャンピオンベルトを笑顔で掲げた。

 8戦8勝5KOとしたホープは、王座獲得で世界ランキング入りが確実。世界戦線へ名乗りを上げるため、薬師寺保栄会長(50)=元WBCバンタム級王者=からはKO指令が出された。舞台は来年3月にも行う次戦。プミクピックとの再戦が濃厚だ。

 薬師寺会長も似た道を通ってきた。1993年12月、WBCバンタム級王座を奪取した一戦は、同じ2-1の判定勝ち。「『疑惑の判定』って周りから言われましたね。だからこそ、再戦は何が何でもKOって思いでした」。7カ月後のV2戦で有言実行してみせた。

 熊本県菊池市出身の森は、元世界王者の自身を慕って同市泗水中卒業の翌日、単身名古屋にやって来た秘蔵っ子。伸びしろを信じるから「白黒をはっきりさせ、自信にしてもらいたい」と期待を込める。

 KO勝ちで“追試”をクリアすれば「武蔵にはいつでも世界戦をやれる体、気持ちでいてもらう」と薬師寺会長。もちろん、森も直近2戦が判定勝ちとあって「次はKOを狙って、欲を出す」と覚悟はできている。

 真新しいベルトを手に「このタイトルでチャンピオンと呼ばれることに、満足していられない。海外でも(世界戦の)チャンスがあれば」。目標はまだ先にある。 (志村拓)

 ◆久田が日本王座返上 日本ボクシングコミッションは6日、久田哲也(34)=ハラダ=が5日付で日本ライトフライ級王座を返上したと発表した。世界挑戦を目指すため。

 

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