巨人は6日、マリナーズを今季限りで退団した岩隈久志投手(37)と来季契約を結ぶことで合意したと発表した。後日、正式に契約を締結し、会見を開く。岩隈は2011年以来の日本球界復帰となる。
覇権奪回へ大型補強を推し進める巨人が、日米通算170勝右腕の獲得に成功した。原辰徳監督(60)は「非常に強い味方が1人、チームに加わったという感想です。今まで培ったキャリアを胸に、思い切ってジャイアンツで戦ってもらいたい」とコメントを発表した。
岩隈は9月にマリナーズを退団。以降、巨人は水面下で獲得調査を進めていた。複数球団が興味を示し、古巣の楽天も復帰へ向けた交渉を進めていることを明らかにしていた。
原監督にとって岩隈は2009年のWBCで監督と選手としてともに戦い、世界一を勝ち取った縁がある。「いろんな意味で岩隈とは信頼関係があると自負しております」。右腕の持つ実績、能力を熟知し、高く評価している。
今オフはビヤヌエバ、中島、炭谷、丸と“大物”を続々と獲得してきているが、投手の補強は岩隈が初めてとなる。今季、チームの2桁勝利は菅野のみ。先発の駒不足解消も課題で、指揮官は「私の中ではスターター一本で」と先発の一角として期待した。
昨年は右肩の炎症などで0勝2敗に終わり、9月には右肩を手術。今季もメジャー登板はかなわなかったが、このオフも復帰へ向けて日本で順調に練習を重ねていた。先発の一枚としてはもちろん、多くの経験を積んだ右腕が若手への刺激、手本になることは間違いない。